「車のバッテリーの寿命ってどれぐらい?」「そろそろ交換するべきなのかな?」
最近、車の調子が悪くバッテリーの寿命がそろそろ近づいてきているのではないかと気になっているのではないでしょうか。
この記事では、車のバッテリーの寿命はどれぐらいなのか、また、バッテリーの寿命を診断する方法を解説します。
目次
車のバッテリーの寿命はどれくらい?
車のタイプによってバッテリーの寿命は異なりますが、一般的な車のバッテリーは2〜5年といわれています。
夜間走行が多い車両やたまにしか運転しない車両は、バッテリーの寿命を極端に縮めてしまうため注意が必要です。
また、寿命の目安の幅が広いため、バッテリーの状態をチェックして、見定めることも重要となるでしょう。
アイドリングストップ機能搭載車の場合
交差点などでの停車時にエンジンが停止するアイドリングストップ機能搭載車は、一般車に比べてバッテリーの寿命が短くなります。
エンジン停止と再始動が繰り返されることで、バッテリーの放電が大きくなるためです。バッテリーの寿命はおおよそ3年で、アイドリングストップ機能が付いていない車よりも短くなる傾向になると言われています。
ハイブリッド車の場合
2つの動力源を備えるハイブリッド車は、駆動用バッテリーと補機バッテリーの2種類のバッテリーを備えることから、バッテリーの寿命が他の車種より長い傾向があります。
駆動用バッテリーは寿命が10年以上と言われる一方、ハイブリッドシステムを稼働させる補機バッテリーの寿命は4〜5年と短く、寿命に差が生じています。
バッテリー交換の目安は補機バッテリーを基準とし、4〜5年程度とみておくと良いでしょう。
電気自動車の場合
急速に普及している電気自動車のバッテリーの寿命は、8年といわれています。電気自動車とガソリン車のバッテリーは同じですが、寿命が長い駆動用バッテリーを基準としているためです。
日産やメルセデス、ホンダなど自動車メーカー各社は実際に、駆動用バッテリーの保証期間を8年、走行距離16万kmに設定しています。
車のバッテリーの寿命を診断方法
車のバッテリーの寿命を診断する方法があります。それぞれ確認していきましょう。
電圧を確認する
代表的な診断方法は、バッテリーの電圧を確認する方法です。
なぜ、バッテリーの電圧が重要かと言うと、電圧は、車のエンジンを始動させたり、車両のさまざまな機能を正常に働かせたりする上で重要な役割を果たすからです。
車のバッテリーの電圧は12Vですが、バッテリーと並行して駆動する発電機「オルタネーター」の影響により、バッテリーの適正な電圧は12.5〜14V程度といわれています。
車の電圧は、ガソリンスタンドや整備工場などの業者に依頼すると測ってもらうことができます。測定結果は、エンジン停止時で12.6V、エンジン回転時で13.5V〜14.7Vが正常値とされています。
バッテリー液の比重を確認する
バッテリーの寿命を診断する時は、バッテリー液の比重もチェックしましょう。バッテリー液の比重とは、水とバッテリー液の相対的な比を指し、電極の劣化などを確かめるバロメーターとなります。
バッテリー液の比重は気温や放電状態によって異なりますが、通常、完全充電時で1.28が標準とされます。これは、水1gに対し、濃硫酸を水で薄めた希硫酸であるバッテリー液の重さが1.28gであることを意味しています。
バッテリー液の比重は、バッテリー補充液を補充しすぎることや、充電が不十分な状態、電極の劣化などによって減りやすい傾向があります。
特に影響が顕著なのは、放電の進行に伴う電極の劣化です。これは、バッテリーが電流を流す過程で、硫酸が減るからだといわれています。
比重点検と呼ばれるバッテリー液の比重の測定方法は、バッテリー上面のキャップを外し、比重計を使って確認します。
確認の際、比重計の目盛りが常温(約20度)で1.26〜1.28の間であれば問題ありません。一方、1.25以下の場合は充電不足を意味し、充電を行う必要があります。
バッテリーの寿命が簡単にわかる症状4つ
ここではバッテリーの寿命が近づいている時に起こる症状を紹介します。
エンジンがかかりにくい
エンジンを始動させる時にセルモーターの回転音が弱くなったり、セルモーターの回転音が遅くなったりした場合、バッテリーのパワーが弱くなっていることを意味します。
ヘッドライトや室内灯が暗い
ヘッドライトや室内灯など灯火類の明るさも、バッテリーの寿命を測る指標とされています。
灯火類はエンジンと同様にバッテリーが電力源となっているため、バッテリーの消耗によって十分な電力供給が行われなくなると暗くなります。
ただ、近年では消費電力が少ないLEDライトが使われるようになっており、必ずしもバッテリーの寿命チェックに有効といえなくなっているため、注意が必要です。
パワーウィンドウの開閉スピードが遅い
スイッチの操作により動くパワーウィンドウの開閉スピードもバッテリーの能力が影響しています。
パワーウィンドウの開閉には多くの電力を必要としており、バッテリーの劣化により十分な電力供給がされなくなると、スピードが遅くなりがちです。
ただし、電圧レギュレータやカーエアコンなど、電装品を多く使用している場合、パワーウィンドウの開閉スピードに支障が出るケースがあるので、注意が必要です。
アイドリングストップ機能が作動しない
信号などでの車の停車時にエンジンが停止するアイドリングストップ機能の精度も、バッテリーの劣化具合を測る上で有効です。
バッテリーの機能が低下すると、電力供給が滞り、アイドリングストップが機能しなくなります。
アイドリングストップ機能がオンの状態にもかかわらず、エンジンが止まらない場合は、バッテリーの劣化が進んでいる可能性があります。
バッテリー上がり後に交換が必要な理由
長い間車を動かさなかったり、室内灯やヘッドライトの消し忘れなどでバッテリー上がりが発生した場合、バッテリーの点検、交換の検討が必要になります。
なぜなら、バッテリー上がりを一度経験すると、バッテリーの劣化が進行しやすくなってしまうからです。
バッテリーを交換してから間もない時にバッテリー上がりを起こしてしまった場合、「交換したばかりだから大丈夫」と思うかもしれませんが、念のため、ディーラーや自動車整備工場などで点検してもらいましょう。
バッテリーが消耗しやすい乗り方
バッテリーが消耗しやすい乗り方は大きく分けて4つあります。それぞれ確認していきましょう。
車に乗る頻度が少ない、短距離走行
1つ目は、車を乗る頻度が少なかったり、短距離走行だったりすることです。
このような乗り方は、バッテリーが十分な充電をできない上、バッテリーが放電され続けているため、慢性的な充電不足に陥りバッテリー上がりを起こす可能性が高まります。
バッテリーはエンジンの回転で充電されるので、週に1回程度、30分以上の走行を行いましょう。
また、放電によってバッテリー上がりを起こさないためにも、上記に加えて、月に2回程度、30分以上のロングドライブがおすすめです。
夜間に乗ることが多い
夜間走行もバッテリーが消耗しやすい乗り方の一つです。ライトを使う夜間走行は、電気の使用量が蓄電量を上回りやすく、バッテリーの電力を消費しやすいからだとされています。
夜間走行時にライトをつけることは、交通法で義務化されています。ライトの点灯によるバッテリーの消耗は、電力消費量が少ない電球に変えるなどして、バッテリーの負担軽減に努めましょう。
オプションやアクセサリーで電気を使っている
カーナビやドライブレコーダー、エアコンといったオプション、アクセサリーを使うことでもバッテリーの消耗スピードは早くなります。
なぜなら、電力消費量が多くなり、バッテリーの放電過多につながりやすくなるためです。これを防ぐために、使用するアクセサリーを減らすほか、電力消費量の少ないものに変更しましょう。
低温や高温の環境
バッテリーは温度の影響を受けやすいため、低温や高温の環境で運転すると消耗スピードが早くなります。
バッテリーが正常に動く環境は20〜25度です。これより温度が高かったり、低かったりすると、バッテリーは本来の機能を発揮できないようになります。
特に、バッテリーは寒さに弱く、外気温が0度で約2割、マイナス20度で約5割性能が低下するとされています。加えて、暖房がバッテリーの消耗に拍車をかけます。
バッテリーが気温による不具合を起こさないために、寒い地域の場合は、容量の大きいバッテリーを搭載した寒冷地仕様車を使いましょう。
真夏などの気温が高い場合でも、車を直射日光が避けられる屋根付きの駐車場に停めるなどし、外気の影響を極力減らす工夫が大切です。
バッテリーを長持ちさせるコツ
定期的にバッテリーの点検を行う
バッテリーを長持ちさせるために、ディーラーや自動車整備工場などで定期的に点検を行いましょう。
バッテリーに充填されている硫酸が減った結果、最悪の場合バッテリーの爆発や火災を招く可能性があるため、点検は重要です。
バッテリー点検はできれば月に1回、最低でも半年に1回は行いましょう。
あわせてバッテリー液の残量点検も行い、液の量が容器に記載されている「LOWER LEVEL(最低液面線)」と「UPPER LEVEL(最高液面線)」の間にあるかチェックすることも大切です。
バッテリー上がりを起こさないように注意する
バッテリーを長持ちさせるためにはバッテリー上がりを防ぐことが重要です。
前述のように、バッテリー上がりが起こると劣化が早まるほか、新品のバッテリーに交換する必要性が出てきます。
これを防ぐため、エンジンを切っている時はヘッドライトやカーナビなど、電気を使用する機器の使用を控えましょう。また、車を停める際に室内灯などの消し忘れも注意しましょう。
定期的に車に乗る
バッテリーの寿命を伸ばすために、定期的に車に乗るようにしましょう。定期的に乗ることで、バッテリーに電力が蓄積されている状態となり、バッテリー上がりやバッテリーの消耗を防げます。
最低でも1週間に1回程度は車に乗るようにしましょう。その際、車道の環境や走行距離も重要です。信号がなく、停止する必要のない道を10km以上走行するようにしましょう。
都市部に住んでいる人にとっては難しいと思われるかもしれませんが、首都高や郊外の高速道路を利用することで、走行環境や走行距離を確保できます。
まとめ
エンジンの始動に不可欠なバッテリーは、車両の中でも特に重要なパーツです。放電によって硫酸が減るなど消耗品の側面が強く、また繊細なパーツでもあります。
適切な管理ができていなかったり、電力消費が多いアクセサリーをつけていたりすると、寿命がすぐに尽きてしまいます。
自動車メーカーが高性能の駆動用バッテリーを開発していますが、今も昔も適切なケアが必要なことに変わりありません。
費用コストを抑え、愛車に長く乗るためにも、バッテリーを長持ちさせるような管理、車への乗車を意識しましょう。
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