業界トレンド

MaaSにおける自動車メーカーの方向性と自動車業界を取り巻く今後10年のトレンド

投稿日:2022/06/02更新日:2022/06/03

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cars TRENDではこの度、現在のMaaSにおける自動車メーカーの方向性を考察。さらに、自動車業界を取り巻く今後10年のトレンドを予測し、まとめました。今回はその内容をご紹介いたします。

世界の自動車需要予測

まずは自動車需要の予測に目を向けてみましょう。

自動車業界におけるMaaSの世界情勢と電動化を巡る動きの考察」の記事で紹介したとおり、車両走行距離(VMT)は右肩上がりに伸びていくと予想されています。

その中で自動車の需要予測といえば、日本では2021年の時点では490万台となっており、2026年までに460万台まで減少すると予測されています。

一方、アフリカは2021年時点で198万台、2026年には206万台に達すると予測されています。また、中国は2021年時点で2,849万台。2026年には3,183万台に達すると予測が出ており、圧倒的な台数となっています。

このように、日本国内では減少傾向であるものの、海外では今後も増加していくと予測されています。

MaaSにおける自動車メーカーの方向性

ここで、MaaSにおける自動車メーカーの方向性を予測してみたいと思います。

メーカーとしてのあり方を追求し、移動体を提供

まず、方向性として考えられるのは、メーカーとしてあらゆる移動体を提供していくということ。車だけでなくバイク、飛行機、船など、陸海空すべてを自社ブランドのもので移動できるという世界観を目指すマーケットメーカーという方向性が考えられます。

プラットフォーマーに移行(まちづくり、超メーカー連合)

次に考えられるのが、プラットフォーマー化。たとえば、自動運転車が走るようなスマートシティ、それ自体をつくるための連合を束ねる役です。

または、自社資本の入っている企業を集めて、部品生産の合理化を扇動するなどのグループを束ねていくような動きが考えられます。

企画運営会社との共存(製造請負メーカー化)

製造請負メーカー化も考えられます。自社のブランドで車を売ってもマーケットに刺さらずに売ることができないと判断し、それならば有名な会社に企画をしてもらい、それを製造するメーカーになるという方向性です。

ディスラプターとの共存(UberやGrabなど)

利用者のタッチポイントを抑え最前線に位置している、UberやGrabなどと連携する動きも考えられます。インターネット時代ではハードだけあっても仕方なく、ソフトをいかに握るかがカギになるでしょう。

たとえば、当時iモードはドコモの携帯電話に組み込まれたサービスでしたが、Appleがそれを取り入れ、さらに進んだビジネスに進化させました。

これに似たような動きが、車業界でも起こることが予測されます。

メーカーのジレンマ=顧客不在

一方でメーカーは「お客様を知らない」というジレンマを抱えています。「お客様を知らない」とは具体的に言うと、大手メーカーは販売店に卸しているため、お客様に直接車を売ることをしていないということです。お客様の顔や名前も控えることができず、いわゆる“顧客を持っていない”状態といえます。

そのため、自動車メーカー内部からは「テスラのように直販体制を強化していく」との声が聞こえてきています。一方で、販売店の顧客データを仕組みの強化により取得するという動きをするかどうか、といったことも考えられます。

メーカー自身は“顧客を持っていない”ことを自覚しているため非常に危機感を感じており、次の打ち手を考えてはいるものの、ジレンマが解消されるほどの打ち手が出てきていないのが現状です。

その点において、“顧客を持っている”自動車整備業は有利といえる状況にあるといえるでしょう。

自動車業界を取り巻く今後10年のトレンド

自動車業界におけるMaaSの世界情勢と電動化を巡る動きの考察」でご紹介した内容と今回の記事の上記内容も踏まえて、自動車業界の今後10年のトレンドを予測してみました。

電動化推進による先進車両の増加

電動化の推進により、国内で先進車両が増加します。これは間違いなさそうですが、一方でアナログのガソリン車の行き先に困るのではないでしょうか。先進車両に乗り換えてもらっても、残ったガソリン車はまだまだ使えそうです。

可処分所得が減少した世帯や高齢者など、できるだけ車の購入費を抑えたい人々がそれらの車を使用するかもしれません。

また、ガソリン車を必要とする国に輸出する必要も出てくるのでは、と想像できます。

中古車の越境EC時代が本格的に到来

さらに、円安や世界人口の増加により日本の中古車需要が増加することが考えられます。海外にはまだまだアナログガソリン車を必要とする国もあります。そう考えると、中古車の越境EC時代が本格的に到来することが予想されます。

自動車整備事業者もこの越境ECとのつながりは欠かせないものとなるはずです。たとえば、これまではお客様から買い取った車はオートオークションで売却していましたが、今後は海外に輸出するようになるでしょう。

海外からお金を振り込んでもらって車を海外に送るという輸出網や仕組みがこれから整備されることが予想されます。

今までもトレードカービューなどはありましたが、これからは一部の人だけの話ではなく、業界全体にこの流れがやってきます。

いち早くその流れが来ているのが農業です。和牛や野菜など、日本ブランドのものが海外に輸出されています。同じように自動車整備業界にも中古車を輸出するという流れが訪れ、事業としてそれらを行うというのが今後10年のトレンドになると考えます。

まとめ

今回は「MaaSにおける自動車メーカーの方向性と自動車業界を取り巻く今後10年のトレンド」というテーマで、世界の自動車需要予測や自動車メーカーの方向性、電動化推進によるアナログガソリン車の海外輸出について考察しました。

そして、今後10年のこの状況をどのように生き抜いていくかを考える必要があります。上記でも触れましたが、自動車整備工場の最大の強みは“顧客を持っている”ということです。

その強みを生かしながら経営していくためには、顧客一人ひとりのカーライフを把握することが必要です。

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