ドライブレコーダーは、事故やあおり運転などの証拠として役立つアイテムです。
この記事では、現在所有している車に自分でドライブレコーダーを取り付ける方法や、自分で装着する時の注意点などを解説します。
自分でドライブレコーダーを装着しようと考えている場合は、参考にしてください。
ドライブレコーダーは自分で取り付けられるのか?
ドライブレコーダーは自分で取り付けができます。ただし、保安基準に適合する場所に取り付けなければなりません。
フロントガラスにドライブレコーダーを取り付ける場合、ガラスの上部20%以内に取り付けなければ違法改造車両という扱いになってしまいます。
リアガラスへの取り付けは、車の形状によりカメラの位置や配線の工夫をしなければなりません。
また、配線を内張りの中に通す場合、内張りの脱着をしなければならないため大掛かりな作業になります。
さらに、ドライブレコーダーの電源をヒューズから取る場合は、常時電源とアクセサリー電源の取り間違いに注意をしなければなりません。
このようにドライブレコーダーの取り付けには、さまざまなルールや工夫、専門知識が必要になることもあるため作業に自信がない場合は業者に依頼する方が良いでしょう。
フロントガラスにドライブレコーダーを取り付けるときの注意点
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示<第三節>第195条によると、フロントガラスにドライブレコーダーを取り付ける場合、フロントガラスの上部20%以内に取り付けなければならないと定められています。
これは前方視界を確保するために定められているもので、基準を守っていない場合は違法改造車両になるので注意が必要です。
フロントガラスの縦の長さの20%の目安は、バックミラーや雨滴などの感知器が取り付けられている位置です。
そのため、フロントガラス上部に装着されているミラーや感知器のすぐ横にドライブレコーダーを装着すれば、保安基準に適合しているといえるでしょう。
また、ミラーや感知器のすぐ横であれば、運転中の視界を妨げることもありません。
ドライブレコーダーを取り付ける手順
ドライブレコーダーを取り付ける手順は、ドライブレコーダーの種類によって異なります。
ここでは、比較的簡単な作業で取り付けられるシガーソケットから電源を取る方法と、作業の難易度が高い内張りの中に配線を通しヒューズから電源を取る方法の2パターンを説明します。
シガーソケットから電源を取ってドライブレコーダーを装着する方法
シガーソケットから電源を取ってドライブレコーダーを装着する方法は比較的簡単な作業であるものの、配線がむき出しになる部分があるといったデメリットがあります。
しかし、工夫すれば配線がむき出しになる部分を最小限にとどめることが可能です。
ステップ1.ドライブレコーダー取り付け位置を決める
まず、ドライブレコーダーの取り付け位置を決めましょう。フロントガラスに取り付ける場合は、前述のようにガラスの上部20%以内の位置に取り付けます。
おおよその取り付け位置が決まったら、マスキングテープなどで取り付け位置のマークをしておきましょう。
ステップ2.ドライブレコーダーの動作確認をする
ドライブレコーダーの動作確認をします。ドライブレコーダーが正常に動くかということだけでなく、日付や時刻などの設定も行なっておきましょう。
ステップ3.取り付け準備
フロントガラスに取り付ける場合、ドライブレコーダーを装着する部分をきれいに拭いておきましょう。フロントガラスの内側は、ホコリや指紋などが付着していることが多いです。
装着する部分をきれいに拭いておかなければ接着が確実にできず、ドライブレコーダーが落ちてしまうことがあります。
ステップ4.ドライブレコーダーの貼り付け
ドライブレコーダーのブラケット(壁面に取り付ける部分)を慎重に貼り付けます。ドライブレコーダーの粘着テープは非常に強力なため、位置や向きに気をつけてください。
ステップ5.配線をする
ドライブレコーダーの貼り付けが完了したらフロントガラスの縁に沿ってコードを配線します。コードは、フロントガラスと内張りの隙間に押し込んでいくと良いでしょう。
多くの場合、フロントガラスとルーフ内側の隙間にコードを挟み込むことができます。
フロントガラスにあわせてコードを押し込みながらダッシュボード付近まで配線をしたら、ダッシュボードの横とドアの間にコードを通します。
ダッシュボードに沿わせてコードを通したらフロアマットの下にコードを通し、シガーソケットまで配線して完了です。余ったコードは、針金などでまとめてフロアマットの下に隠しておきましょう。
配線の浮きが気になる場合は、配線留めを使ってコードをまとめると浮きを最低限に抑えられます。
ヒューズから電源を取って内張りの中に配線を通す方法
ヒューズから電源を取って内張りの中に配線を通す方法は、専門知識や内張りを傷つけないための技術が必要なので難易度が高いです。
ステップ1.電源を取る
運転席または助手席の足元にあるヒューズボックスから電源を取ります。また、別の方法としてカーナビやオーディオの裏から電源を取る方法もありますが、カーナビやオーディオを取り外さなければなりません。
ステップ2.ドライブレコーダーの動作確認
電源を取ったら配線をつないでドライブレコーダーの動作確認をします。ドライブレコーダーが正常に動くかどうか確かめるだけでなく、電源の取り方に間違いがないか確認します。
ステップ3.ドライブレコーダーの取り付け
ドライブレコーダー本体はフロントガラス上部20%以内の場所、バックミラーのすぐ横あたりに取り付けます。一度貼り付けてしまうとやり直しが難しいため、慎重に取り付けましょう。
また、取り付ける場所は、事前にきれいに拭き取りましょう。
ステップ4.内張りを外して配線をする
ドライブレコーダーの取り付けが終わったらコードの配線です。配線をする時は、内張りを取り外してから行います。
取り外す部分は、フロントガラス内側のAピラーやグローブボックスなどです。取り外す時は、パーツを傷つけたり、変形させたり、取り付け部分のパーツを折ったりしないよう注意が必要です。
ステップ5.動作の再確認
配線を内張りに通したら、再度ドライブレコーダーの動作確認をします。すべて元通りにしてから動作確認をして正常に動かなかった場合、また内張りを取り外さなければならないため、内張りを取り付ける前に動作確認をしておきましょう。
ステップ6.動作確認ができたら内張りを取り付ける
ドライブレコーダーの動作確認ができたら内張りを取り付けて作業が完了です。ここで説明した行程はあくまでもおおよその手順です。
ヒューズから電源を取ったり、内張りを脱着したりする作業は難しいということがわかると思います。また、専門的な知識や技術が必要であるため、業者に依頼した方が良いといえるでしょう。
ドライブレコーダーを取り付ける時の失敗例
ドライブレコーダーを自分で取り付けると失敗することもあるため注意が必要です。ここからは、自分でドライブレコーダーを取り付ける時の失敗例を解説します。
保安基準に適合していない
自分でドライブレコーダーを取り付ける場合、うっかり保安基準に適合していない箇所に取り付けてしまうかもしれません。前述のようにフロントガラスに張り付ける場合には、フロントガラスの上部20%以内に装着しなければなりません。
このルールを守らなければ違法改造車両という扱いになってしまうため注意してください。
内張りや取り付けパーツの破損
配線を内張りの中に通す方法で取り付けようとした場合、内張りや取り付けパーツを破損してしまう恐れがあります。
また、内張り剥がしを使ってもプラスチックパーツが折れてしまったり、変形してしまったりすることがあるため、パーツの脱着は慎重に行わなければなりません。
万が一、パーツのツメなどを折ってしまうとパーツを取り付けられなくなってしまうこともあります。
電源の取り方を間違える
ドライブレコーダーの電源をヒューズから取る場合、常時電源から取ってしまうとバッテリー上がりを起こしてしまうことがあります。
バッテリーが上がってしまうとエンジンがかけられなくなり、車を動かすことができなくなってしまうため電源の取り方には注意が必要です。
業者に依頼してドライブレコーダーを取り付けてもらう
ドライブレコーダーは、法律の規制や電源の取り方などに注意が必要なパーツです。
そのため、ディーラーや自動車整備工場、カー用品店などの業者に依頼してドライブレコーダーを取り付けてもらう方が良いと考えることもあるでしょう。
ただし、ドライブレコーダーを取り付けてもらう時に注意しなければならないことがあります。それは、持ち込みでの取り付けができない場合があるということです。
WEBなどで購入したドライブレコーダーを業者で取り付けてもらおうとすると、取り付けができなかったり、予想以上の取り付け工賃がかかったりすることがあります。
そのため、持ち込みでの取り付け依頼をしようと考えている場合には、持ち込みによる取り付けが可能なのか、工賃がどのくらいかかるのか事前に確認しておきましょう。
業者に依頼する場合の費用
ディーラーや自動車整備工場、カー用品店にドライブレコーダーの取り付けを依頼した場合、依頼先やカメラの数、持ち込みかどうかなどの条件によって費用が変わってきます。
ディーラーに依頼した場合の費用は、フロントカメラのみで1万円~、前後カメラで3万円~が相場です。
また、自動車整備工場やカー用品店の場合は、フロントカメラのみで5,000円~、前後カメラで1万5,000円~が相場です。
ドライブレコーダーの持ち込みや輸入車の場合には追加料金が発生することもあるため、事前に費用を確認しておくと良いでしょう。
また、依頼先によって取り付け費用が異なるため、くわしい費用については各依頼先に確認が必要です。
まとめ
ドライブレコーダーは、自分で取り付けることができます。しかし、電源の取り方や配線の方法によっては、専門知識や技術が必要です。
また、取り付け位置には厳しい基準があります。作業に自信がない場合や取り付け位置に不安がある時は、業者に依頼して取り付けてもらうと良いでしょう。
※2021年11月現在の情報をもとに掲載しています。