ハイブリッド車とは?仕組みやメリット・デメリットを解説

カーライフ
  • 投稿日:2023/01/24
  • 更新日:2023/01/24
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ハイブリッド車に買い替えを検討しているが、ハイブリッド車とはどのような車で、どんなメリットやデメリットがあるか知らないという方もいるでしょう。ハイブリッド車とはガソリンで動くエンジンと電気で動くモーターの2つの動力源を持つ車を指します。

この記事では、ハイブリッド車の詳しい仕組みからメリット・デメリットまでを詳しく解説します。

ハイブリッド車の仕組み

ハイブリッド車の仕組みは、主に次の1〜5の繰り返しで動いています。

1.モーターで発進
2.バッテリーで動力補助しながら加速
3.エンジンとモーターを使い分けながら通常運行
4.減速時、モーターでバッテリーに電力を蓄える
5.停止時エンジンが自動で止まる

上記のように、走るスピードに合わせエンジンとモーターがそれぞれの役割を果たし、苦手なところは交代しながら走行します。

エンジンは1回燃料補給すると長距離を走れ、安定した速度で進むことが上手です。一方でモーターは、初動の働きと静寂性に優れます。例えば発進時や下道徐行の状況で電気モーターが動き、高速道路の比較的スピードが出る場所はエンジンで走行します。

最初は電気モーターで動き、速度が出たところでエンジンに切り替え、休む間にバッテリー内の電気を貯めるというように、交代しながら走ります。

ハイブリッド車のメリット

次に、ハイブリッド車のメリットを紹介します。主なメリットは以下の5点です。

・燃費が良い
・環境に優しい
・減税、免税対象
・静かな走行
・エンジンの寿命が長い

それぞれ詳しく説明します。

燃費が良い

ハイブリッド車は、燃費効率の良さがメリットです。そのため、同じガソリンの量でも走行できる距離が長くなっています。運転速度に合わせ適宜電気駆動へと変わるため、無駄なエネルギーを使いません。

例えば、トヨタのヤリスはガソリン車の場合1Lあたり20.2kmの走行距離に対し、ハイブリッド車は35.4〜35.8kmです。ガソリンで動くエンジン車と一部電気がサポートするハイブリッド車では、ガソリンの補充時期に差が出ます。

燃費の良いことでスタンドへ行く回数が減り、節約になる点がメリットです。

環境に優しい

ハイブリッド車は、環境に優しいというメリットがあります。主にガソリンを使う機会が減ることが理由です。ガソリンの燃焼にあたって出る二酸化炭素の排気ガスを抑えます。

減税、免税対象

ハイブリッド車は、減税、免税対象になります。国土交通省が整備した燃費と排出ガスの基準量を満たせば、税制が優遇されます。例えば、環境性能割では、発生する自動車税の金額は排気量に左右されます。

ハイブリッド車は環境配慮型税制(グリーン化)で、新車新規登録の翌年度1年間の税率が下がります。また、エコカー減税にて車検時の自動車重量税が軽減もしくは免税されます。

静かな走行

ハイブリッド車は、エンジンによる騒音が軽減されるため、静かな走行ができるというメリットがあります。

エンジンの寿命が長い

ハイブリッド車は、比較的エンジン寿命が長いといえます。動力源に電気モーターもあるため負荷が分散され、同じ走行距離でもエンジン使用時間が減り消耗を抑えられます。

エンジンは車の核となる部分で、故障すると修理に費用がかさむだけでなく、場合によっては交換が必要となります。エンジン寿命が長いと、余分なコストをかけず愛車に長く乗ることができます。

ハイブリッド車のデメリット

長所が盛り沢山のハイブリッド車ですが、一方でデメリットもあります。主なデメリットは以下の4点です。

・高額
・バッテリーの寿命
・走行音が静かすぎる
・車内スペースが狭い
・短所を知ると心構えや対策を練ることができるため、順番に確認していきましょう。

高額

ハイブリッド車は、エンジン車と比べ高額になりやすいことがデメリットと言えます。専用の制御システム搭載や大容量バッテリー、モーターを積むために、多額のコストがかかっているからです。

維持費はエンジン車と比べカットできますが、入手時の価格はハイブリッド車の方が高くなる傾向にあります。

バッテリーの寿命

ハイブリッド車は、利用方法次第では駆動用バッテリーの寿命が懸念となります。酷使しすぎると劣化スピードが早まり交換が必要になるケースがあります。ハイブリッド車の駆動用バッテリーの交換は高額になるため、無理のない利用を心がけましょう。

とは言え、近年では技術向上により、通常の使い方でほぼ問題ないと言われています。

走行音が静かすぎる

走行音が静かなハイブリッド車のメリットが、デメリットにもなります。例えば、エンジン車であればエンジン音で歩行者にも接近していることが伝わります。しかし、ハイブリッド車は静かなため、接近していることに歩行者に気づかれない可能性があります。

ハイブリッド車の静かさを念頭に置き、注意を払いながら運転に臨む必要があるでしょう。

車内スペースが狭い

ハイブリッド車はエンジン車と比べ、車内スペースが狭くなります。エンジンの他に、座席下にモーター駆動用のバッテリーが設置されているため、車内が窮屈に感じてしまう可能性があります。

ハイブリッド車購入時の注意点

ハイブリッド車の購入時に、気を付けた方が良い点はあるのでしょうか。後悔しない買い物ができるように、以下で詳しく解説します。

バッテリーを確認

まずは、購入前にハイブリッド車のバッテリーを確認しましょう。なぜなら、発進時やモーターのアシストもバッテリーによって行い、動きの機敏さはバッテリーの状態に左右されるからです。

過去の利用方法が劣悪であれば、年数が比較的浅くてもバッテリーが劣化している可能性があり要注意です。交換には20万円以上かかる場合もあるため、事前にチェックしておいた方が良いでしょう。

ブレーキや足回り

ハイブリッド車の購入前には、足回りのチェックも忘れないようにしましょう。ハイブリッド車はガソリン車と比較して、モーターを搭載する分、車両が重くダンパーやサスペンションなどの足回りへ負荷がかかりやすいからです。故障による事故を防ぐためにも、不備が無いかの確認が重要です。

ハイブリッド車を選ぶポイント

ハイブリッド車を選ぶポイントも押さえると賢く購入できます。大切な項目は、次の通りです。

・燃費性能
・乗り心地
・ハイブリッドの種類

それぞれ詳しくチェックします。

燃費性能

燃費性能とは同じエネルギーで走れる距離の、スペックを指します。燃費性能はWLTCモード燃費とJC08モード燃費で表記されているのが一般的です。

WLTCモード燃費は世界中で広く使われている指標で実燃費に近いとされています。高速道路や郊外、市街地など3つの走行モードで測定されている数値を指します。

JC08モード燃費は、日本で生み出された独自の方法で、実燃費と2〜4割の差異があると言われていますので参考程度に確認すると良いでしょう。

WLTCモード燃費とJC08モード燃費は、公式サイトやカタログに「km/L」の表記で記載されています。例えば35.0km/Lと書かれていれば、1L(リッター)で35.0km走れることがわかります。より正確な燃費性能を確認したい方は、WLTCモード燃費の確認がおすすめです。

乗り心地

ハイブリッド車を選ぶ際は、乗り心地も大切です。エンジン車から乗り換える場合、乗り心地が大きく変わる可能性があります。ハイブリッド車はスタート時の加速力や静かさに優れ、振動もエンジン車に比べて少なくなります。快適なカーライフのためにも、事前に試乗運転で確かめましょう。

ハイブリッドの種類

ハイブリッド車の種類も、注目すべきポイントです。主に以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

・ストロングハイブリッド
・プラグインハイブリッド
・マイルドハイブリッド

一般的なハイブリッド車を示すのがストロングハイブリッドで、電気自動車に類似したプラグインハイブリッド、最もメジャーな仕組みがマイルドハイブリッドとなっています。詳しくは、次の章で解説します。

ハイブリッド車は大きく分けて3種類

ハイブリッド車を選ぶポイントは、燃費性能と乗り心地、種類が大切とお伝えしました。大きく分けて3種類のハイブリッド車をさらに詳しく解説します。

ストロングハイブリッド

ストロングハイブリッドは、大きく分けると次の3種類です。

・シリーズ方式
・パラレル方式
・スプリット方式

シリーズ方式はエンジンはあくまでも発電装置で、モーターのみで走ります。2つは完全に独立しておりバッテリー残量に余裕があればエンジン停止もできるため、静かで、乗り心地はEV(電気自動車)に近いです。

パラレル方式はモーターはサポート役で、エンジンがメインで動きます。急加速などよりパワーが必要な時にバッテリーからの電気でモーターが駆動し補助する方式です。比較的軽くスペースに余裕ができることが特徴です。

2つの合算がスプリット方式で、エンジンとモーターを必要に応じて使い分けできる方式です。発進や低速時はモーター、通常走行時はエンジンと言ったように走行に合わせて動作することが可能です。

プラグインハイブリッド

プラグインハイブリッド(PHV)車はPHEVと名付けるメーカーもあり、外部充電機能を装備し電気のみ走行することができます。バッテリーも大容量でEVの航続距離も長くなります。普段は電気だけで走り、加速もスムーズで遠出の際はガソリンと組み合わせたドライブが可能です。

マイルドハイブリッド

マイルドハイブリッドは、モーターの出力が控えめで搭載するバッテリーも小さくなるのが一般的です。おもに軽自動車で採用されることが多いハイブリッドシステムです。車両価格を抑えながら燃費を向上できるメリットがあります。

まとめ

この記事では、ハイブリッド車の仕組みやメリット・デメリットを解説してきました。ハイブリッド車とは複数の動力源を持つ車で、走るスピードに合わせエンジンとモーターを切り替えながら走行します。

ハイブリッド車を購入する際は、バッテリーやブレーキ、足回りをチェックしましょう。選ぶポイントは燃費性能と乗り心地、ハイブリッドの種類に着目することです。この記事を参考に、あなたにぴったりなハイブリッド車を見つけましょう。

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