エンジンオイルの基礎知識!役割・選び方・交換・確認方法を解説

メンテ
  • 投稿日:2021/10/27
  • 更新日:2023/02/17
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エンジンオイルは、車にとって血液のような存在と例えられるほど重要な役割を果たしています。

エンジンオイルを定期的に交換しなければ、エンジンの性能を発揮できなかったり、故障やトラブルが起きてしまったりします。

では、エンジンオイルの状態はどのように確認すれば良いのでしょうか。この記事では、エンジンオイルの役割や重要性、オイルの状態を確認する方法、そして交換時期や交換方法などを解説します。

エンジンオイルとは?

エンジンオイルは、エンジン内部の保護や気密性の確保などエンジン性能を左右する重要なパーツです。ここからは、エンジンオイルの役割、表記の意味、状態の確認方法を解説します。

エンジンオイルの役割

エンジンオイルには、「潤滑」「密封」「冷却」「洗浄」「防錆」の5つの役割があります。それぞれの役割の詳細は次のとおりです。

【潤滑作用】

エンジン内部の金属パーツの摩擦抵抗を低減し、各パーツがスムーズに動くようにします。

【密封作用】

エンジン内部の部品の隙間を密封し、エンジンが発生させるパワーが低下しないよう気密性を確保します。

【冷却作用】

エンジン内部の爆発現象やピストン運動により発生した熱を吸収して冷却します。

【洗浄作用】

エンジン内部の爆発や摩擦によって発生する汚れを吸着して洗浄します。

【防錆作用】

エンジン内部に油膜を作り、金属パーツが錆びないようにします。

エンジンオイルにはこの5つの役割があり、定期的に交換しなければ、潤滑・密封・冷却・洗浄・防錆の効果が低下し、エンジントラブルが発生する可能性が高まってしまいます。

エンジンを正常に動作させるためにも、定期的なエンジンオイルの交換が必要なのです。

エンジンオイルの表記

販売されているエンジンオイルを見てみると「5W-40」のように表記されています。これは、エンジンオイルの粘度を表す表記です。

前半部分の「5W」は、低温時の粘度を表す表記で、0W・5W・10W・15W・20W・25Wの6段階で示されます。
Wの前の数字が小さいほど低温環境下での性能が高いことを表し「固まりにくい」「燃費性能に優れている」「エンジンが始動しやすい」オイルとなります。

後半部分の「40」は、高温時の粘度を表す表記で、20・30・40・50・60の5段階で示されます。数字が大きいほど高温になっても油膜が切れにくいということなので、熱に強く、高速走行に適しているオイルといえます。

エンジンオイルの種類

エンジンオイルは、「鉱物油」「部分合成油」「化学合成油」の3種類があります。それぞれの特徴は次のとおりです。

鉱物油

鉱物油は、原油を蒸留・精製してつくられるエンジンオイルです。価格が安いという点がメリットですが、劣化が早く耐熱性・耐久性が低いというデメリットもあります。

おおよその相場は1Lあたり500~600円(4L:2,000~2,400円)です。

部分合成油

部分合成油は、鉱物油と化学合成油を混合したエンジンオイルです。

価格は鉱物油と化学合成油の中間で、鉱物油よりも性能が高く、化学合成油よりも性能が下がります。つまり、性能と価格のバランスが取れているオイルが部分合成油です。

おおよその相場は、1Lあたり700~1,000円(4L:2,800~4,000円)です。

化学合成油

化学合成油は、不純物が少ない高性能エンジンオイルです。価格は高くなるものの、低温時や高温時など厳しい環境でも高い性能を維持してくれます。

おおよその相場は、1Lあたり1,000~2,000円(4L:4,000~8,000円)です。

エンジンオイルの規格

エンジンオイルには、品質を示す規格があります。主な品質規格は、「API規格」「ILSAC規格」「JASO規格」の3つです。

API規格

API規格は、米国石油協会(API)、アメリカ自動車技術者協会(SAE)、アメリカ材料試験協会(ASTM)が定めている規格で、「SP」などアルファベット2文字で表記されます。

アルファベットの一文字目はエンジンの種類を示し、「S」がガソリン車、「C」がディーゼル車です。エンジン種類に続くアルファベットは、Aから始まりアルファベットが進むほど性能が高くなります。

ILSAC規格

ILSAC規格は、日米の自動車工業会(ILSAC)が定めた規格で、API規格の基準に省燃費性能を加えたものです。規格の表記はGF-1からGF-5で示され、数字が大きくなるほど高性能になります。

JASO規格

JASO規格は、日本独自のディーゼル車用オイルの規格です。ディーゼルエンジン車のススを取り除く装置”DPR”を搭載車専用オイル規格となっています。

エンジンオイルの確認方法

エンジンオイルの状態を自分でチェックする時は、車を水平な場所に停車させ、エンジンを切り、エンジンが冷えている状態で行うようにしてください。

エンジンオイルの確認手順

エンジンオイルの確認手順は次の通りです。

ステップ1:オイルレベルゲージを引き出す

ボンネットを開け、黄・オレンジ・白などのリング状のオイルレベルゲージを探して引き出します。この時、オイルが飛び散らないようウエスを添えながら引き出しましょう。

ステップ2:再度差し込み、もう一度オイルレベルゲージを引き出す

次に、オイルレベルゲージをウエスなどで拭き取った後に再度差し込み、もう一度オイルレベルゲージを引き出しオイルの状態を確認します。

ステップ3:オイルの付着位置を確認

オイルレベルゲージの先端は、「F」と「L」またはギザギザの刻印になっていることがほとんどです。「F」と「L」の間、もしくはギザギザ部分にオイルが付着していれば適量であることを示しています。

オイルが「F」やギザギザ部分よりも上まで付着している場合は、オイルの入れすぎです。一方、「L」またはギザギザよりも下にオイルが付着している場合は、オイルが不足していることを表します。

オイルの入れすぎや不足はエンジントラブルの原因にもなるため、オイル量を調整してください。

また、エンジンオイルを交換して間もないのにも関わらず減っている時は、オイル漏れなどのトラブルが発生している可能性が高いので、すぐに点検をしましょう。

ステップ4:オイルの汚れ具合を確認

オイルの汚れ具合は、オイルレベルゲージまたはウエスなどに付着しているオイルを見て判断します。透明感があればオイルの状態は良好です。

しかし、オイルが焦げ茶や黒くなっている場合はオイルの交換時期が迫っているサインです。

オイルフィルターの交換も忘れずに

オイルフィルターは、エンジンオイルの不純物を取り除く役割があります。オイル交換とあわせて定期的に実施しましょう。オイルフィルターの交換目安は、オイル交換2回につき1回程度です。

オイルフィルターを交換するときはフィルターがオイルを吸収するため、オイル交換のときよりも多くのオイルを必要とします。

自分でオイル交換とフィルター交換をするときは、規定のオイル量より多めに購入しておきましょう。

エンジンオイルの交換時期について

エンジンオイルの交換は、どのタイミングで行えば良いのでしょうか。実は、エンジンオイルの交換時期は車の取扱説明書に記載されています。

ここからは、車の使い方に応じたエンジンオイル交換の時期を解説します。

走行距離に応じたエンジンオイル交換時期

日頃の通勤・買い物、休日の外出をメインにした運転であれば、走行距離に応じたオイル交換が適しているでしょう。

ただし、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッドカー、ターボ車など内燃機関の種類によって交換する距離が異なります

また、かつてエンジンオイルの交換は3,000kmまたは5,000kmごとに行うことが一般的でしたが、近年ではロングライフのオイルが登場し、10,000~30,000kmごとに交換できる車種も増えてきました。

ロングライフのオイルの交換時期は、メーカーや車種によって推奨距離が異なります。くわしくは、各車種の取扱説明書や販売店に確認してください。

使用状態や環境に応じたエンジンオイルの交換時期

過酷な使用環境を意味するシビアコンディションでの運転が多い場合には、通常のよりも早めのにオイル交換が必要になることがあります。

シビアコンディションとは、1年に20,000km以上の走行、雪道や砂利道など舗装されていない道での走行、短距離・低速走行などのことを指します

走行距離が極端に長い場合や短い場合、悪路走行が多い場合などはエンジンに大きな負荷がかかっています。こまめにエンジンオイルの状態を確認し、必要に応じてエンジンオイルの交換をしましょう。

一般的にシビアコンディションの場合は、通常の半分程度のタイミングでオイルを交換することが推奨されています。たとえば、通常使用時15,000kmでオイル交換する車の場合、7,500km時点でオイル交換をするのが良いでしょう。

エンジンオイルの交換方法

エンジンオイルの交換は、自分で交換する場合とディーラーや自動車整備工場などの業者に依頼するケースの2つパターンがあります。

自分でオイル交換をする

エンジンオイルを自分で交換する時は、オイルチェンジャーを使った「上抜き」とジャッキアップをしてオイルを抜く「下抜き」があります。

いずれの方法であっても、オイルチェンジャーやジャッキ、工具、作業場所の確保が必要です。

また、オイルの処分方法は各市区町村によって異なるため、事前に処分方法についても調べなければなりません。オイル交換の手順は、オイルを抜いて、新しいオイルを入れ、最後にオイル量を確認するという流れになります。

自分でオイル交換をすれば業者に支払う工賃がかからないため、長期的に考えればコストパフォーマンスが良いということがメリットです。

ただし、オイル交換の作業をするためにはオイルの選定と購入、車を整備する知識や技術が必要になります。作業場所や工具の確保、整備に自信がない場合は業者に依頼する方が良いでしょう。

業者に依頼する

ディーラーやカー用品店、自動車整備工場やガソリンスタンドなどの業者にオイル交換を依頼すると、手間や時間をかけずにオイル交換ができます

ただし、自分でオイル交換をするのに比べると工賃がかかり、オイル代が高くつく場合が多いです。

オイル交換の費用は業者によって異なります。価格はカーディーラーや正規販売店が最も高く、次いでカー用品店や自動車整備工場、ガソリンスタンドの順に安くなっていくのが一般的です。

くわしいオイル交換費用は、ディーラーや自動車整備工場などに直接確認してください。

おすすめのエンジンオイル

エンジンオイルには、鉱物油・部分合成油・化学合成油があり、さまざまな粘度のオイルが販売されています。それぞれの車に合ったエンジンオイルはどれなのでしょうか。

ここからは、おすすめのエンジンオイルを紹介します。ただし、あくまでも一般的におすすめするオイルであるため、オイル指定がある車の場合は指定のオイルを使用するようにしましょう。

軽自動車やコンパクトカーなどにおすすめな「CASTROL EDGE(カストロールエッジ)」

カストロールエッジは、独自のフルード・チタン・テクノロジー(油膜強化技術)により強靭な油膜を形成します。

エンジンへの負荷が増加した状態ではさらに強靭さを持ち、金属パーツ同士の接触と摩耗を低減。エンジン性能を最大限に引き出します。

軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッドカーは、エンジンを高回転で回してパワーを出すことやアイドリングストップなどによって環境性能を高めていることが多いです。そのため、エンジン内部の保護性能が高いオイルが良いでしょう。

低燃費車、SUV、ディーゼル車などにおすすめな「Castrol MAGNATEC(カストロールマグナティック)」

カストロールマグナティックは、エンジン始動直後から吸着するインテリジェント分子が、強力な保護膜を形成することによりエンジン内部を保護し、金属面の摩耗を減少させるオイルです。

カストロールマグナティックは、

省燃費車から高速走行が多い車まで幅広くカバーする「マグナティック」
ハイブリッドカーやアイドリングストップ車に最適な「マグナティックハイブリッド」
悪路での走行や重たい荷物を載せて走るSUVに適した「マグナティックSUV」
ディーゼルエンジン専用に開発された「マグナティックディーゼル」

と車の特性に合わせたオイルを展開しています。

省燃費ターボ車におすすめの「Mobil 1™ 5W-30」

モービル1™ 5W-30は、さまざまなエンジンオイル規格の要求を満たしながらエンジンを最適な状態に保ち、エンジン寿命の延長に貢献するよう設計された高性能合成エンジンオイルです。

ガソリン車とディーゼル車に使うことができ、省燃費車で5W-30の粘度が推奨されているターボ車に最適です。

大排気量車や輸入車におすすめの「Mobil 1™ FS X2 5W-40」

モービル1™ FS X2 5W-40は、エンジンを摩耗から守りながらエンジン内をクリーンに保ち、通常走行時や厳しい高温・低温条件下でも優れたパフォーマンスを発揮する高性能合成エンジンオイルです。

最新のガソリンエンジンとディーゼルエンジンに対応し、自動車メーカーの要求性能に適合しています。大排気量車、スポーツカー、ヨーロッパ車など、さまざまなタイプの4サイクルガソリン・ディーゼルエンジンに使用可能です。

高性能車にも対応した幅広い粘度特性の「Mobil 1™ 0W-40」

モービル1™ 0W-40は幅広い粘度特性により、さまざまな条件下で優れたエンジン保護性能と快適なドライビングを実現します。

また、寒冷地でのエンジン始動性に優れるとともに、高温運転時でもスラッジやデポジットの発生を抑制し、エンジン内をクリーンに保ちます。

モービル1™ 0W-40は、高性能スポーツ車、0W-40の粘度推奨のターボ車、ヨーロッパ車など、さまざまなタイプの4サイクルガソリン・ディーゼルエンジンに対応しています。

まとめ

今回は、エンジンオイルの役割や確認の方法、交換時期や交換方法、おすすめのエンジンオイルなどを紹介しました。

エンジンオイルは、車を動かす上で欠かせないエンジンにとって重要な役割を果たします。愛車に長く乗り続けるためにも、エンジンオイルの定期的な点検と交換が大切です。

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