法定点検、本当は義務?受けない罰則はあるのか?

メンテ
  • 更新日:2026/05/01

法定点検は、道路運送車両法で定められた点検であり、自家用車の使用者にも実施義務があります。一方で、車検のように受けなければ公道を走れなくなるものではなく、自家用乗用車の場合、受けなかったこと自体に直接的な罰則が設けられているわけではありません。

そのため、「費用がかかるし実施しない」という声を聞くこともあります。しかし法定点検は車の不具合を定期的な点検で確認することで早期に発見し、故障を未然に防ぐ役割があり車を安全に使い続けるうえで重要な点検といえます。

この記事では、法定点検の罰則の有無、受けるメリット、依頼できる場所ごとの費用感について解説します。

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法定点検は実は義務

法定点検は、道路運送車両法で定められている点検整備であり、車の使用者に義務付けられています。

道路運送車両法第47条において「使用者の点検及び整備の義務」、第48条において「定期点検整備」として、自動車の種類や用途に応じた時期ごとに点検を行うことが規定されており、自家用乗用車の場合は1年ごとに29項目(12ヵ月点検)、2年ごとに60項目(24ヵ月点検)の点検整備が必要です。

車検は有効期間が切れると公道を走れなくなるため、満了はいつか、いつまでに車検を実施しなければならないかを多くの方が意識しているでしょう。その一方で、法定点検の時期は知らない、というケースも見られます。

任意のメンテナンスのように誤解されているケースも一部ありますが、法定点検はその名のとおり「法律で定められた点検・整備」であり、法律上車の使用者に実施義務がある点検とされています。

法定点検を受けない罰則はある?

法定点検は実施義務がある点検ではあるものの、自家用乗用車(マイカー)の場合、点検を受けなかったこと自体に対する罰則は設けられていません。そのため、未実施でも車検のように罰金や行政処分(違反点数加点)が科されたり、公道走行を制限されたりすることはありません。

しかし、ここで注意したいのは「罰則がない=不要」という意味ではない点です。道路運送車両法では、車の使用者に対して点検・整備を行い、車両の安全性を維持する責任があると定められています。つまり、法定点検を実施しない状態は、法的な義務を果たしていない状態にあるといえます。

法定点検の重要性

法定点検は、「義務ではあるが罰則がない」という位置付けから軽視されることもあるようですが、本来は車を安全かつ適切な状態で維持するために欠かせないものです。

ここでは、法定点検の重要性について解説します。

重大な不具合・故障の予防

車は使用を続けるうちに、各部の摩耗や劣化が少しずつ進みます。異音や振動、警告灯などで異常に気付けるケースもありますが、ブレーキまわりや下回りなど、普段の運転や日常点検だけでは状態を把握しにくい箇所も少なくありません。

法定点検では、定められた点検項目に沿って、走行に関わる装置や消耗部品の状態を確認します。ブレーキ装置やかじ取り装置、動力伝達装置、サスペンションなどは、安全な走行に大きく関わる部分です。

こうした箇所の異常を早い段階で見つけられれば、重大な不具合や故障が起こる前に整備できる可能性が高まります。結果として、事故防止につながり安全性が維持できるでしょう。

なお、車検は国が定める保安基準に適合しているかを確認する検査であり、安全性の確保や不具合防止を目的としたものではありません。極端な話ではありますが、保安基準に定めのない部分は問題があったとしても車検に合格するケースも考えられます。また、パーツの劣化が進んでいる場合でも、保安基準において不合格とされる状態に及んでいなければ、その項目は車検には通ります。

一方、法定点検は、車の不具合やパーツの劣化を早めに見つけ、安全に使い続けるための点検です。車検と法定点検は罰則があるか否かだけの違いではなく、車検は国の定める基準に適合しているかを確認し登録する制度であるのに対し、法定点検は車を良好な状態に保ち安全に走行できるように保つための点検、といえます。

つまり、法定点検は車検と同じく義務でありながら、車検とは目的も扱いも異なるものという点を理解しておきましょう。

下取りや売却時の価値を保つ

法定点検を受けると、その内容が点検整備記録簿(メンテナンスノート)に記載されます。車を下取りや買取に出す場合は査定を受けることになりますが、査定の際は年式や走行距離だけでなく、これまでどのように維持管理されてきたかも確認されるのが一般的です。

点検整備記録簿があり、点検記録が残っている車は、必要な整備を受けながら使用されてきたことが客観的に確認できる状態といえ、査定にプラスの影響を与えるケースもあります。

反対に、整備履歴が確認できない車は、外観に大きな問題がなくても、内部の状態や過去の管理状況を判断しにくくなり、マイナス査定の要因のひとつになる可能性が否定できません。

将来的に車を手放す可能性がある場合、法定点検を受けて記録を残しておくことは、車両価値を守るための手段のひとつといえるでしょう。

メーカー保証の対象外にならないようにする

メーカー保証は、保証期間内であれば無条件にすべての不具合が保証されるものではありません。多くの場合、取扱説明書や点検整備記録簿などに沿って、適切な点検・整備を行っていることが前提になります。

法定点検やメーカーが指定する点検を受けていない場合、不具合の内容によっては、適切な管理が行われていなかったと判断される可能性があります。特に、オイル類や消耗部品の管理不足が故障に関係していると見なされれば、保証修理の対象外となるケースもあるでしょう。

保証を適切に受けるためにも、点検を実施し、その記録を残しておくことが重要です。法定点検は、安全性を保つだけでなく、メーカー保証を受ける際の整備履歴としても意味があります。

法定点検を受けられる場所と費用感の違い

法定点検は、ディーラーや整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなどで受けられます。ただし、点検費用や対応できる整備の範囲、予約のしやすさは依頼先によって異なります。

12ヵ月点検の基本料金は、一般的に1万〜2万円程度がひとつの目安です。ただし、車種や店舗、点検時に必要となる整備内容によって総額は変わります。エンジンオイルやブレーキパッド、バッテリーなどの交換が必要になれば、点検基本料とは別に部品代や工賃がかかる点にも注意が必要です。

以下で、詳しく見ていきましょう。

整備工場・・・1万円程度〜

整備工場は、法定点検の依頼先として一般的な選択肢です。地域に密着して営業している工場も多く、普段から付き合いのある工場であれば、過去の整備履歴を踏まえて必要な作業を相談しやすいでしょう。

12ヵ月点検の費用は1万〜2万円程度が目安ですが、工場によって料金体系や対応範囲に差があります。

ただし、高級輸入車やハイブリッド車、先進安全装備を備えた車などは、工場によって対応可否が分かれることがあります。

ディーラー・・・1万5,000円程度〜

ディーラーは、費用相場が整備工場やカー用品店より高めになる傾向があり、12ヵ月点検で1万5,000〜3万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

純正部品を使った整備や、メーカー保証との関係を踏まえた対応を受けやすいこともメリットです。新車保証期間中の車や、メーカー独自のメンテナンスパックに加入している車であれば、ディーラーでの点検が自然な選択肢になるでしょう。自宅納車や無料洗車などの手厚いサービスがあるのもディーラーならではです。

一方で、費用を抑えたい場合は、事前に点検基本料と追加整備の見積もりを確認しておくことが大切です。

大手カー用品店・・・1万円程度〜

大手カー用品店の中にも、法定12ヵ月点検を受けられる店舗があります。費用は1万〜2万円程度が目安で、整備工場と同等か若干安い、といったケースが多い傾向があります。

カー用品店は、オイルやバッテリー、ワイパー、タイヤなどの消耗品を店頭にある豊富な選択肢から選べるのがメリットといえるでしょう。店舗数が多く、日常的なメンテナンスの延長で利用しやすい一方、車種や整備内容によっては対応できない作業もあります。点検とあわせてどこまで整備できるのか、事前に確認しておくと安心です。

ガソリンスタンド・・・1万円程度〜

法定点検は、ガソリンスタンドでも受けられるケースがあります。費用は店舗やサービス内容によって差があり、カー用品店同様1万〜2万円程度がひとつの目安です。

ガソリンスタンドは、給油や洗車のついでに相談しやすく、身近に利用できる点が魅力です。一方で、すべての店舗が法定点検や整備に対応しているわけではありません。実施できる点検内容や整備範囲は店舗によって異なるため、予約前に対応可否と費用、追加整備が必要になった場合の流れを確認しておきましょう。

まとめ

法定点検は、道路運送車両法で定められた点検であり、実施義務があります。自家用乗用車の場合、法定点検を実施しないこと自体に対する罰則はありませんが、「しなくてよい点検」という認識は誤りであり、車の使用者の義務として実施する必要があることを理解しておきましょう。

また、法定点検は車検とは目的が異なります。車検は検査時点で保安基準に適合しているかを確認する制度であるのに対し、法定点検は使用に伴って進む摩耗や劣化、不具合の兆候を定期的に確認するためのものです。車検に通っているからといって、次の車検まで車が良好な状態に保たれるとは限りません。

定期的に法定点検を受けておけば、重大な故障や思わぬトラブルの予防につながるだけでなく、点検整備記録簿が下取り・売却時やメーカー保証の判断材料になる場合もあります。安心して車を使い続けるためにも、罰則の有無だけで軽視せず、車を維持管理するうえで必要な点検として法定点検を実施しましょう。

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著者情報

春宮 悠

自動車の世界に魅了され、ユニークな視点から様々な情報を発信中。愛車のランドローバー・ディフェンダーは、冒険心を刺激し、毎回新たな発見をもたらしてくれる相棒です。
美しい風景や人との出会いから得たインスピレーションをもとに、日常のドライブを特別な時間に変えるヒントやクルマを通じて広がる世界など、カーライフの新たな魅力をお伝えします。
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