ユーザー車検は本当に安い?費用目安と注意点について

メンテ
  • 更新日:2026/03/11

ユーザー車検とは、整備工場やディーラーに車検を依頼せず、自分で検査場に車を持ち込んで検査を受ける方法です。車検基本料がかからないため、費用を抑えられる方法として関心を持つ方も少なくありません。

一方で、ユーザー車検は検査予約や書類の準備、検査場での手続きなどを自身で行う必要があり、車の状態によっては整備が必要になるなど注意点すべき点もあります。

この記事では、ユーザー車検の費用目安や安くなる理由、注意したいポイントについて解説します。

ユーザー車検は安い?費用を抑えて車検ができる理由

日本では車検に合格した車でなければ公道走行が認められないため、車を持つ以上車検は必ず実施する必要があります。しかし、車検は車の維持費の中でも大きな金額になりやすく、車種や車の状態によっては10万円を超えるケースも少なくありません。

できるだけ費用を抑えて車検をする方法はないかと考えたとき、視野に入ってくるのがユーザー車検です。ここではユーザー車検は安いといわれる理由を見ていきましょう。

ユーザー車検は自分で検査を行う方法

車検を実施するとなると、ディーラーや車検専門店などに代行を依頼するのが一般的です。依頼を受けた車検業者は各種書類の準備や事前点検・整備、検査まですべてを代行し、車検に合格した状態で納車します。

一方ユーザー車検とは、業者に代行を依頼せず自身で車検場に車を持ち込んで検査する車検方法を指します。そのためある程度の車検制度や車に関する知識、整備技術が必要です。

近年はインターネットによって車の整備方法やユーザー車検についての知識が得やすくなっていることもあり、ユーザー車検を選択する方も増えつつあります。

ユーザー車検は車検基本料がかからない

項目 ユーザー車検 整備工場 ディーラー
車検基本料 かからない かかる かかる
法定費用 かかる かかる かかる

車検費用は、車検基本料と法定費用、整備費用の3つに大きく分けられます。車検基本料は車検を依頼する業者に支払う費用で、各種代行費用や手数料、点検費用などが含まれており、金額設定は業者によって異なります。

法定費用は自動車重量税、自賠責保険料、印紙代(検査手数料)で構成される費用で、印紙代を除きどこで車検を受けても費用は変わりません。印紙代のみ指定工場か認定工場か、OSS申請か否かで数百円程度異なります。

また、車検はその車が国の定めた保安基準を満たしているかどうかを確認するための検査であり、合格するには保安基準に適合する状態にしなければなりません。車が保安基準に適合している状態であれば整備費用は発生しませんが、通常は何らかのパーツ交換やオイル類の補充などが必要になるケースがほとんどです。

ユーザー車検の場合、車検業者を通さないため車検業者に支払う車検基本料が不要です。さらに整備費用もパーツ代のみの実費で工賃が発生しないため、車検費用はかなり抑えられます。

ユーザー車検の費用相場目安

ユーザー車検の費用は、基本的に法定費用のみで構成されます。ただし、車両の状態によっては部品代や予備検査費用などが発生する場合もあります。ここではまず、修理が発生しない前提での目安を見ていきましょう。

軽自動車の場合

項目 ユーザー車検 整備工場(チェーン系) ディーラー車検
車検基本料 0円 15,000~30,000円程度 25,000~40,000円程度
法定費用 26,340円 25,740円 25,740円
合計 26,340円 約41,000~56,000円 約51,000~66,000円
※自賠責保険料は24ヵ月で計算
※印紙代はユーザー車検においては持ち込み検査、その他においては指定工場・OSS申請前提としています
※エコカー減税については考慮せず

軽自動車は普通車よりも車検基本料が安い傾向がありますが、それでも数万円は必要です。依頼する業者によっても費用は異なりますが、価格設定が高い傾向があるディーラー車検とユーザー車検を比較すると、ユーザー車検は半額以下に抑えられるケースがあることがうかがえるでしょう。

実際の車検では、何らかの整備が入ることがほとんどです。そうなるとさらにパーツ代+工賃が発生するため、より費用差が大きくなります。

普通車の場合(1.0~1.5t例)

項目 ユーザー車検 整備工場(チェーン系) ディーラー車検
車検基本料 0円 20,000~40,000円程度 30,000~60,000円程度
法定費用 44,450円 43,850円 43,850円
合計 44,450円 約64,000~84,000円 約74,000~104,000円
※自賠責保険料は24ヵ月で計算
※印紙代はユーザー車検においては持ち込み検査、その他においては指定工場・OSS申請前提としています
※エコカー減税については考慮せず

普通車は重量区分によって自動車重量税が異なります。ここでは例として、1.0~1.5tの区分で比較してみました。法定費用が軽自動車よりも大幅に高くなるため、ユーザー車検においても費用は4万円を超えています。

ただし車検業者を通した場合、整備工場でも6万円超、ディーラーなら10万円超も視野に入ってくるため、何よりも費用を抑えることを重視するのであればユーザー車検は魅力的な選択肢となるでしょう。

ユーザー車検の注意点

ユーザー車検は、車検業者を通さないため車検基本料が不要です。ただし手続きや準備を自分で行う必要があり、いくつか注意しておきたい点もあります。

ここでは、ユーザー車検を検討する際に知っておきたい主な注意点について見ていきましょう。

手間がかかる

ユーザー車検では、車検業者を通さないためすべての手続きを自身で行う必要があります。事前に検査予約を行い、必要書類を準備したうえで検査場に車を持ち込まなければなりません。車検前の整備や点検も同様です。

また、自動車重量税や自賠責保険料、印紙代といった法定費用の支払いも、自分で窓口を回って手続きをします。そのため、車検業者に依頼する場合と比較すると大幅な手間がかかるのは否めません。

書類の記入方法や検査ラインの流れを事前に調べておかないと当日戸惑うこともあるので、準備のための時間も必要である点を理解しておきましょう。

平日日中しか受けられない

ユーザー車検は、運輸支局や軽自動車検査協会の検査場で実施されます。これらの検査場は基本的に平日のみの受付となっており、土日祝日に車検を受けることはできません。また、受付時間も午前と午後の限られた時間帯に設定されています。

そのため、平日に仕事をしている方の場合、休みを取って検査場へ行く必要があります。対して整備工場やディーラーに車検を依頼すれば、車を預けるだけで手続きや検査を代行してもらえるため、平日に時間が確保しにくい方はそのほうが便利と感じることもあるかもしれません。

基本的に平日しか実施できないことは、ユーザー車検を検討するうえで確認しておきたいポイントのひとつといえるでしょう。

クルマの状態をプロの目で見てもらえない

車検は「その車が保安基準に適合しているかどうか」を検査するものであり、安全性を担保するものではありません。

整備工場やディーラーに車検を依頼する場合は、法定点検や整備を実施したうえで車検を受けるのが一般的です。ブレーキや足回り、エンジン周辺などを整備士が確認するため、部品の劣化や不具合の兆候に早めに気づけることがあります。

車検に直接影響のない部分であっても、安全性や性能に影響が出ると判断された場合はその時点での修理が可能であり、大きな故障につながる前に対処できるのはプロに依頼するメリットといえるでしょう。

ユーザー車検の場合車の状態を自身で判断する必要があるため、整備に関する知識や経験が求められる点には注意が必要です。車検自体には合格しても、プロのチェックを受けていないため不具合の予兆が隠れている可能性が否定できません。

不具合があれば結局整備が必要になる

車検前は検査場に車を持ち込む前に事前点検を行うのが一般的ですが、ユーザー車検の場合、点検で不具合が見つかっても対応できるケースは限られます。普段からメンテナンスに慣れている方であればオイルやクーラントの補充、タイヤ交換程度は自身でできるケースもありますが、センサー類の不具合やエンジン関連部分などはプロでなければ判断や修理が難しいケースもあります。

先進安全技術に関するセンサー類はずれが生じていると校正作業であるエーミングを行う必要がありますが、エーミングは特定整備であり指定された環境下で、一定の知識を持った整備士でないと実施できません。

また、近年は車検時に電子制御装置の故障の有無を検査するOBD検査が実施されます。OBD診断機自体はインターネットなどで購入可能ですが、エラーコードが出た際の対応にはある程度の知識が求められます。電子制御系は複雑でディーラー持ち込みになるケースも少なくないため、結局はプロの整備が必要になる、という点で「二度手間になる」ことも考えられます。

まとめ

ユーザー車検は車検基本料がかからないため、「できるだけ安く車検を済ませたい」と考える方にとっては有力な選択肢のひとつといえるでしょう。

ただし、検査予約や書類準備、検査場での手続きなどを自分で行う必要があり、時間や手間がかかる点には注意が必要です。また、車の状態によっては部品交換や整備が必要になり、結果的に整備工場へ依頼しなければならないケースもあります。

ユーザー車検は費用面のメリットがありますが、トータルで考えると必ずしも大幅に安くなるとは限りません。車の状態や整備の必要性、手間とのバランスを踏まえて、自身に合った車検方法を選ぶことが大切です。

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著者情報

春宮 悠

自動車の世界に魅了され、ユニークな視点から様々な情報を発信中。愛車のランドローバー・ディフェンダーは、冒険心を刺激し、毎回新たな発見をもたらしてくれる相棒です。
美しい風景や人との出会いから得たインスピレーションをもとに、日常のドライブを特別な時間に変えるヒントやクルマを通じて広がる世界など、カーライフの新たな魅力をお伝えします。
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