「車を売る時に必要な書類を、詳しく知りたい……」
「事前にしっかりと準備して、車をスムーズに売りたい!」
そんな悩みを抱えていませんか。
確かに、車を売却する時にはさまざまな書類が必要となります。また、紛失してしまった場合は再発行をしなければならず、思わぬ手間がかかることもありますので、事前にきちんと用意しておいてスムーズに売却したいですよね。
そこでこの記事では、車の売却時に必要な書類について、再発行の方法と合わせて詳しく解説します。
車の売却時に必要な書類
車の売却時には、以下の書類が必要です。
・車検証
・自賠責保険証明書
・自動車リサイクル券
・自動車納税証明書
・実印、印鑑登録証明書
・委任状、譲渡証明書
それぞれどんな書類なのかについて詳しく解説します。
車検証
車検証とは、自動車の所有者や車両の詳細な情報が記載された証明書です。車が公道を走行するために必要な法定検査に通過したことを証明し、所有者が法的に車を所有している事実を示しています。
2023年1月からは車検証の電子化が始まり、一定の情報はICチップに書き込まれるようになりました。
自賠責保険証明書
自賠責保険証明書とは、車の所有者が自動車損害賠償責任保険に加入していることを証明する書類です。
自賠責保険には公道を走る全ての車に加入が義務付けられており、人身事故を起こして損害賠償責任を追った場合、被害者に対して保険金が支払われます。
自動車リサイクル券
自動車リサイクル券とは、自動車リサイクル法に基づいて発行される書類です。この法律は使用済み自動車のリサイクルを促進するために設けられており、新車を購入する際に先行して支払います。
券には金額などが記載されており、廃車の際に処理業者へ提出します。
自動車納税証明書
自動車納税証明書とは、自動車税が納付されたことを証明する書類です。自動車税は車の種類やエンジンの排気量によって計算され、毎年支払う義務があります。
証明書には納税の機関などが記載されており、名義変更や廃車、車検などの際に必要です。
実印・印鑑登録証明書
印鑑登録証明書とは、書類に押した実印が自分のものであることを証明する書類です。実印とは、法的に自分の意思表示を証明するために使用する印鑑で、一般的には個人の氏名や法人名が彫られています。
実印と印鑑登録証明書は、自動車の名義変更などの重要な手続きにおいて必要です。
委任状・譲渡証明書
委任状とは、自分に代わって特定の行為を行う権限を与える文書です。例として、車の名義変更手続きを他人に委任する際に使われます。
もう1つの譲渡証明書は、車の所有者がその車を他人に譲渡したことを証明する文書です。新旧両方の所有者が記載されており、車の名義変更の際に使われます。
必要書類の再発行方法
車の売却時に必要な書類を紛失した場合は、再発行をしなければなりません。ここでは、車検証や自賠責保険証明書などの重要書類を無くしてしまった際に再発行を依頼する場所と、必要な書類について詳しく解説します。
車検証
車検証を再発行する際は、管轄の陸運支局(または軽自動車検査協会)で手続きします。手続きにかかる時間はおおよそ30分〜1時間程度で、以下の書類が必要です。
◾️必要なもの
・申請書(3号様式)
・手数料納付書(検査登録印紙)
・理由書
・印鑑(使用者)
・本人確認書類(免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
このうち、本人確認書類と印鑑以外は窓口で入手します。また依頼する場所は、ナンバープレートに記載されている地域を管轄する陸運支局です。
自賠責保険証明書
自賠責保険証明書を再発行する場合は、発行元の損害保険会社に依頼します。保険会社が分からない時は、車を購入したお店に問い合わせましょう。
◾️必要なもの
・再交付申請書(各保険会社のWebサイトから入手)
・印鑑
・本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
保険会社によって対応は異なり、中には専用封筒を印刷した上で申請書と本人確認書類のコピーを同封し、事務センターへ送付するところもあります。なお、車を購入した販売店での再発行はできません。
自動車リサイクル券
自動車リサイクル券を紛失しても、再発行はできません。無くした場合は、自動車リサイクルシステムのWebサイトから「自動車リサイクル料金の預託状況」をプリントアウトしましょう。
◾️プリントアウト手順
1)「自動車リサイクルシステム」のWebサイトにアクセスする
2)「自動車ユーザー向け」→「リサイクル料金検索」
3)車検証を見て必要な情報を入力し、該当車両を検索する
4)結果画面の「料金表示」をクリックして、表示されたPDFファイルを印刷する
車検証に記載されている情報の入力が必要になるので、車検証を手元に用意して操作を行いましょう。
自動車納税証明書
自動車納税証明書は2015年より、オンラインで納税有無が確認できるようになりました。そのため基本的に再発行は不要ですが、電子確認システムが導入されていない自治体の場合は紙の納税証明書が必要です。
再発行の窓口も、普通自動車は都道府県税、軽自動車は市町村税でそれぞれ異なります。普通自動車であれば「自動車県税事務所」、軽自動車であれば「市町村役場」にて依頼しましょう。
◾️必要なもの
・納税証明請求書(窓口で入手)
・車検証
・本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
・印鑑
実印・印鑑登録証明書
実印・印鑑登録証明書は、市町村役場のサービスコーナーで発行・再発行が可能です。再発行の際には、初めて印鑑を登録した時にもらえる「印鑑登録カード」を窓口に持参します。
また、マイナンバーカードがあれば、マルチコピー機が設置されているコンビニでも発行できます。
◾️必要なもの
・印鑑登録証明書交付請求書(窓口で入手)
・印鑑登録カード、またはマイナンバーカード
・本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
なお、コンビニで発行する際は、マイナンバーカードのみでOKです。
委任状・譲渡証明書
委任状と譲渡証明書については、売却時に業者が発行します。そのため、取得や再発行といった手続きは不要です。業者からそれぞれ用紙が手渡されますので、住所や氏名などを記入して提出します。
また、書類には自分の実印を押さなければなりませんので、忘れずに用意しておきましょう。
軽自動車の売却時に必要な書類
軽自動車の売却では、必要な書類が普通自動車とは少しだけ異なります。印鑑証明書や住民票などが不要で、実印も必要ありません。
ここでは、軽自動車を売る時に必要な書類と、普通自動車との違いについて解説します。
軽自動車の売却時に必要な書類一覧
軽自動車の売却時には、次の書類が必要となります。
◾️必要な書類一覧
・車検証
・自動車リサイクル券
・自賠責保険証明書
・軽自動車納税証明書
・印鑑
・申請依頼書(業者が用意)
このうち車検証・自賠責保険証明書・リサイクル券の3つは通常、車載されています。また、軽自動車の手続きにおいて印鑑は実印ではなく、シヤチハタ以外の認印で構いません。
さらに、軽自動車納税証明書も、電子確認システムが導入されている自治体であれば不要です。なお、委任状の代わりとなる「申請依頼書」は、業者が用意してくれます。
普通自動車との違い
普通自動車と軽自動車とでは、必要とする書類が異なります。軽自動車の売却時においては、譲渡証明書や住民票が必要ありません。普通自動車では実印が必要となりますが、軽自動車の手続きでは押印しませんので、実印や印鑑登録証明書も不要です。
また、普通自動車の手続きでは委任状を用意しますが、軽自動車では「申請依頼書」という独自の書類がその役割を果たします。
このように、普通自動車と軽自動車で用意すべき書類は違いますので、注意しましょう。
必要書類を集めるに当たって注意が必要なパターン
必要書類を準備する際、追加で書類を用意しなければならないパターンがあります。
車検証の住所と現住所が違う場合
売却する車の車検証に記載されている住所と現住所が違う場合は、住民票の写しが必要です。住民票には、1つ前に住んでいた住所が記載されていますので、その住所が車検証に記載されている住所と同じであればつながりが証明され、手続きが可能となります。
一方で、複数回の引っ越しをしている場合、住民票ではそれらの履歴を全て証明できません。その場合は、自分が生まれてから現在までの転居歴全てが載っている「戸籍の附票」が必要です。
なお、戸籍の附票は本籍地の役所に発行を依頼しますが、本籍を転籍している場合は、転籍後の履歴しか記載されていませんので、注意しましょう。
結婚して姓が変わった場合
結婚して姓が変わり、売却する車の車検証に記載されている姓と違う場合は、戸籍謄本が必要となります。戸籍謄本には婚姻歴とともに旧姓と現姓も記載されていますので、車検証の姓とのつながりが証明されて、手続きが可能となります。
戸籍謄本は「全部事項証明書」とも呼ばれており、戸籍に記載されている本籍地の役場で発行されます。
査定額アップのためにあった方が良いもの
査定額を少しでもアップさせるためには、車をベストコンディションにしておくことが重要ですが、他にもいくつか用意しておくべきものがあります。
点検整備記録簿や保証書、取扱説明書は3点セットでそろえ、純正オプションや備品についても事前に確認しましょう。
点検整備記録簿
点検整備記録簿とはメンテナンスノートとも呼ばれる冊子で、法定点検を受けた際の年月日や車の走行距離、そして部品の摩耗具合や消耗品の交換などを、整備した整備士が記録するものです。
点検整備記録簿があり、査定の日から1年以内に法定点検を受けていると証明できれば、15点の加点、つまり15,000円の査定アップになります。
法定点検を受けていても点検整備記録簿がないと加点されませんが、再発行はできませんので、大事に保管しておきましょう。
保証書
保証書とは、車の購入時にメーカーやディーラーが作成する、保証期間が記載された書類です。保証期間は一定の年数または走行距離で決められており、期間内に車が故障した場合は、この保証書をもとに修理やパーツ交換が無償で行われます。
査定において保証書は、整備点検記録簿と後述する取扱説明書の3点セットでそろっているかどうかが問われ、全てあれば10点の加点、つまり10,000円の査定アップになります。
逆に、1つでも欠けていれば大幅に減点されます。
取扱説明書
取扱説明書とは車の取り扱い方法が細かく記載された冊子で、いわば操作マニュアルです。メーターの表示内容やメンテナンス方法、レバーやスイッチの扱い方、最近の車であれば自動ブレーキや運転支援システムが作動する状況などが記載されています。
次のオーナーにとって、取扱説明書はあると助かるものですので、車の売却時には整備点検記録簿と保証書と一緒にその有無がチェックされます。
取扱説明書は、紛失した場合でも、古い車種でなければディーラーやメーカーに注文することが可能です。
純正オプション
純正オプションとは、車の基本的な構成部品以外に取り付けられる、メーカー純正のパーツのことです。一部のメーカーではアクセサリーとも呼ばれており、購入する際に一緒に注文して車の利便性を高めます。
純正オプションは、先進安全装備や本革シート、サンルーフなどの後付できない「メーカーオプション」と、カーナビやフロアマット、バックカメラといった後付できる「ディーラーオプション」の2種類があります。
このうち、特に後付できないメーカーオプションについては、査定において高評価となります。
備品
備品とは、車を買った時に一緒に積まれているものです。主な備品としては、スペアキーや車載工具、三角表示版、発煙筒などがあります。
このうち、査定に大きく影響のある備品はスペアキーでしょう。近年の車は、購入時に2つのキーレスエントリーを備えており、1つでも紛失してしまうと再販時に業者が費用をかけて用意しなければならないため、マイナス査定となります。
また、その他の備品も無い場合は再販時の費用がかさんでしまうため、減点の対象です。
まとめ
今回は、車の売却時に必要な書類について、再発行の方法と合わせて解説しました。車を売る時には、複数の書類を準備しておく必要があります。
車検証や自賠責保険証明書などの重要書類を紛失してしまった場合は、所定の場所での手続きが必要です。なお、必要書類は、普通自動車と軽自動車で異なります。
また、車検証に記載されている住所や姓が違う場合は、役所で戸籍謄本や戸籍の附票を取得しましょう。この記事を参考にしっかりと事前準備して、スムーズに車を売却しましょう。