電気自動車の購入を検討されている方には、充電に掛かる料金や電気代を気にしている人も多いのではないでしょうか。電気自動車の充電には様々な方法やメーカーごとの料金の違いがあるため、安く充電料金を抑えるためには一定の知識が必要です。
そこで、本記事では充電スタンドの利用料金や費用相場、料金プランの事例や安く充電するコツなどをご紹介します。ガソリン車との燃費比較もしておりますので、電気自動車の購入を考えている方は、ぜひ確認してみてください。
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目次
充電スタンドの利用料金
電気自動車の充電には自宅での充電の他に、充電スポットにある充電スタンドを利用することもできます。利用料金は充電ごとに掛かる都度利用料金と月額費用があるため、それぞれ確認しておきましょう。
時間ごとの料金目安
一般的には、充電スタンドの利用料金は、時間単位や充電量に基づいて計算されます。例えば、時間単位での料金設定の場合、充電スタンドごとに1時間あたりの利用料金が設定され、充電時間に応じて利用料金が計算されます。充電量に基づく料金設定の場合は、充電した電力量に応じて利用料金が計算されます。
また、充電速度や充電方式によっても利用料金が異なることがあります。例えば、急速充電には高速充電に比べて高い料金が設定されている場合があります。
充電時間帯によっても利用料金が異なることがあります。一般的に、ピーク時には利用料金が高く、深夜や早朝などの時間帯には利用料金が安くなる場合があります。
時間ごとの目安の金額は下記のようになっています。
・普通充電器 → 約80円~170円/時間
・急速充電器 → 約260円~700円/時間
電気自動車の充電スタンドの利用料金は多様であり、詳細な情報は各充電スタンドのウェブサイトやアプリ、または現地に設置された案内板などから確認することができます。
月額費用の目安
一部の充電スタンドでは、月額固定料金を支払うことで、一定時間内に何度でも利用できるプランが提供されている場合があります。これは、頻繁に電気自動車を利用する人にとっては便利なプランであり、充電料金を節約することができる場合があります。
ただし、月額固定料金のプランには、充電時間や充電量に制限がある場合があるため、充電スタンドごとに異なる詳細な利用条件を確認する必要があります。また、月額固定料金プランが提供されていない充電スタンドもあります。
ここで、月額の電気自動車の充電料金目安を確認してみましょう。
・普通充電器の月額 → 約500円~2,500円
・急速充電器の月額 → 約1,500円~5,000円
・その他入会金や登録料 → 約1,500円
充電スタンドの利用料金は、充電時間や充電量に基づいて計算されるため、月額固定料金を支払わなくても、充電料金を抑えることができる場合があります。利用頻度や充電量に合わせて、最適な利用プランを選択することが重要です。
充電の必須アイテム!充電認証カードについて
充電認証カードは、電気自動車の充電スタンドを利用する際に必要なカードで、充電スタンドでの認証や決済を行うために使用されます。
一般的には、各充電スタンドを提供する会社が発行しており、利用者は充電認証カードを取得してから、充電スタンドを利用することができます。
充電認証カードには、利用者の情報や登録したクレジットカードなどが登録されており、充電スタンドでの認証や決済が行われます。また、一部の充電認証カードには、利用履歴の確認や充電スタンドの検索機能などが付加されている場合もあります。
充電スタンドの利用には充電認証カードが必要
電気自動車の充電の際には、大抵の充電スポットで充電認証カードが必要です。無くても充電できるスポットは存在しますが、料金が割高になるため持参しておきましょう。
充電認証カードは、自動車各メーカーや電力会社などが出資している会社が発行しています。主に下記のような会社が発行を行っています。
◾️国内の電力会社や関連会社
・東京電力エナジーパートナー(TEPCO EP)
・中部電力エナジーパートナー(CHUBU EP)
・関西電力エナジーコム(KEPCO EC)
・北陸電力エナジーサポート(HOKURIKU EP)
・九州電力エナジーソリューションズ(KYUSHU EP)
◾️電気自動車向け充電インフラを提供する会社
・NTTグループのNissan EV Power
・PanasonicのPanaHome
・チャデモ協会
◾️トヨタ、日産、ホンダの提供するカード
・トヨタの「トヨタグリーンカード」
・日産の「Nissan Charging Card」
・ホンダの「Honda Link Charging Card」
※2023年3月時点の情報。
一方、最近ではスマートフォンアプリやQRコードを使った認証・決済が可能な充電スタンドも増えており、充電認証カードが必要ない場合があります。スマートフォンアプリやQRコードを使った認証・決済に対応した充電スタンドでは、アプリをダウンロードするか、QRコードを読み取って充電スタンドを利用することができます。
充電スタンドの利用に必要な充電認証カードや認証方法については、充電スタンドの提供するプランや利用条件を確認することが重要です。充電スタンドのウェブサイトやアプリから、詳細な情報を確認することができます。
充電サービスの料金プラン例
大手電力会社やトヨタ、日産、三菱などが出資して設立したe-Mobility Power(旧NCS)の場合ですと、料金プランは以下のようになっています。
<急速充電プラン>
月会費(税込)・・・4,180円/月
都度利用料金(税込)・・・急速16.50円/分(1回30分まで)
<普通充電プラン>
月会費(税込)・・・1,540円/月
都度利用料金(税込)・・・普通2.75円/分
<急速・普通併用プラン>
月会費(税込)・・・4,620円/月
都度利用料金(税込)・・・急速16.50円/分(1回30分まで)、普通2.75円/分
※2023年3月時点の情報です
※その他、初回に登録手数料が掛かります。プラン変更や解約時にも料金は掛かるため詳細はご確認ください。
充電スタンドの利用料金を抑えるには?
充電スタンドの利用料金を安く抑えるためのいくつかの方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
オフピーク時間に充電する
電力会社によっては、深夜や早朝などのオフピーク時間帯に充電することで、利用料金が割安になるプランを提供している場合があります。このプランを利用することで、充電スタンドの利用料金を安く抑えることができます。
充電認証カードの割引プランを利用する
充電認証カードの発行会社によっては、割引プランを提供している場合があります。たとえば、一定期間内に充電スタンドを何回利用すると、利用料金が割引になるプランや、特定の日に限定して利用すると割引が受けられるプランなどがあります。
充電スタンドの無料サービスを利用する
一部の充電スタンドには、無料で充電することができるサービスがあります。たとえば、ショッピングモールやレストランなどの施設内に設置された充電スタンドや、自治体が設置した公共の充電スタンドなどが該当します。
自宅で充電する
充電スタンドを利用するよりも、自宅に充電設備を設置して自宅で充電することで、利用料金を安く抑えることができます。ただし、充電設備の設置には費用がかかる場合があるため、自宅での充電を検討する場合は、事前に費用や設置方法について調べておくことが重要です。
これらの方法を組み合わせることで、より効果的に充電スタンドの利用料金を安く抑えることができます。
自宅で充電する場合の料金
一般的に、自宅で充電する方が充電スタンドよりも安くなる傾向があります。ただし、実際には様々な要因によって異なるため、一概にどちらが安いとは言えません。次に、自宅充電について見ておきましょう。
自宅充電の場合の費用相場
自宅充電は加入している電力会社やプランで料金が変わります。具体的な事例を挙げると、東京電力エナジーパートナーのプランでは下記のようになっています。
<料金プラン:スタンダードS>
・基本料金(10Aにつき) 295.24円
・電力量料金(1kWh)
(1)~120kWhまで → 19.91円/1kWh
(2)121kWh~300kWhまで → 26.49円/1kWh
(3)301kWh~ → 30.60円/1kWh
※2023年4月現在
<料金プラン:プレミアムS>
・基本料金(10Aにつき) 295.24円
・電力量料金
(1)定額料金(~400kWhまで) → 9,891.63円
(2)従量料金(401kWh~) → 29.61円/1kWh
※2023年4月現在
スタンダードSは3段階の従量料金制、プレミアムSは400kWhまでは定額で超過時は従量料金となります。
自宅充電の具体的な費用例
例えば、日産リーフ(バッテリー容量40kwh)をスタンダードSプランでフル充電した場合、下記のようになります。
電気使用量 | 従量料金 | 充電容量×従量料金=充電料金 |
~120kWhまで | 19.91円/1kWh | 40×19.88=796.4円 |
121kWh~300kWhまで | 26.49円/1kWh | 40×26.49=1,059.6円 |
301kWh~ | 30.60円/1kWh | 40×30.60=1,224円 |
日産リーフ(バッテリー容量40kwh)の場合、おおよそ800〜1,250円でフル充電が可能です。
電気自動車のバッテリー容量や契約している電力会社のプランによっても変わってくるところではありますが、おおよその目安としてはイメージしやすいのではないでしょうか。
また、フル充電の料金は「バッテリー容量×1kWあたりの料金」で計算することができます。
自宅充電の料金を安く抑えるには?
自宅で充電する場合に、費用を安く抑える方法をいくつか紹介します。
電気料金プランの見直しをする
自宅で充電する場合には、電気代が大きな費用になります。電気代を安く抑えるためには、自分の家庭での電気使用状況に合った電気料金プランを選ぶことが重要です。電力会社によって、夜間や休日の電気使用に対して割引を行うプランがある場合もあるので、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。
東京電力エナジーパートナーのスマートライフSの料金例を紹介します。
<料金プラン:スマートライフS>
・基本料金(10Aにつき) 295.24円
・電力量料金(1kWh)
(1) 午前6時~翌午前1時 → 25.87円
(2)午前1時~翌午前6時 → 18.37円
※2023年4月現在
充電時間を考える
自宅で充電する場合、充電時間帯によって料金が異なる場合があります。夜間や深夜帯は電気代が安い傾向がありますので、これらの時間帯に充電することで費用を抑えることができます。
充電器の効率を考慮する
充電器の効率が高いものを選ぶことで、充電に必要な電気量を減らすことができます。また、充電器の消費電力を抑えるために、充電が完了したら充電器を抜くことも効果的です。
太陽光発電を利用する
太陽光発電を導入することで、自宅で使用する電力を自給自足することができます。太陽光発電で発電した電力を利用して自宅で充電することで、充電費用を安く抑えることができます。
充電料金とガソリン料金を比較
電気自動車に掛かる充電料金と、ガソリン車に掛かるガソリン代では、どちらが高いのか?気になりますよね。そこで2つの燃費を比較してみました。:1ヶ月の料金を比較
下記の条件で1ヶ月の走行距離を833kmとして料金を比べてみます。※833km=年間1万キロ走行する場合の1ヶ月の走行距離
● 電気自動車:リーフ(日産自動車)※8.0km/1kWhで計算
● ガソリン車:ヴェゼル(ホンダ)※燃費は約15km/Lで計算
● ガソリン代:160円/Lとする。
● 電力プラン:東京電力エナジーパートナーのスマートライフS
<電気自動車(リーフ)>
・自宅充電(深夜充電のみ)→ 約1,913円
・自宅充電(日中充電のみ)→ 約2,694円
<ガソリン車(ヴェゼル)>
・160円/Lの場合 → 8,884円
どちらが安い?
一般的に、電気自動車の充電料金はガソリン車のガソリン代よりも安くなる傾向があります。ただし、充電料金やガソリン代は、使用する車種や地域によって異なります。
電気自動車の場合、充電に必要な電気代は、電力会社や充電スタンドによって異なりますが、一般的には1kWhあたり数円から10円程度です。一方、ガソリン車の場合、ガソリン代は、車種や燃費性能、地域のガソリン価格などによって異なりますが、一般的には1リットルあたり100円から200円程度です。
電気自動車の場合、燃費が良いとされる車種であっても、ガソリン車よりも燃費が良い傾向があります。これは、電気自動車のモーターが効率的に動作するため、エネルギーの損失が少なくなるためです。また、充電スタンドを利用する場合でも、充電スタンドの料金プランによっては、充電料金を安く抑えることができます。
一方、電気自動車にはバッテリー交換や修理、バッテリーの寿命など、ガソリン車にはない独自のコストがかかることがあります。また、電気自動車は、一度の充電で走行できる距離が限られているため、充電スタンドでの待ち時間や、充電のための時間配分などの時間的制約もあります。
総合的に考えると、電気自動車に掛かるコストは、ガソリン車に比べて安くなる傾向があると言えます。ただし、車種や地域、利用状況によって異なるため、具体的な金額については、車種や充電スタンド、ガソリンスタンドなどの情報を調べて比較することが必要です。
まとめ
今回は、電気自動車の充電料金の紹介や電気自動車とガソリン車のコスト比較を行いました。
電気自動車は自宅充電器の設置や充電認証カードの発行などの手間やコストはありますが、長期的に見るとガソリン車よりも燃費が良いと言えそうです。
購入する際には、充電料金相場なども見ながら、どの程度の費用が必要か検討してみてください。充電認証カードも様々なものがありますので、自身に合ったプラン内容を選んでみましょう。