車検証(自動車検査証)は、道路運送車両法 第66条の定めにより、常に自動車に備え付けておかなければならない書類です。もしも車検証の紛失に気がついた時は、すぐに再発行しなければなりません。
この記事では、車検証を紛失した時にすぐに再発行しなければならない理由や手続きの手順、準備する書類などを解説します。
車検証をすぐに再発行するべき理由
道路車両運送法 第66条「自動車検査証の備付け等」に、「自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。」と定められています。
自動車を運転する時は、車検証の携帯と検査標章を表示することが義務付けられているのです。そのため、車検証を紛失した際にはすぐに再発行の手続きをしなければなりません。
もし、車検証を紛失したことを知りながら車を走らせていた場合、違反となり50万円以下の罰則が科されます。
また、車検証が無ければ車検を受けることができず、自賠責保険の加入もできません。
車検証を再発行する手続き
車検証の再発行は、自分で手続きする方法とディーラーなどの業者に依頼する方法があります。
いずれにしても、車検証が無い状態で車を動かすことはできないため、公共交通機関や車検証がある車で手続きに向かわなければなりません。
車検証の再発行手続き場所は、普通車(登録車)が運輸局、軽自動車が軽自動車検査協会です。
ここからは、車検証の再発行手続きの詳細を解説します。
普通車(登録車)の車検証再発行手続き
普通車の車検証を再発行する時は、必要書類と手数料を用意し、管轄の運輸局で手続きをします。必要書類については次の通りです。
・車検証(毀損などで識別が困難でも手元にある場合)
・申請書
・手数料納付書
・委任状(代理人申請の場合)
・理由書
・身分証明書
軽自動車の車検証再発行手続き
軽自動車の車検証を再発行する時は、必要書類と手数料を用意し、軽自動車検査協会で手続きをします。必要書類については次の通りです。
・車検証(毀損などで識別が困難でも手元にある場合)
・自動車検査証再交付申請書
・委任状(代理人申請の場合)
車検証の再発行に必要な書類の詳細
車検証の再発行には、さまざまな書類を用意しなければなりません。特に普通車の場合には用意する書類の数が多く、どこで入手できるのかわからないこともあるでしょう。
ここからは、車検証の再発行に必要な書類の詳細と入手先について解説します。
自動車検査証(車検証)
車検証は、毀損などで識別が困難でも手元にある場合には持参する必要があります。
道路運送車両法 第70条「再交付」には、「自動車又は検査対象外軽自動車の使用者は、自動車検査証若しくは検査標章又は臨時検査合格標章が滅失し、き損し、又はその識別が困難となつた場合その他国土交通省令で定める場合には、その再交付を受けることができる。」と定められています。
法律の定めにより、毀損などで識別ができない状態の時には車検の再交付を受けなければなりません。再交付を受ける際には、毀損や識別ができない状態の車検証が必要になるので、処分しないよう注意しましょう。
また、車検証を盗難により紛失した場合には警察への届け出が必要です。再交付に必要な理由書に警察署名や受理番号を記載しなければならないためです。
理由書
普通車の車検証再発行に必要な理由書とは、紛失や盗難の場所や状況を記入する書類です。理由書の項目は次のような内容です。
自動車登録番号または車両番号 | 車のナンバープレートを記入 |
車台番号 | 車台に刻印されている識別番号を記入 |
理由書提出の事由 | 該当する項目にチェックマークを記入 |
盗難等年月日 | 盗難により車検証等を再発行する場合に記入 |
届出警察署名 | 盗難により車検証等を再発行する場合に記入 |
届出年月日及び受理番号 | 警察署に届け出た日付と受理番号を記入 |
盗難、遺失にあった場所や状況 | 盗難した場所や状況、紛失したときの状況を記入 |
理由書には、上記のような項目を記入しなければなりません。
ただし、「盗難等年月日」「届出警察署名」「届出年月日及び受理番号」の欄は、車検証の紛失(遺失)の場合には空欄のままで問題ありません。
理由書は、陸運局の窓口または国土交通省運輸局のホームページからダウンロードが可能です。
なお、この後解説する申請書に紛失の理由が記入されている場合、理由書は不要です。
申請書
申請書は、運輸局または自動車検査登録事務所の窓口で配付しています。また、運輸局のホームページから書式をダウンロードし、事前記入して提出することも可能です。
申請書には、再交付の欄にチェックマークや数字を記入し、ナンバープレートの情報、使用車の住所や氏名、本人確認書類にチェックマークを入れ、再交付の事由を記入します。
車検証を紛失した場合の再交付の事由は、「自動車の室内に保管中に紛失しました。発見した場合は、速やかに返納します。」と記入されることが多いです。
委任状
委任状は、ディーラーや代行業者など車の使用者以外の人が再交付の申請をする時に必要になる書類です。委任状は、運輸局のホームページからダウンロードして事前に記入しておきましょう。
身分証明書(本人確認書類)
身分証明書は、運転免許証、健康保険証、パスポートなどの氏名と住所が確認できる本人確認書類を用意します。運輸局や自動車検査登録事務所の窓口で、使用者または代理人の本人確認をするために必要です。
手数料納付書
手数料納付書には、手数料分の自動車検査登録印紙を貼り付けます。手数料納付書は、窓口で配布しているため再発行手続き当日に入手することが可能です。また、運輸局のホームページからダウンロードして使用することもできます。
車検証の再発行にかかる手数料と時間
車検証の再発行には、手数料と時間がかかります。手数料は、普通車・軽自動車ともに300円です。普通車の場合は、印紙を購入して手数料納付書に貼り付けて窓口に提出します。
再発行手続きをディーラーなどの業者に依頼すると、再発行手数料のほかに代行手数料がかかります。手続きの代行手数料は、ディーラーや代行業者によって異なりますが、5,000円前後がおおよその目安です。
車検証の再発行に要する時間はおおむね30~60分前後ですが、混雑状況により所要時間が異なるため目安としてお考えください。
自賠責保険証やリサイクル券を紛失した場合
車検証、自賠責保険証、リサイクル券、自動車納税証明書など、さまざまな書類を入れておくことができる車検証ケース。そのケースごと紛失した場合には、車検証の再発行だけでなく、自賠責保険証や自動車納税証明書の再発行も忘れずに行なっておきましょう。
自動車納税証明書は、紛失してしまうと車検が受けられなくなってしまうので早めに再発行手続きをしてください。なお、自動車納税証明書は電子化にともない不要なケースもあります。
自賠責保険証を紛失した場合には、契約している保険会社に再発行の依頼が必要です。契約している保険会社がわからない場合には、車を購入したディーラーや販売店に問い合わせて契約した保険会社を教えてもらいましょう。
自賠責保険証の再発行には、各保険会社が用意する自賠責保険再交付申請書や本人確認書類(身分証明書)などが必要になります。
くわしくは契約している保険会社に問い合わせて、再発行手続きの手順や必要書類を確認してください。
リサイクル券は、自動車リサイクルシステム「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷すれば預託証明書として使用することが可能です。
まとめ
車検証は、自動車に常備しておく書類であり、紛失した状態で公道を運転をすると違反行為になります。そのため、車検証の紛失に気がついた時はすぐに再発行手続きをしましょう。
対応が遅れてしまうと、車検を受けられなかったり自賠責保険の契約ができなかったりするなど、車に関わる手続きができなくなってしまいます。
車検証を紛失し再発行する際には、ここで解説した内容を参考に落ち着いて手続きを進めるようにしてください。