
車は10年が寿命の目安と言われていますが、10年以内に乗り換えを検討する人は多いでしょう。乗り換え検討の時期としては、5年と7年があります。どちらの時期に乗り換えるのが良いか、迷うこともあります。
乗り換えるには車両代金や諸費用などがかかり、また車は時間が経つほど価値が下がります。そんな費用や車の価値を見ていくと、5年と7年どちらの時期に乗り換えるのが良いかわかるでしょう。この記事では、車を乗り換えるときに、5年と7年どちらの時期が良いのか、シミュレーションも交えてお伝えします。
目次
クルマの乗り換えは5年と7年のどちらが良い?
車を乗り換えるのは、5年と7年のどちらが良いのか、それぞれの年数でのメリットを見てみましょう。
5年で乗り換えるメリット
5年で乗り換えると、以下のようなメリットを得られます。
- 現車を比較的高値で手放せる
- 「5年で車検1回」のサイクルで乗り続けられる(新車に乗り換える場合)
- 特別保証を継続できる(新車に乗り換える場合)
- 状態の良いクルマに乗り続けられる(新車に乗り換える場合)
A.現車を比較的高値で手放せる
古い車を売却して新しい車に乗り換えるという人もいるでしょう。買取価格は、新車で利用してから時間が経つほど下がります。毎年車の価値は下がっていき、10年経過すると10%程度しか価値が残りません。
5年目だと50%前後の価値が残っていることもあるように、比較的高値で車を手放せます。そのため、大幅に車の価値がなくなる前に売りに出せます。
B.「5年で車検1回」のサイクルで乗り続けられる(新車に乗り換える場合)
車検費用を余計に払わなくて済むというのもメリットです。新車として車を利用するならば、3年経過後に1回目の車検があり、その後は2年ごとに車検を行います。新車購入から5年以内の乗り換えであれば、車検が1回で済む可能性があり、2回目の車検費用が必要ありません。
車検費用は車種や整備内容によって違ってきますが、高いと軽自動車で10万円、普通自動車で15万円ほどかかります。故障箇所があり修理したりパーツを交換したりすると、余計にお金がかかります。そんな2回目の車検費用を払わずに済むのがメリットです。
C.特別保証を継続できる(新車に乗り換える場合)
乗り換えるときに国産の新車を買うとすれば、特別保証を受けられます。この特別保証を利用できるのもメリットです。特別保証は、車の基本性能に関係する内容を保証するようになっており、新車購入から5年目までが保証期間です。
車の運転にかかわる部分を保証します。例えば、エンジン内部の部品の不調、走行中の異音などが対象です。保証期間が終了すれば、車の故障の修理は有償となっており、費用がかかります。保証終了前に乗り換えれば、不測の事態で修理費用が発生するのを避けられます。もちろん、乗り換えで購入した新車も、特別保証が利用可能です。
D.状態の良いクルマに乗り続けられる(新車に乗り換える場合)
5年も乗れば少々のキズや汚れも付いてくると思いますが、5年落ちはまだまだ綺麗な部類です。また、5年程度で不具合が出てくることは稀で、このサイクルで乗り換えれば状態が良い車に乗り続けられます。不具合がでなければ、修理費用がかかりません。
車は常に新しいモデルが発売されており、日々燃費が改善され、装備も向上しており、安全機能の性能が高くなっています。5年経過後に乗り換えれば、そんな最新の装備や機能が備わった、燃費がより良い車に乗ることも可能でしょう。今乗っている車の、新しいモデルに乗るということもできる場合もあります。
7年で乗り換えるメリット
車を7年で乗り換えるときには、以下のメリットを得られます。
- 平均的期間でクルマを手放せる
- 大きな不具合なくクルマに乗り続けやすい(新車に乗り換える場合)
- フルモデルチェンジのサイクルに合わせやすい
A.平均的期間でクルマを手放せる
日本自動車工業会のデータによると車の平均保有年数は、以下のとおりです。
- 2015年 : 7.5年
- 2017年 : 7.7年
- 2019年 : 7.7年
- 2021年 : 7.8年
- 2023年 : 7.7年
このデータを見ると、およそ7年で推移しているのがわかります。
車を3年で乗り換えれば、ローンの支払が終わっていないことがあり、またトータルで見れば費用が割高になります。10年で乗り換えるとなれば、査定額が低くなり大した値段がつきません。しかし、7年で乗り換えれば、トータルで見ると割高ではなく、まだ乗り換え前の車にはある程度の価格がつきます。バランスの良い時期の乗り換えられると言えるでしょう。
B.大きな不具合なくクルマに乗り続けやすい(新車に乗り換える場合)
仮に1年で1万kmを走るとしましょう。その場合には、10年10万kmを超えると、車のパーツが劣化して故障するようになってきて、走行に支障をきたします。
タイミングベルト・ステアリング・ミッションなどに故障が発生し、修理や交換を行わないといけません。車の各パーツは、走行中は常に過酷な環境にさらされ、自然と劣化する部分もあるので、どうしても時間ととも故障するパーツが出てきます。特に10年10万kmを超えると、故障しやすいと言われています。
しかし、7年で乗り換えれば、不具合が出る前に新しい車に乗り換えられるので、修理や交換での余計な出費がありません。
C.フルモデルチェンジのサイクルに合わせやすい
7年ごとに乗り換えれば、車のフルモデルチェンジの時期に合わせて乗り換えしやすいです。以下にいくつかの車種のフルモデル時期を紹介します。
プリウス | アルファード | タント | ハリアー | |
---|---|---|---|---|
初代 | 1997年 | 2002年 | 2003年 | 1997年 |
2代目 | 2003年 | 2008年 | 2007年 | 2003年 |
3代目 | 2009年 | 2015年 | 2013年 | 2013年 |
4代目 | 2015年 | 2023年 | 2019年 | 2020年 |
5代目 | 2023年 | - | - | - |
上記は一例ですが、7年前後でフルモデルチェンジしている場合が多いです。そのため、7年で乗り換えれば、フルモデルチェンジしたばかりの新しい車に乗れます。また、市場価格の高い車に、長く乗れることともなります。なにか理由があって、車を手放さないといけなくなっても、高値で売ることができるでしょう。
5年と7年でリセールバリューはどれくらい違う?
ここからは、5年と7年でリセールバリューはどれぐらい違うのか見ていきましょう。車を売るときの価値は、状態によっても違います。今回は中古車残価表のデータを紹介します。
5年の場合・・・約14%
5年の場合のリセールバリューの残価は約14%です。リセールバリューは1年経過しただけで大幅に下がり、2年目で50%を切ります。そして5年目で14%となります。5年経過しているだけで、車の価値は大きく下がっています。まだ値段はつきますが、高値買取はあまり期待できない状態です。
ただし、車の状態や車種によってリセールバリューは違います。人気の車種であれば、5年落ちでも十分な価値があるので、ある程度の買取額は期待できるでしょう。
7年の場合・・・約7%
7年落ちの車のリセールバリューは約7%です。7%というとほとんど価値が残っていません。6年を経過すると10%を切り、それ以降は一桁のリセールバリューです。値段がつけばいいなぐらいの気持ちで買い取ってもらうと、余計な期待をせずに済むでしょう。
ただし、今回紹介したのは中古車のリセールバリューです。新車に乗っているならば、7年経過後のリセールバリューは、もう少し高くなるでしょう。
【5年・7年】クルマの乗り換えシミュレーション
車を乗り換えるときに、5年と7年で乗り換えるときには、どれぐらい負担額が違うのか比べてみましょう。仮定として、車両本体価格300万円の車を乗り換えるとして、以下におおよその費用を記載します。
5年で乗り換える場合 | 7年で乗り換える場合 | |
---|---|---|
車両本体費用 | 300万円 | 300万円 |
車検・法定費用 | 14万円 | 28万円 |
自動車税 | 20万円 | 30万円 |
リセール | ▲100万円 | ▲50万円 |
実質年間負担額 | 46万8,000円 | 44万円 |
実質月間負担額 | 3万9,000円 | 3万6,000円 |
自動車税額や車検・法定費用は、7年で乗り換える場合の方が高いです。そしてリセール価格は、7年で乗り換える場合の方が低いです。このような結果となっており、上記シミュレーションだと、5年と7年で乗り換えるときには、負担額は年間で2万8,000円ほどしか違いがありません。
このため、コストパフォーマンスとしてはそれほど変わりはないので、乗りたい車が見つかれば、5年で乗り換えても大幅な負担増とはならないでしょう。
クルマを5年で乗り換えるか迷った場合に考えること
車を乗り換えるときに、5年で乗り換えるかどうするか迷ったら、以下の点を考えてみましょう。
- 「欲しい!」と思えるクルマがあるか
- 現車にどれくらい不便を感じているか
- フルモデルチェンジの前か
- 車に不具合はないか
それぞれのポイントを説明します。
「欲しい!」と思えるクルマがあるか
新しい車に乗り換えるかどうか迷うときには、欲しいと思う車があるのかどうか考えてみましょう。車を乗り換えるきっかけとなるのは、欲しい車が見つかったときがその1つです。コストパフォーマンスだけではなく、見た目やブランドで憧れがあるならば、乗り換えを検討する時期かもしれません。
一目惚れする車に出会った、試乗して心を揺さぶられる車が見つかった、広告を見てぜひとも欲しいと思う車があった、このような場合には乗り換えを検討してみましょう。まずは、買いたい車に試乗してみると良いでしょう。
現車にどれくらい不便を感じているか
今乗っている車が不便と感じており、不満があるならば、乗り換えを検討する時期です。特に生活環境の変化によって、今乗っている車が使いにくくなる場合があります。出産や転勤などが、その生活環境の変化です。
特に、子供ができたので今の車に家族全員乗ると窮屈だ、転勤で小さい車が必要となった、車を使う機会が減ったので燃費の良い車が良いと思った、というような場合に乗り換えを検討します。乗り換える場合は、用途を考えて、その使い道にあった車を選ぶと不満を解消できるでしょう。
フルモデルチェンジの前か
フルモデルチェンジすると、旧モデルはリセールバリューが下がり、買取価格が下がります。そのため、高いリセールを狙って、フルモデルチェンジ前に新しい車に乗り換えるというのも1つの考え方です。
一般的に車は7年前後でフルモデルチェンジされます。そのため、現在保有している車が、発売から7年前に乗り換えれば、高値で買い取ってもらえる可能性があり、リセールバリューが下がって損するのを避けて、車を乗り換えられます。
車に不具合はないか
車に不具合があれば、そのまま乗り続けるには修理しないといけないので、修理費用がかかります。タイヤやエンジンオイルなどの消耗品は、劣化して交換するにしても、それほどお金はかかりません。しかし、エアコンやエンジンなどが故障すれば、多額の修理費用が必要です。そのため、修理費用を払うぐらいならば、新しい車に乗り換えるという考えもあります。
また、エンジンにトラブルのある車は、いつ止まるかわからないので、そのまま乗り続けるのは不安です。修理してもエンジントラブルが再発するかもしれません。そんな走行に関わる不具合が発生しているならば、乗り換えを検討する場合もあるでしょう。
まとめ
車を5年で乗り換えても、7年で乗り換えても、負担する費用はさほど変わりはありません。
5年で乗り換える場合にも7年で乗り換える場合にも、どちらでもメリットがあります。そのため、欲しい車が見つかったときは、乗り換えのタイミングと言えるでしょう。
または、今の車への不満や不具合、リセールバリューなどを考えて、乗り換えを検討するという場合もあります。まずは、欲しい車が見つかったら試乗してみて、本当に乗り換えるかどうか考えると良いでしょう。