マーケティング

【連載1】車検を増やすことが自動車整備工場経営の第一歩

投稿日:2021/10/28更新日:2023/04/04

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自社の自動車整備工場の経営を向上させていくためには、どのように進めていけば良いのか、何から手をつけていけば良いのか悩むことも多いのではないでしょうか。

今回は、「車検を増やすことが自動車整備工場経営の第一歩」と題して、なぜ車検を増やすことが自動車整備工場の経営を向上させることにつながるのかを解説します。

また、自動車関連事業で一番利益があるといわれる「車販」の「売れる仕組み」についても考えていきます。

車検の先にあるシナリオ

なぜ車検を増やすことが経営状態を向上させていくことにつながるのか。車検の先にはどのようなことが起こるのか順にみていきましょう。

1:車検を増やす

車検を増やすことで、まずは顧客の情報が獲得できます。この情報がすべての入口となります。

2:自賠責の増収

車検を増やすことで、自賠責の増収も見込めます。またそれにより保険会社との関係を強化していくきっかけにもなります。

3:車販強化

車検時に得た顧客情報をもとに車販を行います。まずはお客様に対して買い取りの提案から始め車販へとつなげて利益を得ます。

4:任意保険強化

車販時に自賠責とあわせて任意保険についても獲得を狙います。

5:自社顧客からの鈑金塗装入庫

車検時に得た顧客情報や車販時のアプローチにより、鈑金塗装入庫を増やしていきます

6:1~5を繰り返す

1~5で得た利益を再投資し、利益を最大化していきます。自動車整備工場にはショールームがありません。そのため、鈑金塗装や車検が「すべての入口」であり「最大の強み」なのです。

そして、その強みを生かして、どこで売り上げを伸ばすのか。それが「車販」です。

自動車関連事業で一番利益があるのは車販

ご自身の会社では車販に取り組むことができているでしょうか。また、車販専属の営業担当者はいるでしょうか。

「鈑金塗装会社が車販?」
「完全下請けだから関係ない」
「専属の人材を置く余裕はない」
「それは社長の仕事」
「買い取りは専門業者に外注している」
「販売はディーラーに任せている」
「仕入れが苦手」

これらの理由で車販に力を注ぐことができていないということはないでしょうか。自動車関連事業で一番利益があるのは車販です。その車販に力を入れない理由はありません。

車販の粗利は新車なら2~3万円、中古車でも5~10万円程度といわれていますが、「車販で利益を上げる仕組み」を構築することで中古車1台あたりの平均粗利が30万円以上となることも夢ではありません。

「車販で利益を上げる仕組み」づくり

そもそもお客様の立場からすると「自分の車は高く売りたい」「購入時は安く買いたい」と考えているでしょう。

また、事業者の立場からは「できるだけ安く買い取りたい」「できるだけ高く売りたい」と考えているはずです。
つまり、お客様の利益と事業者の利益は相反しています。

しかし、「車販の仕組み化」を実践すれば「高く買って安く売る」ことは実現可能なのです。そのポイントには下記の2つがあります。

  1. 継続して成果を生み出せるように車販営業を専任化する
  2. 誰にでもある程度の成果が生み出せるように、マニュアル作成・教育・指導を行う

上記のポイントを押さえながら、自動車整備工場・鈑金塗装業者にとってベストなスタイルで車販を行なっていくことが大切なのです。

自動車整備工場・鈑金塗装業者にとっては伝統的な車販スタイルがベスト

自動車整備工場・鈑金塗装業者が取り組む車販スタイルとしては、少数精鋭で行うのが良いでしょう。1~2人の専任営業担当者が1台1台じっくりとお客様の要望を満たすものを提供していきます。

車販のターゲットは、「基盤顧客=自社と取引のあるお客様」です。自社の顧客から車を買い取り、次の車となる「ネクストカー」を販売する伝統的なスタイルです

では、どうすれば毎月安定して自社の基盤顧客から車を買い取って、ネクストカーを販売することができるでしょうか。
そこで必要となるのが、マニュアル作成・教育・指導の3点セットです。

マニュアルを用意することで、一定品質の接客・業務レベルを確保します。そして、教育・指導の体制を整えることで、いつでも営業担当者を育成し、品質を保つことができます。

マニュアル作成・教育・指導の3点セットを整えて、営業体制を一定品質にすることが必要不可欠です。

自動車整備工場・鈑金塗装業者に最適な中古車販売

前述の通り、車販のターゲットは自社のお客様です。

自社の顧客から車を買い取り、次の車を販売するスタイルなので、自動車整備工場・鈑金塗装業者にとっての最適な車販は「中古車の買い取りと販売」といえます。

「中古車の買い取りと販売」を中心とした車販体制の構築がおすすめな理由を簡単に挙げます。

  • 一物一価である
  • 差別化が可能
  • 販売後の関係構築が可能
  • 粗利が大きい
  • 本業の仕事(自動車整備、鈑金塗装)につながる可能性

これらの理由については次回の記事で解説します。また、車販の粗利を大きくする秘訣「中古車の個人間流通」についても触れていきます

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