車検証にも種類がある?記載内容や再発行方法について

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  • 更新日:2024/10/09
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車検に通ると交付される車検証は、公道を走行する際必ず携行しなければならない書類です。車検証には、そもそもどういったことが記載されているのでしょうか。

今回は車検証の基本情報から再発行の方法など、くわしく解説していきます。

車検証とは

車検証は、正式名称を「自動車検査証」といいます。その車が道路運送車両法の定める自動車保安基準に適合していることを証明する公的な書類です。

車の購入時に受け取ることができ、その後3年または2年ごとの車検に合格すると、更新した車検証が交付されます。

各自治体の運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)から交付され、その車に関するさまざまな情報が記載されています。

車検証は、公道を走行する際に携行することが義務付けられています。車検や、警察当局と国土交通省が連携して行う街頭検査の際、車検証の記載を確認し、不正に改造されていないかなどがチェックされます。

また、車の売却時、自動車保険の加入時など、車検証の提示が必要な機会は多くあります。

車検証はいつ受け取るのか

車検証を最初にもらえるのは、車を購入した時です。車検証とはその車に関する情報が記載された、車の身分証明書のようなものです。

新車で購入した場合

新車は注文を受けてから製造するメーカーが多いため、発行までには一定以上の期間は空きますが、納車より先に車検証が発行されます

新車完成後に「完成検査修了証」が発行されれば、陸運局により車検証と車検シールが即日で交付されます。

中古車の場合

中古車を購入した場合は、車検証は販売店が保管しているので必ず受け取りましょう。購入した車に車検の有効期間が残っていれば、すぐに渡されます。

車検証は2種類ある

車検証には「Aタイプ車検証」と「Bタイプ車検証」の2種類があります。車検証が2種類あるのは、2008年11月に施行された「登録識別情報制度」が関係しています。

2008年11月以前は、車の所有者と使用者が異なる場合、所有者側に住所や氏名などの変更などがあると、使用者側には何も変更がなくても、使用者も記載変更申請の手続きをしなくてはなりませんでした。

そこで車検証の仕様を分けることで、所有者の都合による使用者側の変更手続きの手間を減らしたのです。

車検証のタイプは、左上に記載されている番号の末尾に「A」または「B」と記載があるので、そこで見分けることができます。

Aタイプ車検証とは

Aタイプ車検証は、制度施行前から交付されている車検証です。「所有者」と「使用者」の欄があり、所有者、使用者両方の情報が記載されています。

所有者と使用者が違う場合はそれぞれの欄に異なる情報が記載されますが、両者が同一の場合は使用者欄に「***」と記載されるのが特徴です。

軽自動車の場合は、すべてAタイプと同じ仕様となり、番号の末尾にアルファベットは付きません。また、使用者と所有者の記載欄が逆になっており、両者が同一の場合、所有者欄に「使用者に同じ」と記載されます。

Bタイプ車検証とは

Bタイプ車検証は制度施行後に誕生した車検証です。Bタイプ車検証はあらかじめ国土交通省に申請をしなければ交付されません。その際、所有者と使用者が同一でないことが交付の条件となっています。

Bタイプ車検証には所有者欄がなく、使用者のみの情報が載っています。所有者に関する情報は備考欄で確認できますが、最新の情報とは限りません。

備考欄の最新情報は、車検証の再交付など新たに車検証を入手するタイミングで確認できます。

車検証の記載内容

それでは車検証にはどういった項目があるのか、くわしくみていきましょう。

自動車登録番号または車両番号

ナンバープレートの情報です。中古車の場合も、購入時に新しいナンバーが割り当てられます。

登録年月日/交付年月日

車検証が発行された日付です。車検証を発行するたび、更新の日付が記載されます。

初度登録年月/初度検査年月

その車が初めて運輸支局に登録された年月で、車の年式を確認する手段の一つになります。軽自動車は登録する仕組みがないため、初年度検査の年月が記載されます。

自動車の種別

「軽自動車」「小型」「普通」「大型特殊」のうち、その車の該当する種別が記載されます。

用途

その車の使用形態の区分が記載されます。「乗用」「貨物」「乗合」「特種」の4つの区分があります。

自家用・事業用の別

その車が、「自家用」と「事業用」のどちらで登録されているのか記載されます。自家用と事業用では、税額や車検の有効期限などが異なります。

乗車定員

その車に最大何人乗車できるのか記載されます。

車両重量

その車の重さです。ここに記載される重さは、ガソリン満タンで、人や荷物が乗っていない状態のものを指します。重量税は、この車両重量によって決定します。

車両総重量

車両重量に加え、最大乗車人数と最大積載量を合わせた重さです。 一人の体重は55kgとして計算されています。

車名・車台番号・型式

車名は自動車メーカーの名前で、「トヨタ」「ホンダ」「ニッサン」などと記載されます。車台番号は、車本体に刻印してある番号です。一台一台すべて異なり、同じ番号の車はありません

型式は、自動車の車種やモデルを分類するために、アルファベットと数字の組み合わせで作られた識別記号です。

所有者・使用者

「使用者の氏名又は名称・住所」欄には使用者の情報が、「所有者の氏名又は名称・住所」欄には所有者の情報が記載されます。

車をローンで購入し返済中の場合は、所有者欄にローン会社もしくは販売店の情報が記載されます。ローン返済後は、手続きをすれば所有者欄を使用者の情報に変更できます。

有効期間の満了する日

車検の有効期限日です。また、この日付を過ぎてしまうと、公道を走ることはできませんので注意しましょう。

車検証を使って手続きを行う際の注意点

Aタイプ車検証で「所有者」と「使用者」が別の場合は、車検証を使って手続きを行う際、所有者と使用者の両方の書類が必要になることがあるため注意しましょう。

Bタイプ車検証の場合、使用者は「備考」欄に記載された所有者に確認をとってから手続きを行ってください。

手続きを行う際は「登録識別情報」という6桁の英数字のパスワードが必要になるため、所有者に確認してから手続きするようにしましょう。

また、車検証の有効期間満了日を過ぎている場合、名義変更などの手続きは受け付けてもらえません。その際は先に車検を取り直してから各手続きを行うことになります。

車検証の氏名・住所変更

車検証の各項目の内容を変更したい時の手続きはどのようにすれば良いでしょうか。何が必要か、確認していきましょう。

車検証の氏名を変更する場合

車検証の氏名を変更したい場合は、管轄の運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)に行き、変更手続きをしましょう。

氏名変更手続きは「移転登録」と呼ばれます。車の購入や売却、譲渡する際に利用することが多い手続きです。

手数料は一律350円で、以下の書類が必要です。実印は、手続きを行う新旧の所有者どちらか本人のものが必要です。

普通自動車の場合

  • 車検証
  • 変更登録申請書
  • 手数料納付書
  • 旧所有者の印鑑証明書
  • 新所有者の印鑑証明書
  • 旧所有者の実印
  • 新所有者の実印
  • 旧所有者の委任状
  • 新所有者の委任状
  • 譲渡証明書
  • 新使用者の車庫証明書
  • 自動車税(環境性能割・種別割)申告書
  • 申請書(第1号様式)

軽自動車の場合

  • 車検証
  • 自動車検査証記入申請書(軽第1号様式)
  • 軽自動車税(環境性能割・種別割)申告書
  • 新所有者の印鑑
  • 旧所有者の印鑑
  • 新使用者の住所を証する書面

車検証の住所を変更する場合

車検証の住所を変更したい場合も、管轄の運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で、変更手続きを行います。

注意したいのは、車検証の住所変更手続きは、変更から15日以内に手続きをするよう法的に定められていることです。変更せずに放置していると、最大50万円の罰金が課せられる場合があります。

そのほかにも自賠責保険が無効になったり、自動車税の滞納が発生したりといったリスクが高くなるため、できるだけ早く手続きを行いましょう。

また、旧住所と新住所で運輸支局の管轄が変わる場合、ナンバープレートの変更も必要になるケースがあるので、同時に確認すると良いでしょう。

新しくナンバープレートを発行する際は、1,500円のナンバープレート代が必要です。住所変更には350円の手数料がかかります。

必要な書類は以下の通りです。

【普通車】

・車検証
・申請書
・手数料納付書
・住民票(住所変更が確認できる書類)
・車庫証明書
・自動車税(環境性能割・種別割)申告書
・所有者および使用者の印鑑
・委任状(業者などに依頼する場合)

【軽自動車】

・車検証
・自動車検査証記入申請書
・軽自動車税(種別割)申告書
・住民票(住所変更が確認できる書類)
・所有者および使用者の印鑑

車検証の氏名・住所変更はディーラーや自動車整備工場に相談することもできます。変更手続きをディーラーや自動車整備工場に依頼する場合には、手数料が発生しますが、用意する書類は少なく、手間も省けます。

また、住所変更をする場合で、すでに15日以上経過してしまっている場合、そのまま放置せず、なるべく早めに変更手続きを行いましょう。

変更手続きをするタイミングで、車検日が迫っている場合には、車検と一緒に手続きするのがおすすめです。車検業者に車検の申込みと一緒に、変更手続きを相談しても問題ありません。

車検証の再発行

車検証は、常に車に携行することが義務付けられています。万が一紛失してしまった時や、探しても見つからないという場合はすぐに再発行手続きを行いましょう。

再発行の手続きは、管轄の運輸支局や自動車検査登録事務所(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で受け付けています。

車検証の再発行に必要な書類は以下のとおりです。

  • 再交付申請書
  • 手数料納付書(検査登録印紙)
  • 使用者の印鑑(署名でも可)
  • 理由書
  • 本人確認書類
  • 委任状(代行者が手続きする場合)

再発行には、300円がかかります。

必要書類に不備などがなければ、当日中に再交付されます。時間の目安はおおよそ30~60分です。ただし、受付は平日のみで、窓口が混雑している場合は手続きまでに時間がかかります。

まとめ

車検証は、その車の情報だけでなく、所有者や使用者の情報も記載された大事な書類です。車検の時のみならず、さまざまな場面で必要になるため、記載内容に変更がある場合は早めに手続きを行いましょう。

また、万が一紛失や破損をしてしまった場合は、速やかに再発行の手続きを行ってください。車検証は、その車が公道を走行する際には携行が義務付けられています。常に車内に置いて、大切に保管しておきましょう。

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