車を売却する時に委任状が必要なケースを解説!代理売却の事例も

売却
  • 投稿日:2023/09/29
  • 更新日:2023/09/29
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車を売却する際に「委任状が必要です。こちらに署名と捺印をお願いします」と言われたことがある方も多いでしょう。では、なぜ車を売却するときに委任状が必要なのでしょうか。

今回は、車を手放すときに委任状が必要になる理由、委任状はどこで取得すればよいのか、委任状と合わせて必要な物など、車の売却と委任状の関係について解説します。

また、車を代理売却するときの事例についても紹介していますので、車の売却をするときの参考にしてみてください。

車を売却する時に委任状が必要なケース

車を売却するときに委任状が必要な理由は、車の売却に関する手続きを買取業者やディーラーなどに委託するためです。では、車の売却手続きを委託する際に、なぜ委任状が必要となるのでしょうか。ここからは、車を売却するときに委任状が必要になる理由を詳しく解説します。

買取業者に手続きを委託するため

そもそも、「委任状」とは、代理人による申請などが本人の意思に基づくものであることを証明する書類(委任の旨を証する書面)です。

車の売却では、所有者の名義変更など、さまざまな手続きをしなければなりません。これら車の売却に関連する手続きを買取業者やディーラーなどに任せる場合、業者が代理人となって、車の所有者の代わりにさまざまな手続きを行います。

この代理人による申請などが所有者本人の意思に基づいているか証明する書類が委任状となります。そのため、車を売却する際に委任状を用意する必要があるのです。

委任状の準備

委任状の必要性がわかっても、委任状の取得方法や書き方などがわからないということもあるでしょう。ここからは、委任状の取得方法、委任状に記載すべき内容などについて紹介します。委任状を用意するときの参考にしてみてください。

基本的には買取業者が用意

委任状は、基本的に買取業者が用意してくれることが多いです。そのため、売却しようとしている車の所有者がどこかに出向いて取得することはほとんどないでしょう。また、ディーラー下取りの場合であっても、ディーラーが委任状を用意してくれる場合が大半です。よって、買取業者に依頼して車を売却する場合やディーラーで下取りに出す場合には、委任状を所有者自ら用意する必要はないと言えるでしょう。

国土交通省のホームページからダウンロードできる

委任状は、国土交通省のホームページからダウンロードできます。自分で名義変更をする際に代理人に申請を依頼するときは、国土交通省のホームページにある委任状を使うとよいでしょう。

また、国土交通省のホームページには、委任状のPDFファイルだけでなく、記入例も合わせて用意されています。委任状の書き方がわからないときは、国土交通省のホームページにある委任状の記入例を参考にするとよいでしょう。

国土交通省(委任状):https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000227422.pdf
国土交通省(委任状記載例):https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000227425.pdf

委任状に必ず記載が必要な内容

委任状に記載すべき内容は次のとおりです。

・受任者の氏名と住所(代理人となる人の氏名と住所)
・委任すること(新規登録・移転登録・変更登録・抹消登録など該当するものを記載)
・自動車の登録番号(ナンバープレート)または車台番号
・委任者の氏名または名称と住所(直筆)、捺印(実印)

委任状には上記の内容が必要となります。内容が漏れていたり間違っていたりすると受理されないため注意してください。

また、委任者の氏名・名称と住所は、委任者の直筆でなければなりません。加えて、捺印は実印でなければならないことも覚えておきましょう。

※上記の内容は国土交通省が公開している委任状を元に必要事項を表記しています。

捨印も必要

委任状の捨印が必要になることもあります。捨印とは、委任状作成後の訂正に備えて、あらかじめ契約書の上欄余白部分に押しておく印のことです。

ただし、訂正できる個所は「委任者の氏名と住所」の項目のみとなります。委任者の氏名または名称と住所以外の箇所に不備があった場合は書き直しとなります。

捨印は押していなくて問題ありませんが、もし訂正しなければならなくなったときに必要となるため、捨印を押すよう求められたときは押しておきましょう。

自分名義以外の車を売却する場合

車は資産として扱われるため、基本的に自分の名義の車(所有者)でなければ売却することができません。しかし、自分以外の名義人の車を売却しなければならない事態になることもあるでしょう。ここからは、自分以外の名義人の車を売却するときの委任状について解説します。

委任者が全て記入

他人名義の車を売却する場合は、所有者が必要事項を記入し、所有者の実印が押された委任状が必要です。また、必要書類などは委任者がすべて記入します。

先述したように車は原則として所有者のでなければ売却することができないため、もし自分以外の名義の車を売却しなければならなくなったときは、買取業者やディーラーなどに相談してどのような手続きとなるのか詳しく確認した方がよいでしょう。

また、代わりに車を売却しなければならない事例は後述していますので、合わせて読んでみてください。

名義人の書類を用意する

名義人が用意する書類は、「印鑑証明書」、「譲渡証明書」、「委任状」となります。他人名義の車を売却するときは、この3つの書類が必要となるため、所有者に用意してもらいましょう。

また、「譲渡証明書」と「委任状」には、所有者の実印の捺印が必要です。捺印を忘れていないか、確実にチェックしましょう。

書類の準備や実印の捺印を忘れてしまうと、手続きが滞ってしまうため、書類に不備がないよう注意してください。

代理人の用意する物

代理人が用意するのは、「代理人本人の印鑑」と「身分証明書」です。この2つは、手続きする際に必要となるため、忘れずに持参しましょう。身分証明書については、公的なものであれば問題ありません。つまり、免許証やパスポートなどであれば問題なく手続きすることができます。

軽自動車の場合

軽自動車の場合は、委任状を用意する必要がありません。その代わりに「申請依頼書」という書類が必要です。

「申請依頼書」は、軽自動車検査協会のホームページからダウンロードできます。軽自動車の手続きをするときは、事前にダウンロードして記入しておくとよいでしょう。

軽自動車検査協会:https://www.keikenkyo-faq.jp/category02/inport-23/

軽自動車の申請依頼書には、車両番号・車台番号、委任された人(委任者)の氏名・住所を記入します。また、代理人による手続きの理由や誰から依頼されたのか、という点については選択式です。該当する項目を選びましょう。

記入方法などがわからないときは、軽自動車検査協会、買取業者やディーラーなどに確認してください。

代理売却が必要な特殊な事例

車を売却するときは、基本的に所有者でなければできません。しかし、時と場合によっては、代理人が車を売却しなければならないこともあります。ここからは、代理売却が必要な特殊な事例について紹介しますので、次の3つの事例に当てはまる場合に参考にしてみてください。

名義人が故人

名義人が故人の場合は、代表相続人が車を売却することができます。代表相続人による代理売却の際に必要となる書類は次のとおりです。

・戸籍謄本(名義人が除籍となっている物)
・遺産分割協議書(代表相続人を決定して資産=車を引き継ぐ手続きを行う)
・相続人の印鑑証明書
・委任状
・譲渡証明書

故人が名義人となっている車を売却する際には、上記の書類が必要となります。

ただし、車の残存価格が100万円以下の場合には、これらの書類は不要です。そのため、まず買取業者に査定をしてもらい残存価格を明確にしてから書類の用意を進めましょう。

名義人が認知症

名義人が認知症を患っているなど判断能力が不十分な場合も代理売却することができます。ただし、判断能力が不十分という理由で代理売却する際には、成年後見人を立てなければなりません。

成年後見人には、法定後見と任意後見があります。

法定後見は名義人が認知症になってから成年後見人を立てることで、任意後見は名義人が認知症になる前に任意で後見人を立てることです。

どちらの場合でも家庭裁判所での手続きが必要です。また、医療機関や福祉機関などの協力も必要となるため、後見人を立てるのに数ヶ月かかることもあります。

手続きの詳細や書類は、市役所や区役所などで受け取れるため、まず市役所や区役所に出向いて相談してみてください。

名義人が海外にいる

名義人が海外にいる場合にも代理売却することができます。

名義人が海外に在住している場合、車の売却に必要な「印鑑証明書」の用意が難しいこともあります。印鑑証明の取得が難しい場合には、印鑑証明書の代わりとなる「署名証書」を用意することで代理売却が可能です。

海外に居住している名義人の代わりに車を売却する際に必要な書類は次のとおりです。

・署名証書(日本大使館で発行)
・住民票の除票

署名証書は、名義人が現地の日本大使館で発行します。この署名証書は、日本国籍を有している方のみ発行することが可能な書類です。元日本人の方は発行される場合と発行されない場合があるため、日本大使館にて確認しましょう。

住民票の除票は、所有者の署名証書を代理人が役所に持参すれば発行可能です。住民票が除籍されていない場合は、印鑑証明書を発行するための委任状を用意し、印鑑証明書を取得して売却の手続きを進めます。

基本は本人名義でなければ売却できない

車の売却は、基本的に所有者の名義が本人でなければなりません。もし、ローンで車を購入していた場合は、所有者が本人名義になっていないことがほとんどです。ここからは、所有者の名義が本人でなかった場合にどうすればよいのか解説します。

ローンで車を購入した場合

ローンで車を購入した場合は、所有者がディーラーやローン会社、使用者が購入者となっていることが多いです。一方、銀行のローンの場合には、所有者が購入した本人の名義になっていることがほとんどです。

このようにローンによって所有者と名義人が異なるため、ローンで購入した車を売却するときは、まず車検証の「所有者」を確認しましょう。

もし、所有者が車を購入した本人でない場合には、所有権を解除し、所有者の名義を本人に変えてから売却することになります。

所有権留保の解除とは

所有権留保の解除とは、所有者の名義をディーラーやローン会社から購入者(本人)にする手続きです。

ただし、所有権留保の解除は、ローン完済後でなければ手続きできません。また、ローンを完済したからといって自動的に所有権が解除がされることはありません。ローンを完済し、ローン会社やディーラーに所有権留保の解除手続き依頼をして名義変更することが可能となります。

ローン返済中に新しい車に乗り換えることになった場合には、車の売却額をローンの返済に充てることが可能です。もし、ローンの残債が売却額を上回っている場合は、差額分を支払って完済した後に所有権留保の解除となります。

所有権留保の解除をしたい場合には、車検証の所有者を確認し、現所有者(ディーラーやローン会社など)に「所有権解除をしたい」と伝え、手続きを進めましょう。

所有者の名義を本人に変えることができれば、通常の売却手順で車を売ることができます。

まとめ

車の売却手続きを誰かに任せるときには、委任状が必要となります。委任状には、「誰(委任者)が、どの車(車両番号や車台番号)の、どのような手続き(名義変更など)を、誰に(受託者)依頼したのか」を記入しなければなりません。

また、車の代理売却をしなければならなくなったときは、用意する書類が異なったり、成年後見人を立てたりしなければならないことを頭の片隅に入れておきましょう。

委任状は、車の売却手続きを誰かに任せる時に必要となる書類です。そのため、買取業者やディーラーなど、業者から委任状を書いてもらうよう言われることがあることを覚えておきましょう。

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