軽自動車のパワー不足を補うターボ機能。ターボ付きモデルならパワーに対する不満がかなり解消されますが、それと同時に燃費の悪化や購入資金が高額になるといったデメリットも出てきます。
また、よほど軽自動車に詳しくなければ、どの車種にターボモデルがラインナップされているか把握している人は少ないでしょう。
そこで、この記事ではターボ付き軽自動車を探している方向けに、おすすめの車種を紹介します。また、ターボのメリット・デメリットなど基本的なこともお伝えするので、ぜひご購入時の参考にしてください。
ターボ付き軽自動車おすすめ5選!
軽自動車にモアパワーを望むなら以下のターボ車がおすすめです。
- スズキ スペーシアカスタム
- ダイハツ タフト
- スズキ ハスラー
- ホンダ N-WGN
- ダイハツ コペン
スズキ スペーシア
スズキ スペーシアのターボ付きグレードは、ハイブリッドXSターボのみで、ノンターボ同様にハイブリッドシステムを備えています。モーターアシストで加速をアシストし、さらにターボの力で鋭く加速するため、坂道や高速道路の合流で威力を発揮します。
同車はスーパーハイトワゴンなので、車重が1トン近くあり、ノンターボの加速性能はかなり鈍いといえます。それがターボを装着することで、1リッタークラスのコンパクトカー並みの動力性能が得られます。その理由は、トルクがノーマルターボエンジンの1.7倍ほどに増大しているからです。
特にステアリングのパワーモードスイッチを押すと、エンジンとCVT制御変更を行い、さらにモーターアシストのトルクアップさせることで力強い加速が体感できます。
スペーシアカスタムハイブリッドXSターボは上級モデルとして、電動パーキングブレーキ、ブレーキホールド、多彩な収納スペースなどの快適装備が充実しており、高級感あふれるデザインも特徴です。
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ダイハツ タフト
ダイハツ タフトは、カクカクとしたボックスデザインが特徴のクロスオーバーSUVです。この車両には、"Gターボ"と"Xターボ"の2種類のターボグレードがあります。どちらもターボエンジンの力でストレスのない走行を提供します。
タフトはスーパーハイトワゴンではなく、全高が低めに設計されているため、車重が軽いのが特徴です。この軽さとターボエンジンの組み合わせによって、特に実用速度域(60km/h以下)で鋭い加速性能を発揮します。
Gターボは快適装備が充実しており、内外装にも装飾が施された上級モデルです。一方、Xターボは装備を簡素化することで価格を抑えています。用途や予算に応じて選べるのが魅力です。
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スズキ ハスラー
スズキハスラーのターボ車は、Xターボ、Gターボ、タフワイルドターボの3タイプが用意されています。いずれもハイブリッドとターボの組み合わせなので、走り出しから中速域までストレスがない加速が体感できます。
Gターボは基本装備が中心のベースモデルですが、LEDヘッドライトやオートエアコン、シートヒーターなど必要な装備が整っています。Xターボはメッキパーツを多用したデザイン性の高いモデルで、上質なインテリアが特徴です。
タフワイルドターボは、専用パーツでエクステリアデザインを堅牢でタフなスタイルにして、見た目から他のグレードとかなり異なります。さらにインテリアも専用色をトリム類に用意したほか、撥水加工のファブリックシートを装備しており、水濡れや汚れに対応しています。
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ホンダ N-WGN
ホンダ N-WGNはカスタムL・ターボとしてターボモデルがラインナップされています。加速性能は、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールを設定していても、前走車にしっかりと追従できるパワフルさを備えています。
加速性能は、ターボの力でぐいぐいと走り抜ける感じですが、余裕のトルクでアクセルワークがとても簡単です。とくに日本の道路事情では、ストップアンドゴーや、不規則な加減速が多くありますが、そのような交通事情でもアクセルワーク一つでストレスのなく走行できるでしょう。
エンジン特性は、ターボ装着の車種の場合、低速がもたつくことが多いですが、N-WGNカスタムL・ターボは低速でも非常にパワフルなセッティングなので、エンジン回転を過度に高めなくてもゆとりの走りができます。
N-WGNは、内装もワンランク上のコンパクトカークラスの装いですが、静粛性も軽自動車離れしています。高回転型のターボエンジンは、7000rpmまできっちりストレスなく回りますが、軽自動車独特の不快なエンジン音が遮断されていて、静粛性に優れている点も特徴です。
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ダイハツ コペン
ダイハツ コペンは、全グレードターボエンジンを装着した2シーターオープンスポーツモデルです。趣味性が高いクルマなので、それにこたえる数々のスポーティーな味付けが自慢です。
コペンは3つのデザインから選べるオープンスポーツカーで、どのデザインやグレードを選んでもパワーユニットは同じです。ただし、最上級グレードのGR SPORTのみ、トヨタ GAZOO Racingのノウハウを活かし、空力性能や接地感を追求した設計が特徴です。
走りを極めたGR SPORTのほかは、スポーツカーの雰囲気が楽しめるグレードとしての位置づけのようにも感じますが、実際に乗ってみると他の軽自動車とは一線を画したスポーティーな走行性能が自慢です。補強されたボディワークと足回りが絶妙な仕事をするので、乗り心地に配慮しながらスポーティな走りが楽しめます。
普通車のスポーツカーは、つま先をちょっと乗せるだけでも、あっという間に100km/hまで加速しとても楽しく感じます。反面、コペンはしっかりとアクセルを踏まなければ素早く加速しませんが、それが大排気量車にはない楽しみがあります。
しっかりとエンジンパワーを使い切れるコペンなら、クルマを操る楽しさがあり、さらに絶対速度が高くなくても、オープンカーの最大の特徴である風を感じることで速さを楽しむことも可能です。
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そもそもターボって何?仕組みと効果について
ターボの仕組みとその効果について以下の2つを理解することで、なぜターボ付き軽自動車が注目されているのかがわかります。
ターボの仕組み
ターボの仕組みとは、空気をたくさんエンジンに詰め込む装置のことです。排気ガスを利用して羽を回して空気をたくさん吸い込んで圧縮し、その圧縮空気に見合った量のガソリンを噴射することで、エンジンパワーを増大させています。
エンジンは、ガソリンを燃やしてパワーを出していますが、排気量が大きく燃やす燃料が多いほどパワーが出ます。そこで、排気量が小さくても大パワーを出せるようにしたのがターボで、捨てるエネルギーを再利用するので効率が良い方向に向かう技術です。
排気エネルギーを利用するので、エンジン回転が高くなると排気圧力も高まり、圧縮空気も増えてしまいます。この圧力を加給圧と呼びますが、当然そのまま過給圧が高まると、エンジンに送るガソリンが間に合わなくなり、燃焼が不規則となりエンジンを壊してしまいます。そこでウェストゲートを備えて一定の過給圧で排気を逃がすよう制御し、エンジンが壊れないようにしています。
最近のターボには電子制御のウェストゲートが装着されているので制御が安定し、きめ細やかな過給圧制御ができるようになりました。低速でもターボが過給し、さらに燃焼効率も最適化されているので燃費の良いターボエンジンになっています。
ターボで得られる効果は「走行性能」
ターボの最大のメリットは、走行性能の向上です。特に坂道や高速道路での加速力が増し、運転のストレスが軽減されます。例えば、同じ660ccのエンジンでノンターボだと、ATがキックダウンしてしまう登り坂でもターボ付きなら難なく加速できる性能が期待できます。
軽自動車の最高出力は64馬力に規制されていますが、トルクは規制されていません。馬力とトルクの違いは、馬力がエンジンが出せる最大のエネルギー量であるのに対し、トルクは回転する力を指します。
ターボを装着するとどちらも高められますが、軽自動車は現在トルクしか高められません。しかし、このトルクが増大すれば、回転力が上がるので加速性能が良くなります。
例えば、自転車に乗る時ペダルの漕ぎ始めはとても力が必要です。この時早くメダルを漕げるほど加速が良くなります。このペダルを漕ぐ力がトルクなので、ターボでトルクが太くなると加速性能が良くなります。現行のターボ付き軽自動車のように、低速からトルクが高まるセッティングなら、街乗りでもぎくしゃくせずにストレスフリーなドライブが楽しめます。
ターボ付き軽自動車の注意点
ターボ付き軽自動車はパワーが有る代わりに注意点として以下の3つがあります。
- 価格が高い
- 燃費に若干の差がある
- メンテナンスをまめに行う必要がある
価格が高い
ターボ付き軽自動車は、パワーを出すためのターボキットが装着されるほか、パワーに見合った安全対策も施されるため、一般的にノンターボに比べて10万円ほど高くなります。
ターボエンジンは、ノンターボエンジンにターボを搭載しますが、ターボだけでなく圧縮空気を冷やすインタークーラーや、それに付随する配管、そして燃料を噴射させるインジェクターなどノンターボより、多くのパーツを組み込む必要があります。
さらに、パワーが上がると止まる力も強くしなければならず、一般的にブレーキも強化されているほか、車体にも補強が入りターボパワーに見合うようにチューニングされています。さらに、サスペンションもノンターボと異なる事も多く、部品価格もノンターボより高い設定となっています。
このように、ターボ付き軽自動車は、数多くのパーツやチューニングが施されているため、ノンターボに比べて割高となっています。
燃費に若干の差が出る
ターボは昔から燃費が悪いと言われていました。そこで現行モデルでは燃費が改良されてきましたが、それでもノンターボに比べると燃費は悪いといえます。
燃費はクルマのパワーに比例するとも言われ、パワーがあるクルマほど燃費は悪くなります。その理由は、パワーを出すエンジンはガソリンを多く消費するからです。ここまでは、昔のターボ車でしたが、最近のターボ車は大排気量エンジンのダウンサイジングエンジンとしての役割があり、燃費はかなり改善されています。
現行のターボ車は、ECU(エンジンコンピュータ)により綿密に計算された燃料消費を行い、効率重視になっています。また、ターボが発生させるエネルギーを効率よく使い切るために、ターボ制御もECUが担い、ガソリン消費をかなり抑えています。
つまり、パワーを出しながら低燃費も狙いえるのが今のターボ車であり、ターボ付き軽自動車も低燃費になっています。実際、ターボ付き軽自動車と同等のパワーを持つノンターボエンジンと燃費を比べると、ターボ付き軽自動車のほうが燃費が勝っています。
だだし、同じ排気量で比べると、ノンターボのほうが少し燃費が良くなっているのが現状ですが、その差は大きくありません。燃費と引き換えに大きなパワーを得られるのは、軽自動車にとって大きなメリットになっています。
メンテナンスをまめに行う必要がある
クルマは、多くの機械が集まった製品なので、定期的なメンテナンスが必要なのはご存じの通りです。特にターボ付き軽自動車は高負荷がかかっているので、ノンターボエンジンよりメンテナンスをこまめにする必要が出てきます。
ターボは、排気を利用して回転しています。その回転は1分間に20万回にも達します。つまり、高回転で回転し続けるターボは、オイルの劣化も早くなるので、ノンターボエンジンより早めのオイル交換が必要です。さらに、エンジンオイルも良いものを入れないとターボを壊してしまいます。
このほかターボ付きになると、多くの部品が装着されているので、故障リスクも高まるほか、交換する部品も多くなりメンテナンス費用はノンターボより高めになります。
ターボ付き軽自動車がおすすめの人
ターボ付き軽自動車は、以下の3つに当てはまる人に向いています。
- 峠や坂道をよく運転する人
- 高速道路等でのパワーを求める人
- 価格を抑えて走行性能のある車を買いたい人
峠や坂道をよく運転する人
ターボ付き軽自動車はパワーも十分なので、峠道や坂道をよく運転する人に向いています。特に、登り坂がきつい場所ほど、ターボ付きのメリットは大きいでしょう。
ノンターボエンジンの軽自動車は、登り坂になると失速してATが勝手にキックダウンし、エンジン音が大きくなり不快に感じます。しかもエンジン音に反して速度もさほど上がらないのでストレスがかなり溜まります。
このようなストレスのある走りから、軽自動車は峠道や坂道で忌み嫌われるクルマでした。しかし、ターボ付きであれば、アクセルを踏めば登り坂も難なくスピードを維持して走行できます。ターボ付き軽自動車によって、上り坂での失速といったデメリットが払しょくされました。
通勤や通学で峠道を走る方や、自宅の周りに坂道が多い方には、ターボ付き軽自動車ならストレスフリーな走行を提供してもらえます。
高速道路等でのパワーを求める人
高速道路は、平坦を走行するならノンターボの軽自動車でも問題ないですが、山岳高速道路に行くと、パワー不足を感じるため、ターボ付き軽自動車が向いています。
高速道路は様々なクルマが走っており、自分の速度より遅いクルマも存在します。遅いクルマが前にいれば追い越しすればよいですが、ノンターボでは加速が遅く追い越し完了まで時間がかかってしまいます。この時にパワーがあるターボ付き軽自動車なら、素早く追い抜き動作を完了できます。
また、高速道路に合流する場合、合流車線が設けられていますが、そこでしっかりと加速して流れに早く乗れるものターボ付き軽自動車なので、高速道路走行でもっとパワーが有ればと感じる方にはターボ付き軽自動車が向いています。
価格を抑えて走行性能のある車を買いたい人
走行性能が高い普通車は、高額になりますが、軽自動車の走行性能が高いターボ付きモデルなら、普通車よりかなり価格を抑えて購入できます。
ターボ付き軽自動車の多くは実用性重視ですが、中には走行性能を高めたモデルも存在するので走りを楽しめます。
ターボ付き軽自動車は、所詮64馬力と鼻で笑う方もいるかもしれません。しかし、簡単にパワーを引き出せるのもターボエンジンの魅力です。最近は、クラウドからチューニングデータをクルマのECUにダウンロードして、乗り味をスポーティーに買える方法も普及しています。
さらに、サスペンションなど、運動性能を高めるパーツも普通車より安いので、安価で自分好みにチューニングして走行性能を楽しめます。
ターボ付き軽自動車は、チューニング方法でコンパクトカー以上のスポーツ走行も楽しめるので、コストを抑えて走行性能が高いクルマが欲しい方にはおすすめです。
まとめ
ターボ付き軽自動車のパワーは、ターボチャージャーによって生み出されます。同じ排気量であれば、ターボエンジンのほうが高い出力を得られるのが特徴です。さらに、近年では精密に制御されたダウンサイジングターボエンジンが主流となっており、同等のパワーを持つノンターボエンジンに比べて燃費性能にも優れています。
ただし、ターボ付き軽自動車は高いパフォーマンスを実現するため、車体価格がやや割高になる傾向があります。それでも、この価格差を超える所有後の満足感を得られる点が魅力です。パワーと燃費を両立したターボ付き軽自動車は、普通車に比べて維持費が抑えられるだけでなく、快適な走行性能も提供します。