「愛車を高く売りたい」「中古車を安く買いたい」という人向けの売買方法として知られている、車の個人売買。
仲介手数料を支払う必要がなく、消費税もかからない、相手と自由にやり取りしやすいというメリットがある反面、トラブルも少なくありません。
個人売買で車をスムーズに売却するには、トラブルの内容と対処法について事前に把握することが大切です。
この記事では、車の個人売買の利用を検討している人向けに、よくあるトラブルと注意点について解説します。
車の個人売買における売り手のトラブル
車の個人売買で発生するトラブルは、売り手と買い手で異なります。売り手の主なトラブルは以下の3つ。
・代金が支払われない
・車を引き渡した後の減額要求、修理費用請求
・名義変更を行ってくれない
各トラブルについて、見てみましょう。
代金が支払われない
「車を引き渡しているのに、代金を支払ってもらえない」個人売買では、このようなトラブルが発生することがあります。個人売買において、車の購入代金は一括で支払うのが原則ですが、一括で支払うには高額なことが多いことから、後払いになるケースも少なくありません。
代金が支払われない状況が続くと
・相手と連絡が取れなくなる
・「高額すぎて払えない」と、値引きするよう提案される
・代金が支払われないまま取引が終わってしまう
といったリスクが考えられます。
車を引き渡した後の減額要求、修理費用請求
車を引き渡した後に、買い手から減額や修理費用を請求されることがあります。なぜこのような事態が起きてしまうのでしょうか。その理由として下記のようなものが挙げられます。
・欠陥があるにもかかわらず、それを買い手に言わずに契約したため
・故障に気づかず買い手に引き渡してしまったため
買い手売り手の落ち度で故障したにもかかわらず、その修理代を請求されるケースもあるでしょう。個人売買を利用する人の中には、悪徳ユーザーもいます。何カ月もたってから、「欠陥が見つかった」として減額や修理代を請求された場合は、その可能性が高いと言えます。
名義変更を行ってくれない
車を売却したら、所有者の名前を変更する必要があります。名義変更は、新たに所有者となった買い手が行います。しかし、なかには名義変更を行ってくれない人もいます。
名義変更を行ってもらえない理由として考えられるのが、手続きの手間です。名義変更に必要な書類は、買い手と売り手の双方でそれぞれ用意する必要があります。
さらに、受付時間に合わせて最寄りの陸運支局に行き、申請しなければなりません。
名義変更されないまま放置してしまうと、車に関連した書類はすべて売り手宛に郵送されます。例えば、買い手が事故を起こしても、損害賠償の請求書は売り手に送付されされてしまいます。
車の個人売買における買い手のトラブル
車の個人売買において、買い手売り手にはどのようなトラブルがあるのでしょうか。主なトラブルは、以下のとおりです。
・車を引き渡してくれない
・購入した車が盗難車
・引き渡し後に傷や故障が発覚
それぞれ詳しく見てみましょう。
車を引き渡してくれない
先に代金を支払ったにもかかわらず、車を引き渡してもらえないことがあります。
・納車前に突然故障が見つかった
・輸送会社にドタキャンされた
など、引き渡しができない理由が考えられます。もしくは、売り手が故意に引き渡さない可能性もあるでしょう。
何かと理由をつけて「先払いが必要」と言い、買い手に先にお金を振込ませ、今度は「車を渡すのに時間がかかる」と言い訳をしながら引き渡しを渋る。このようなトラブルが実際に発生していますので、注意が必要です。
購入した車が盗難車
盗難車を売却しようとする売り手もいますので、注意が必要です。盗難車と知らずに購入した場合は、本当の持ち主に車を返さなくてはなりません。
厄介なのは、支払ってしまった購入代金を取り戻すことです。事情を説明してスムーズに返金されれば問題ありませんが、相手は盗難車を売りつける人物。返金に応じてもらえずに泣き寝入りするというリスクは高いでしょう。
引き渡し後に傷や故障が発覚
車を引き渡してもらった後に、傷や故障が発覚するなどのケースがあります。車の状態を確認するのは素人であることから、こうした事態を完全に避けるのは難しいでしょう。
納車後に発見される傷や故障は、車の表面についた小さな傷からエアコンの故障など高額な修理費を必要とするものまでさまざまです。修理の責任を巡ってトラブルになりやすく、できれば避けたいリスクといえるでしょう。
事前にできる予防策として、出張査定を利用して車をチェックしてもらう方法が挙げられます。その際、疑問に思ったことがあれば質問し、修復履歴の有無についても確認するようにしましょう。
車の個人売買を行う際の注意点
車の個人売買で発生するトラブルは、多岐にわたります。これらのトラブルを100%防ぐことは難しいですが、事前に注意点を把握し万が一に備えましょう。個人売買で車を売却する際の注意点を、以下にご紹介します。
書類が揃わなければ名義変更できない
名義変更には、売り手と買い手双方で書類を用意する必要があります。
売り手が用意する主な書類
・譲渡証明書
・印鑑証明書
・車検証
・自動車税(環境性能割・種別割)申告書
・自賠責保険証明書
...etc
買い手が用意する主な書類
・申請書
・印鑑証明書
・車庫証明書(※)
・手数料納付書
...etc
※軽自動車の場合、原則として車庫証明書は必要ありませんが、届出をした場合は用意しましょう。
必要書類が1つでも欠けると、手続きを進めることができません。また、記入漏れや記入間違いがあった場合も同様に受け付けてもらえませんのでしっかり準備をしましょう。
車の名義が本人や家族以外のケース
個人間売買は、車を所有する売り手と、それを購入したい買い手との間で取引するのが原則です。
そのため、車の名義が売り手やではなくローン契約をした信販会社やディーラーになっている場合は、個人売買で車を売ることはできません(車の名義は、車のローンが終わるまで信販会社cやディーラーになっている場合がほとんどです)。
車を売却したいなら、その前に名義変更が必要になります。名義人となっている信販会社やディーラーに連絡を取り、名義変更を済ませておきましょう。
売却後の事故や故障
売買契約を結んでから納車まで、時間が空くことは珍しくありません。注意したいのは、この期間中に売り手が事故などを起こしてしまうこと。例えば、「車を引き渡す前にぶつけてしまった」といったケースなどが考えられます。
売却後の事故や故障によるトラブルを予防するには、納車されるまでお金を支払わないことです。「納車時に現車確認をし、事前に説明されていた内容と大きく異なる場合は契約を解除する」といった記述を、契約書に盛り込んでおくと良いでしょう。
配送の必要がある
売却した車は、売り手から買い手に届ける必要があります。その際に車両の輸送費用が発生しますが、費用負担について揉めることも多いトラブルの1つです。
輸送費の負担については明確なルールがないことから、車の輸送代は売り手が支払うものと認識している買い手もいます。
トラブルを避けるには、購入前に輸送費について双方で取り決めておくことが必要です。加えて、輸送中に事故があった場合の責任についても、話し合っておくとよいでしょう。
自動車税納付通知書の郵送先
自動車税納付に関する注意点として挙げられるのは、名義変更のタイミングです。
車の持ち主は、4月1日から翌年3月31日までの1年間にかかる自動車税を、年に1度納めますが、タイミング次第では手放した車の自動車税納付通知書が送られてくることがあります。これは、買い手が名義変更をしていないことが理由として考えられます。
4月1日を過ぎても名義変更されていない場合は、納付通知書は書類上の車の所有者(売り手)宛に送付されてしまうのです。
契約書を交わす
車の個人売買においても、契約書を交わすことは重要です。何かをきっかけに相手とトラブルに発展した場合、契約書は事前に合意していることを証明する材料になります。
契約書を交わす際の課題といえば、作成方法と盛り込むべき内容が挙げられます。
作成方法については、弁護士に作成を依頼すると便利です。費用はかかりますが、弁護士は法的に効力のある売買契約書を作成してくれるので安心です。契約書には、「契約不適合責任(契約後の修理等について売り手が負う責任)」に関する記述も忘れずに盛り込んでもらうと良いでしょう。
契約後のキャンセル
売買契約を結んだ後にキャンセルをした場合、以下のケースが考えられます。
1.キャンセルを認めてもらえない
2.キャンセルは認めてもらえたが、違約金を請求された
3.キャンセルを認められた(違約金などの請求はなし)
4.高額なキャンセル料を請求された
キャンセルできるのかどうか、またはキャンセルをした場合の違約金の支払いはどうなるのかといったことについては、ケース・バイ・ケースです。キャンセルを決めたら、契約書を確認し、その後の行動を考えましょう。
車の個人間売買のメリットとリスク
車を個人間で売買することは、メリットがある反面リスクを伴います。
メリットとリスクの両方を知っておくことで、個人売買を利用するかどうか客観的に判断できるでしょう。ここでは、個人売買のメリットとリスクについてご紹介します。
メリット
個人売買のメリットは、中間マージンをカットできることにあります。ディーラーや中古車買取業者では安く買い取って高く売ることにより利益をあげています。
そのため、ディーラーや中古車売買業者で車を買い取ってもらう時の金額と、その車が売りに出される時の金額には差が生じます。それが中間マージンに当たります。
一方、個人売買の場合、その中間マージンが発生しないため、売り手はディーラーや中古車買取業車に買い取ってもらうよりも高い金額で売ることができます。また、買い手も中古車販売価格よりも安い金額で購入できるメリットがあります。
リスク
個人売買では、売り手と買い手との間でやり取りすることに伴うリスクが発生します。
よくあるのが、車の現状確認不足による車の不具合。見た目は普通でも、購入直後にエンジンの調子が悪いことに気づくということもあるでしょう。
手続きの段階に入ると、相手に個人情報を渡します。見えない相手であるためリスクといえるでしょう。
名義変更や自動車税の支払い、さらに輸送代の負担など、車の売買において売り手と買い手の間で確認するべきことは無数にあります。相手が確認作業に応じてくれれば問題ありませんが、確認の過程で連絡が取れなくなったり、話し合いに応じてくれなかったりすることも珍しくありません。最悪、「代金を支払ったのに納車されない」「支払いに応じてくれない」という事態に発展するリスクは否めません。
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まとめ
車の個人売買でよくあるトラブルについて解説しました。車の個人売買は、高く売れてリーズナブルに買えるという、売り手と買い手の双方とってメリットのある売買方法です。
それと同時に、車の個人売買では、十分に気をつけていてもトラブルに巻き込まれる可能性があります。売り手も買い手も、慎重に取引を進めることが大切です。