ひと昔前までは法人向けサービスという印象が強かったカーリース。しかし、ここ数年は個人向けサービスとしてもどんどんシェアを伸ばしています。
ところで「月額払いでマイカーを持てる」ということに魅力を感じる一方、「何か落とし穴があるのでは?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。
当然、カーリースにもメリット・デメリットがありますので、向いている人と向いていない人に分けられます。
そこで、この記事ではカーリースはどんな人に向いているのか、そして注意すべきデメリットについて紹介します。購入とどちらが良いか、という点についても紹介しようと思いますので、ぜひ参考にしてください。
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カーリースに向いている人は?
早速ですが、カーリースはどのような人に向いているのか、利用をおすすめしたい人についてお伝えします。具体的には以下のような方々におすすめです。
- まだ購入資金を用意できない人
- 新車に乗りたい人
- ワンランク上の車に乗りたい人
- 色々な車に乗りたい人
- 車に関わる出費を定額にしたい人
- 車のコンディションを保ちたい人
- 法人・個人事業主の人
まだ購入資金を用意できない人
カーリースをもっともおすすめしたい人の一つが、まだ購入資金を用意できない人です。
就職や引っ越し等のライフスタイルの変化により、今すぐ車が必要になることもあるかと思います。しかし、全員が購入資金を捻出できるとは限りません。
そんな時にカーリースはとても有力な選択肢となります。
まず、カーリースは初期費用を0円に抑えることが可能です。
車をローンで購入する場合も、一般的には頭金として車両代金の10〜20%を先払いしたり、また自賠責保険や税金を含めた法定費用が必ずかかります。
法定費用が一番安い軽自動車の場合も、10万円近い支払額となるので、購入資金がない人にとっては大きな出費です。
一方、カーリースは法定費用や車両代金は月々定額の中に含まれていますので、最初に一括で支払う必要がないのです。
以下、参考までN-BOXをリースした場合と、購入した場合の初期費用の違いを載せておきます。
カーリースの場合 | ローン購入の場合 | 一括払い購入の場合 | |
---|---|---|---|
一括払い購入の場合 | なし | 33万円 | 165万円 |
法定費用 | なし | 9万1780円 | 9万1780円 |
諸費用 | なし | 3万円 | 3万円 |
合計 | 0円 | 47万1580円 | 179万1580円 |
こう見ると、いかにカーリースが初期費用の面で有利かお分かりになるはずです。
新車に乗りたい人
新車を買う場合、一般的には中古車よりも多くの費用を用意しなければなりません(価格高騰している車種を除く)。
しかし「どうしても新車に乗りたい」というニーズも少なくないと思います。この辺は価格を取るか新車を取るかのトレードオフの関係になりますが、もし新車購入費用の捻出が難しい場合は、カーリースは有力な選択肢になるでしょう。
先ほどお伝えした通り、車を購入する際は、車両代金の頭金や登録諸費用、自動車税や重量税、さらに自賠責保険料などの初期費用が必要ですが、カーリースの場合はこれらの初期費用がかからず、完全に月額定額払いで新車に乗れます。
「新車に乗りたいけど、たくさんの資金を用意するのは大変」このような方にもカーリースは向いていると言えるでしょう。
ワンランク上の車に乗りたい人
「今の貯金で車を買えなくもないけど、安い車しか選択肢にできない」という方にもカーリースはおすすめです。
何度もお伝えしているように、カーリースは車両代金の頭金や法定費用などの初期費用を0円にできる方法です。
もちろん、グレードが上の車は月額費用も高くなりますが、一括で支払う必要がありません。
また、カーリースは残価設定という仕組みが取られるため、車両代金の一部にしか費用発生しない点も見逃せないメリットです。
この残価設定があるからこそ、ワンランク上の車も選択肢にできることが、カーリースのメリットと言えるでしょう。
いろいろな車に乗りたい人
カーリースは車の乗り換えが容易であるため、最新の車に乗りたい人にもおすすめです。
数年ごとに契約を更新することで、常に最新のモデルや最新の機能を楽しんでいる方も中にはいます。
新車には安全性能や先進機能など多くのメリットがありますが、価格や購入時の費用がハードルとなるため、数年ごとに、新車に乗り換えたい人にはカーリースがおすすめです。
車に関する突発的な出費を抑えたい人
車を購入した場合、車検費用やメンテナンス費用などがかかります。
特に、車検は2年ごと(初回は3年)、さらに12ヵ月点検なども必要となり、突発的な出費が発生してしまいます。
しかし、カーリースの場合は、月額費用にそれらの費用を含めることができます。つまり、カーリースを選ぶことで、突然の出費をなくすことができるのです。
車のコンディションを保ちたい人
車のコンディションを保つには、その都度出費が必要です。例えば、オイル交換、またワイパーやウォッシャー液などの消耗品の交換などなどですが、これらの支払いが惜しく、先送りにしてしまうケースも少なくありません。
しかし、当然これらのメンテナンスをサボると、車のコンディションは低下してしまいます。
実は、カーリースはこれらの基本メンテナンスや消耗品の交換は月額費用に含まれているプランも多くあり、車のコンディションを容易に保つことができます。
性格がズボラな人にも、カーリースはおすすめできると言えるでしょう。
法人・個人事業主の人
法人、個人事業主の方にとって、車をどのように経費計上できるかは特に気になる問題なのではないでしょうか。
もちろん、新車も中古車も経費計上は可能ですが、基本的には減価償却する必要があります。
つまり、時間経過と共に価値が0円になった時点で、経費計上はできなくなります。
一方、カーリースの場合は契約が続いている限り、全額経費計上できる点がメリットです。
こうした財務上のメリットがあるのも、カーリースの魅力と言って良いでしょう。
カーリースに向いていない人
カーリースは便利ですが向いていない人も存在します。それぞれ特徴をみていきましょう。
車を名実ともに自分のものにしたい人
車の所有者になりたいと考えている人はカーリースには向きません。
カーリースは、契約期間のあいだ車を借りるというサービスです。もちろん借りている期間は自分の車のように自宅で管理し、いつでも自由に乗ることができます。
しかし、車検証の所有者の欄に記載されるのはカーリース会社の名前となります。その為、名実ともに車を自分のものにしたいと考えている人にはカーリースは向いていません。
しかし、ローンで車を購入した場合でも、車検証の所有者の欄に記載されるのは自分の名前ではありません。
そのことを考えれば、ローンで購入する場合は、カーリースと比較検討してみてもいいかもしれません。
車をカスタマイズしたい人
カーリースは、車をカスタマイズしたい人にとっては向いていない選択肢です。カーリースでは、契約満了時に車を借りたときの状態に戻して返さなければなりません。
そのため、自分好みに車をカスタマイズすることはできません。
返却時に元に戻せる範囲であれば可能なケースもありますが、大幅なカスタマイズや車体への加工は制限されます。
契約期間に縛られたくない人
カーリースの契約期間は、ライフプランや用途に合わせて自分で選択することが一般的です。
しかし、契約期間中は乗り換えることができないため、将来のライフプランや用途が変わる可能性がある人には向いていないかもしれません。
例えば、仕事の都合で引っ越しをすることになった場合や、家族が増えて車の必要性が変わった場合など、急な変化には対応できません。
契約期間中は乗り換える場合には、違約金などが発生することが大半なため注意が必要です。
走行距離が長くなりそうな人
カーリースは、基本的に年間の走行距離に制限があり、一般的には月1,000~2,000キロメートル程度とされています。
もちろん、プランによっては走行距離制限がないものも存在しますが、その場合は料金が割高になります。
また、走行距離の制限を超えてしまうと追加の料金が発生し、結果的にカーリースの利用が高額になってしまいます。
総支払額が気になる人
カーリースは初期費用を抑えることができますが、総支払額で見ると、通常の購入よりも高くなってしまうケースがあります。
プランにもよりますが、カーリースの支払い総額にはメンテナンス費用が含まれることがあります。
また、場合によっては車検費用や法定点検費用などが含まれることがあるので、総支払額が高くなってしまうことは必然と言えるでしょう。
その為、車両本体価格の総支払額だけで比較することができないので、一概に判断できないと言えます。
カーリースと購入はどちらが得か?
カーリースの利用を検討している方にとって、「購入とどちらが得か?」というのは、多くの人が考えるテーマかと思います。次に、この部分を整理してみましょう。
初期費用はカーリースが有利
初期費用を抑えたい方にとっては、断然カーリースが向いています。
カーリースは、自動車税や自賠責保険料などの法定費用、登録料や納車費用などの諸費用を契約時に支払わなくてよいため、実質初期費用0円で新車を手に入れることができます。頭金を入れるかどうかもユーザーの自由です。
一方の購入の場合は、ローンを組む場合でも頭金として車体価格の10%~20%が初期費用として求められることが多く、また登録諸費用として軽自動車でも乗り出しには10万円前後の費用がかかります。よって、数十万円の初期費用がかかることは決して珍しいことではありません。
こう比べると、初期費用の面では圧倒的にカーリースのほうが有利ということがわかると思います。
貯蓄がない方や、手元にお金を残しておきたい方など、車購入時の初期費用に不安を抱いている方にとっては、カーリースが有力な選択肢となるでしょう。
【シミュレーション車種】
ホンダ N-BOX ベースグレード2WD
車両本体価格:168万9,600円
カーリース | ローン購入 | 一括払い購入 | |
---|---|---|---|
車両代金または頭金 | なし (月額料金に含まれる) |
30万円 | 168万9,600円 |
登録諸費用 | なし (月額料金に含まれる) |
11万1,600円 | 11万1,600円 |
合計 | 0円 | 41万1,600円 | 180万1,200円 |
維持費・支払い総額は購入が有利
毎月の維持費、総支払い総額の面を考えると、購入のほうが有利になること多いかと思います。
カーリースは、初期費用や車検費用、自動車税などの大きな出費がありません。また、メンテナンスプランに至っては、オイル交換に係る費用までリース会社が負担してくれるため、維持費・支払い総額が「安い」と思っている方も多いでしょう。
しかし、実際のところカーリースの車検費用や自動車税、メンテナンス費用などは、月額費用に含まれています。ローンと比べて月々の支払いが多くなってしまい、結果として維持費・支払い総額が購入よりも高額になる傾向にあります。
一方、購入の場合、一括払いに至っては毎月の支払い額がありません。年に数回のオイル交換費と数年に一度の車検費、一年に一度の自動車税だけなので、維持費・支払い総額は圧倒的に安いです。下の表に記載されているように、5年間で考えると月平均3,900円で車を所有できます。ローン購入の場合でも、カーリースよりも安い維持費・支払い総額になるケースがほとんどです。
ただ、カーリースには毎月定額で車に乗れるメリットがあります。購入時のように初期費用を支払う必要がないことを加味すると、カーリースのほうが安く済むとも考えられます。
また、カーリースを「オープンエンド」で契約した場合、残価を自由に設定できるため、毎月のリース料を調節することが可能です。そのため、「カーリースの方が維持費・支払い総額が高い」と言い切ることは難しいといえます。
【シミュレーション車種】
ホンダ N-BOX ベースグレード2WD
車両本体価格:168万9,600円
カーリースの場合 | ローン購入の場合 (実質年率4.9%) |
一括払い購入の場合 | |
---|---|---|---|
月額リース料 / ローン返済額 | 3万1,000円 | 3万1,800円 (初回のみ3万2,199円) |
0円 |
オイル交換 (年2回実施) |
無料 (月額料金に含まれる) |
約4万6,000円 (約4,600円/回) |
約4万6,000円 (約4,600円/回) |
車検費用 (法定費用含、2回) |
無料 (月額料金に含まれる) |
約9万円 (約4万5,000円/回) |
約9万円 (約4万5,000円/回) |
軽自動車税種別割 (初年度を除く4年) |
無料 (月額料金に含まれる) |
4万3,200円 (1万800円/年) |
4万3,200円 (1万800円/年) |
5年間合計 | 186万円 | 219万9,199円 | 17万9,200円 |
月額平均 | 3万1,000円 | 3万6,653円 | 2,986円 |
※カーリースの月額料金は例として「carsマイカー定額」を使用
※カーローンの返済額は2024年10月31日時点、ホンダ「N-BOX」セルフ見積もりにて算出
※オイル交換費用は総務省統計局の小売物価統計調査(2024年9月)より
※車検費用は車検専門店を利用した場合の概算
カーリースで失敗しないために理解しておきたいこと
最後に、カーリースで失敗しないために必ず覚えておきたい点についてまとめます。以下の点は利用前に必ず理解しておくようにしましょう。
- 残価設定方式の仕組み(オープンエンドとクローズドエンド)
- 原状回復義務がある点
- 中途解約は原則できない点
残価設定方式の仕組み(オープンエンドとクローズドエンド)
カーリースの残価設定方式には、「オープンエンド」と「クローズエンド」の2つの仕組みがあります。
オープンエンドは、カーリース契約終了時点(エンド)の車体価値(残価)が契約者に開示(オープン)される契約方式です。オープンエンドでは、契約時にカーリース会社と契約者でリースする車の残価を設定します。その際、残価を高く設定すれば、毎月の月額費用を安く抑えることが可能です。
ただ、契約時に設定した残価と契約終了時の残価に差額がある場合、契約者は差額の清算を行わなければいけません。先ほど、オープンエンドには残価を高くすることで月額費用を抑えられるメリットがあると述べましたが、残価は高く設定すればするほど、契約終了時の差額が大きくなってしまうリスクがあります。
一方、クローズエンドは、契約時の残価設定も、契約終了時の残価も契約者に開示されない(クローズ)契約方式です。オープンエンドとは逆で、契約時の残価設定と契約終了時の残価に差額が出た場合でも、契約者は差額の清算を行う必要がありません。ただ、残価はカーリース会社が設定するため、オープンエンドと比べて月額費用が高くなりやすい傾向にあります。
月額費用を抑えるために「オープンエンド」を選択される方もいますが、月額費用がすべてではありません。オープンエンドでは、契約終了時点の残価を気にしながら生活しなければいけないデメリットがあり、精神的な負担が大きいといえます。
月額費用と、残価の清算を行わなければいけないリスク、どちらが重要かよく考えたうえで契約するようにしましょう。
原状回復義務がある点
カーリースでは、契約終了時に車をもとの状態に戻して返却しなければいけない「原状回復義務」があります。
リース後に取り付けたカーナビやバックカメラをはじめ、改造や傷・へこみも元に戻して返却しなければいけません。もし、リースした車を原状回復せずに返却した場合、カーリース会社から高額な費用を請求されてしまいます。
「大きな出費を抑えられる」というカーリースのメリットを最大限に生かすためにも、リースした車は大切に乗るようにしましょう。
運転に自信がなく、傷やへこみを付けてしまう心配がある方は、カーリース会社が提供する補償プランへの加入をおすすめします。原状回復に係る費用をサポートしてもらえるので、安心して車を運転できます。
中途解約は原則できない点
カーリースでは、原則的に契約期間中の中途解約や契約内容の変更ができません。
なぜなら、カーリース会社は契約期間に応じて毎月の月額費用を設定しているからです。契約者は、やむを得ない理由がない限り契約満了まで月額費用を支払い、リースした車に乗り続けなければいけません。仮に契約期間中に中途解約を申し出た場合、高額な違約金(おおよそリース終了時点までの残債の金額)を請求されることになります。
このような事態を避けるためには、契約期間を無駄に長くしないことが重要です。確かに、カーリースでは契約期間を長くした方が、月額費用を抑えることができます。ただ、契約期間を長くした場合、自分の都合に合わせて車を自由に乗り換えることができません。
中途解約のリスクを下げるためにも、無理のない期間で契約するようにしましょう。
まとめ
カーリースは、初期費用を抑えたい人や維持費を安定させたい人にとって便利なサービスです。カーリース会社やプランのカスタマイズによって、自分好みの使い方ができるので、しっかりと仕組みを把握しておくことが大切です。
カーリースに向いている人の特徴や注意点を把握し、自分に合ったカーリース会社を選びましょう。
カーリースを検討している方は、ぜひこの記事を参考にして、より快適なカーライフを実現してください。