電気自動車の家庭用充電設備3タイプの特徴と費用感について

カーライフ
  • 更新日:2024/10/09
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電気自動車の充電は、スムーズに行うことができれば、環境負荷の軽減や節約につながるばかりでなく、快適なドライブをサポートします。しかし、充電設備については、初めての方にとっては難解な部分もあるでしょう。

そこで、この記事では、自宅での充電方法、充電設備の種類や費用、設置に関するポイントを分かりやすく解説します

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充電について

電気自動車やPHEVは、自宅での充電が基本です。車を使用しない時間帯に自宅で充電すれば、電気代が安くなりランニングコストを下げられますし、わざわざスタンドまで外出する必要もなくなります。

公共施設や高速道路のサービスエリアなどに設置されている充電スタンドは、主に長距離を走るための「補給基地」として利用します。

自宅で充電するには充電設備が必要

自宅で電気自動車を充電するためには、専用の充電設備が必要です。電気自動車の充電用コンセントは、一般的な家庭用とは別に専用の規格があります。プラグにはロック機能が搭載されており、安全な充電が可能です。

また、充電速度にも違いがあります。たとえば、航続距離160kmの電気自動車を100Vの家庭用コンセントで充電すると14時間以上かかりますが、200Vの専用設備では7時間で充電が完了します

充電器には2種類あり、家庭用には「普通充電器」が使われますが、もう一方の「急速充電器」は高価なため、家庭では不向きであり、公共施設などに設置されます。

3タイプある家庭用充電設備

では、ここで、自宅での充電に使う設備のタイプについて見ていきましょう。家庭用充電設備には、「壁面取り付けタイプ」「スタンドタイプ」「V2H機器タイプ」という3つの種類があり、それぞれ次のような特徴があります。

壁面取り付けタイプ

1つ目は、自宅の外壁に取り付ける「壁面取り付けタイプ」です。家や駐車場の壁面に取り付けて使用する充電器で、車を駐車する場所と建物との距離が近い場合に選択されます。

電圧200V・3kWの充電器が主流で、ケーブルを備えた製品もあります。建物さえ近ければ簡単な工事で取り付けられる上に設置費用も安いため、もっとも手軽なタイプです。

スタンドタイプ

2つ目は、公共施設などでよく見かける「スタンドタイプ」です。駐車場と建物が離れている場合に選択されるタイプで、門柱のような形で設置され、デザイン性に優れた製品が多いのが特徴です。

家庭向け製品の機能は壁面取り付けタイプと同等ですが、工事費が高くなってしまうのがデメリット。一方で設置場所の自由度が高く、一度に複数台を充電できる製品もあります。

V2H機器タイプ

3つ目は、災害時に心強い「V2H機器タイプ」です。V2Hは「Vehicle to Home」の略で、電気自動車を充電するだけではなく、災害などによる停電時には車に貯めておいた電気を家庭で使えるタイプとなります。

スタンドタイプよりさらに設置費用が高くあまり普及が進んでいませんが、非常時に利用できるため、国や自治体による補助金制度が設けられています。

充電設備の設置にかかる費用

次に、充電設備の設置にかかる費用の目安について解説しましょう。設置工事の総額費用は、充電機器の本体価格に設置の工事費用を合算したものです。ただし、自宅の環境や選んだ充電機器のタイプによって費用は大きく異なります。

工事の総額費用

充電設備を設置するにあたっての費用には、「充電機器の本体価格」と「設置工事費用」の2つがあります。戸建て住宅においては、一般的な設置工事にかかる費用は20万円から40万円程度です

壁面にコンセントを取り付けるだけであれば費用を抑えることができますが、配線距離が長かったり、地下に埋める必要があったりする場合は、その費用が増加することがあります。

充電器の費用

設置する充電器の費用は、選んだ充電器のタイプによって大きく異なります。タイプごとの費用相場は、それぞれ次の通りです。

▼費用相場
1)充電用コンセントタイプ・・・数千円〜30万円
2)スタンドタイプ・・・10万円〜30万円
3)V2H機器タイプ・・・50万円〜100万円

壁面に取り付けるコンセントであれば、充電器は数千円程度です。一方で、ケーブル付きのタイプやスタンドタイプは数万~30万円ほどします。V2H機器タイプは高価ですが、初期費用ゼロの「定額利用サービス」も選択可能です。

家庭用充電設備を設置する条件

さらに、家庭用の充電設備を設置する条件について見ていきましょう。電気自動車の充電施設を設置できるのは基本的に戸建て住宅であり、マンションや集合住宅では大家さんや住民との合意が必要です。また、工事のレベルは自宅環境によって大きく変わります。

戸建て住宅であることが基本

電気自動車の家庭用充電設備は、戸建て住宅に設置するのが基本です。マンションや集合住宅でも技術的に不可能ではありませんが、ハードルは高くなります。

分譲の場合は管理組合や住人間での合意が必要となりますが、それには設置場所や工事費用の負担割合、そして電気代の支払い方法などを決定しなければなりません。

また賃貸の場合は、大家さんの許可が必要です。

自宅環境

自宅の環境によっても、工事のレベルは大きく変わります。200Vの充電設備を工事する場合は「専用ブレーカーの設置」や「配線の敷設」さらに「充電機器の設置」が必要です。そして、それらの工事にかかる費用は作業のレベルによって変化します。

例えば、分電盤に専用回路の増設が必要な場合や、分電盤から充電コンセントの取り付け位置まで距離があるケース、そして200Vへの電圧の変更が必要となる時は、作業工数が上がって費用も高くなります。

そのため、充電設備を設置する際はあらかじめ施工業者に現地調査をしてもらった上で、正式な作業見積りをもらいましょう。

充電設備の工事の流れ

次に、自宅に電気自動車の充電設備を設置する工事の流れを見ていきましょう。まず設置業者を選定し、自宅まで来てもらって現地調査を行います。正式な見積り費用が提示されたら、工事請負契約書を取り交わして施工を依頼します。

施工業者を選ぶ

最初に、施工業者を選びましょう。業者を選ぶポイントは、電気自動車の充電設備を施工した経験が豊富なことです。専門的な知識があるか、今までに手掛けた施工例、そして使用する充電設備の品質や信頼性について、それぞれチェックしましょう。

また、充電負荷による停電が起こらないか、充電のお得な時間帯など、電気の契約容量や料金プランに詳しい業者であれば安心です。

現地調査

施工業者が決まったら、現地調査を依頼しましょう。業者のサイトに掲載されている施工価格は、あくまで参考例です。分電盤から充電設備までの距離や壁面の材質などは1軒ごとに異なりますので、必要な材料や作業レベルは設置環境を見ないと分かりません。正確な見積りが欲しい場合は、必ず事前に現地調査が必要です。

なお、業者の下見には必ず立ち会い、希望する設置場所に工事できるのかといった細かな部分を業者と相談しましょう

工事

業者による現地調査が終わり正式な工事費用が提示されたら、工事請負契約書を取り交わして施工を依頼しましょう。工事当日は「専用ブレーカーの設置」や「配線の敷設」そして「充電機器の設置」が実施され、環境によって異なりますが作業は半日ほどで完了します。

工事にも必ず立ち会い、気になることがあればその場ですぐに質問しましょう。設置完了後のテスト運転も無事に終わったら、設備の利用方法や注意事項などの説明を受け、引き渡されます。

まとめ

今回は、電気自動車の充電設備タイプや費用、そして設置工事について解説しました。電気自動車やPHEVは自宅で充電が基本であり、機器の設置には工事が必要です。充電設備が設置できるのは基本的に戸建て住宅で、マンションや集合住宅への設置はハードルが高くなります

家庭用充電設備には、「壁面取り付けタイプ」「スタンドタイプ」「V2H機器タイプ」の3つがあり、それぞれ特徴があります。工事費用は機器の本体価格と設置費用の合算で決まりますので、選択した種類や設置環境によって工事費用は変化します。

一般的な戸建て住宅に取り付ける場合、設置工事には20万円~40万円程度の費用がかかります。ただし、壁面にコンセントを取り付けるだけであれば安く済みますが、配線の距離が長かったり地下に埋める必要があったりする場合は、その費用が上乗せされます。

この記事を参考に、自宅の環境に合った充電設備を選んでください。

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