カーリースには初期費用なしでカーライフが始められる、ずっと定額で利用できるなどの多くのメリットがあります。近年個人向けのカーリースはカーローンに変わる車の入手方法として注目を集めていますが、ローンほど浸透していないため「どのようなメリットやデメリットがあるのかわからない」という声も多いのが現状です。
そこで、カーリースのメリットに加え、知っておきたいデメリットについても詳しく解説します。また、購入との違いも併せてご紹介します。
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カーリースのメリット6つ
カーリースには、購入にはないさまざまなメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 自分の好きなように車を使える
- 初期費用を抑えられる
- ずっと定額で利用できる
- 「わ」ナンバーでない
- リース会社のサポートがつく
- 経費計上できる
1.自分の好きなように車を使える
カーリースでは、契約者が車の保管場所を確保し、契約期間を通じてリース車を自分で管理するため、購入した車とほぼ同じ感覚でいつでも自由に利用できます。
レンタカーやカーシェアリングのように、使用時に予約する必要もなく、その都度返却することもありません。そのためキャンプ用品や非常用アイテムなどを車に積みっぱなしにすることも可能です。
ただし、カーリースは契約満了時には車を返す前提のサービスであり、返却時には原状回復の義務があります。原状回復できない車のドレスアップやカスタマイズはできないケースがあるほか、契約時に設定した残価の維持のために走行距離制限が設定されることがほとんどです。
カーリースはレンタカーやカーシェアリングした車よりも購入した車に近い感覚でカーライフが送れるのがメリットですが、完全に自由ではない点には注意が必要といえるでしょう。
2.初期費用を抑えられる
カーリースは頭金なしで利用できるケースがほとんどであることに加え、車両登録に必要な諸費用はリース料金に含まれているため、初期費用の負担なく車を入手できます。
現金一括購入よりも初期費用を抑えて車を手に入れる方法としては、カーローンが広く利用されています。カーローンは現金一括購入に比べて初期費用を抑えられますが、通常はある程度の頭金が必要で、登録諸費用はローンとは別に支払いを求められるケースも少なくありません。
その点カーリースは初期費用なしで利用できるため、手元に資金がなくてもカーライフが始められるメリットがあります。
3.ずっと定額で利用できる
フラットな支払いで車が維持できるのも、カーリースのメリットのひとつです。カーリースではリース料金に車両代金と登録諸費用のほか、契約期間中の自動車税種別割や自賠責保険料、自動車重量税が含まれています。
また、リース会社やプランによりますが車検基本料や車検整備費用、オイル交換などのメンテナンス費用も月額料金に含まれていることも多く、車に関する出費をほとんど月額料金にまとめられるのが特徴です。
車は購入に大きな費用がかかるのはもちろん、購入後もずっと維持費がかかります。特に車検にはまとまった費用がかかるため、タイミングによっては家計の負担になることもあるでしょう。
対してカーリースでは、車に関する突然の出費がほとんどなく毎月定額の支払いでカーライフが送れるので、家計にかかる負担も抑えられます。
4.「わ」ナンバーでない
レンタカーやカーシェアリングの車のナンバーは「わ」もしくは「れ」となり、周囲に借りた車であることがわかります。レンタカーやカーシェアリングはその点が気になる、という方も少なくありません。
「わ」や「れ」は、貸渡用車両に使用されるナンバーです。カーリースはリース会社が車を貸し出すサービスではあるものの、契約者はリース料金を支払ったうえで複数年などの長期間車を専有して使用するため、レンタカーなどの一般的な貸し出しとは区別されています。
そのためカーリースで使用する車は、「わ」や「れ」ナンバーにはなりません。自家用乗用車と同じナンバーが与えられるため、「わ」や「れ」ナンバーに抵抗がある方も利用しやすい点もメリットといえるでしょう。
5.リース会社のサポートがつく
多くのカーリースでは、契約者用の専用相談窓口が用意されており、疑問点や不安な点、トラブルなどについていつでも相談できます。
契約前から車選びやプランについての相談も可能なことがほとんどなので、車に詳しくない、カーリースは初めてなので利用に不安がある、という場合でも安心して利用できるでしょう。
また、リース会社が車の購入手続きも代行します。毎年の自動車税種別割の納税もリース会社が行うほか、車を手放す際も返却するのみと、手間がかかりません。車に関する面倒な部分をリース会社に任せられるので、楽にカーライフを楽しめます。
6.経費計上できる
法人や個人事業主において、事業用の車として新車を購入した場合は6年かけて減価償却する必要があり購入年度に一括経費計上することはできません。購入年度に一度で経費計上できるのは、4年落ちの中古車からになります。
カーリースの車の所有者はリース会社であり、契約者は使用者です。カーリースの場合、車を所有しているわけではないため、固定資産として計上する必要はありません。
車両代金や維持費を含んだリース料金を「リース料」として一括で経費計上できるため、経理処理の手間が省け、節税効果も期待できます。法人、個人事業主にとってこれは大きなメリットです。
気をつけたいカーリースのデメリット4つ
多くのメリットがあるカーリースではありますが、デメリットが全くないわけではありません。ここからは、カーリースのデメリットとなり得る部分を見ていきましょう。具体的には以下4つは頭に入れておく必要があります。
- 一部利用制限がある
- 返却が前提となる
- 中途解約は原則不可
- 原状回復義務がある
一部利用制限がある
一般的にカーリースでは、契約時に契約満了時の車の予想価値である残価を設定し、残価を車両価格から引いた金額に諸費用をプラスしてリース料を算出します。
そのため、車の価値を下げるようなカスタマイズはできないことに加え、走行距離制限が設けられます。制限距離はリース会社やプランによってさまざまですが、制限距離を超えて走行したときは契約満了時に超過金が請求されることもある点は、カーリースのデメリットといえるでしょう。
ただし、今では残価設定をしないカーリースも登場しており、残価設定がないカーリースの場合は車の利用に制限がないことがほとんどです。また、中古車リースでも残価がなく制限なしで使えるケースもあります。
返却が前提となる
先にも少し触れたとおり、カーリースは契約満了時に車を返却する前提のサービスです。長年リース料金を支払っても、原則自分の車になるわけではありません。人によっては、その点をデメリットと感じることもあるでしょう。
リース会社によっては、残価を精算して車を買い取ったり、再リースして同じ車に乗り続けたりすることが可能です。また近年では残価設定をなくす、もしくは残価相当額を月額料金に組み込むオプションなどによって契約満了時に車をもらえるカーリースも登場しています。
車が自分のものにならないことをデメリットに感じる場合は、そういったカーリースを選ぶのもひとつの方法です。
中途解約は原則不可
カーリースの料金は、総額を契約月数で割って算出するのが一般的です。契約期間を通して車両代金を回収する仕組みであるため、原則として中途解約はできません。契約の途中での契約内容の変更も、不可であることがほとんどです。
リース車が全損した、盗難に遭ったなど、使用できない状態になった場合が強制的に解約となりますが、その場合は違約金の支払いが求められます。
ただし、中には契約から一定の期間が経過すると乗り換えや返却が可能なリースもあります。
原状回復義務がある
一般的なカーリースでは、契約満了時に車を原状回復して返却する必要があります。契約期間中は、リース車にできるだけ傷やへこみといったダメージができないように、ある程度気を使って車を使用しなければなりません。
車のダメージが経年劣化の範囲を超えると判断された場合は、原状回復費用が請求されることもあります。また、車のパネルに穴をあけるなど、購入時の状態に戻せないカスタマイズは原則できません。
カーリースと購入の良さの違いは?
カーリースと購入、それぞれの違いとメリットを以下の表にまとめました。
カーリースの場合 | 購入の場合 | |
---|---|---|
初期費用 | なし | あり |
役所等での各種手続き | リース会社が代行 | 原則自分で行う |
車の所有権 | リース会社 | 本人 ※ディーラーローンの場合は完済までは信販会社が所有権を持つ(所有権留保) |
維持費(車検、メンテナンス、税金) | 法定費用は基本定額 プランによっては車検基本料や整備費用、メンテナンス費用も定額にできる |
その都度払う |
使用制限 | 走行距離、カスタムなどにあり | なし |
乗り換えのタイミング | 契約満了時(中途解約は原則不可) | いつでもOK |
乗り換え時の選択肢 | 返却、新しい車に乗り換え、再リース ※買い取りやもらう選択肢があるケースもある |
売却、下取り、所有し続けるなど幅広い |
いつまで乗れるか | 原則契約満了時まで(再リースや買い取り、もらえるケースもあり) | 自由 |
カーリースには初期費用不要で好きな車に乗れることや、税金、車検などの車の維持費を含めた定額料金の支払いで車が維持できるメリットがあります。車の使用にはある程度の制限がかかるものの、車に関する大きな出費をなくしてサブスク感覚で気楽に車に乗りたい方に適しているといえるでしょう。
一方購入の場合は初期費用がかかることに加え、税金や車検費用はその都度支払う必要があります。ただし何の制限もなく車を自由に使えるほか、いつでも好きなときに売却したり、乗り換えたりすることが可能です。ドレスアップを楽しみたい、ロングドライブを頻繁にする、という方はカーリースよりも購入が向いているかもしれません。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
まとめ
カーリースは購入に代わる新しい車の乗り方として、近年利用者が増加傾向にあります。初期費用が不要、税金などの維持費を含めた定額料金の支払いで車が維持できるなど多くのメリットがありますが、一方で走行距離制限がある、中途解約ができないなどのデメリットもあります。
近年は車に限らず、モノを「所有」することにこだわらず賢く「利用」する、という消費スタイルが浸透しつつあります。車においても、購入のほかに入手方法があることを視野に入れ、自身のニーズに合った最適な選択肢を見極めることで、より充実したカーライフが実現できるでしょう。