「ガラスに貼ってある車検ステッカーって、どんな意味があるの?」「車検ステッカーがはがれてしまったけど、大丈夫かな…」
車検ステッカー(シール)は、あなたの愛車が車検を受けたことを証明する重要なものです。この記事では、車検ステッカーを貼る理由や貼り方、そして紛失時の対処法について、くわしく解説します。
目次
車検ステッカー(シール)とは
車検ステッカーとは、車検を受けることで発行される四角いシールを指します。正式名称は「検査標章」であり、国が定めた安全基準を満たしたうえで車検に合格したという証明と、次の車検までの有効期限を示しています。
基本的に車のフロントガラスに貼付されており、車検ごとに新しいものが発行されます。
車検ステッカーの種類
車検ステッカーには、デザインが異なる以下2つの種類があります。
- 普通乗用車用(青色)
- 軽自動車用(黄色)
普通乗用車用は、4cm×4cmの正方形のステッカーで薄い青色の下地に黒い数字が表記されています。
一方、軽自動車用は、ナンバープレートと同じく黄色を基調としたステッカーです。普通乗用車用と同様に黒い数字が表記され、サイズも4cm×4cmです。記載されている内容は、いずれも共通しています。
普通自動車用の車検ステッカーは2017年1月からデザインが変更に
普通自動車用の車検ステッカーは、2017年1月からデザインが変更されました。
従来型の周囲にあった5mmの透明部分がなくなり、4cm×4cmのサイズいっぱいに車検が満了する年月が表示されるようになりました。これによって、視認性の向上が図られています。
また普通自動車用は、満了する年ごとに時計回りで場所が異なる表記となり、外部から見ても直感的に車検の有無が判断できるよう配慮されています。
車検ステッカー(シール)を貼らなかった時の罰則
車検ステッカーは道路運送車両法の第66条において、「検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない」と規定されています。したがって、公道を走行する全ての車は必ず車検ステッカーを貼付しなければなりません。
貼らないまま公道を走行した場合は、道路運送車両法第109条9に違反することになり、50万円以下の罰金が科されます。ただし、運転免許の行政処分点数の加算はありません。
また、カーディーラーなどの指定工場に車検を依頼した場合は交付に時間がかかるため、代わりに「保安基準適合標章」が交付されフロントガラスに貼付されます。
標章の有効期限は15日間なので、期限が切れる前までに必ず車検ステッカーを受け取りましょう。
車検ステッカー(シール)の見方
車検ステッカーの外から見える側には、「車検の有効期限が切れる年月」が数字のみでシンプルに表示されています。
- 大きく表示されている数字・・・車検満了月
- 小さく表記されている数字・・・車検満了年(和暦)
たとえば、貼られている車検ステッカーに、大きく「12」、小さく「5」と記載がある車は、車検の有効期限が「令和5年12月」と判別できます。
そして内側には「自動車検査証の有効期限の満了する日/○年○月○日」と、具体的に表記されています。
このように、車検ステッカーは警察官などが外側から見てすぐに判別でき、車を運転する人には内側から具体的に判断ができるようになっているのです。
車検ステッカー(シール)の貼り方と貼る場所
カーディーラーなどの指定工場に車検を依頼した場合には車検ステッカーが後日発行されるため、再度お店に行って貼り付けてもらうか、自宅に郵送してもらって自分で貼る必要があります。
ここでは、自分で貼付する際の貼り方と貼る場所について解説していきます。
車検ステッカーの貼り方
車検ステッカーは、表面と裏面が別々に構成されています。車のフロントガラスに貼る前には、2枚のシールを1枚に張り合わせる作業が必要です。
- ガラス内側にくるように、色付きシールの右半分を台紙からはがす
- 台紙を中央で山折りにし、点線に沿って右側にある外側の透明なシールに重ねる
- 色付きシールの残り左半分も台紙からはがし、右側の透明なシールに貼り付ける
- シール全体を台紙からはがし、フロントガラスの所定の場所に貼付する
なお貼り付けの手順は、普通乗用車用(青色)と軽自動車用(黄色)の2種類とも一緒です。また、手順1〜3までを実施済みで、あとは貼るだけの状態にしてくれている場合もあります。
車検ステッカーを貼る場所
道路運送車両法施行規則の第37条には、「検査標章は、自動車の前面ガラスの内側に前方から見易いように貼り付けることによって表示するもの」と定められています。
ただし、車種によってフロントガラスのレイアウトが異なることもあり、貼る場所については画一的に決まっているわけではありません。
この法律では、車検ステッカーを貼る位置として3箇所規定されています。
- ルームミラーがある車は、フロントガラスの一番上、中央に貼付する
- 上記以外の車は、運転席から最も離れたフロントガラス上部に貼付する
- ガラスの上部にスモークやドットがあり外から確認することができない車は、外側から視認できる位置まで下にずらして貼付する
車検ステッカーを貼る時の注意点
最近は、衝突被害軽減ブレーキなど先進安全装備が搭載された車が増えてきています。しかし、先進安全装備は、車検ステッカーを貼り付ける位置によっては正常に動作しなくなるおそれがあり、メーカーからも注意喚起が行われています。
たとえば衝突の被害を軽減する制動装置を搭載した車には、ルームミラー付近にカメラやセンサーが装着されています。このセンサーの認識範囲にシールを貼り付けると、システムが正常に作動しないことがあるのです。
そのため、貼り付ける際にはルームミラー付近にセンサーやカメラが装着されていないかを必ず確認し、装備がある場合は、車の取扱説明書の注意事項をよく読んでから、貼付する場所を決めましょう。
車検ステッカーのはがし方
車検ステッカーはその性質上粘着力が強く、キレイにはがすにはコツが必要です。
- フロントガラスの内側から、表面の透明なシールをはがす
- ステッカーの上に濡らしたティッシュをかぶせるか、中性洗剤を塗布する
- その上にサランラップを重ね、10〜20分ほど放置して蒸らす
- ステッカーがふやけたら、爪ではがしていく
- ガラスを傷つけないよう、残った粘着物をプラスチックのスクレーパーで取り除く
- 仕上げに、ウェットティッシュで拭き取る
古いステッカーはベトベトしたのりがガラスに残るので、上記の手順ではがしましょう。スクレーパーがない場合は、プラスチック製のカードや定規で代用できます。
車検ステッカー(シール)を紛失した場合
発行された車検ステッカーを無くしてしまったり、誤った方法で貼り付けてしまったりした場合は、再発行が必要です。再発行には所定の手続きに加えて、いくつかの書類が必要になります。ここでは、再発行の手順を解説していきます。
再発行の方法
車検ステッカーの再発行は、以下の行政機関に依頼します。
- 普通自動車・・・陸運支局
- 軽自動車・・・軽自動車検査協会
まずは必要書類を準備し、上記の行政機関に足を運びます。そして、申請書と手数料分の印紙を購入したうえで必要項目を記入し、窓口に提出します。
その後、交付窓口で新しい車検ステッカーが貰えるので、車に貼りましょう。なお、車検証も再交付されるので、差し替えが必要です。
再発行に必要な書類
車検ステッカーの再発行には、以下の書類が必要です。必要書類は、普通車・軽自動車それぞれで少し異なります。
▼普通車
- 車検証(原本)
- 車検ステッカー(毀損などで提出できる場合)、または紛失届
- 検査標章再交付申請書(OCR第3号様式)
- 手数料納付書(300円の印紙を貼付)
- 印鑑(認印)
- 委任状(所有者本人が手続きに行けない場合)
▼軽自動車
- 車検証(原本)
- 車検ステッカー(毀損などで提出できる場合)
- 検査標章再交付申請書(OCR第3号様式)
- 申請手数料
- 印鑑(認印)
- 申請依頼書(所有者本人が手続きに行けない場合)
なお、申請の際に車を持っていく必要はありません。
まとめ
今回は、車検ステッカーを貼る理由や貼り方、そして紛失時の対処法についてくわしく解説しました。車検ステッカーは、愛車が車検を受けたことを証明するものです。
車への貼付が義務付けられていますので、必ず規定の場所に貼りましょう。また、紛失した場合は陸運支局や軽自動車協会にて速やかに再発行を依頼しましょう。