「WEBで購入したタイヤを、持ち込めるお店がわからない…」
「タイヤの組み換えは、どこに依頼したら安くできるの?」
このようなお悩みをお持ちの人もいらっしゃるのではないでしょうか。WEBで安く入手できても、タイヤはホイールに組み換える必要があります。
この記事では、持ち込みによるタイヤ交換の依頼先や費用相場、依頼時の注意点などをくわしく解説します。
タイヤの持ち込みはどこでできる?
近年はオンラインショップによって、安くタイヤを入手できるようになりました。
しかし、タイヤはホイールに装着しなければ使用できないため、交換作業を依頼するお店を探す必要があります。
まず、持ち込みによるタイヤ交換の依頼先について、お店の種類や特徴などをくわしくみていきましょう。
自動車整備工場
各地の運輸局から認証を受けている自動車整備工場では、タイヤの持ち込みを受け付けています。
自動車整備工場には地域で長年、さまざまな車の整備をしてきたベテランの整備士が在籍し、お店にもよりますが、高い技術力を持っています。
タイヤ交換以外の整備もあわせて依頼でき、さらに地域密着型のお店が多いため、気の利いた対応をしてもらえるのも特徴です。
カーディーラー
自動車の整備をお願いするときに、真っ先に思い付くのがカーディーラーでしょう。
メーカーと特約店契約を結んだ正規販売店であるカーディーラーでも、タイヤの持ち込み交換は可能です。
純正サイズを把握しており、安定した技術力や整備保証が付くなどメリットがありますが、ほかのお店より工賃が高めに設定されているので注意が必要です。
カー用品店
豊富な車関連のパーツを取り扱うカー用品店も、タイヤの持ち込みに対応できるお店は増えています。全国展開しているお店も多く、気軽に利用できるのが強みです。
ただし、タイヤ交換以外にも多様な整備を請け負うため土日は混雑していることが多く、予約が取れなかったり作業時間が長くなってしまったりする場合があります。
タイヤ専門店
タイヤを専門的に取り扱う「タイヤ専門店」でも、持ち込み可能なお店は存在します。
専門店というだけあって、カー用品店以上にタイヤ関連の整備器具が充実しています。さまざまなサイズや種類の脱着が可能で、スタッフのレベルが高いのも特徴です。
特殊なタイヤにも精通しており、他店では断られてしまうような種類のタイヤでも対応できる場合があります。
ガソリンスタンド
身近にあるガソリンスタンドでも、タイヤの持ち込み交換は可能です。全国に29,000箇所(令和2年度)と店舗数が多く、給油とあわせて依頼できる利便性も強み。
ほかのお店とは違い整備がメインではないためスタッフの技術力は店舗によってまちまちですが、急ぎの時には頼りになるでしょう。
タイヤの持ち込み交換に対応していない理由
お店によっては、タイヤの持ち込みに対応していない場合があります。また、持ち込みには対応していても、かえって費用がかさんでトータルの金額が割高になってしまうこともあるのです。
ここでは、なぜタイヤの持ち込み交換に対応していないことがあるのかを解説します。
持ち込みタイヤの種類や性能が信頼できない
持ち込まれたタイヤは、出どころや製造年月が不明であり、タイヤ交換を行う事業者では品質が保証できません。
お店が用意したタイヤであれば、信頼ある業者から取り寄せた正規品であり、出どころもはっきりしているため、トラブルなどが起こっても迅速に対応できます。
しかし、持ち込まれるタイヤは種類や性能、品質がまちまちであり、中には中古品の場合もあります。
万が一トラブルが発生しても、それが組み換え作業による原因なのか、品質に起因しているのかなど切り分けが難しく、お店は責任を負えません。
また、タイヤが問題なく装着できるかが持ち込まれてからでないとわからないことも、敬遠される理由です。
金額が割高になってしまう理由
オンラインショップなどで安く入手したタイヤを持ち込んだ場合、工賃とあわせた金額がかえって割高になることがあります。
これは、タイヤの持ち込みには対応しているお店でも、一般的にはお店で買ったタイヤの交換と比べて、工賃が高く設定されているからです。
「持ち込み料金」はタイヤの大きさによっても異なるため、大きなタイヤほど割高になります。タイヤの持ち込み交換は、場合によっては高くなってしまうということも覚えておきましょう。
タイヤの持ち込み交換にかかる費用相場と時間
持ち込みによるタイヤ交換を依頼するお店に見当がついたら、次に気になるのが交換費用でしょう。
タイヤ交換は、ホイールから脱着するケースと、ホイールにセットされたものを交換するケースがあります。
それぞれのお店ごとに、タイヤ交換にかかる費用と作業時間をみていきましょう。
サイズごとの作業時間の目安
タイヤの持ち込み交換にかかる、作業時間の一般的な目安は以下のとおりです。
14インチ以下 | 30分〜1時間未満 |
15〜17インチ | 30分〜1時間 |
18〜21インチ | 1時間〜1時間半 |
22インチ以上 | 1時間半以上 |
ご覧のとおり、サイズによって作業時間が異なります。
また、タイヤの幅が狭く重量も軽い軽自動車であれば比較的早く作業が終わるでしょう。
一方で、ドレスアップカーなどタイヤの側面が狭いタイヤは交換が難しく、作業時間は長くなります。
ホイールはそのままでタイヤのみ交換する場合
車に装着しているホイールはそのままで、タイヤのみ交換する場合には、古いタイヤを外す作業と新しいタイヤを装着する作業が必要です。
タイヤを持ち込んだ場合の交換費用の相場は、お店ごとに以下のとおりです。
自動車整備工場
・4本(1台分):12,000〜48,000円
高い技術力を持つ自動車整備工場の作業費用は、少々高めです。
ただ、顔なじみの工場であれば予約なしでもフレキシブルに対応してもらえるなど、地域に密着した整備工場ならではのメリットもあります。
一緒にほかの作業も依頼すれば、費用がお得になるかもしれません。
カーディーラー
・4本(1台分):12,000〜48,000円
カーディーラーもまた、その技術力やサービスの高さから整備料金は高めに設定されています。
待ち時間にショールームでくつろげるという利点がある一方で、予約なしで依頼すると待ち時間が長くなってしまうというデメリットも。
当日受付が不可のお店も多いので、事前に予約しておきましょう。
カー用品店
・4本(1台分):8,000〜14,000円
カー用品店での持ち込みによるタイヤ交換は、比較的安く設定されています。
作業にかかる時間はほかのお店と大きく変わりませんが、店内が混み合っていると待ち時間が長くなってしまいますので、予約は必須です。
全国展開している大手チェーン店では、スマホアプリからの予約も可能です。
タイヤ専門店
・4本(1台分):12,000〜18,000円
タイヤ専門店はタイヤを量販することが第一の目的であるため、持ち込まれたタイヤには高めの交換料金が加算されます。
一方で、タイヤの専門店だけあって作業に慣れているスタッフが多く在籍しており、交換は早く、スムーズに終わるという大きなメリットがあります。
ガソリンスタンド
・4本(1台分) :8,000〜30,000円
ガソリンスタンドの持ち込み料金は、店舗ごとに大きく変動します。
また、インターネットでは料金を確認できないことが多いため、事前に問い合わせておくと良いでしょう。
作業時間については、慣れているスタッフが担当すれば早く終わる場合もありますが、給油や洗車などほかのお客様も入ってくるため、その時の状況によって異なります。
タイヤとホイールをセットで持ち込み交換する場合
あらかじめホイールにセットされたタイヤを持ち込む場合は、タイヤだけを持ち込むのに比べて作業時間は約半分、費用も半額ほどになります。
ホイールのタイヤを履き替える場合には、ホイールから古いタイヤを外して新しいタイヤを組み付ける工程が発生しますが、ホイールにタイヤが付いている場合はこの作業を省略できます。
したがって、ホイールバランスさえ取ればすぐに車へ装着できるため短時間で作業でき、工賃も抑えられるのです。
タイヤの持ち込み交換のメリット
工賃を節約するために、入手したタイヤを自分で交換してみようと考える人もいらっしゃるでしょう。
たしかに、手間と時間を惜しまなければ不可能ではありませんが、上乗せ工賃を払ってでもお店に持ち込むメリットはあるのです。
リスクと作業時間の観点から解説していきます。
自分で交換するリスク
タイヤの交換には、ケガや事故などのリスクがあります。
まず、タイヤを交換するためには車体をジャッキアップする必要がありますが、知識がないまま作業すると車体が落ちてしまい、非常に危険です。
また、ボルトを締め過ぎたり、十分にバランスが取れていないものを装着したりすると、最悪の場合、走行時にホイールが外れるなどの重大な事故が起きてしまいます。
これらのリスクを避けるためにも、少しでも不安に感じる場合はお店に依頼すると良いでしょう。
自分で交換する場合の作業時間
タイヤ交換は、慣れていない人が作業すると3〜4時間かかってしまうケースがあります。
また、車載のジャッキはあくまで応急用であるため作業効率が悪く、一気に車をリフトできるお店とは違って車体を4回も上げ下げするなど、膨大な時間がかかります。
さらに、ホイールのタイヤ脱着も、専門の機械がない場合は時間が必要です。
タイヤの持ち込み交換での注意点
プロのスタッフに作業を任せるメリットは、手間をかけず安心安全に交換ができることです。
しかし、お店へのタイヤの持ち込みをする際には、工賃やサイズの確認、事前予約など注意すべき点があります。
ここでは、持ち込み交換における注意点を解説します。
工賃は割高に設定されていることが多い
持ち込みによるタイヤの交換には、多くのお店で「持ち込み料金」が上乗せされます。
一般的には、タイヤを販売してトータルで利益が出るようなビジネスモデルであるため、お店で購入した場合の組み付けや交換工賃は、控えめに設定されています。
したがって、持ち込みタイヤにまでその料金を適用してしまうと、ただ忙しくなるだけで利益がまったく出なくなってしまうため、お店側もやむを得ず工賃を上乗せしているのです。
タイヤのサイズや種類
持ち込みするタイヤを選ぶ際は、自分の車に装着できるサイズや種類なのかを実物や車の取扱説明書で必ず確認しましょう。
また、並行輸入品や中古品は品質保証がないことから、作業中のトラブルの発生を避けるため、お店によっては対応不可としている場合があるので、注意が必要です。
さらに、空気圧がなくなってもある程度は走行できる「ランフラットタイヤ」というものがありますが、こちらも対応不可としている場合があります。
ホイールのサイズと種類
ホイールのサイズや種類にも、注意が必要です。
特に、ホイールの直径が大きい場合はタイヤの扁平率が低くなり、交換作業自体が難しくなります。
そのため、お店によっては対応できる器具がなかったり、作業できるスタッフがいなかったりすることがあるのです。
もともと大きなホイールが付いているスポーツカーや、カスタムで大径ホイールにする場合などは、作業可能かどうかを事前に問い合わせておきましょう。
引っ張りタイヤであるか?
「引っ張りタイヤ」についても、お店によって対応が分かれます。
引っ張りタイヤとは、ホイールに設定された適正サイズよりも細いタイヤを履かせることです。
ホイールがタイヤよりも外側に出っ張るため、ホイールが強調されて見た目が良くなるというメリットがあり、主にカスタムカーで採用されています。
お店によって対応が分かれる理由は、大径ホイールよりもさらに組み付け作業が難しいためです。
また、空気圧の管理も難しいうえにタイヤメーカーの規定外であるため、取り付けた後の品質が保証できず、敬遠するお店は多い傾向です。
事前予約
タイヤ交換は、事前に予約していくことをおすすめします。
お店によってはすぐに対応できることもありますが、自動車整備工場は基本的にスタッフごとにその日の作業計画が組まれており、閑散期でない限り急な依頼には対応できません。
仮に対応してもらえても、待ち時間が長くなってしまいます。
また、その冬に初めて雪の予報が出る時期となる11月は、スタッドレスタイヤへの付け替え依頼が急増するため、早めに予約しましょう。
直送で取付対応をしているか?
自分でタイヤを持ち込めない場合や、アパートなどにお住まいで保管場所で困る場合は、取り付け依頼店への直送取付サービスに対応しているショップで購入すると便利です。
注意点として、作業を依頼するお店には直送でタイヤが届く旨を事前に伝える必要があります。
お店によっては、場所が取れず断られるケースがあるため、必ず購入前に相談しておきましょう。
無断で送りつけるのはトラブルの原因になるので、絶対に止めましょう。
まとめ
以上、持ち込みによるタイヤ交換の依頼先や費用相場、依頼時の注意点についてくわしく解説しました。
タイヤを持ち込んでの交換は、さまざまなお店で対応が可能です。
一方で、持ち込み工賃によって割高となったり、タイヤの種類によっては対応不可となってしまったりすることも把握しておきましょう。
また、依頼するお店によっても事情が異なり、対応もさまざまであるため、事前に問い合わせをしたうえで予約を取っておくと、スムーズに交換が終わります。
本記事を参考にしていただき、自分に合ったタイヤ交換の方法を選択してください。