「今回は違うメーカーの車を買うから、馴染みのディーラーには買取のみ依頼したい……」
「ディーラーでも車を買取してもらえるの？」

そんな疑問をお持ちではありませんか。確かにディーラーは特定メーカーの特約店ですので、馴染みのお店があっても他メーカーの車は買えません。そのため、買取くらいは今までのお店に出したいと思われる気持ちもあるでしょう。しかし、ディーラーでは中古車買取ができません。

この記事では、ディーラーで買取ができない理由と、下取りとの違いについて詳しく解説します。

ディーラーでの中古車買取はできない

基本的に、ディーラーでは中古車の買取はできません。古い車を引き取ってもらう場合、買取店とディーラーそれぞれで買取方法は異なります。買取店ではシンプルに「買取」ですが、ディーラーでは「下取り」となるのです。

なぜ買取はできないのか？

本業が新車販売であるディーラーは、中古車の査定に関する知識をあまり持っていません。

また、買い取った車は中古車オークションに出品するか、自社系列の中古車販売店に並べるかの2つしかなく、再販するルートも限られています。

そのためディーラーは買取ではなく、新車購入が前提の下取りになるのです。したがって、「違うメーカーの車を買うから馴染みのディーラーには買取くらい出してあげよう」と車を持ち込んでも、やんわりと断られてしまうでしょう。

下取りと買取の違い

下取りと買取とでは、一体何が違うのでしょうか。下取りとは、古い車を引き取ってもらい、売却額を新車の購入代金に充当するという取引です。一方の買取とは、今乗っている車を売って現金を受け取ることを指します。

下取りとは

下取りとは、ディーラーが顧客から古い車を引き取って、その対価分を新しい車の購入代金から値引きするという取引です。

顧客は、下取りしてもらうことで要らなくなった古い車を処分できる上に、新しい車がお得に買えます。つまり、ディーラー側にとって下取りとは、顧客に新しい車への買い替えを促す方法なのです。

そのためディーラーでは、1台でも多くの新車を販売するべく、顧客に今乗っている車を査定するよう積極的に提案します。

買取とは

買取とは、買取店に今乗っている車を買い取ってもらい、その代金を受け取ることです。

買取店はディーラーとは異なり、車種やグレード以外にもオプション装備やカスタムパーツまで査定を行い、市場価格に応じて買取額を算出しています。

また、下取りのように新しい車を購入する必要がない上に、売却で得た金額は現金で支払われるため、他の用途にも自由に使えます。

一方で、査定基準には一定のルールがなく、査定額は買取店ごとにバラツキが生じます。

ディーラーで下取りに出すデメリット

ディーラーの下取りには、いくつかのデメリットがあります。下取りのお金は新車の購入費用に回されてしまう上に、査定額は買取店より低めです。また、査定してもらうにはお店に車を持ち込まなければなりません。

下取りのお金は手元に残らない

ディーラーで下取りに出すデメリットの1つは、売却代金が手元に残らないことです。古い車の査定額は新しい車の購入費用に充てられるため、現金では受け取れません。

新車の購入時にディーラーに支払うトータルの金額は変わりませんが、下取りで得たお金が自分の自由にならない点には注意が必要です。

一方で、買取店で買い取ってもらうと代金は自分の口座に振り込まれますので、生活費や旅行費用などに使用できます。

売却代金を他の用途に充てようと考えている人には、下取りは不向きです。

買取店の方が高く売れる可能性が高い

下取りのデメリット2つ目は、査定額が買取店より低くなってしまうことです。ディーラーの業務はあくまで新車販売ですので、積極的に中古車を買い取っていません。

また、中古車市場の最新情報を持っていないため査定の基準も安く設定されており、実際にディーラーの下取り金額は買取店より1〜2割ほど安い傾向です。

一方の買取店は中古車の買取が専門で、オークション相場やパーツの価値にも精通しているため、ディーラーより高く売れる可能性があります。

車を持ち込んで査定してもらう必要がある

3つ目のデメリットは、お店に車を持ち込んで査定してもらう必要があることです。

買取店の多くは、出張査定を実施しています。出張査定とは、買取店のスタッフが自宅などに訪問して車を査定するサービスです。出張査定を利用すればお店に車を持ち込まなくても済むため、忙しい人や家を空けられない人でも気軽に査定を依頼できます。

しかし、ディーラーは中古車の買取を積極的に行っていないため、出張査定に応じるお店はほとんどありません。

ディーラーで下取りに出すメリット

一方で、ディーラーの下取りにはいくつかのメリットもあります。ディーラーで下取りに出すと、手続きを代行してくれるためとても楽です。また、下取りは新車の値引き交渉に使える上に、古い車でも査定がつくことがあります。

手続きが比較的ラク

1つ目のメリットは、手続きが比較的ラクになるということです。下取りから新しい車の購入までの手続きを代行してもらえるため、全てをワンストップで完結できます。

ディーラーとは別に買取店で買取に出すと、新しい車と古い車の名義変更に必要な書類の持ち込みや署名・捺印などを、自分でそれぞれ対応しなければならず二度手間となってしまいます。

ディーラーに依頼すれば、下取りから次の車の購入までの手続きが一気に済むでしょう。

値引き交渉に使える

メリットの2つ目は、ディーラーの下取りは値引き交渉に使えることです。一昔前とは違い、現在ではブランドイメージやリセールバリューを考慮するメーカーが増えており、新車の大きな値引きは期待できません。

しかし、購入代金の一部となる下取り額については交渉の余地が残されています。

ディーラー側も、表立って値引きできないのはあくまでも車両本体価格ですので、下取り価格の交渉によっては、実質的に購入がお得となるでしょう。

古い車でも価格がつくことがある

3つ目のメリットは、ディーラーの下取りは古い車でも価格がつく可能性があることです。買取業者は買い取った車を再販するため、売れそうな車には高い査定額をつけますが、走行距離が多かったり年式が古かったりするような車には価格を提示できません。

一方で、ディーラーの下取りは新車の値引きとして行うため、買取で価格がつかないような車でも数万円程度の査定を出してくれることがあります。

古い車に限っては、下取りの方がお得になるケースもあるのです。

まとめ

今回は、ディーラーで買取ができない理由と、下取りとの違いについて解説しました。ディーラーでは中古車買取ができず、古い車は基本的に下取りとなります。下取りは新しい車の購入が前提ですが、買取はシンプルに車を売却する方法です。

ディーラーの下取りは手元に現金が残らず、査定額も買取店より低くなってしまう一方で、新車購入時の手続きが楽になる上に、値引き交渉にも使えます。

この記事を参考に、買取と下取りのどちらかを検討の上、お得に乗り換えてくださいね。

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