ディーラー車検のメリットは?費用感や注意点と併せて解説

メンテ
  • 更新日:2024/10/09
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車検の時期が近づくと、どこで車検を受けようか悩むのではないでしょうか。

今回は、車検の依頼先の候補として挙がるディーラー車検のメリットやデメリットや民間車検と比較したときの費用の差額、車種カテゴリーごとのディーラー車検費用の相場、そして車検を依頼する時の注意点などについて説明します。

カーディーラーに車検を依頼するか、民間車検などに依頼するか悩んでいる時の参考にしてみてください。

ディーラー車検のメリット

ディーラー車検のメリットには、整備の質が高いことや取り扱っているメーカーの車種に精通していることなどがあります。

カーディーラーで車検を受けるメリットを知れば、ディーラー車検の金額が高すぎるとは言い切れなくなるでしょう。

では、カーディーラーで車検を受けるメリットについてくわしく解説します。

整備の質が保証される

カーディーラーでの車検は、整備の質が保証されている点が大きなメリットです。

ディーラー車検の整備では、保安基準に適合するための整備だけでなく、車の状態を良好に保つための予備整備を実施することがあります

予備整備を行うことで車検のチェック項目以外の部位から不備が見つかることもあるため、予備整備は受けておくと良いでしょう。車の不備の早期発見は、車を良い状態に保ち続けるために重要です。

また、カーディーラーで取り扱っているメーカーの車種の車検を依頼すれば、それぞれの車に合った最適な整備を実施してくれます。

純正の部品で交換してくれる

ディーラー車検では、パーツ交換が発生した場合に純正部品に交換してくれるのもメリットです。

車を点検すると交換しなければならない部品が出てきます。ディーラー車検であれば、メーカーが指定または推奨する純正部品に交換してくれるため、品質が保証されたパーツを装着することが可能です。

また、純正部品であれば、車を売却する際の評価が高くなることもあります。品質が保証された部品を装着して安心して車に乗り続けたいのであれば、純正部品に交換してくれるディーラー車検がおすすめです。

メーカー車の知識がある

カーディーラーは、取り扱っているメーカー車の知識や経験が豊富です。そのため、不具合が発生しやすい部位や部品を重点的にチェックしてくれます。

また、ディーラー車検の場合、メーカー専用のツールを使わなければならない点検や整備が発生した際に、最適な工具や器具を使って対応することが可能です。

民間の自動車整備工場では取り扱えない専門的な整備を実施できるのも、カーディーラーならではのメリットといえるでしょう。

ディーラー車検は、豊富な知識と取り扱い車種に精通した技術を持つ整備士が最適な点検や整備を行なってくれるのです。

メーカー保証がある

メーカー保証があるのもカーディーラーのメリットです。一般的にメーカー保証には、エアコンやパワーウィンドウなどを対象とする「一般保証」とエンジンやステアリングなど走行に関わる重要部分を対象とする「特別保証」があります。

また、バッテリーの保証やボディパネルの保証などを用意しているメーカーも増えてきました。

これらの保証は、適切な整備を実施し、点検整備記録簿(メンテナンスノート)に記録が残っていることが条件になるケースが多いです。

メーカー保証を受けることができれば、部品や整備費用を削減できる可能性もあるため、カーディーラーで車検や整備を受けていた方が良いといえるでしょう。

ディーラー車検のデメリット

ディーラー車検はメリットだけでなく、デメリットもあります。ディーラー車検の一番のデメリットは、費用が高いことです。また、そのほかにもディーラー車検は、民間車検よりも時間がかかることもデメリットです。

ディーラー車検の費用が高くなってしまう理由や時間が長くなってしまう理由は何なのでしょうか。ここからは、ディーラー車検のデメリットをくわしく解説します。

車検の費用が高い

ディーラー車検の費用は、自動車整備工場やカー用品店などの民間車検よりも高額になります。車検費用が高くなってしまうのは、先述したように予備整備や入念な点検・整備が行われるためです。

カーディーラーは、車検のタイミングで目に見える所から車の内部まで念入りに点検してくれます。また、メーカー車を取り扱うディーラーだからこそ見つけられるクセや不調もあるでしょう。

ちょっとした違和感や不調の調整が可能なのは、専門的な知識や経験があるからこそです。メーカー車に特化した整備や調整も実施してくれるため、ディーラー車検の費用は高額になってしまうのです。

車検にかかる時間が長い

車検にかかる時間が長いのもディーラー車検のデメリットです。ディーラー車検では、先述した予備整備や念入りな点検・整備・調整を実施することもあるため、車検に1~3日ほどかかります。

また、入庫した店舗に部品の在庫がない場合や部品の取り寄せが必要になった場合、1週間ほどかかることもあるでしょう。

検査だけであれば1日で終わりますが、ディーラー車検ではメーカーが推奨する整備や調整をあわせて行うことも多いため、1日以上の時間がかかることがあるのです。

ディーラー車検とそのほかの車検との違いとは

ディーラー車検と民間車検の違いは、どこにあるのでしょうか。ここからは、ディーラー車検と比較される民間車検とは何なのか、民間車検の特徴やディーラー車検との違いなどを解説します。

また、自分で車検を通すユーザー車検とディーラー車検の違いについても説明します。自分に合った車検がどの方法なのか比較検討してみてください。

ディーラー車検と比較した時の民間車検の特徴

ディーラー車検と比較される民間車検とは、車検の検査を行うための検査ラインを持っている指定工場で行われる車検のことです。

指定工場には、運輸支局と同等の厳しい基準と検査用の設備、検査を行うための国家資格を持った自動車検査員が在籍していなければなりません。

また、認証工場が一定の基準を満たし、国から指定を受けることで指定工場になります。そのため、指定工場ではない認証工場では一般的な点検や整備は実施できますが、車検の検査を実施することはできません

ディーラー車検と民間車検の違いは、予備整備の実施の有無、使用する部品が純正なのか適合する社外パーツなのか、車検の基本料金などです。

これらの違いにより、車検費用が変わるため、民間車検はディーラーと同等の厳しい基準の整備を安く受けられるという特徴があるのです。

ディーラー車検と比較したユーザー車検の特徴

車検を受ける方法には、ディーラー車検や民間車検のほかに、ユーザー車検があります。ユーザー車検とは、車のユーザー自らが運輸支局に車を持ち込んで車検を受けることです。

業者を仲介せずに車検を通すため、車検基本料金などの費用を削減できることがメリットです。ただし、ユーザー車検の場合、ディーラー車検のように予備整備や専用ツールを使った点検や調整が難しい点がデメリットです。

自分で車を整備できる環境・器具・知識・技術があれば、ユーザー車検にチャレンジすることでメンテナンスの勉強になりますが、適切な整備が行えずに車両トラブルが発生してしまう可能性があります。

メリットとデメリットを把握したうえで、ユーザー車検にするか、ディーラー車検にするか決めましょう。

ディーラー車検の費用

ディーラー車検を受ける場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。車検費用の内訳は、税金や手数料などの「法定費用」と点検・整備費用や事務手数料などの「車検基本料金」です。

また、部品交換が発生した場合は、別途パーツ代や工賃が加算されます。

ここからは、軽自動車、コンパクトカー、ミニバンそれぞれのディーラー車検の費用を紹介します。あくまでも代表例であるため、車検費用の目安としてお考えください。

また、法定費用は2021年時点での金額であるため、変動する可能性があります。

軽自動車

カーディーラーで軽自動車の車検を受ける時の費用は、おおよそ70,000円ほどが相場です。

内訳は、法定費用が26,230円、車検基本料が20,000~60,000万円程度となります。車検基本料に幅があるのは、車の状態や整備する内容、車種などによって変動するためです。

また、追加で部品交換が発生する場合には、別途部品代と工賃がかかります。なお、ここでの金額は自家用、継続検査2年、2021年4月1日時点の自賠責保険料金で算出しました。

費用
法定費用/自動車重量税 5,000円
法定費用/自賠責保険 19,730円
法定費用/検査手数料 1,500円
車検基本料/点検・整備費用 10,000~50,000円程度
車検基本料/事務手数料 10,000円前後
部品交換費用 部品によって異なる

コンパクトカー

カーディーラーでコンパクトカーの車検を受ける時の費用は、おおよそ100,000円ほどが相場です。

内訳は、法定費用が36,410~36,610円、車検基本料が50,000~120,000円程度となります。車検基本料に幅があるのは、車の状態や整備する内容、車種などによって変動するためです。

また、追加で部品交換が発生する場合には、別途部品代と工賃がかかります。なお、ここでの金額は自家用、継続検査2年、車両重量1.5t、2021年4月1日時点の自賠責保険料金で算出しました。

費用
法定費用/自動車重量税 15,000円
法定費用/自賠責保険 20,010円
法定費用/検査手数料 1,400~1,600円
車検基本料/点検・整備費用 30,000~100,000円
車検基本料/事務手数料 20,000円前後
部品交換費用 部品によって異なる

・h3:ミニバン

カーディーラーでコンパクトカーの車検を受ける時の費用は、おおよそ130,000円ほどが相場です。

内訳は、法定費用が41,410~41,610円、車検基本料が50,000~120,000円程度となります。車検基本料に幅があるのは、車の状態や整備する内容、車種などによって変動するためです。

また、追加で部品交換が発生する場合には、別途部品代と工賃がかかります。なお、ここでの金額は自家用、継続検査2年、車両重量2.0t、2021年4月1日時点の自賠責保険料金で算出しました。

費用
法定費用/自動車重量税 20,000円
法定費用/自賠責保険 20,010円
法定費用/検査手数料 1,400~1,600円
車検基本料/点検・整備費用 30,000~100,000円
車検基本料/事務手数料 20,000円前後
部品交換費用 部品によって異なる

ディーラー車検をお得に受ける方法

ディーラー車検を受けるときに少しでも費用を抑える方法はあるのでしょうか。実は、ディーラー車検を依頼する時期やタイミングによって、車検をお得に受けられることがあるのです。

ここからは、ディーラー車検をお得に受ける方法を解説します。ただし、車検の有効期限が過ぎないように注意してください。

ディーラー車検をお得に受けられる時期

ディーラー車検をお得に受けられる時期は、決算期にあたる3月と9月です。カーディーラーの目標達成の締め切りにあたる年度末の3月と中間決算の9月は、1台でも多く車検の入庫件数を増やしたい時期になります。

そのため、車検基本料金の値引きをしてくれたり、サービスをしてくれたりすることから、お得に車検を受けられるのです。

ただし、車検有効期限によっては、3月と9月に車検を受けられないことがあります。その場合には、次項の方法を利用してみてください。

車検目標台数について

ディーラー車検は、月末に車検を受けるとお得になるケースがあります。それは、カーディーラーの車検目標台数を達成できるかどうか、というディーラーの状況によるものです。

カーディーラーの車検目標台数は月ごとに設定されていることがほとんどで、その月の車検台数の目標を達成できるように、翌月の初旬ごろに車検を迎えるユーザーを前倒しして入庫させることがあります。

前倒しで車検の案内をされたときは、カーディーラーが目標を達成するよう動いている可能性が高いため、値引きやサービスを受けられることがあるのです。

ディーラー車検依頼時の注意点

ディーラー車検を依頼する時には、注意しなければならないことがあります。それは、「見積もりを貰うこと」「必要な整備だけを行うこと」「実際にそのカーディーラーで車検を行うのかどうか確認すること」です。

この3点を満たしておかないと、カーディーラーならではの質の良い整備を受けられなかったり、交換時期が来ていないパーツまで交換してしまったりする可能性があります。では、注意点を細かくみていきましょう。

必ず見積もりを貰う

ディーラー車検を依頼する前には、必ず見積もりを貰いましょう。見積もりを貰わずに整備や車検をすると、予想以上に高額な請求をされてしまう可能性があります

ディーラー車検は、車検に必須のチェック項目だけでなく、部品の早期交換を推奨するケースがほとんどです。そのため、事前に見積もりを貰い、必要な整備と不要な整備を自分で確認してから車検の依頼をしましょう。

必要な整備だけを行う

車検の見積もりを見ると、必ず行わなければならない点検、交換時期の部品、交換を推奨するパーツ、おすすめサービスなどがあります。

その中から必要な整備と不要な整備・サービスをしっかりと仕分けしてください。すべてを任せてしまうと時期が来ていない部品まで交換され、必要としていないサービスまで行われてしまう可能性があります

ディーラーが車検を行うのか、下請けに出すのかを確認する

ディーラー車検は自社内で行う場合がほとんどですが、ときには下請け業者に車検を出す場合もあるようです。

下請けに出されてしまうと、ディーラー車検ならではの質の良い整備や安心感・信頼を実感できず、ディーラー車検の意味が薄れてしまいます。車検の依頼をする前に、自社内で車検をするか確認しておきましょう。

まとめ

ディーラー車検のメリットやデメリット、民間車検やユーザー車検との違い、ディーラー車検の費用目安、ディーラー車検をお得に受ける方法、ディーラー車検を依頼する時の注意点を解説しました。

ディーラー車検最大のデメリットである車検費用は、予備整備や入念な点検がされるため高額になることが多いのです。

しかし、ディーラー車検でも、時期やタイミングによっては、また必要な整備だけを受けるようにすると、出費を抑えることができるかもしれません。

ディーラー車検を依頼する時は、必ず見積もりを貰い、整備内容に納得してから依頼することをおすすめします。

ディーラー車検よりも費用を抑えつつ、ディーラー車検と同等の整備の質を求めるのであれば、指定工場である民間車検に依頼すると良いでしょう。

費用、整備内容、車検の予算に応じて最適な依頼先を選び、納得して車検を受けましょう。

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