マーケティング
自動車整備業の最大の強みを生かした集客方法。事業成長に大切な事
投稿日:2021/06/17更新日:2022/10/28
集客力アップの基本は、自動車整備業の強みを把握するところから始まります。それは、基盤顧客がいることです。しかし、基盤顧客だからと言って安心してはいけません。
しっかりと関係性を構築していかなければ、資本で勝る大手に流れていってしまう流動的なお客様だということを忘れてはいけません。
そこで今回は、お客様との接点機会を増やし、基盤顧客を大切にすることの重要性を解説します。
自動車整備業の最大の強みはお客様の顔が見えること
社長や営業担当者の顔でつながりのある「クルマを超えた人間関係を構築できているお客様」が思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。それがまさに自動車整備業の最大の強みとなります。
また、自動車は物理的に人が運転して運ばなければならないため、移動などのコストを考えるとお客様は地元周辺の中古車販売店や整備工場に自動車整備を依頼する傾向があります。また、一度依頼すると他地域へ動きづらいという特性もあります。
しかし、その関係性や地元の強みに油断してはいけません。
大手カー用品店は、広告宣伝で認知度や信頼感を高め、商品力・価格力・バリエーションといった物量で仕掛けてくるので大切なお客様が流れていってしまう可能性は常にあるのです。
自動車整備業の弱み
担当者との信頼関係や地理的有利性に支えられた整備工場でも、宣伝や商品といった資本力と物量の点では大手と比較すると勝ち目がありません。
中でも資本力に直接関係してくる人的資源・物的資源で大手と並ぶことができる企業は多くありません。
また、人的資源の豊富な大手は、それに比例する形で情報の質も量でも優っています。
結果、商品サービスにおいては開発力の弱さから、大手と比べて特徴のない商品・サービスを割高に提供しなければならず、顧客の期待に応えられないことが出てきてしまいます。
自動車整備業が生き残る上で一番大切なことは「接点機会」
資本力・商品力の弱い地元の整備工場にとって、もう一つの課題が、お客様との接点頻度です。大手であれば広告宣伝による接点があります。
一方、整備工場は物理的距離が近いとはいえ、2年に1度の車検のタイミングや、事故の時にしか連絡がないのであれば、お客様との距離の有利性はほとんどありません。
メンテナンスを通して出会ったお客様が、チラシを見て都市部の大手カー用品店に乗り換えてしまえば、最大の収益機会を逃してしまうことになります。
そこで、お客様との接点を増やして乗り換えのリスクを減らすのと同時に収益アップの機会を増やしていきます。
では、どんな接点機会があるのでしょうか。下記に紹介する絶対に逃してはならない「主要な接点機会」はもちろんですが、「努力できる接点」は工夫や学習によって設けることができる、地元の中小企業が有利となる接点機会です。
中でも、「感謝祭」は自動車整備業として生存にも影響する貴重な戦術となります。
創意工夫でこれらの接点機会を逃さずにいかにアプローチしていくかが、集客力アップ、収益アップの第一歩となります。
■主要な接点機会
- 車検(2年)
- オイル交換(半年)
- 無料点検(半年・1年)
- 自動車保険の更新(1〜3年)
- タイヤの販売、交換(3〜4年)
- バッテリー販売(3〜4年)
- 買い取り販売(5〜10年)
- ローンのメンテナンス(随時)
- 一般整備(随時)
- 事故やトラブル(随時)
■努力できる接点
- 洗車(毎週・毎月)
- コーティング(半年・1年)
- クリスマス等のイベント(毎月)
- 感謝祭(年1・2回)
- 旅行企画
- クラブ活動
- 貸しスペース
- レンタカー事業
- カーシェアリング
- 火災保険の更新
- 生命保険の見直し
お客様の乗り換えタイミングを逃さない方法
自動車整備業において、最大の収益アップは車の販売です。
一方でお客様の多くは整備工場で車やパーツを購入できることを知らないため、自社で車が購入できることをしっかりとアピールしていく必要があります。
大切なのは、2年に1度の車検時だけにアピールするのではなく、普段から接点機会を創出しておき、お客様にとって身近な存在になっておくことです。
車の買い替えを促すのなら、特に車検6ヶ月前からアプローチ頻度を高めておきたいものですが、そのためにはお客様一人ひとりの接点状況をしっかりと把握する必要があります。
お客様との接点状況の管理
例えば、車検終了直後のお客様に買い取りの案内や新車購入を勧めてもあまり意味がないことからもわかるように、お客様の状況に合わせたアプローチが必要です。
適切なタイミングで適切な情報を受け取るからこそお客様は動いてくれます。お客様がどのタイミングで、どのような用件で来店したのかを把握しながら、アプローチしていくことが大切なのです。
例えば、車検が6ヶ月以内に迫っているお客様のみを抽出し、車検の予約を促すDMや、お得に乗り換えが可能なご案内を行います。
または、前回のオイル交換から6ヶ月を迎えたお客様を抽出し交換を促すお知らせをするといったアプローチです。
整備コンピュータに登録された顧客データをしっかり活用することができれば、的確なアプローチをすることができます。
このようなデータの活用は、「cars MANAGER」でも可能です。
例えば、18ヶ月以内に取引のあったアクティブなお客様を簡単に把握でき、車検対象者や点検対象者のリストを瞬時に抽出できます。
加えて、オイル、タイヤ、バッテリーなど、交換が必要な部品ごとにリストをつくることも可能なほか、「6ヶ月以内」「6ヶ月以降18ヶ月以内」「18ヶ月を超えて接点がない」など、接点状況をセグメントして把握することもできます。
また、リストの対象者に対してシステム上からSMSやメール、LINEの配信が可能で、中小企業にとって難しい広告宣伝もサポートしています。
対面による強みで得た顧客情報は、持っているだけでは宝の持ち腐れです。データ化して活用することで、接点機会を増やし、集客力と収益UPを図ることができます。
まとめ
自動車整備業の最大の強みはお客様の顔が見えることです。お客様の顔が見えるからこそ、しっかりとお客様と向き合い、クルマを超えた人間関係を構築が大切になってきます。
また、それは2年に1回の車検のみの機会では構築するはできません。しっかりとこちら側から接点機会を創出しアプローチすることが大切です。
定期点検、オイル交換、タイヤ交換のタイミングなど、お客様一人ひとりに合わせたタイミングでアプローチしていくことが大切です。
そのためには、日ごろからの顧客データの収集と管理が大切になってきます。
今一度、これまでの仕事を振り返り、できることから始めていきましょう。