なぜ、社用車の洗車は事故防止につながるのか?

メンテ
  • 更新日:2024/09/18
  • 330

法人が所有する社用車は、荷物配送・役員送迎・外回りといった様々な用途で利用され、用途に応じて車種も異なるケースがほとんどです。そして、社用車のコンディションを保つために洗車をすることは、いかなる車種においても重要です。

社用車の洗車と聞くと、どちらかというと対外的なイメージアップを連想させますが、事故防止の観点からも役立ちます。この記事では、社用車の洗車が事故防止につながる理由・洗車のポイントなどについて幅広く解説します。

社用車の洗車を行うべき理由

はじめに、社用車の洗車をなぜ行うべきなのか、その理由について解説します。

取引先やお客様から印象悪化を防ぐ

社用車を洗車しておくと、取引先やお客様からの印象悪化を防ぐことにつながります。取引先の人物が自社の社用車を目にする機会がある際、ボディが汚れていたりすると、その人物が自社で提供する製品・サービスの質を疑うおそれがあります。自社の対外的なイメージ悪化を避けるためにも、洗車は丁寧に行う必要があります。

綺麗にしておくことで心理的効果がある

社用車を清潔に保っておくと、それだけでポジティブな心理的効果が期待できます。キレイな社用車を自分が傷つけないよう、ドライバーは運転を丁寧に行うように意識を高めやすく、車内が整理整頓されていると運転にも集中できるため、事故発生のリスクを減らすことにもつながります。

メンテナンス不良による事故防止

取り立てて自動車に詳しい社員でなくても、社用車を大切に使用する意識が芽生えていると、運転中に普段との違いを敏感に感じ取れるようになります。エンジンのかかりやすさやブレーキの効き、ワイパーの動きなど、ちょっとした違和感に気付いてメンテナンスを実施していれば、少なくともメンテナンス不良による事故を防止できる確率は高まります。

なぜ、洗車が事故防止につながるのか?

メンタル面だけでなく、車両のコンディションの観点からも、全社用車を洗車してキレイに保つことには意味があります。例えば、掃除していない内窓ガラスは曇りやすくなりますし、ヘッドライトが汚れていると夜間の視界不良につながります。

また、車内にモノが散乱している状態で運転すると、急な対応時にブレーキ・アクセル操作ができない可能性があります。ドライバーの視界・対応力を確保する点で、定期的な洗車は事故防止の重要なポイントになります。

社用車の洗車にはルールが必要

社用車の洗車を滞りなく実施するためには、社員全員が同じ基準で洗車できる「ルール」を設ける必要があります。

ルールが必要な理由

社用車の洗車にルールが必要な理由として、洗車の品質を一定にしなければならない点があげられます。車両ごとに担当者を決めた場合、それぞれの判断で洗車すると頻度・品質に差が出やすいため、誰でも一定の品質が保てるようなルールを決めることが重要です。

手間がかかる場合は業者を利用するのも選択肢の一つ

社用車の洗車設備が社内にある前提で、従業員が手洗い洗車を行うルールを決めた場合、通常業務と並行して洗車を行うのは従業員に負担がかかります。ガソリンスタンドや洗車の専門業者と提携できるのであれば、従業員に負担をかけず、あえて業者に依頼するのも選択肢の一つです。

社用車の洗車・清掃のポイント

どのようなルールであっても、社用車の洗車・清掃には、最低限押さえておきたいポイントが存在します。

洗車のポイント

社用車を定期的に洗車しつつ、かつ従業員の負担を軽減したいのであれば、ドライブスルー洗車など手軽に洗車できる方法を採用しましょう。例えば、社内ルールで定められた指定のコースを選べばOKと決めておくと、誰でも簡単な手順で洗車ができるため、車の取り扱いに自信がない従業員でも安心して洗車することができます。

清掃のポイント

従業員の努力次第で質が変わる清掃に関しては、最低限のルールとして「順番」を決めておきましょう。例えば、清掃の流れを「ゴミ捨て→掃除機→拭き掃除」といった順番であらかじめ決めておくと、従業員が清掃の手順に悩むのを防げます。

また、汚れにくい箇所から掃除するよう、運転席、助手席、後部座席とセクションを分けて順番を決めるのも有効です。

日常点検も忘れずに行う

社用車を清掃する際は、安全に走行できるよう、日常点検も忘れないようにしましょう。

タイヤの状態

タイヤの状態を確認する場合、タイヤの側面にある三角形のマーク(スリップサイン)を参考に溝の残り具合をチェックしつつ、釘などが刺さっていないかどうかも目視します。溝の中に小さな突起が見えたら、それは残り溝が1.6mmになったというサインで、タイヤ交換の目安になります。

目視でタイヤがへこんでいるように見えたら、給油の際にガソリンスタンドで確認し、空気圧の調整やパンク修理などをしてもらいましょう。その他、傷やひび割れ・摩耗の偏りなども、余裕があれば確認した方が賢明です。

ブレーキ

ブレーキの確認は、ブレーキペダルを強く踏み込んで行います。床からの隙間が狭く感じたり、踏み心地が何となくフワフワしたりする場合は、ブレーキ液漏れやエア混入の可能性があります。パーキングブレーキに関しては、ペダル(またはレバー)の遊びが多かったり、逆に少なかったりしないかどうか、普段の使い心地と比較しながら確認しましょう。

ブレーキオイル、パワステオイル

ブレーキやステアリング(ハンドル)の状態を確認する上で重要なのは、ブレーキオイル・パワステオイルの残量です。現代の多くの車はパワーステアリングを採用しており、ブレーキもステアリングも油圧で作動しているため、それぞれ専用のオイルが使われています。

通常は機構が密閉されていることから、オイルが大量に減ることはありませんが、万一ブレーキオイル・パワステオイルが減少している場合、油圧ポンプ・ホース等からのオイル漏れが疑われます。

ライト類

一口にライト類といっても、車はヘッドライトだけを使って走るわけではなく、方向転換時はウィンカーを使いますし、ブレーキを踏めばブレーキランプが点灯します。よって、これらすべてが問題なく点灯するかどうか、目視で確認が必要です。もし、操作に伴いライトが点かない箇所があった場合、速やかに部品交換または修理を依頼しなければなりません。

ワイパー、ウォッシャー液

ワイパーの状態が悪いと、雨が降った際などにドライバーの視界を確保できず、重大な事故につながる恐れがあります。また、何らかの理由で走行中にフロントガラス・リアガラスが汚れた場合、速やかにウォッシャー液とワイパーで汚れを落とす必要があるでしょう。

運転中にウォッシャー液が切れないよう、定期的に液を補充するのと同時に、ウォッシャー液を噴霧してワイパーがきちんと拭き取れるかどうかも確認しましょう。

エンジン、エンジンオイル

エンジンの確認時は、まずエンジンをかけてみて、問題なくかかるかどうか確認しましょう。また、アクセルを踏んだ時にエンジン回転がスムーズに上昇するか、吹き上がりもチェックしたいところです。エンジンの潤滑や防錆・冷却などの役割を担うエンジンオイルも、走行3,000〜5,000km、または最後の交換から3ヶ月〜半年ほどで交換する必要があります。

エンジンオイルの残量・状態をチェックできるレベルゲージを確認し、黒濁りや粘度の強さが感じられたら、ガソリンスタンドや整備工場などでオイル交換を依頼しましょう。

バッテリー

移動したい時にエンジンがかからないと、その分時間を無駄にしてしまうため、普段からエンジンのかかり具合やバッテリーの電圧・液量を確認する習慣をつけておきましょう。バッテリーの適正量は、ケースに書かれている「UPPER LEVEL」と「LOWER LEVEL」の間ほどで、液面が「LOWER LEVEL」より下になったら新しいバッテリーへの交換などを検討しなければなりません。

外装、内装

外装に傷が付いていないか、内装に汚れがないかも、乗車前後でチェックしましょう。傷を放置しておくと、それだけ社用車の劣化が早まるため、早めの修理が必要になります。

また、複数の担当者で同じ社用車を利用する場合は、前回の利用者が傷をつけていないかどうか、ゴミを片付けているかどうか確認することも大切です。当て逃げ等の対策も兼ねてドライブレコーダーをつけておくと、汚れや傷が付いた原因を把握しやすいでしょう。

計器類、燃料確認

洗車時は、計器類の作動状況に問題ないかどうか、燃料が十分かどうかも確認しましょう。

メーターパネルに傷が付いていたり、見慣れない警告灯が点いていたりした場合は、修理に出すことも検討が必要です。燃料に関しては、社内の洗車・点検ルールに則った量が入っているか、燃料計を確認します。常に満タンをキープしておく運用体制の場合は、自分より前に乗っていた従業員が給油していなかった場合、それを指摘することも大切です。

まとめ

社用車を洗車・清掃する仕組みを社内で構築しておくと、営業その他の企業活動をスムーズに進められます。対外的なイメージ向上のほか、従業員の安全運転を促す効果が期待できるからです。

ただし、社用車を利用するすべての従業員が車の扱いに慣れているとは限らないため、企業が洗車のルールを決める際は、できるだけ洗車・清掃の手間を省くことが大切です。洗車と合わせて日常点検も行うようにすると、より安全に社用車を運転できるため、そちらもルールに盛り込んでおきましょう。

この記事をシェア

カテゴリー内記事Related articles

cars Enjoy! Smart Life
carsはSDGsに取り組んでいます

Sustainable Development Goals
ページトップへ