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【連載2】「中古車の買い取りと販売」のメリットと課題!新しい中古車販売とは?

投稿日:2021/11/04更新日:2023/04/04

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前回「【連載1】車検を増やすことが自動車整備工場経営の第一歩」の記事では、車検を増やすことがどのように自動車整備工場の経営を向上していくのかを解説しました。

その中で、自動車整備工場にとっては鈑金塗装や車検が「すべての入口」であり「最大の強み」であることを紹介。

そして、その強みを活かして「車販」で売り上げを伸ばしていくことが必要であること、「中古車の買い取りと販売」を中心とした車販体制の構築がおすすめであることについて触れました。

今回の記事では、「中古車の買い取りと販売」のメリットと課題を解説し、「中古車の個人間流通モデル」のプロセスについて考えていきます。

「中古車の買い取りと販売」のメリット

「中古車の買い取りと販売」を中心とした車販体制の構築がなぜおすすめであるか、そのメリットは以下のとおりです。

  • 一物一過である
  • 差別化が可能
  • 販売後の関係構築が可能
  • 粗利が大きい
  • 本業の仕事(自動車整備、鈑金塗装)につながる可能性

それぞれみていきましょう。

一物一過である

中古車は、年式や走行距離、前オーナーによって車の状態がまったく異なります。よって、ある一定の相場はあるものの、価格の決定権は販売側が持つことができます。

差別化が可能

未使用車販売や定額リース販売などは仕入れの条件勝負となるため、最後は資本力(金)がものをいいます。つまり、他社に模倣されやすく、差別化が図りにくい状態です。昨今は1万円定額などが時流で、リース会社、インターネット企業が空中戦を仕掛けてきたら勝てる見込みがありません。

一方で、中古車販売については前述のとおり、同じ車はなく、価格の決定権は販売側にあるので、仕入れや販売価格を工夫することで差別化を図ることができます。

販売後の関係構築が可能

中古車であれば、販売後のメンテナンスも販売者の責任としてみることになるので、長期的な関係構築が期待できます。

粗利が大きい

適切に仕入れて、適切に売れば、1台あたり平均30万円以上の粗利を目指すことができます。

本業の仕事(自動車整備、鈑金塗装)につながる可能性

中古車は新車とは異なり状態がさまざまです。そのため、販売時に磨き・コーティングをセットで販売することが可能です。

また、中破程度の事故車を仕入れてきて、きれいに仕上げて販売することも可能。つまり車両利益だけでなく工賃も稼ぐことができるのです。

「中古車の買い取りと販売」の課題

「中古車の買い取りと販売」には多くのメリットがありますが、一方で課題もあります。

  • 仕入れが難しい
  • 販売後のトラブル
  • 在庫を持つべきかどうか

それぞれみていきましょう。

仕入れが難しい

オークションや業者もしくは個人などから中古車を仕入れることになりますが、適切な中古車を適切な価格で仕入れるのが難しく、ノウハウ・人材が不可欠です。

販売後のトラブル

中古車販売にはクレームは避けられません。販売後のトラブル・クレームなどは必ずあるという前提で考える必要があります。突っぱねるのではなく、誠実に対応しなければ本業の評判にも影響が出てしまうというリスクがあります。

在庫を持つべきかどうか

必要なときに在庫がなければ、販売チャンスを逃すことになります。また、仕入れに時間がかかると、顧客が他社に流れてしまうことも。多くない需要のために在庫を抱えることができない事業者も多いはずです。

販売後のクレーム処理や、仕入れた車がキャンセルになるなど、中古車事業参入の課題は、突き詰めればいずれもお金の問題といえます。

新しい中古車販売とは

前述のように、中古車事業にはメリットと課題があります。そして、これらの課題を解決するのが「中古車の個人間流通」モデルなのです。

「中古車の個人間流通」とは

中古車の個人間流通とは、今のカーオーナーから車の販売を任せてもらい、次のカーオーナーを探して販売するというスタイルです。

中小の自動車整備工場が中古車販売で他社より優位に立つには、流通の仕方を変えて利幅を取りにいくことが重要です。中間流通をできるだけ省略し、顧客同士を直接結ぶことがその鍵となります。

自社の「資源」を有効活用する

中古車の個人間流通モデルとは、自社が管理している顧客と車を「在庫資源」としてみるということです。これまで修理や整備の対象としてしか捉えてこなかった、整備コンピュータ上の顧客の車両を自社の在庫資源と見立て、その資源の「確保と保全」を行なっていくという考え方です。

鈑金塗装の仕事で顧客と車を確保し、納車後のオイル交換や車検などでしっかりと管理・保全を行います。

それらの車を中古車として販売することで新たなオーナーを獲得し、新規顧客として整備コンピュータ上に登録していくのです。

中古車の個人間流通モデルのプロセス

それでは、中古車の個人間流通モデルの販売プロセスを紹介します。

  • 情報収集
  • 情報管理
  • 提案活動
  • 査定商談
  • 委託成約
  • 販売成約(買取成約)
  • ネクストカー販売

中古車の個人間流通モデルはこれらのプロセスを辿ることで、自社の顧客の車を次の新規顧客に販売します。また、車を売っていただいた顧客にはネクストカーを販売するという流れで事業を発展させていきます。

これらの各プロセスについては次回の記事で解説します。

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「中古車の個人間流通モデル」では、顧客の情報をしっかりと収集し管理することが大切です。

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車検・期日点検の満了月の管理はもちろん、タイヤ・オイル・バッテリーの点検結果や車両乗換の意思の有無などを一括でリスト化し、接点活動をしっかりとサポート。

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