「ウォッシャー液の代わりに水を使っても大丈夫かな…」
「水道水でもガラスは洗えるから、ウォッシャー液として使っても問題ないのでは?」
ウォッシャー液を水道水で代用できれば、わざわざ買いに行く手間が省けますよね。
しかし、ウォッシャー液の代わりに水道水を使うと、腐敗したり凍結したりしてしまう可能性があるのです。特に凍結は、非常に危険な事態を招くリスクがあります。
そこでこの記事では、ウォッシャー液の代わりに水道水を使用しない方が良い理由についてくわしく解説します。
ウォッシャー液の代用として水道水は使用しない方が良い
ウォッシャー液の代用として水道水など一般で使われている水を使うことは、おすすめできません。なぜなら、水を使うことでさまざまな不具合やリスクが生じてしまうからです。
大事にしている車のボディに跡が残ってしまうことを懸念して、ウォッシャー液を水道水へ変更することを検討することがあるかもしれません。
たしかに物理的には代用可能で、汚れを洗い流すだけであれば水でも十分と考えることもあるでしょう。
しかし、フロントガラスには虫の死骸や排気ガスの油分といった、水では落としにくい汚れも多く付着しています。
このような汚れに対処するには、洗浄成分が入ったウォッシャー液が必要なのです。
また、水道水は日にちの経過とともに腐敗しタンクやホースに悪影響を及ぼします。さらに、寒冷地で水を噴射すると凍ってしまうため、運転中の視界が確保できず危険な状態を招いてしまうのです。
ウォッシャー液にははっ水作用や凍結防止作用など洗浄以外の効果もあるため、水道水などの普通の水ではなく専用のものを使用しましょう。
ウォッシャー液の代用として水道水を利用するとカビやコケが生える可能性
ウォッシャー液を水道水に変えると、タンク内にカビやコケが生えてしまうことがあります。
水道水は塩素で消毒されていますが、数日間ほど放置すると塩素が徐々に失われていき、雑菌が繁殖して腐敗した状態になります。
そして、水の腐敗によってタンク内に生えたカビやコケは、ホースに入り込むとノズルを詰まらせてしまうのです。
そうなるとウォッシャータンクを取り外してカビやコケを除去する必要があるうえ、ホースやノズルも清掃したり交換したりしなければならなくなります。
しかし、きれいに清掃したとしても、小さなコケのかけらが残っているだけで再びノズルを詰まらせてしまいます。
また、水道水に含まれる塩素自体が、ポンプのフィルターの目詰まりを起こすこともあります。
ミネラルウォーターも同様で、殺菌成分が入っていないため水道水以上にカビやコケが繁殖してタンクやパイプが傷みやすくなります。
さらに噴射によって、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分がフロントガラスやボディに固着し、シミの原因になることも。
思っている以上に、水の利用はリスクが高いことを知っておきましょう。
ウォッシャー液が腐敗しない理由
水道水と違ってウォッシャー液が腐敗しないのは、含まれている成分が違うためです。ウォッシャー液の主な成分は、エタノール、メタノール、グリコールなどのアルコール類と防腐剤が含まれた界面活性剤です。
したがって水道水とは異なり、長期間放置しても腐敗する心配がなく、タンクの中にカビやコケが生えることもほとんどありません。
ウォッシャー液の代用として水道水を利用すると凍る可能性
ウォッシャー液に水道水を利用すると、寒冷地では使えなくなるおそれがあります。水の凝固点は0℃なので、周囲の温度が氷点下になると凍ってしまうからです。
凍結するとウォッシャータンクやホース、そしてノズルが詰まり、緊急時に使えなくなってしまいます。また最も恐ろしいのは、運転中のウォッシャーによってフロントガラスが凍結するケースです。
タンクが凍結しておらずウォッシャーが使えたとしても、周囲の寒さや走行風によって噴射した瞬間にガラスが凍り、真っ白になってしまいます。
走行中にこの状態になると前が何も見えなくなるため、非常に危険です。
普段は温暖な地域に住んでいても、スキーやスノーボードのために山岳地方に出かける時には凍結する可能性があるので注意しましょう。
ウォッシャー液が凍結しない理由
ウォッシャー液が凍結しない理由も、水とは含まれている成分が異なるためです。前述の通り、ウォッシャー液の主成分はエタノール。濃度20%のエタノールは凝固点が-11℃となるため、周囲の温度が氷点下になっても凍りません。
中には、原液の使用で-60℃まで耐えられる製品もあります。寒冷地にお住まいの方は、凍結温度が-30℃以下の製品を選ぶと安心です。
まとめ
今回は、ウォッシャー液に水道水を使用しない方が良い理由について解説しました。ウォッシャー液に水道水を使うと、液が腐敗したり凍結したりするなどのリスクがあります。腐敗したウォッシャー液にはカビやコケが繁殖し、ホースやノズルを詰まらせます。
そして、凍結した場合はウォッシャー液が出なくなるか、寒冷地ではフロントガラスを凍らせてしまうことがあり、非常に危険です。
水道水を使うのは避け、状況にあったウォッシャー液を準備して、いつでも良好な視界を確保しましょう。