「水なし洗車って、どんな洗車方法なの?」
「普通の洗車より楽で簡単なら、ぜひ取り入れたいけど…」
水なし洗車と聞くと、簡単に車がきれいになるようなイメージがあり、多くの工程がある通常の洗車と比べて楽にできそうですよね。
しかし、水なし洗車には、通常の洗車以上に慎重な作業が求められるのです。
この記事では、水なし洗車のメリットや注意点、そして活用シーンについて、くわしく解説します。
水なし洗車とは
水なし洗車とは、水を使わなくても車を洗える洗車方法です。一般的な洗車は、ホースで水をかけてボディに付着した砂やホコリを流し、その後シャンプーで汚れを落としていくという工程で行います。
一方、この水なし洗車は、専用の商品のみで汚れを落とすので水を一切使いません。これによって、通常の洗車に比べ手順が大幅に省略できるなど、数々のメリットがあるのです。
水なし洗車用の商品は、カー用品店やホームセンターなどで販売されており、主にスプレータイプとシートタイプの2つに分かれます。スプレータイプは、ボディに直接洗剤を吹き付けた後、クロスで拭き上げるものです。
そしてシートタイプは、あらかじめ洗剤が染み込ませてあるシートで、そのままボディを拭くだけのものです。
このように、水なし洗車はその名のとおりではありますが水を使わないシンプルな洗車方法なのです。
水なし洗車のメリット
通常の洗車と比べて水なし洗車には、作業時間を短縮できるうえに必要な道具が少ないというメリットがあります。
また、水を使わないため場所を選ばず、拭き残しによるシミなども心配ありません。これらのメリットを、具体的にみていきましょう。
洗車時間が短縮できる
1つ目のメリットは、洗車の時間が短縮できることです。通常の洗車では、まず洗車道具を準備した後、水でボディに付着した砂やホコリを流し、
次に、バケツでシャンプーを希釈して泡立て、泡をつけたスポンジで汚れを落とします。最後にボディについた泡を水で洗い流し、水分を拭き上げるといった工程があるため、長い時間を必要とします。
一方、水なし洗車の作業は、専用の洗剤をボディに吹きかけてクロスで拭き上げるだけとシンプルで、水で流したりシャンプーをしたりといった手間が省けます。したがって、洗車にかける時間が大幅に短縮できるのです。
必要なものが少ない
2つ目のメリットは、通常の洗車と比べて必要な道具が少なくて済む点です。通常の洗車では、ボディについた砂やホコリ、そしてシャンプーを洗い流すために水が必要で、水かけ作業にホースを使います。
また、ボディの汚れを洗うシャンプーやスポンジ、そのシャンプーを泡立たせるバケツ、さらにはボディに水分が残らないように拭き上げるクロスなど、揃えるべき道具がたくさんあります。
一方、水なし洗車で用意するものは、専用の洗剤とクロスのみ。シートタイプを選んだ場合に必要な道具はその商品のみと、さらにシンプルです。
場所を選ばずに洗車できる
3つ目のメリットは、場所を選ばずに洗車ができることです。大量の水を使う通常の洗車は、水道設備のほか水を流せるような広いスペースが必要です。
しかし、特に都市部では駐車スペースが狭く、隣家との距離も近いため、安易にホースで放水できません。さらに汚れた水が大量に出るため、下水処理にも気を配る必要があります。
また、マンションでは駐車場に水道がないため、洗車場まで向かう必要があります。
一方、水なし洗車であれば、水道設備がない駐車場や外出先でも車を移動させることなくその場で洗車できるうえに、汚れた水も発生しません。
シミなどが発生しにくい
4つ目のメリットは、拭き残しや水垂れによるシミなどが発生しないことです。
水を使用する通常の洗車では、拭き残しによって水分がボディに残ったまま乾いてしまうと水に含まれるミネラル成分が白く固着するイオンデポジットが発生する可能性があります。
また、流し切れなかったシャンプーがボディに残留することで、水垢ができてしまうおそれもあるのです。
しかし、水なし洗車では水を使わないため、これらの心配は無用。錆びやすい旧車や古い車でも、水なし洗車なら気兼ねなく洗車ができるでしょう。
水なし洗車の注意点
洗車の場所を選ばず、時間短縮や道具の削減、シミの心配が要らないなど数多くのメリットがある水なし洗車ですが、一方で注意すべき点もあります。
ここからは、水なし洗車の注意点について解説します。
洗車傷ができやすい
1つ目の注意点は、水なし洗車は洗車傷ができやすいことです。車のボディには砂やホコリなどが付着しますが、通常の洗車であれば最初に水で洗い流すため、洗う際にこれらを気にする必要はありません。
しかし、水なし洗車では最初に水で洗い流さないため、洗剤をクロスで拭き上げる時に細かな汚れを引きずってしまいやすく、ボディにキズがつく可能性が高いのです。
さらに、ワックス成分などのツヤ出し成分が配合された商品もあり、洗車中についたキズが目立ちにくくなるので、その場でキズがついたかどうかは判別できません。
したがって、水なし洗車は通常の洗車より慎重な作業が求められます。
クロスが汚れやすいため、頻繁に交換が必要
2つ目は、水なし洗車ではクロスが汚れやすく、クロスを頻繁に交換しなくてはならない点です。通常の洗車であれば、ボディの汚れは水やシャンプーとともに洗い流せます。
しかし、水を使わない洗車では、汚れはすべてクロスで拭き取ることになります。そのため、クロスがすぐに汚れてしまうのです。また、汚れたクロスで拭き続けるとボディにキズができてしまうので、できるだけ早く新しいものに交換しなくてはなりません。
水なし洗車で常にきれいなクロスを使用しながら1台の車を洗うには、相当な量のクロスを用意する必要があります。
ひどい汚れには対応できない
3つ目は、水を使わないため汚れの状態によっては対応できないことです。たとえば、ぬかるんだ道を走行して大量の泥汚れがボディに付着した場合でも、通常の洗車であれば最初に水でいくらかは洗い流せます。
しかし、このようなひどい汚れに水なし洗車で対応すると、汚れの粒子を洗い流せずにクロスで引きずってしまい、大きな洗車傷ができてしまいます。
また、水なし洗車は基本的にボディ表面しか洗えないため、タイヤの周囲にあるタイヤハウスの汚れは落とせません。
水なし洗車はどのような時におすすめか
ここまで、水なし洗車のメリットと注意点について解説しました。では、水なし洗車はどのような時に活用すべきものなのでしょうか。
通常の洗車が推奨されるケースと、水なし洗車を活用できるシーンについて解説します。
時間やスペースに余裕がある場合
時間に余裕があって洗車スペースが確保できる環境であれば、通常の洗車がおすすめです。水にはボディについた砂やホコリを浮かせる効果がありますが、水なし洗車では水を使いません。
したがって、水なし洗車では洗車傷を発生させるリスクがあり、作業は慎重にならざるを得ないのです。
また、水なし洗車の商品には「汚れがひどい場合は、水で流してから使用する」旨の注意書きがあるので、ひどい汚れの場合には結局水を使わなくてはなりません。
以上の理由から、時間やスペースに余裕がある場合は、通常の洗車をおすすめします。
水洗いするほどでもないけどサッと洗車したい場合
反対に水なし洗車をおすすめするシーンは、水洗いするほどでもない汚れを落としたい時です。水なし洗車は道具が少なくて済むうえに、場所も選ばず手順も簡単なため、いつでもどこでも作業が可能です。
たとえば、ドライブや旅先において部分的にボディが汚れてしまった場合でも、道具をトランクに積んでおけばホテルの駐車場などでも洗車ができます。
このように、水なし洗車は水洗いできない場所で、サッと洗車をしたい時におすすめの方法です。
まとめ
今回は、水なし洗車のメリットや注意点について解説しました。水なし洗車とは、水を使わずに専用の洗剤とクロスで汚れを拭き取る洗車方法です。
場所を選ばず時間も短縮できるなど多くのメリットがある一方で、洗車キズがつきやすく、ひどい汚れには対応できないなどの欠点があります。
水なし洗車は、時間や洗車スペースに余裕がない場合や、水洗いするほどでもない汚れを素早くきれいにしたい時におすすめです。
この記事を参考に水なし洗車を活用して、あなたの愛車をピカピカに保ってくださいね。
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