法定点検(定期点検)を受けないデメリットは?しないとどうなる?

メンテ
  • 更新日:2026/04/22

法定点検(定期点検)は法律で実施が定められている重要なメンテナンスですが、「受けなくても罰則がないなら必要ないのでは?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、点検を怠ると故障や不具合の見逃しにつながり、安全性の低下や修理費の増加、さらには売却時の査定ダウンといったリスクもあります。

本記事では、法定点検を受けないデメリットや具体的な点検内容、費用の目安についてわかりやすく解説します

新生活応援フェア開催中!

cars MARKET スマート乗り換えで
ギフト券プレゼント!

故障・不具合が進行する恐れがある

法定点検(定期点検)は、クルマを長く安全かつ快適に乗り続けるために欠かせない重要なチェックです。これを受けないまま放置すると、小さな異常を見逃しやすくなり、結果として大きな故障へと発展するリスクが高まります。

車は多くの部品で構成されており、どこか一つでも不具合が生じれば、本来の性能を発揮できなくなります。とくにブレーキや足回りなど走行に直結する部分に異常がある場合、安全性が大きく損なわれる恐れもあるでしょう。

さらに、不具合は時間の経過とともに悪化しやすく、一箇所のトラブルが別の部品へ影響を及ぼすケースも少なくありません。結果的に修理費用が高額になることもあるため、定期点検を受けて早期発見・早期対応を心がけることが重要です。

下取り・売却時に不利になる恐れがある

車に乗り続けていれば、いずれは乗り換えのタイミングが訪れます。その際、多くの方が現在の車を下取りや買取に出しますが、法定点検を受けていない場合、査定額が下がる可能性があります。

車には「メンテナンスノート(整備記録簿)」が備え付けられており、これまでに実施された点検や整備の履歴が記録されています。いわば車のコンディションを示すカルテのようなもので、適切に管理されているかどうかは査定時の重要なチェックポイントです。

もし定期点検を受けていないと、記録簿の内容が不十分となり、整備状況が不透明と判断されやすくなります。その結果、車の状態に対する評価が下がり、査定価格にマイナスの影響が出ることも少なくありません。定期点検を継続して受けておくことは、将来の売却時にも有利に働く重要なポイントといえるでしょう。

メーカー保証が適用されない恐れがある

車にはメーカー保証が付帯していますが、法定点検(定期点検)を受けていない場合、保証の対象外となる可能性があります。

近年の車は故障しにくく、「家電のように壊れにくい」と感じる方も少なくありません。実際、新車購入後すぐにトラブルが発生するケースは多くありませんが、それはあくまで適切に使用・管理されていることが前提です。

ここでいう適切な使用とは、取扱説明書に従った使い方に加え、定期的な点検や消耗品の交換を行っている状態を指します。法定点検では分解整備を含むチェックが実施されるため、不具合の早期発見につながり、大きな故障を未然に防ぐ役割も担っています。

しかし、定期点検を受けずに使用を続けた結果、トラブルが発生した場合、その原因は「メンテナンス不足」と判断されることがあります。このようなケースでは、製造上の不具合とは認められず、メーカー保証が適用されない可能性が高くなるため注意が必要です。

法定点検(定期点検)で見つかりやすい不具合例

法定点検では、目視点検ではなく分解整備を行うので、故障や消耗品の早期発見ができます。かつてはランプ切れが多くありましたが、最近はLED化で少なくなっています。一方で、現在も不具合が見つかりやすい箇所は足回り、とくにサスペンション周辺に集中しています。主に次のようなトラブルが早期に発見されるケースが多いです。

  • ブレーキ周りの不具合
  • ドライブシャフトブーツの切れ
  • ドライブシャフトブーツの切れ

ブレーキ周りの不具合

ブレーキは車の安全性を支える最も重要なパーツの一つであり、不具合があれば重大な事故につながる恐れがあります。そのため、日頃からの点検と適切なメンテナンスが欠かせません。

代表的なトラブルとして挙げられるのが、ブレーキパッドの摩耗です。一般的には約3年程度で交換時期を迎えることが多いものの、運転状況や使用環境によって消耗スピードは大きく変わります。摩耗に気付かず使用を続けると、パッドがすり減って金属部分が露出し、ブレーキローターを傷つけるなどの二次的な故障を招く可能性があります。

また、ブレーキフルードの管理も重要です。ブレーキフルードは吸湿性が高く、水分を含むことで沸点が低下し、ブレーキ性能が著しく低下する「ベーパーロック現象」を引き起こすリスクがあります。そのため、一般的には1年ごとの交換が推奨されています。

さらに、サイドブレーキの調整も見逃せません。制動力が不足していると、傾斜地での駐車時に車両が動き出す危険があります。安全を確保するためにも、定期点検で確実にチェックしておくことが重要です。

ドライブシャフトブーツの切れ

走行距離が少なく新しい車では問題が出にくい部品ですが、一般的に5年程度が経過すると、ドライブシャフトブーツにひび割れが生じ、内部のグリスが漏れ出すトラブルが発生しやすくなります。

ドライブシャフトブーツはゴム製のため、経年劣化は避けられません。さらに、走行環境や使用状況によって劣化の進行度も変わるため、定期的な点検による状態確認が重要です。

もしブーツが破れてしまうと、内部のジョイント部分に砂や異物が入り込み、摩耗や損傷が進行して重大な故障につながる恐れがあります。

ただし、劣化は突然起こるものではなく、事前にひび割れなどの兆候が現れるのが一般的です。定期点検を受けていれば、こうした初期症状の段階で発見でき、大きなトラブルになる前に修理や交換で対応することが可能です。

サスペンション取り付け部ガタ

サスペンションは複数の部品で構成されており、ゴム製のブッシュやグリスを封入したボールジョイントなどを用いて接続されています。これらは衝撃を吸収する重要な役割を担っていますが、ゴム素材である以上、経年劣化は避けられず、定期的な点検が欠かせません。

取り付け部にガタが生じると、多くの場合は走行中の異音として現れます。例えば、ハンドルを切ったときだけ音が出るケースや、段差を越えたとき、ブレーキ時など、状況によって異音の出方は異なり、それぞれ原因となる部位も変わります。

こうした異常をドライバーが感じる段階では、すでに部品の劣化が進行しており、交換が必要なケースが少なくありません。そのまま走行を続けると、足回りの損傷が拡大し、最悪の場合はタイヤの脱落など重大事故につながるリスクもあります。

定期点検では、こうした摩耗や劣化の状態を専門的にチェックし、必要に応じて早めの交換を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぐことが可能です。

法定点検(定期点検)を受けないと罰則はある?

結論から言うと、自家用車の場合、12か月法定点検(定期点検)を受けなくても直接的な罰則はありません。ただし、法定点検には「12か月点検」と「24か月点検」があり、24か月点検は車検時に実施されるため、実質的に回避することはできません。つまり、24カ月点検を受けないと車検を受けていないので、この場合は罰則適用です。

これらの点検は、道路運送車両法第48条に基づき、車の使用者に実施が義務付けられています。対象には定期点検だけでなく、日常点検も含まれており、安全に車を使用するための基本的な責任といえるでしょう。

罰則がないからといって12か月点検を受けずに乗り続けると、車両状態の悪化に気付かず、外出先での突然の故障やトラブルにつながる可能性があります。常に車を良好なコンディションに保つことが、安全運転の前提です。

なお、法定点検の内容や実施周期は車の用途によって異なります。自家用車は任意扱いのため12か月法定点検には罰則がありませんが、トラックやバス、タクシー、レンタカーといった事業用車の場合は、点検未実施に対して罰則が設けられているため注意が必要です。

法定点検(定期点検)の検査項目

自家用車を使用する方の義務としての法定定期点検には以下の2つを専門工場で受けるようにします。

  • 12ヶ月点検の場合
  • 24ヶ月点検の場合

12ヶ月点検の場合

12カ月点検の検査項目は、29項目で以下の通りです。

点検箇所 点検項目
かじ取り装置 ・パワーステアリング装置のベルトの緩み損傷
制動装置 ・ブレーキ関連の損傷
・ブレーキペダル・ホース類の点検・ブレーキパッドの摩耗やディスクとパッドの隙間などの点検
走行装置 ・タイヤ/ホイールの点検
・ホイールナットの緩み
動力伝達装置 ・クラッチペダルの遊び、切れた時の床板との隙間
・トランスミッション/トランスファーオイル漏れ、オイル量
・プロペラ・シャフト及びドライブ・シャフトの連結部の緩み
電気装置 ・スパークプラグの状態
・点火時期
・ディストリビューターキャップの状態
・バッテリーの接続部の状態
原動機 ・排気の状態
・エアクリーナーの状態
・オイル漏れ
・冷却装置の漏れ
・ファンベルトの状態
エキゾースト・パイプ及びマフラ ・緩みや損傷の有無
高圧ガスを燃料とする燃料装置等 ・導管/接続部のガス漏れおよび損傷
・ガス容器及びガス容器付属品の損傷
車載式故障診断装置の結果 ・スキャンツールを用いて診断
・識別表示を用いて点検する場合は、ユーザーマニュアルによる。

このように、12か月点検では走行や安全性に直結する重要な部位を中心に確認が行われます。専門的な知識や設備が必要な項目が多いため、信頼できる整備工場へ依頼するのが安心です。

24ヶ月点検の場合

24か月点検は、車検時に実施される法定点検で、合計60項目にわたる詳細なチェックが行われます。基本的には12か月点検の内容に加え、さらに31項目が追加され、より精密な点検が実施されるのが特徴です。主な追加点検項目は以下の通りです。

点検箇所 点検項目
かじ取り装置(ステアリング) 1・ハンドル操作具合
2・ギアボックス取り付けの緩み損傷
3・ロッド/アーム類のガタ・損傷
4・ボールジョイントダストブーツの切れと損傷
5・ホイールアライメント
6・ステアリング装置のオイル漏れ・量
7・オイル・ポンプ類の取り付け状態
制動装置 8・マスタ・シリンダの液漏れ損傷
9・ブレーキラムの摩耗および損傷
10・ディスク・ローターの摩耗および損傷
走行装置 11・フロントホイールベアリングのガタ
12・リアホイールベアリングのガタ
13・サスペンションの取り付け部と連結部の緩みガタ
14・ショックアブソーバーの油漏れおよび損傷
動力伝達装置 15・ユニバーサルジョイントのダストブーツの亀裂損傷
16・デファレンシャルギアオイル漏れ・オイル量
電気装置 17・エンジンルーム内の電気配線の接続部の緩みおよび損傷
原動機 18・核燃料装置の燃料漏れ
ばい煙・悪臭のあるガス・有害なガス等の発散防止装置 19・ブローバイガス還元装置のメターリングバルブの損傷
20・ブローバイガス還元装置の配管の損傷
21・燃料蒸発ガス排出抑制装置の配管等の損傷
22・燃料蒸発ガス排出抑制装置のチャコール・キャニスタの詰まり及び損傷
23・燃料蒸発ガス排出抑制装置のチェックバルブの機能
24・触媒本体の取り付け状態および損傷
25・二次空気供給装置の機能
26・排気ガス再循環還元装置(EGR)の機能
27・減速時排気ガス減少装置の機能
28・配管の損傷と取り付け具合
エキゾースト・パイプとマフラー 29・アクセルの開度によって排気音に異常がないか
高圧ガスを燃料とする燃料装置等 30・ガス容器取り付け部の緩みや損傷
フレーム・ボディ 31・フレーム、クロス・メンバなどのリベット及びボルトの緩みや損傷

このように24か月点検では、走行性能や安全性に加え、排出ガス関連の装置まで幅広くチェックが行われます。なお、すべての項目が全車種に適用されるわけではなく、燃料の種類や装備されているブレーキシステムなどによって点検内容は異なります。

法定点検を受けられる場所と費用感の違い

法定点検は整備工場によって費用が異なります。主な点検を受けられる場所と費用は以下の4つです。

  • 整備工場・・・0.5万円〜
  • ディーラー・・・1万円〜
  • 大手カー用品店・・・1万円〜
  • ガソリンスタンド・・・0.8万円〜

整備工場・・・0.5万円〜

整備工場で法定点検を受ける場合、安いところでは5,000円程度から対応してもらえるケースがあります。比較的リーズナブルな価格帯が魅力ですが、実際の費用は車種や年式、走行距離、車両の状態によって大きく変動します。

例えば、軽自動車で走行距離が少なく、新車購入後初めての12か月点検といった条件であれば、低価格で対応してもらえることも珍しくありません。

一方で、大型車や年式が古く走行距離が多い車両の場合は、点検項目や確認箇所が増えるため、1万円以上かかるケースもあります。

整備工場の料金が比較的安い理由としては、地域密着型の運営が挙げられます。顧客との信頼関係を重視し、継続的な利用につなげることを目的としているため、価格を抑えたサービスを提供しているのが特徴です。

ディーラー・・・1万円〜

ディーラーで法定点検を受ける場合、費用はおおよそ1万円以上からが目安となります。ただし、車種やメーカー、店舗ごとの料金設定によって価格には差があり、実際の費用は条件によって変動します。

一般的に、国産の普通車であれば1万円台前半〜2万円程度が相場とされており、軽自動車はやや安く、輸入車や上級モデルになると3万円程度の費用がかかるケースもあります。

ディーラーの点検は、メーカー基準に沿った高品質な整備が受けられる点が大きなメリットです。専用の診断機器や純正部品を使用し、専門知識を持った整備士が対応するため、安心感を重視する方に適しています。

大手カー用品店・・・1万円〜

大手カー用品店で法定点検を受ける場合、費用の目安はおおよそ1万円前後です。車種や走行状況、車両コンディションによって価格は変わりますが、比較的利用しやすい料金帯で点検を受けられるのが特徴です。

また、多くのカー用品店ではオイル交換などのメンテナンスを含めたパッケージプランが用意されており、日頃からカー用品店を利用している方にとっては利便性の高い選択肢といえます。

さらに、使用環境が厳しい「シビアコンディション」に対応した点検メニューを提供している店舗もあり、車の使い方に応じたメンテナンスを受けられる点もメリットです。

ガソリンスタンド・・・0.8万円〜

ガソリンスタンドで法定点検を受ける場合、費用はおおよそ8,000円前後からと比較的リーズナブルです。実際の料金は車種や車両の状態によって変動しますが、手軽に利用しやすい価格帯が魅力です。

ガソリンスタンドは身近な場所に多く、アクセスしやすい点も大きなメリットです。普段から利用している店舗であれば、給油のついでに点検を依頼できるなど、利便性の高さも評価されています。

一方で、整備工場やディーラーと比べて部品の在庫が少ない場合が多く、交換が必要な部品が発生した際には取り寄せに時間がかかることがあります。そのため、即日対応が難しいケースもある点には注意が必要です。

まとめ

法定点検(定期点検)は罰則こそないものの、受けないままにすると故障や不具合の見逃しにつながり、結果的に高額な修理費や安全性の低下を招く恐れがあります。また、整備記録が残らないことで売却時の査定ダウンや、メーカー保証が受けられないリスクもあります。

点検費用は依頼先によって異なりますが、将来のトラブルを防ぐための重要な投資といえるでしょう。維持費や点検管理に不安がある方は、carsマイカー定額のようなカーリースサービスも一つの選択肢です。定期点検やメンテナンス費用が月額に含まれているプランであれば、突発的な出費を抑えながら、常に安心できる状態で車に乗り続けることができます。

新生活応援フェア開催中!

cars MARKET スマート乗り換えで
ギフト券プレゼント!

この記事をシェア

著者情報

コイズミ

18歳から自動車業界に入り、自動車整備や自動車鈑金、新車中古車販売を数十年手がけてきました。 現在はリタイヤして自動車関連の情報を発信しています。
記事一覧を見る

カテゴリー内記事Related articles

cars Enjoy! Smart Life
carsはSDGsに取り組んでいます

Sustainable Development Goals