カーリースの月額料金には、車の所有者全員に加入が義務付けられている「自賠責保険料」の費用が含まれており、契約者の負担はありません。
ただし、自賠責はモノや車への補償にはなりませんし、そもそも上限金額も決まっているので「自賠責だけ」というのは不安です。
そうした理由からほとんどの方が任意保険に加入しているのですが、カーリースの基本料には任意保険も含まれているのでしょうか?
本記事では、カーリースに任意保険は付いているのか、そしてカーリースを利用する際に車両保険へ加入すべきなのか、という点に関して解説していきます。
カーリースの利用を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
カーリースに任意保険は付いているのか?
カーリースは税金、車検費用、自賠責保険料、メンテナンス費用など、クルマの維持管理に関する費用はコミコミになっている点が非常に魅力的ですが、任意保険はどうなのでしょうか?
まずはこの点から見ていきましょう。
カーリースに任意保険は付いていないことが多い
結論、カーリースの月額基本料に任意保険込みかどうかは、サービスによります。
最近はKINTOなど任意保険込みのカーリースも登場していますが、一般的には含まれていないことが多いです。なので、任意保険の契約は、納車時まで必ず済ませるようご注意ください。
任意保険については、商談時にスタッフから説明があるかと思います。中には、提携している保険会社を紹介してくれることもあるでしょう。
対物・対人は無制限にするのは当然であり、カーリースの場合は車両保険にも加入しておくのがベターです。その理由については後ほど詳しく紹介します。
自賠責保険はついているが、それだけでは不十分
ここで「自賠責が含まれているならそれで十分なのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、絶対にお勧めできません。
その理由は以下のとおりです。
- 自賠責はそもそも補償範囲が限られているから
- 自賠責では賄いきれない高額賠償例は多数あるから
自賠責はそもそも補償範囲が限られている
自賠責保険も、保険の一種であることには変わりありませんが、意味合いとしては「交通事故被害者を守るため」という側面が強く、また補償範囲も限定的です。
具体的には、対人事故のみしか補償されないため、対物、また自分の車には適用されません。
さらに、限度額も定められています。補償限度額は、以下の通りです。
- 死亡:3,000万円
- 傷害:120万円
- 後遺障害:4,000万円
一見、十分な補償額に感じますが、実際の賠償金は上記金額よりも高額になるケースがほとんどです。
自賠責保険は「最低限の保険」であるため、大きな事故を想定すると不十分だといえます。
自賠責では賄いきれない高額賠償例は多数あるから
賠償額が高額になる例は数えきれません。例えば、過去には以下のケースがありました。
日付 | 対人・対物 | 賠償金額 | 概要 |
---|---|---|---|
H27.7.2 | 対人 | 2,121万8,461円 | 走行中のタクシーに衝突し、乗車中の男性に障害を負わせた |
H27.7.2 | 対人 | 9,148万9,529円 | 安全確認を怠り自転車で走行中の男性に衝突、障害を負わせた |
H4.5.9 | 対物 | 1,651万7,492円 | カーブを曲がりきれずに美容室の入った建物に衝突、美容室部分が全壊した |
H26.1 | 対人 | 4,746万円 | 信号無視した車が歩行者の男性と衝突し、死亡させた |
世の中には上記のような事例が無数に存在します。
もし、事例のような状況に陥った場合、賠償金を支払うことはできますか?恐らく、大半の人は「支払えない」と答えると思います。
任意保険は、車を保有している人の約88%(※損害保険料率算出機構調べ)が加入している保険です。
カーリースを利用する際は、もしもの時に備えて、任意保険に加入するようにしましょう。
任意保険の基本補償と特約のおさらい
任意保険は、あらかじめ付いている「基本補償」と、オプションとして付けられる「特約」で構成されています。
ここからは、任意保険の補償範囲について改めて整理してみましょう。
対人補償
対人補償は、車の事故により相手側を死傷させてしまった場合に使用できる保険です。
具体的には、死傷させてしまった相手側の治療費や慰謝料を補償してくれます。
補償金額はプラン内容によって3,000万円、5,000万円、1億円など選べますが、無制限での契約がおすすめです。
なぜなら、重い障害を負わせてしまった場合や、死亡させてしまった場合は、1億円以上の賠償金を請求されるケースが多いからです。
補償金額を無制限にしたからといって、月額料金が大幅に上がることはないため、対人補償に関しては無制限で契約することをおすすめします。
対物補償
対物補償は、車の事故により、他人の財物に損害を与えてしまった場合に使用できる保険です。
具体的には、他人の所有する自動車や建物の修理費用、建物が店舗だった場合は休業による損害などを補償してくれます。
対物補償はプラン内容によって補償金額を選べますが、無制限の補償にしても月額料金はほとんど変わらないため、無制限で契約することをおすすめします。
人身傷害保険
人身傷害保険は、契約した車で事故を起こし、契約者である運転手や同乗者が死傷した場合に使用できる保険です。
具体的には、運転手と同乗者の治療費や休業損害等を補償してくれます。
一般的に、人身傷害保険の補償金額は3,000万円から無制限までの範囲で選べますが、補償金額を高く設定するとその分保険料も高くなるため、年収や家族構成とのバランスを見て設定するようにしましょう。
損害保険料率算出機構が2023年度に公表したデータによると、人物傷害保険を無制限に設定している人は全体の10%前後となっており、3,000万円までに設定している割合が一番多いという結果になっています。
車両保険
車両保険は、契約者の車が故障した際に使用できる保険です。
プラン内容によっては、事故による故障以外にも、いたずらされた場合や当て逃げされた場合も補償対象となるケースもあります。
また、カーリースの場合は原状回復のルールがありますので、キズや凹み等は直す必要があります。よって、できるだけ車両保険にも加入しておくほうがベターです。
ただし、車両保険への加入の有無で保険料は倍近く変わるため、加入するか迷われている人も多いでしょう。
損害保険料率算出機構が2023年度に公表した「2023年度自動車保険の概況」によると、車両保険の普及率は全車種において46.6%となっており、約2人に1人が車両保険に加入していないという結果になっています。
確かに、相手側の過失の大きい事故においては、相手側が加入している保険会社から車の修理費用が支払われるため、必要ないと感じる人も多いかもしれませんが、過失割合が0:10になるケースは少なく、車の修理費用に関しては少なからず自己負担が発生するケースがほとんどです。
車の修理費用は、たとえ相手側の過失割合が大きくても数十万円単位の高額になるケースが多いため、念のために加入しておくのも一つの選択肢として考えた方がよいでしょう。
その他特約
自動車の任意保険を提供している保険会社は、対人・対物などの基本補償に加え、自由に加入できる特約を用意しています。
一例として、任意保険の特約には以下のようなものがあります。
特約 | 補償されるケース |
---|---|
対物超過特約 | 相手側の車に時価額を超える修理費用が発生した場合に修理費用が補償される特約 |
車両保険の免責ゼロ特約 | 保険期間中1回目の事故が他人の車との衝突・接触事故の場合に免責金額がゼロとなる特約 |
車内身の回り品特約 | 車両保険の対象にならない車に積んでいる荷物などが破損した場合に補償を受けられる特約 |
任意保険に特約を付けるとその分補償内容が手厚くなるため、安心して車に乗ることができます。
しかし、特約を付ければつけるほど保険料も高くなるため、毎月の保険料とのバランスを考えなければいけません。
カーリース専用の保険もあるって本当?
リース会社によっては、保険会社が提携をして、カーリース専用の保険として利用者に案内していることもあります。
では、通常の任意保険ではなくカーリース専用の保険を選ぶメリットはなんなのでしょうか?
ここからは、カーリース専用の保険に加入するメリット・デメリットについて見ていきましょう。
カーリース専用保険を選ぶメリット
カーリース専用保険を選ぶメリットは、以下の通りです。
- 強制解約になった場合の「違約金」をカバーしてくれる
- 事故があっても保険料が上がらない
- リース会社に更新手続きを任せられる
強制解約になった場合の「違約金」をカバーしてくれる
カーリース専用保険の最大のメリットは、強制解約になった場合の「違約金」をカバーしてもらえることです。
カーリースではあらかじめ契約期間が定められており、その途中で解約となった場合は違約金が発生します。例えば、全損事故になった場合は、強制解約となる典型例の一つです。
このような場合、残りのリース料金全額が違約金の相場となりますが、通常の任意保険では違約金まではカバーされません。
一方、カーリース専用保険に加入しているケースでは、強制解約になった場合の違約金まで補償してもらえるため、万が一事故を起こした際も安心です。
この点が、通常の任意保険とリース専用保険の大きな違いと言えるでしょう。
事故があっても保険料が上がらない
一般的な自動車保険の場合は、保険の補償を受けると等級が下がってしまい、翌年以降の保険料が高くなってしまいます。
なかには、等級の降格を避けるために、保険を使用せずに自己負担で車を修理する人もいます。
一方、カーリース専用保険は事故を起こして保険を使っても等級ダウンとならないため、翌年以降に保険料が上がるということはありません。
事故を起こした際に等級を気にせずに保険を使用できることは、カーリース専用保険ならではのメリットだといえるでしょう。
リース会社に更新手続きを任せられる
当然ですが、任意保険の更新手続き等は自分で行うのが基本です。手続き方法に関しては、保険代理店の担当者が詳細まで教えてくれますが、自分で行わなければいけない手続きであるため、面倒に感じる人も多いでしょう。
一方、カーリース専用保険では、保険への加入手続き、更新手続きをリース会社に任せることができます。
保険に関する面倒な手続きを回避できることは、カーリース専用保険ならではのメリットだといえるでしょう。
カーリース専用保険のデメリット
カーリース専用保険のデメリットは、以下の通りです。
- 等級引き継ぎは原則不可
- 保険会社を選べない
等級引き継ぎは原則不可
カーリース専用保険のデメリットの一つは、これまで加入していた任意保険の等級を引き継げないことです。
一般的な任意保険には、無事故期間や保険使用の有無に応じて保険料の割引率が変動する等級制度が設けられています。
等級制度は、無事故期間が長ければ保険料が低くなり、事故に遭って保険を使用すると保険料が高くなる仕組みとなっています。
しかし、カーリース専用保険では等級制度を採用していないケースが多く、基本的に一般的な任意保険から等級を引き継ぐことができません。
仮に現在加入している任意保険の等級が高く保険料を安く抑えられていたとしても、カーリース専用保険に乗り換えた場合は等級を引き継ぐことができないため、結果として割高になるケースがほとんどです。
このように、カーリース専用保険では、無事故期間を継続しても保険料が安くならないデメリットがあります。
保険会社を選べない
カーリース専用保険のデメリットとして、加入する保険会社を自由に選べないことが挙げられます。
一般的な任意保険に加入する場合、自分に最適なプランのある保険会社を選ぶことが可能です。
しかし、カーリース専用保険は一般的な保険会社が用意している商品ではなく、カーリース会社と保険会社が提携して用意した保険であるため、自由に保険会社を選ぶことができません。
少しでも安い保険を使いたい場合は、ご自身で探すことも視野に入れる必要があるでしょう。
カーリースを利用する際は車両保険をつけるべき?
車両保険をつけるかどうかで、任意保険料は倍近く変わってきますから、大きな悩みどころかと思います。
結論から言うと、それでもカーリースを利用する際は、車両保険への加入がおすすめです。というのも、カーリースには原状回復の義務があるためです。
契約満了を迎え、リース会社に車を返却する際は、カスタマイズだけでなく、傷や凹みも元の状態に直さなければいけません。
経年劣化の範囲に収まるキズや凹み等に関しては原状回復が免除されるケースもありますが、バックする際に電柱にあたったなど、自身が原因となる傷や凹みに関しては原状回復の対象となります。
例えば、凹み範囲が15cm以下の場合でも、修理費用の目安は5万円程度です。1箇所につき5万円程度であるため、複数個所凹みがある場合は数十万円の修理費用を請求されることになります。
また、こうしたキズや凹みを恐れて、運転が窮屈になってしまうことも予想されます。
こうした部分は車両保険でカバーできるため、できるだけ車両保険は含めるほうが望ましいと言えます。
任意保険料を安く抑えるには?
ここからは、任意保険料を安く抑える方法についてお伝えします。具体的には以下を試してみると良いでしょう。
- ネット型損保を選ぶ
- 運転手の範囲・年齢条件を絞る
- 車両保険を外す
ネット型損保を選ぶ
任意保険料を抑えるための一つの手段として、ネット型損保を選ぶことが挙げられます。
ネット型損保とは、申し込みから加入に至るまでのすべての手続きをインターネット上で完結できる保険商品のことです。保険会社側は店舗を持つ必要がありません。
また、申し込み者1人に対して1人の従業員が拘束されることもないため、家賃や人件費等の経費を削減できます。
削減された経費は利用者の保険料に還元されるため、家賃や人件費がかかる代理店での契約と比べて保険料が安い傾向にあるのです。
例えば、以下がネット型損保の代表例です。
注意点として、事故リスクが高いと言われる20代前半の人の場合は、ネット型損保を選んでもそれほど保険料は変わりません。そのため、20代前半の人は代理店も含めて相見積もりを取ることをおすすめします。
運転手の範囲・年齢条件を絞る
任意保険では、運転者の範囲は自由に設定可能です。例えば、「息子も車に乗るかもしれない」というケースでは、息子も保険対象者として設定することもできます。
しかし、上記例のように20代前半などの若い人物も対象に含めてしまうと、交通事故が発生するリスクも高くなるとみなされ、保険料も高額になってしまいます。
任意保険料を抑えるためには、運転者の範囲・年齢条件を本人のみに限定することがポイントです。
「もしかしたら運転させるかも」と考える気持ちもわかりますが、できるだけ実態に合わせた設定を心がけてください。
車両保険を外す
最後、車両保険を外すことも保険料節約には有効です。
車両保険は万が一に備えて加入しておきたい保険ではありますが、先述したように加入すると保険料が倍近くまで上がってしまいます。
予算とのバランスを考えた場合に、車両保険が原因で予算をオーバーしてしまっているケースでは、車両保険を外すことも一つの選択肢として捉えるようにしましょう。
まとめ
カーリースを利用する際は、任意保険への加入の有無に関しても注目する必要があります。
カーリース会社の多くは、カーリースの特性に合わせたカーリース専用保険を用意しています。
カーリース専用保険に加入すれば、全損した場合の違約金や、原状復帰のための修理費用まで補償してくれるため、カーリースのメリットである「毎月一定額の支払いで車に乗れる」を実現できる可能性が高いです。
一方、保険会社の任意保険に加入した場合、等級制度によって保険料が安くなる見込みはあるものの、一時的に大きな出費が発生する可能性があります。
どの保険に加入すればよいか迷っている人は、カーリース専用保険を優先的に検討するようにしましょう。
- 費用やプランなど、サービスの詳細を聞きたい
- どんなプランが良いのかアドバイスをもらいたい
- 乗りたいクルマがあるので探して欲しい
などなど、お気軽にご相談ください。