タイヤサイズの見方を解説!ロードインデックス・速度表記とは?

メンテ
  • 投稿日:2021/12/24
  • 更新日:2021/12/24
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タイヤは、路面に接地している唯一の部品です。車の基本性能である「走る」・「曲がる」・「止まる」は、タイヤと路面の摩擦によって実現しています。

タイヤは車の性能や燃費性能を左右することからも非常に大切であるといえるでしょう。タイヤサイズの表記には、タイヤが耐えられる負荷能力や最高速度も記載されています。

そこで今回は、重要部品であるタイヤのサイズの見方を解説します。正しいタイヤ選びの参考にしてみてください。

タイヤサイズの確認方法

タイヤサイズは、タイヤの側面(サイドウォール)に数字とアルファベットで表記され、タイヤの幅、構造、負荷能力、速度などの情報が記載されています。

この数字やアルファベットの意味を理解すれば、タイヤ選びをする時に役立つでしょう。また、車の性能に合った最適なタイヤがどれなのか、自分でもわかるようになります。

タイヤサイズ表記の見方

タイヤサイズを確認する時は、それぞれの数字やアルファベットがどのような意味なのか理解しておくことが大切です。タイヤサイズ表記に出てくる数字やアルファベットの意味は次のとおりです。

なお、タイヤサイズ表記ではmm(ミリメートル)とinch(インチ)の二種類の単位が用いられていることに注意してください。

①タイヤ幅(mm)
数字で表記。路面に接している面のタイヤ幅のこと。

②偏平率(シリーズ、%)
数字で表記。タイヤ幅に対する高さの割合のこと。

③ラジアル構造
アルファベット「R」で表記。ラジアル構造のタイヤであることを示す。

④リム径(inch)
数字で表記。一般的にホイールのサイズといわれるもの。

⑤ロードインデックス(LI)
数字で表記。タイヤ1本で支えられる最大負荷能力を示す。詳細は「ロードインデックス(LI)とは」の項目を参照。

⑥速度記号
アルファベットで表記。走行可能な最高速度を示す。詳細は「速度表記(スピードレンジ)とは」の項目を参照。

⑦速度カテゴリー
アルファベット「ZR」で表記。240km/h以上の速度での走行まで対応できる高性能タイヤであることを示す。

⑧タイヤ外径(inch)
数字で表記。タイヤの外側の端から端までの直径を示す。

⑨タイヤ幅(inch)
数字で表記。路面に接している面のタイヤ幅のこと。

⑩タイヤ強度(プライレーティング)
数字とアルファベット「PR」で示されている荷重指数。PRは、バイアスタイヤやバン、小型トラック、トラック、バスのタイヤに表記されることが多く、タイヤの強度を示す。数字が大きいほど負荷能力が高い。

一般的なタイヤサイズ表記の例

205/50R16 87V
①タイヤ幅205mm、②偏平率50%、③ラジアル構造、④リム径16inch、⑤ロードインデックス87(545kg)、⑥速度表記V(240km/h)

165 S R 13
①タイヤ幅165mm、⑥速度表記S(180km/h)、③ラジアル構造、④リム径13inch

245/35ZR19 95Y
①タイヤ幅245mm、②偏平率35%、⑦速度カテゴリー(240km/h超)、④リム径19inch、⑤ロードインデックス95(690kg)、⑥速度表記Y(300km/h)

225/40RF18 88Y
①タイヤ幅225mm、②偏平率40%、⑪ランフラット(RF)構造、④リム径18inch、⑤ロードインデックス88(560kg)、⑥速度表記Y(300km/h)

⑪ランフラット(RF)構造とは、空気圧がゼロになっても一定距離を走ることができるタイヤの構造を指す。

33×12.5R15
⑧タイヤ外径33inch、⑨タイヤ幅12.5inch、③ラジアル構造、④リム径15inch

205/85R16 117/115L
①タイヤ幅205mm、②偏平率85%、③ラジアル構造、④リム径16inch、⑤ロードインデックス単輪117(1,285kg)・複輪115(1,215kg)、⑥速度表記L(120km/h)

11R22.5 16PR
⑨タイヤ幅11inch、③ラジアル構造、④リム径22.5inch、⑩負荷指数プライレーティング

5.20-10 4PR
⑨タイヤ幅5.20inch、④リム径13inch、⑩負荷指数プライレーティング

T135/70D15 99M
⑫T(テンパータイヤ)、①タイヤ幅135mm、②偏平率70%、⑬D(ダイアゴナル構造)、④リム径15inch、⑤ロードインデックス99(775kg)、⑥速度表記M(130km/h)

⑫T(テンパータイヤ)とは応急タイヤであることを表す表記。

製造年週

タイヤには製造年週も刻印されており、いつごろ製造されたタイヤなのか知ることができます。

タイヤはゴム製品であるため、経年劣化による硬化やひび割れが避けられません。製造から経過した年数を知ることで、タイヤの劣化具合や交換時期の予測ができるため、装着しているタイヤの製造年週を確認してみましょう。

タイヤの製造年週は、サイドウォールに4桁の数字で刻印されており、2000年以降に製造されたタイヤの場合、最初の2桁が週、後半の2桁が年を示しています。たとえば「1521」の場合、2021年の15週に製造されたタイヤです。

つまり、そのタイヤは2021年4月中旬頃に製造されたということになります。

タイヤの寸法の見方

断面幅とは

タイヤの断面幅とは、タイヤ全体の幅から、タイヤの側面の模様や文字などを除いた幅のことです。

一般的に、タイヤのカタログなどに表記されているタイヤ幅は、断面幅で記載されています。ただし、リムガード部分は断面幅に含みません

断面幅は、ほとんどの場合mm(ミリメートル)で表記されますが、タイヤによってはinch(インチ)で表記されることもあります。

偏平率とは

偏平率とは、タイヤの幅に対する高さの比率で単位は%(パーセント)です。

タイヤメーカーによっては、偏平率をタイヤのシリーズとして表記している場合があります。たとえば「65シリーズ」であれば、偏平率が65%のシリーズという意味です。

偏平率は、数字が小さいほどサイドウォールの高さが低くなり接地面の幅が確保されやすくなるため、ハンドリングの応答性が高くなります

しかし、路面の影響を受けやすいことから、乗り心地がハードになる傾向にあります。一方、偏平率の数字が大きくサイドウォールの高さが高いほど路面からの衝撃を吸収しやすいため、乗り心地が良くなります。

ロードインデックス(LI)とは

ロードインデックス(LI)とは荷重指数とも呼ばれ、規定の条件下でタイヤ1本が支えられる最大負荷能力を示す数値です。

負荷能力が不足するタイヤを装着して走行すると、タイヤの損傷につながり、事故を起こす可能性もあるため非常に危険です。それぞれの車に合った最適なロードインデックスのタイヤを装着しましょう。

ロードインデックスの負荷能力はkgで換算するとわかりやすくなります。ロードインデックスの指数ごとの最大荷重は次のとおりです。

LI負荷能力LI負荷能力LI負荷能力LI負荷能力LI負荷能力
60250kg74375kg88560kg102850kg1161250kg
61257kg75387kg89580kg103875kg1171285kg
62265kg76400kg90600kg104900kg1181320kg
63272kg77412kg91615kg105925kg1191360kg
64280kg78425kg92630kg106950kg1201400kg
65290kg79437kg93650kg107975kg1211450kg
66300kg80450kg94670kg1081000kg1221500kg
67307kg81462kg95690kg1091030kg1231550kg
68315kg82475kg96710kg1101060kg
69325kg83487kg97730kg1111090kg
70335kg84500kg98750kg1121120kg
71345kg85515kg99775kg1131150kg
72355kg86530kg100800kg1141180kg
73365kg87545kg101825kg1151215kg

速度表記(スピードレンジ)とは

タイヤサイズに記載されている速度表記(スピードレンジ)は規定の条件下で、そのタイヤが走行できる速度を示すものです。アルファベットで表記され、記号ごとに走行できる最高速度(km/h)が規定されています。

VZやZRは速度カテゴリーで、走行できる最高速度240km/h以上の高性能タイヤに付される記号です。

近年では、車の高性能化にともないタイヤの性能も進化しているため、240km/h以上の速度表記である「W」・「Y」・「(Y)」が増えました。

240km/h以上の速度に対応するタイヤは、VZやZRの速度カテゴリーとともにW・Y・(Y)があわせて表記されることもあります。

速度記号最高速度(km/h)
A840
J100
K110
L120
M130
N140
P150
Q160
R170
S180
T190
U200
H210
V240
W270
Y300
(Y)300超

まとめ

タイヤサイズは、数字とアルファベットで記載されているため、一見すると何を意味しているのかわかりにくいかもしれません。

しかし、数字やアルファベットの意味を理解すると、断面幅やサイドウォールの高さ、ロードインデックス、速度表記など、走行に関係する重要な情報が記されていることがわかります。

また、刻印されている製造年週を確認することで、タイヤの使用期間を知ることができます。

この機会に、自分の車に装着されているタイヤのサイドウォールを見てタイヤの性能や使用期間を把握し、正しいタイヤ選びやタイヤ交換のタイミングを見きわめる目安にしてみてください。

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