新しい車の持ち方として注目される「カーリース」。月々定額でお得、といわれることが多いですが、実際の料金を見て「カーリースって高い」という印象を持つ方も多いと思います。そのため「結局は購入した方がいいのでは?」と迷うこともあるかもしれません。
この記事では、カーリースの「高い」イメージが本当なのか、ホンダ「N-BOX」を例にシミュレーションして購入と徹底比較します。そのうえでカーリースがお得といえるポイントやどんな方に向いているのかもみていきましょう。
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目次
カーリースは高い?購入と比べた費用シミュレーション
さっそくですが、軽自動車人気トップを誇るホンダ「N-BOX」のベースグレード2WD車で、カーリースを利用したときとカーローンまたは現金一括で購入したときの費用を、初期費用と維持費に分けてシミュレーションしてみましょう。
初期費用の比較
以下の表は、初期費用についてのシミュレーション結果をまとめたものです。
【シミュレーション車種】
ホンダ N-BOX ベースグレード2WD
車両本体価格:168万9,600円
カーリース | ローン購入 | 一括払い購入 | |
---|---|---|---|
車両代金または頭金 | なし (月額料金に含まれる) |
30万円 | 168万9,600円 |
登録諸費用 | なし (月額料金に含まれる) |
11万1,600円 | 11万1,600円 |
合計 | 0円 | 41万1,600円 | 180万1,200円 |
※金額は2024年10月31日時点、ホンダ「N-BOX」セルフ見積もりにて算出
※11月登録の前提
現金一括購入よりも負担を抑えて車を手に入れる方法としては、カーローンがこれまでの第一選択肢でした。ただしカーローンでは、車両本体価格の30%程度の頭金を求められることもあります。結果、登録諸費用と頭金の合計で40万円以上の初期費用が必要であり、これは決して小さな金額ではありません。
中には頭金が不要なローンもありますが、その場合でも車両登録に必要な諸費用は最初に支払いを求められ、ローンにまとめられないことがほとんどです。そうなると頭金なしの場合でも10万円を超える費用を用意しなければならず、完全に初期費用なし、というわけにはならないのです。
その点カーリースでは頭金不要で利用できることに加え、登録諸費用も月額料金に含まれています。初期費用0円でカーライフが始められるのはカーリースのみであり、圧倒的にカーリースがお得であることがわかります。
月々の支払い・維持費の比較
次に、月々の支払いや維持費についても比較してみましょう。カーリースの利用期間、カーローンの返済期間はともに5年で、カーローンにおいては頭金やボーナス払いは使用しない前提としています。
【シミュレーション車種】
ホンダ N-BOX ベースグレード2WD
車両本体価格:168万9,600円
カーリースの場合 | ローン購入の場合 (実質年率4.9%) |
一括払い購入の場合 | |
---|---|---|---|
月額リース料 / ローン返済額 | 3万1,000円 | 3万1,800円 (初回のみ3万2,199円) |
0円 |
オイル交換 (年2回実施) |
無料 (月額料金に含まれる) |
約4万6,000円 (約4,600円/回) |
約4万6,000円 (約4,600円/回) |
車検費用 (法定費用含、2回) |
無料 (月額料金に含まれる) |
約9万円 (約4万5,000円/回) |
約9万円 (約4万5,000円/回) |
軽自動車税種別割 (初年度を除く4年) |
無料 (月額料金に含まれる) |
4万3,200円 (1万800円/年) |
4万3,200円 (1万800円/年) |
5年間合計 | 186万円 | 219万9,199円 | 17万9,200円 |
月額平均 | 3万1,000円 | 3万6,653円 | 2,986円 |
※カーリースの月額料金は例として「carsマイカー定額」を使用
※カーローンの返済額は2024年10月31日時点、ホンダ「N-BOX」セルフ見積もりにて算出
※オイル交換費用は総務省統計局の小売物価統計調査(2024年9月)より
※車検費用は車検専門店を利用した場合の概算
カーリースの月額料金とカーローンの月々の返済額に大きな差はありません。ただし、そのほかの車検や税金などの費用に注目です。
カーリースではメンテナンスや車検、税金などの維持費が月額料金に含まれているため、月額料金以外の費用はかかりません。対して、カーローンはその都度出費が発生します。
カーローンの場合はカーリースと同程度の金額を返済しながら、さらに車検やメンテナンスの費用を別途用意しなければならず、家計の負担はより重くなるのです。一括購入においても車検時に特に大きな出費が発生するため、タイミングによっては費用の捻出に頭を悩ませることになるかもしれません。
対してカーリースなら、ずっとフラットな支払いでカーライフが維持できます。車検や納税時期になって、金銭的なことを心配する必要がありません。
つまり、カーリースは初期費用の負担がなく、さらに契約中ずっと同じ金額で乗れて突然の出費がない、家計に負担がかかりにくいお得な車の乗り方といっていいでしょう。
タイプ別のカーリース月額料金の目安
カーリース料金は、車種によって大きく異なります。ここでは、5年契約、メンテナンスなしのプランの月額料金(月々均等払い)の目安を紹介します。
軽自動車の場合・・・約2万円〜
軽自動車は排気量やボディサイズが規制されているため普通車よりも車両本体価格が安いケースが多く、カーリースにおいても比較的リーズナブルな料金で利用できるのが魅力です。
軽自動車にもさまざまなタイプがありますが、最も安く利用できるのがセダンタイプで、ダイハツ「ミライース」やスズキ「アルト」などが挙げられます。
今回シミュレーションで使用したN-BOXやスズキ「スペーシア」、三菱「デリカミニ」といった人気の軽スーパーハイトワゴンは軽自動車の中では高額な傾向があり、コンパクトカーを超える料金設定のモデルも存在します。
コンパクトカーの場合・・・約3万円〜
5ナンバーの小型自動車や、3ナンバーであってもメーカーが「コンパクトカー」と位置付けるモデルは総じて運転しやすいサイズ感で取り回しがしやすく、日本の道路事情に適しているため人気があります。
そのため各メーカーが充実したラインナップを誇り、さまざまなタイプから好みの1台を選べます。代表的なモデルとしてはトヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」といったコンパクトカーのスタンダードモデル~、トールワゴンのスズキ「ソリオ」やトヨタ「ルーミー」、SUVタイプのダイハツ「ロッキー」などが挙げられるでしょう。
セダンの場合・・・約3万円〜
高級感があり、長距離ドライブも快適なセダン。今ではSUV人気に押されて少なくなりましたが、それでもトヨタ「カローラ」やマツダ「マツダ3セダン」などは変わらぬ人気を誇ります。
カーリースなら、高級モデルの代名詞ともいえるトヨタ 「クラウン セダン」などの上級モデルにも定額制で乗ることが可能です。
ミニバンの場合・・・約4万5,000円〜
トヨタ「ノア」や日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」といったファミリー向けの定番モデルなら、5年契約で4万5,000円程度~が相場でしょう。
ミニバンでもコンパクト分類のトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」であれば、もう少し月額料金は抑えられます。
SUVの場合・・・約4万3,000円~
SUV人気は高まる一方といえ、コンパクトタイプからラグジュアリーなものまで、個性豊かなモデルがそろいます。
セダンからの乗り換え需要も満たす、比較的オーソドックスなスタイルで幅広い層に人気を誇るトヨタ「カローラクロス」などの場合、4万円前半~で利用できるでしょう。もう少しコンパクトなトヨタ「ヤリスクロス」やホンダ「WR-V」なら、3万円台で利用できるケースもあります。
スバル「フォレスター」や日産「エクストレイル」などのミドルサイズSUVになると、安くても5万円以上はかかります。
スポーツカーの場合・・・約5万円〜
スポーツカーにもさまざまなものがありますが、人気のトヨタ「GR86」などは5万円台~で利用できます。
車両本体価格がより高額なスバル「WRX S4」などになると、5年契約なら10万円程度、場合によってはそれ以上かかることもあるでしょう。
カーリースの月額利用料に含まれるものは?
一般的なカーリースには、以下の費用が月額料金に含まれています。
- 車検費用(法定費用・基本検査料)
- 各種税金
- メンテナンス費用(メンテナンスプランの場合)
車検費用(法定費用・基本検査料)
車にはさまざまな維持費が必要です。中でも高額になりがちなのが、車検費用といえるでしょう。車検費用は自動車重量税や自賠責保険料、印紙代といった法定費用、車検業者に支払う車検基本料、車を車検に通る状態にするための整備費用の3つに大きく分けられます。
法定費用は、どのカーリースでも月額料金に含まれています。車検基本料も基本プランに含まれているケースが多く、そうでない場合でもオプションの追加で月額料金にまとめられるケースがほとんどです。プランによっては、車検整備費用が含まれることもあります。
車検費用は業者のほか、車の状態によっても相場が異なります。上のシミュレーションでは車検専門店を想定していますが、ディーラー車検を選択する場合は軽自動車であっても7万円以上かかるケースも少なくありません。
公道を走行する車は車検を受けなければならず、節約したいからといって車検を省くことはできません。車検業者を通さず自分で車検場に車を持ち込んで検査するユーザー車検なら車検基本料は不要ですが、車に関する高度な知識と整備技術がないとユーザー車検は難しいのが現状です。
その点カーリースであれば車検費用が月額料金に含まれているので、車検時の出費に頭を悩ませることがなくなります。車検費用を安くするために無理にユーザー車検をして不安に思うこともありません。
各種税金
カーリースでは軽自動車税種別割など、車関連の税金が月額に含まれているため、契約期間を通して別途支払う必要がありません。この点もカーリースの大きなメリットといえるでしょう。
税金の支払い忘れによる延滞金や、納税時期の出費増大といったリスクも回避できます。
なお、カーリースでは車を購入したときにかかる登録時諸費用も月額料金にコミコミです。登録諸費用には環境性能割などの税金やリサイクル料金、各種代行費用などが含まれある程度まとまった金額になりますが、この金額を別途用意する必要もありません。
メンテナンス費用(メンテナンスプランの場合)
メンテナンスの費用がどの程度月額料金に含まれるのかは、カーリース会社やプランによって異なります。オイル交換程度のサービスが含まれるケースもありますが、基本プランではメンテナンスなし、というケースも少なくありません。
ただし、ほとんどのカーリースで別途メンテナンスプランが用意されており、メンテナンスプランを追加すると消耗品類の交換などのメンテナンス費用、車検整備費用などがカバーできます。比較的高額になりがちなタイヤ交換やバッテリー交換を含んでいるプランなら、燃料費や駐車場以外のほとんどの維持費を月額料金にまとめることが可能です。
登録諸費用や車検、税金、そしてメンテナンス費用が月額料金に含まれていることを考えると、カーリースはかなりお得な選択肢であるといえます。
カーリースが購入と比べてお得な点3つ
カーリースには、購入にはないお得なメリットがあります。
- 初期費用0円で車に乗り出せること
- 月々定額で車に乗れること
- 車両代金から残価があらかじめ引かれていること
この3つのメリットについて、みていきましょう。
初期費用0円で車に乗り出せること
カーリースでは、頭金や登録諸費用を別途用意する必要がありません。初期費用はすべて月々の支払いに組み込まれているため、手元に資金がなくても好きな新車に乗ることができます。
貯金がなくても好きなタイミングでカーライフを始められるほか、予算に縛られない車選びが可能です。購入では十分初期費用が用意できずあきらめるしかなかったモデルでも、カーリースなら手が届くかもしれません。
月々定額で車に乗れること
車を所有していると、定期的なメンテナンス費用が必要です。そのうえ故障などで、予期せぬ出費が発生することもあるでしょう。修理費用で10万円以上の出費が必要になることも珍しくないうえ、車検時にもまとまった金額がかかります。
その点カーリースの場合、税金などの法定費用はもちろん、プランによってはこういったメンテナンスや車検の費用もすべて月額に含まれています。
車に関する大きな出費がなく月々定額のサブスク感覚で車に乗れるため、家計の見通しが立ちやすくなるメリットもあるのです。
車両代金から残価があらかじめ引かれていること
一般的なカーリースでは、契約満了時の車の想定価値(残価)を車両価格から差し引き、そのほかの費用をプラスした金額を契約月数で割って算出しています。
この仕組みにより、車両代金を全額支払うカーローンよりも実質的な負担が軽くなり、お得に好きな車に乗れるのです。
カーリースが向いている人
カーリースは多くの方にとって魅力的な選択肢といえますが、以下の方には特におすすめです。
- 初期費用を用意する余裕がない人
- ローン払いを検討している人
- 大きな支出をできるだけ避けたい人
この条件に当てはまる方はなぜカーリースが向いているのか、その理由をみていきましょう。
初期費用を用意する余裕がない人
貯金がないけれどどうしても今車が必要、乗りたい憧れの車がある、という方にとって、カーリースはぴったりです。新社会人や学生といった、資金に余裕がない若い世代にも向いている車の持ち方といえるでしょう。
また、子供の進学などまとまった出費の予定があり、手元の資金を動かさずに車を新調したい方にも良い選択肢となります。
ローン払いを検討している人
ローンの場合、月々の返済に加えてメンテナンス費用や税金、車検などの追加の出費があります。一方、カーリースでは、こういった維持費も月額に含まれているため、燃料費や駐車場代以外の車関連の出費はほぼなくなります。
カーリースの月額料金がローンと同程度だとしても、別途維持費の支払いが発生しない分カーリースのほうがお得であり、家計の負担を減らせます。その点を考慮すると、ローンを検討している方にとってもメリットが大きく、向いているといえるでしょう。
さらに、ローンの場合は通常、頭金が必要になりますが、カーリースでは原則頭金なしで利用できることに加え、登録諸費用もリース料に含まれています。ローンよりも乗り出し時の負担を大幅に軽減できる点も、無視できないメリットです。
大きな支出をできるだけ避けたい人
車検費用はまとまった金額になり、家計にかかる負担は大きくなりがちです。しかしカーリースの場合は車検費用、メンテナンス費用も月々の支払いに含まれています。毎年納税義務がある軽自動車税種別割も月額に組み込まれているため、大きな車関連の出費が発生することがほぼありません。
定額制なので毎月いくらかかるのかがはっきりとしており、家計管理はかなり楽です。車検やメンテナンスなど突然の出費に悩まされることは避けたい方にとって、カーリースはメリットが大きく向いています。
まとめ
カーリースは初期費用が不要で月々の支払いが固定されているため、まとまった資金が準備できない方や、突然の出費を避けたい方にとって大きなメリットがある車の乗り方です。
カーリースの月額料金は、契約年数や追加するオプションなどによってはカーローンよりも高くなることもあります。そのため「カーリースは高い」と思われがちですが、実際には維持費のほとんどが含まれており、家計にかかる負担を減らしてカーライフを楽しめるのです。
ライフスタイルや経済状況を考慮し、カーリース、ローン購入、一括購入の中から自分に合った車の乗り方を賢く選ぶことが大切といえるのではないでしょうか。