車のバッテリーが上がった時の対処法・原因・予防対策まとめ

メンテ
  • 投稿日:2021/10/06
  • 更新日:2023/02/17
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それまで調子良く走っていたのに、突然、車のバッテリーが上がってしまったことはありませんか。車のバッテリーが上がってしまうと、どうにも動かず困ってしまいますよね。

この記事では、車のバッテリーが上がった時の対処法、原因や予防対策をまとめて解説します。

車のバッテリー上がりの対処法

車のバッテリーが上がってしまったら、どうすれば良いのでしょうか。まずは、すぐに対処できる方法を紹介します。

ジャンピングスタート

ジャンピングスタートとは、他の車から一時的に電気を分けてもらったり、専用の機器を使ったりして、車のバッテリーではなく外部から電気を供給することでエンジンをかける方法です。

車のバッテリーは走ることで充電される仕組みなので、一度エンジンがかかりさえすれば走ることができ、再びバッテリーが充電を行える可能性があるためです。

とはいえ、ジャンピングスタートは感電のリスクを伴う作業であり、決して簡単なものではありません。
ジャンピングスタートを行う際には、手順をよく確認し、細心の注意を払いましょう。

では、実際にジャンピングスタートの手順を紹介します。

  1. 専用のブースターケーブルの点検を行い、被膜の破れや断線、クリップ部分の噛み合わせなどをチェック
  2. 電気を供給してくれる車(救援車)、または機器を用意する
  3. ブースターケーブルをつなげる
  4. 救援車のエンジンをかける、または機器の電源を入れる
  5. バッテリーの上がった車のスターターを回し、エンジンを始動する
  6. ケーブルを取り外す

ブースターケーブルには、赤(プラス)と黒(マイナス)の2本のコードがあり、つなぎ方や外し方に注意が必要です。以下の順番を必ず守りましょう。

  1. バッテリーが上がってしまった車のプラス端子に、ブースターケーブルのプラスクリップを接続
  2. 救援車や機器のプラス端子に、ブースターケーブルのプラスクリップを接続
  3. 救援車や機器のマイナス端子に、ブースターケーブルのマイナスクリップを接続
  4. バッテリーが上がってしまった車のエンジンブロックなど、バッテリーから離れた場所(ボディアース)に、ブースターケーブルのマイナスクリップを接続

手順を間違えると、ショートや感電の可能性があるため非常に危険です。必ず上記の手順でつなぎ、外す際は逆の手順で行いましょう。

注意点として、ハイブリッド車や電気自動車は、一般的なガソリン車とバッテリーの仕組みが異なります。そのため、ジャンピングスタートを行うと故障してしまう可能性があり、救援車として利用することはできません。

ジャンプスターターを使う方法

ジャンプスターターとは、前述の電気を供給してくれる機器のことです。シガーソケットに接続して簡単に充電できるものもあり、車に1台載せておくと安心でしょう。

ジャンプスターターを使った接続の手順は、以下の通りです。

  1. ジャンプスターターのバッテリー残量が十分か、本体やケーブルに破損がないかチェック
  2. 車のエンジンを止める
  3. ギアをパーキング(P/AT車の場合)またはニュートラル(N/MT車)に入れる
  4. サイドブレーキを確実に引く
  5. 車のボンネットを開け、バッテリーのプラス端子についているカバーを開ける
  6. ジャンプスターターとバッテリーをケーブルでつなぐ
  7. ジャンプスターターの電源を入れ、数分間放置する
  8. 車のエンジンをかける
  9. エンジンがかかったら、ジャンプスターターの電源を切り、ケーブルを外す
  10. しばらく走行して、バッテリーを充電する

ジャンプスターターとバッテリーをケーブルでつなぐ手順は、救援車の場合と同じです。
もし、8.でエンジンがかからなかった場合は、数分待ってから再びエンジンをかけましょう。

ロードサービスを呼ぶ

自動車保険に付帯するロードサービスを呼び、バッテリー上がりのジャンピングスタートを任せる方法もあります。多くは無料で直せますが、保険期間中に1回のみ無料としているところも多いため、注意しましょう。

ロードサービスは各保険会社の「ロードサービスセンター」に連絡して利用します。

JAF(日本自動車連盟)のロードサービスなら、会員は無料で利用可能です。しかし、急に対処が必要になった時のため、有料(13,130円)ではあるものの非会員でもロードサービスを呼ぶことができます。

任意の自動車保険に付帯したロードサービスは、出先だけでなく自宅でのバッテリー上がりにも対応してくれることが多いです。

また、レッカー牽引・閉じ込み・パンク時スペアタイヤへの交換・ガソリン切れの時の燃料補給など、さまざまなトラブルに対応しています。

とはいえ、これらの内容は保険会社によって異なりますので、よく確認しておきましょう。

ハイブリッドカーのバッテリー上がりはどうする?

ハイブリッドカーでもバッテリー上がりは起こりえます。そもそもハイブリッド車にはバッテリーが2種類搭載されていて、それぞれ違う働きをしています。

ハイブリッドバッテリー

大型の駆動用バッテリー。ニッケル水素やリチウムイオンの電池を使い、駆動用モーターを動かします。電動エアコンプレッサーによりエアコンの稼働にも関わります。

補機バッテリー

電気を使って動く装備品、ライト類・ワイパー・スライドドア・オーディオなどに使われます。ハイブリッド車以外でも使われているバッテリーと同じです。

ハイブリッド車のエンジンをかける時も、補機バッテリーの電気を使っています。そのため、補機バッテリーが上がってしまうとエンジンがかからなくなってしまいます

補機バッテリーの応急処置にはジャンピングスタートが可能です。同様に、ジャンプスターターを使ってバッテリー上がりを解消することもできます。

もし、ハイブリッドバッテリーが上がってしまった場合は、ロードサービスなどプロでないと対応できません

補機バッテリーを対処してもエンジンがかからない時は、ハイブリッドバッテリーが上がっている可能性が高いと考えられます。

無理に自分で対処しようとせず、ロードサービスを頼みましょう。

車のバッテリーが上がっている時の症状

車のバッテリーが上がってしまったかどうかの判断には、以下の症状が出ているかどうかチェックしましょう。

エンジンがかからない

最もわかりやすい状態で、駆動音も普段と異なります。通常、車のエンジンキーを回すと「セルモーター」という部品が回転する音が聞こえたのち、エンジンがかかります。

バッテリーが上がってしまうと、セルモーターの駆動音が通常よりも弱々しく、なかなかエンジンがかかりません。

ライト・ランプが点かない、メーターが光らない

ライトやランプ、メーターなどの光はバッテリーの電気で点灯しています。そのため、バッテリーが上がってしまうとこれらの機器に電気が行き渡らず、光らなくなってしまうのです。

もし、これらの機器が通常よりも暗くなったと感じるようになったら、バッテリーが弱っているサインかもしれません。

電装品が動かない

パワーウィンドウ・パワーシート・ラジオなどの電装品が動かなくなってしまうのも、バッテリーが上がった時の症状です。

これもライトやランプと同じように、バッテリーからの電力が供給されないと動きません。

バッテリー上がりに似た症状

バッテリーが上がった時の症状と似た症状に、セルモーターの故障やガソリン切れがあります。それぞれ、バッテリー上がりとの見分け方を見ていきましょう。

セルモーターの故障

エンジンを入れてもかからない場合、バッテリー上がりではなくセルモーターの故障が原因である可能性もあります。

両者の違いを見分けるには、車内の電装品やライト・メーターなどが点いているかチェックしましょう。バッテリーが上がってしまった場合、電装品やライト・メーターなどもすべて点かなくなっています。

一方、セルモーターの故障のみなら電装品やライト・メーターは正常に稼働します。

ガソリン切れ

ガソリン切れもバッテリー上がりとよく間違えられやすい症状です。燃料タンクだけでなく、予備タンクに入っている燃料まですべて使い切ってしまうとガソリン切れとなり、エンジンがかからなくなります。

しかし、ガソリン切れが原因でエンジンがかからないという場合、やはり車内の電装品やライト・メーターなどの機器は正常に稼働します。

バッテリー上がりを疑う時は、まず電装品やライト・メーターなどの光をチェックしましょう。

車のバッテリーが上がる原因

では、なぜ車のバッテリーが突然上がってしまうのでしょうか。考えられる原因を順に4つ見ていきましょう。

ライトの点けっぱなし

エンジンを止めても、ヘッドライトや室内灯を点けっぱなしにしているとバッテリー上がりの原因になってしまいます。

前述のように、車のライト類はバッテリーから電力を供給されているため、点けているとバッテリーの電力をどんどん消費してしまうのです。

ライトを点けっぱなしで放置した場合、だいたい3〜5時間でバッテリーが上がってしまいます。

他にも、以下のような電装品を取り付けている場合、バッテリーの電力を消費しやすいので注意しましょう。

  • エアコン
  • オーディオ
  • ドライブレコーダー
  • ETC

特に、これらの電装品はエンジンを止めただけではオフにならないものもあります。

すると、エンジンが止まっている間もバッテリーの電力を消費するため、バッテリーが上がりやすくなってしまうのです。

気温

バッテリー液は気温が低いと性能も低くなってしまいます。

これは、自動車バッテリーが鉛蓄電池という電池を使っているためで、外気温が低くなると内部の抵抗値が増え、性能を発揮しにくくなってしまうことによります。

新品のバッテリーでも、気温が0℃では80%の性能しか発揮できず、通常の走行でも電力を大量に消費してしまうのです。

自然放電

車のバッテリーも多くの電化製品同様、使っていない時は少しずつ自然放電を起こしています。

定期的に車に乗っていれば、走りながら充電されるので自然放電だけでバッテリーが上がる心配はありませんが、車に乗る機会が極端に少ない場合は注意が必要です。

一般的に、まったくエンジンをかけないと約3ヶ月でバッテリーが上がってしまいます。

バッテリーの寿命

バッテリーも他の車の部品と同じで、寿命があります。寿命を迎えるとバッテリーが電気を蓄えられなくなってしまうので、交換しなくてはなりません。

バッテリーの寿命はだいたい2〜3年程度とされ、以下のような使い方ではさらに短くなりやすいので注意が必要です。

  • 月に1回も乗らないほど、長期間乗らない
  • 短距離だけ乗ることが多い
  • 夜間走行など、ヘッドライトを点けながら走ることが多い

また、以下のような症状が見られるようになってきたら、バッテリーが古くなってきたと考えられます。早めに交換しましょう。

  • ヘッドライトが暗くなってきた
  • エンジンがかかりにくくなってきた
  • パワーウィンドウの開閉が明らかに遅くなってきた
  • バッテリーの液量、膨らみなどの異変に気づいた
  • アイドリングストップしなくなった

車のバッテリー上がりを防ぐ方法

最後に、普段からバッテリー上がりを防ぐためにできることを4つ紹介します。

定期的に走行、アイドリングする

車のバッテリーは、走ったりアイドリングしたりすることで充電されます。そのため、定期的に走ったりアイドリングしたりすればバッテリーが上がりにくくなります。

走行時間は最低でも30分、極力余計な電気を使わず走行した場合で約2〜3時間あればフル充電できるようです。

充電器で充電

カーバッテリー充電器という専用の機器で充電すれば、走らなくても充電できます。しかし、この場合はフル充電まで8〜10時間かかりますので、定期的にエンジンをかけ、走行する方が良いでしょう。

定期的にバッテリー交換する

普段の使い方によっては、バッテリー上がりを防ぐためには定期的にバッテリー交換をしてしまった方が手間やコストの面でお得な場合もあります。

長期間同じバッテリーを使っていると経年劣化が進みますので、使用年数によってバッテリー交換を検討しましょう。

ガソリンスタンドでバッテリー点検をしてもらえる

バッテリーの状態が心配な場合、ガソリンスタンドで点検や交換をしてもらえます。

特に、バッテリーの状態を見るだけであれば、ボンネットを開けてバッテリー液の減り具合を確認するなどの無料で行えるものが多いので、気になったら一度点検してもらっておくと良いでしょう。

また、バッテリーが上がってしまった場合、ガソリンスタンドで30分程度の急速充電をしてもらえることもあります。ガソリンスタンドまで車を移動できるなら、検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

車のバッテリーが上がってしまった場合、ジャンピングスタートという応急処置を行う方法があります。また、ジャンピングスターターという機器を使った充電方法もあります。

いずれの場合も端子をつなぐ手順が重要なので、しっかり確認しましょう。

バッテリー上がりと似た症状に、セルモーターの故障やガソリン切れがあります。いずれもライトや電装器が使えるならバッテリー上がりではありませんので、必ずチェックしましょう。

バッテリーが上がらないようにするためには、普段からガソリンスタンドで無料点検をしてもらったり、定期的に走らせたりするのがおすすめです。

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