
毎日の通勤やドライブなど、車を使っていると天候による汚れや空気中のホコリなどがついてしまいます。
汚れを洗い流したいとは思っても、手洗いで車を洗うのは大変です。洗車機を使えば手間を短縮できますが、ブラシで傷がつかないか心配な人もいるでしょう。
そこで、今回は洗車機で傷はつかないのかどうかや対策・対処法について解説します。
目次
洗車機ではほとんど傷はつかない

洗車機といえば、以前は「連続洗車機」という、コンベアで車両が運び込まれて洗車するタイプの洗車機が一般的でした。
何よりも高速で洗車できる、つまり一気に洗車が可能であることが大きなメリットでしたが、ナイロンやプラスチックなど化学繊維を使ったブラシで洗うため、車体が傷ついてしまうことも多かったのです。
一方、現在では「移動式ドライブスルー洗車機」という、車を動かさず洗車機を動かすタイプのものが主流です。
ブラシも主にスポンジブラシや高級不織布を用いた布ブラシで、化学繊維ブラシの場合も特殊ゴムを配合して車の表面よりも柔らかくしています。
このため、現在の洗車機で傷がつくことはほとんどありません。
洗車機で傷がついてしまう理由

そもそも、洗車機で傷がついてしまう原因のほとんどはブラシや洗い方のためではありません。多くは砂やゴミ、塩分などもともと車についている汚れが原因です。
雨や風で泥がついたり、空気中のホコリやゴミがついたり、海の近くなら潮風による塩分がつきます。
これらは固体の粒子なので、車体についたまま洗ってしまうとブラシで粒子がこすれ、車体が傷ついてしまうのです。
一見キレイに見える車でも、空気中の汚れなどがつくため細かい汚れはついています。
そのため、洗車の際にはブラシでこする前に、しっかり水洗いをして細かい粒子を洗い流しておかなくてはなりません。
水洗いが不十分で、砂・ゴミ・塩分などがついたまま洗車してしまうと、たとえ手洗いであっても傷がついてしまいます。
手洗いであっても洗車機であっても、まずはしっかり水洗いをして、車体についた砂やゴミ、塩分を十分に洗い流してから、ブラシでこすり洗いするようにしましょう。
洗車機の種類

洗車機には、大きく分けて「ドライブスルー型」「ノーブラシ型」の2つのタイプがあります。
ドライブスルー型洗車機
ドライブスルー型洗車機は、文字通り車に乗ったまま洗車できるタイプの洗車機です。
洗車機本体が移動してくれるため、車を降りたり自分で洗車したりする手間がかかりません。
▼メリット
短時間で乗ったまま洗車できるため、手間も時間もかからない。
▼デメリット
細かい場所やしつこい汚れは落としきれない可能性がある。
ノーブラシ型洗車機
ノーブラシ型洗車機とは、ブラシを使わず水圧で汚れを落とすタイプの洗車機です。形はドライブスルー型と同じですが、さまざまな方向から高圧で水を噴射して車を洗います。
▼メリット
車に傷がつきにくく、かつ短時間で細かい隙間まで洗車できる。
▼デメリット
油分を含んだひどい汚れ、こびりついた汚れは落ちにくい。
洗車機を使う時のポイント

洗車機を使う時のポイントとして以下の3点を押さえておきましょう。
事前に水洗いをして汚れを落としておく
洗車機を使って車が傷つくのは、主に砂やゴミ、塩分など細かい粒子の汚れが車についていて、それをブラシがこすってしまうためです。
そこで、事前に水洗いしたり高圧洗浄機を使ったりして粒子をしっかり洗い流しておくことで、傷つきにくくなります。
また、古い洗車機でナイロンやプラスチック製のブラシを使っている場合は、ブラシで傷ついてしまう可能性もあります。
ナイロンやプラスチック製のブラシでなく、スポンジや布製のブラシを使っている洗車機、化学繊維であってもできるだけ新しい種類のブラシを使っている洗車機を選ぶと良いでしょう。
ワックスやコーティングについても確認
洗車機には、ワックスやコーティング機能がついているものもあります。
洗車の後、これらの機能を使ってよりホコリや傷がつきにくくしたい場合は、洗車機についているかどうか確認しておきましょう。
どうしても心配な場合は手洗い洗車を依頼
傷がつくのは心配だが、自分で上手く洗える自信がない、洗車している時間がないという場合は、手洗い洗車を依頼するのもひとつの方法です。
プロの手で隅々までキレイに洗車してもらえば、傷がつく心配もありません。プロに依頼する場合、コーティングも同時に頼んでおくとキレイな状態を保ちやすく、傷もつきにくくなるでしょう。
傷がついてしまった時の対処法

細心の注意を払っていても、砂やゴミの見落とし、空気中のホコリの巻き込みなどによって、洗車機で傷がついてしまうこともあるかもしれません。
そんなときは、コンパウンドで磨くという方法があります。
洗車機でついた傷は細かい粒子やブラシによるものなので、深いものではありません。
そこで、コンパウンドという化学研磨剤で塗装面を磨けば、傷を目立たなくすることができます。
ただし、コンパウンドは傷を消すものではなく、あくまでも傷を目立たなくするものであることを念頭に置いておきましょう。
コンパウンドの使い方
コンパウンドは、以下の手順で使います。
- マスキングテープなどを使い、磨く範囲を囲む
- スポンジに水を含ませ、軽く絞る
- コンパウンドをスポンジにつけ、傷の周辺にならす
- スポンジを直線的に動かしながら、傷を磨く
- コンパウンドを拭き取る
コンパウンド剤を使うときは、縦・横と直線的に動かすのがポイントです。
円を描くように動かすと色ムラができてしまったり、円状に跡が残ったりしてしまうため、注意が必要です。
また、傷以外の場所にコンパウンドがつかないよう、マスキングテープを使って研磨範囲を区切っておくのも忘れないようにしましょう。
コーティングした車は洗車機に入れない方が良い理由

ここまで、車を傷つけず洗車機を使う方法を解説してきましたが、洗車機を使うのに向かない車もあります。
特に、コーティングした車は洗車機を使ってはいけません。その理由を解説します。
撥水性能が低くなる
コーティングした車を洗車機に入れてしまうと、コーティングの被膜にダメージを与えるため、撥水性能が低くなってしまいます。
車のガラスコーティングでは、ボディの上にガラス質のコーティングを塗り、その上からトップコートを塗布して車を守りますが、洗車機で洗うとブラシの摩擦でトップコートが摩耗していってしまうのです。
もちろん、トップコートの摩耗自体は車を使っているうちにだんだんと起こっていってしまうものですが、洗車機を使うとトップコートの摩耗速度をより速めてしまう可能性があります。
本来の撥水性能を保ち続けるためには、洗車機を使わない方が良いでしょう。
洗車機のワックスで劣化が進む
コーティングした車に洗車機のワックスを使うと、劣化しやすくなってしまいます。
洗車機には、ワックスコーティングができるワックスコースがついているものがあり、ワックスコースを使えば車にワックス塗装が可能です。
洗車機のワックスコースは簡易的に施工できて光沢も得られるので、もともとコーティングしていない車に使うのであれば便利なコースですが、コーティングした車にはおすすめできません。
ワックスは油であり、油膜が塗装につくと汚れがつきやすくなってしまいます。
さらに、紫外線や酸性雨によって劣化するスピードも早まってしまいます。
コーティングの性能を保ちたいなら、洗車機のワックスを使うのはやめましょう。
ワックスコース以外なら使ってもいいの?
洗車機にワックスコースがついている場合、ブラシ自体にワックスが残ります。そのため、ワックスコースでなくてもワックスがついてしまう可能性が高いです。
ワックスコースでなくても、コーティングした車に洗車機を使うのは避けておきましょう。
スクラッチ傷がつきやすくなる
洗車機にはブラシがついており、こすることで車の汚れを落とします。
車のボディそのものは硬いためブラシで傷つくことがなくても、コーティングのトップコートは傷ついてしまうため、どうしてもスクラッチ傷がついてしまいます。
一度入れたくらいではわからなくても、何度も洗車機に入れているうちにスクラッチ傷が目立つようになってしまうこともあります。
トップコートが傷つくと、撥水性能が落ちるだけでなく、傷ついて剥がれた部分からその下のコーティング面に傷が入ってしまうこともあります。
また、傷に汚れがついて全体的にくすんだような見た目になるなど、外観に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
いつまでもキレイな見た目を保つためにも、撥水性能を保つためにも、コーティングした車は洗車機に入れないほうがいいでしょう。
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まとめ
昔の洗車機はナイロンやプラスチックなどのブラシを使っていたため、「洗車傷」と呼ばれる傷がつきものでした。
しかし、現代ではスポンジや布のブラシを使ったり、水だけで洗うノーブラシ型洗車機などの登場により、車が傷つくことはほとんどありません。
しかし、コーティングしてある車の場合、洗車機は使わない方が良いでしょう。
撥水性能が落ちたり、洗車機のワックスによってコーティングが劣化したり、スクラッチ傷がついて見た目が悪くなってしまったりします。
洗車が面倒、時間がないという人は、プロに洗車依頼をするのもおすすめです。ぜひ、キレイな車で快適なカーライフを送りましょう。