刻々と迫る、運転免許更新の期限。焦るあまり、何を準備したらいいのか途方に暮れる人も多いのではないでしょうか。
免許の失効という最悪の事態を避けるためには、必要な情報を素早く集め、不備のないよう準備することがポイントです。
この記事では、運転免許更新方法についてわかりやすく解説します。期限切れになった場合の対処法も紹介しますので、困った時の参考にしてください。
運転免許更新を行う場所
免許の更新を実施している主な施設には、以下の2つがあります。
- 各都道府県の免許センター
- 各都道府県の運転免許試験場
また、以下の場合は指定の警察署でも更新可能です。
- 優良運転者
- 高齢者講習を終了した70〜74歳の高齢者
- 認知機能検査および高齢者講習を終了した75歳以上の高齢者
ただし、運転免許証を紛失している場合は、警察署での更新はできません。
なお、運転免許更新の受付時間は、施設によって異なります。多くの施設では午前と午後に分けている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
警察署での受付日は平日のみです。免許センターと運転免許試験場では、日曜日でも可能な場合があります。(土曜日、祝日、休日、年末年始は休み)
講習時間
講習時間は、講習区分ごとに異なります。
講習区分 | 所要時間 |
優良運転者講習 | 30分 |
一般運転者講習 | 1時間 |
違反運転者講習 | 2時間 |
初回更新者講習 | 2時間 |
運転免許更新の流れ
運転免許更新の主な流れは、以下のとおりです。
受付
運転免許証と更新通知ハガキ(運転免許証更新連絡書)を提出し、申請書を受け取ります。
申請書の記入
申請書に必要事項を記入します。
ここでの留意点として
- 見本を参考にしながら、間違いのないように記入する
- 住所が変わった場合は、新しい住所を記入する
- 暗証番号には、誕生日など第三者に予想されやすいものを使わない
などが挙げられます。
講習区分に応じた証紙購入し、申請書に貼る
証紙販売窓口で、該当する講習区分の収入証紙を購入します。購入した収入証紙は申請書に貼る必要がありますが、係員が貼ってくれる場合は任せましょう。
自分で貼る場合は、金額の高い順から申請書の手数料欄に貼っていきます。
適性検査
視力が基準値(片目がそれぞれ0.3以上あり、両目あわせて0.7以上あることが要件)に達しているかどうかを検査します。メガネまたはコンタクトレンズを着用している場合は、検査前に係員に伝えましょう。
更新審査
更新窓口で申請書のチェックを受けます。住所変更などをあわせて行う場合は、運転免許証記載事項変更届などの必要書類も一緒に提出しましょう。審査を通過すると、係員から登録済みの申請書を渡されます。
写真撮影
運転免許証用の写真撮影は、係員が行います。
写真撮影の主な流れは
- 申請書を係員に渡す
- イスに腰掛けて写真を撮影する
です。
写真撮影の際、係員から何か指示を受けた場合は、それに従うようにしましょう。
写真は、自分で用意することも可能です。その場合、以下の基準を満たす必要があります。
- サイズは3.0cmx2.4cm(縁なし)
- 6ヶ月以内に撮影されたもの
- 上三分身(胸から上)、無背景(原色を除く)、無帽子(宗教上または医療上の理由がある場合を除く)、正面
- 背景と衣類が同化しているものは不可
- カラーコンタクトレンズなど瞳の縁を広げるものは使用不可
など。
講習の受講
該当する講習を受けます。内容は、講習区分によって異なります。
たとえば、初回更新者講習は運転歴の浅い人向けの情報(ドライバーの心構え、事故を起こした時の対処法など)や、道路交通法の変更などについての講義が中心です。
そのほかの講習は、判定期間内の交通違反の有無や程度によって内容が異なります。
免許証の交付
講習終了後、新しい運転免許証が交付されます。記載内容に間違いがないかどうか確認し、修正などがなければ更新手続きは終わりです。
運転免許更新の時に必要なもの
運転免許更新の際に必要となるのは、
- 現在の運転免許証
- 更新手数料
の2点です。
各講習区分の更新手数料(申請手数料+講習手数料)は、以下のとおりです。
講習区分 | 更新手数料 |
優良運転者講習 | 3,000円(2,500円+500円) |
一般運転者講習 | 3,300円(2,500円+800円) |
違反運転者講習 | 3,850円(2,500円+1,350円) |
初回更新者講習 | 3,850円(2,500円+1,350円) |
高齢者講習終了者等 | 2,500円(申請手数料のみ) |
運転免許更新の通知ハガキは必須ではありませんが、受付で申請書をもらう時に提出します。ハガキが手元にある場合は、更新当日忘れずに持っていくようにしましょう。
以下に該当する人は、必要なものを別途用意します。
- 眼鏡またはコンタクトレンズ、補聴器が必要な場合
- 住所や氏名変更を行う場合
- 70歳以上で高齢者講習等を終了している場合
眼鏡またはコンタクトレンズ、補聴器が必要な場合
眼鏡またはコンタクトレンズを着用したまま視力検査を行うので、運転する際に着用しているものを用意するのが無難です。また、同時に聴力検査も行うため、不安があれば持参しましょう。
住所や氏名変更が必要な人
住所を変更する場合は
- 住民票の写し
- 新住所が記載されている郵便物(公共料金の領収証など)
- 健康保険証
- 在留カード
など、新住所の確認が取れる書類いずれか1点を用意します。
また、氏名を変更する場合は
- 旧姓が記載されている公的な書類(マイナンバーカードや住民票の写しなど)
- パスポート(住民基本台帳法の適用を受けていない場合)
などのいずれか1点がが必要です。
70歳以上で高齢者講習等を終了している場合
「高齢者講習終了証明書」や「特定任意高齢者講習終了証明書」など、関連講習を受講したことを証明する書類を用意します。
運転免許更新の通知ハガキを紛失した場合
運転免許証更新の通知ハガキを紛失しても更新は可能です。ただし、ハガキがある場合よりも手続きに時間がかかります。
更新の際、受付でハガキの提示を求められたら、紛失してしまった旨を伝えましょう。
ハガキの提出を必須としている「経由更新(住所地以外の場所で運転免許証を更新すること)」を予定している場合は、更新先の変更を検討するか、更新先に相談しましょう。
運転免許更新の期間
運転免許更新の期間は、「有効期間満了直前の誕生日の前後1ヵ月(満了日が土日祝日で休みになる場合は、その翌日)」の2ヵ月間と定められています。
更新を知らせるハガキは、誕生日の35日前ごろに公安委員会から送られてきます。
ハガキには
- 更新する場所
- 更新手数料
- 更新時間
など、手続きに必要な情報が記載されていますので、届いたら確認しましょう。
70歳以上であれば「高齢者講習通知書」が先に届き(更新期間が終わる約190日前ごろ)、その後更新の通知ハガキが届きます。
運転免許の更新期間が過ぎてしまったら
更新期間が過ぎた時点で免許は失効します。しかし、必ずしも最初から運転免許を取り直さなければならないというわけではなく、更新期間を過ぎてしまった理由や経過時間によって更新方法が異なります。
更新期間を過ぎてしまったというケースは、
- やむを得ない理由で更新ができなかった場合
- うっかり更新を忘れていた場合
の2つに大別されます。
ここからは、それぞれの更新方法について解説します。
やむを得ない理由で更新ができなかった場合
ここでいう「やむを得ない理由」とは、以下に挙げるような、公安委員会が認める事情のことです。
- 海外渡航(留学や出張など)
- 入院(病気や出産など)
- 被災(地震、台風など)
- 在監(収監や勾留など)
仕事や私事は「やむを得ない理由」に含まれないので注意しましょう。
また、やむを得ない理由によって運転免許証を更新する場合は、
- パスポート
- 診断書
- 入院証明
- 在所証明
など、期限内に更新できなかった理由を証明するための書類が必要です。
なお、更新期限満了日からどの程度期間が経過したかによって更新方法が少しずつ異なり、主に以下の3つのケースに分けられます。
- 失効から6ヶ月以内の場合
- 失効から6ヶ月以上3年以内の場合
- 失効から3年以上経過した場合
それぞれくわしくみていきましょう。
失効から6ヶ月以内の場合
適性検査と講習を受けることで、免許の更新が可能です。
更新の手続きには、やむを得ない理由を証明する書類に加えて
- 有効期限が切れた免許証
- 申請用の写真
- 本籍地が記載された住民票
- 手数料(講習区分等によって異なります)
- 高齢者講習等終了証明書(満70歳以上)
などが必要です。
失効から6ヶ月以上3年以内の場合
やむを得ない理由として認められる期間が終わってから、1ヶ月以内に更新することが前提です。
この場合も「更新期限満了日から6ヶ月以内の場合」と同様、適性検査に合格して講習を受けると、新たに免許証を発行してもらえます。準備するものは、「更新期限満了日から6ヶ月以内の場合」の時と同じです。
失効から3年以上経過した場合
この場合もやむを得ない理由として認められる期間が終わってから、1ヶ月以内に更新することが前提です。
更新するには、適性検査に加えて学科試験に合格したうえで、講習を受講する必要があります。更新に必要なものは、「更新期限満了日から6ヶ月以内の場合」と同じです。
うっかり更新を忘れていた場合
「うっかりしていた」は、やむを得ない理由には入りません。しかし、この場合も失効からの経過時間によって更新が可能な場合があります。
- 失効から6ヶ月以内の場合
- 失効から6ヶ月以上1年以内の場合
- 失効から1年以上経過した場合
それぞれくわしくみていきましょう。
失効から6ヶ月以内の場合
適性検査に合格し、講習を受講することで運転免許の更新が可能です。
失効から6ヶ月以上1年以内の場合
失効から6ヶ月以上経過すると免許は完全失効となり、再び免許取得のための試験に合格しなければ免許を取得することはできません。
ただし、1年以内の場合は適性検査に合格すると仮免許証が交付され、仮免許試験の学科、技能試験が免除されます。(普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許のみ)
失効から1年以上経過した場合
免許を失効してから1年以上経過してしまうと、適性検査と講習受講のほかに学科試験、技能試験、本免許試験のすべてに合格することが要件に加わります。
まとめ
運転免許更新について、準備の仕方と有効期限が切れた場合の対処法について紹介しました。
限られた時間内でスムーズに手続きを済ませるには、運転免許更新に必要なものを事前に確認し、漏れなく揃えておくことが大切でです。
また、更新期間が過ぎてしまった場合でも適性検査を行い、講習を受講すれば簡単に行えるケースもあります。
しかし、免許が失効した時点で車を運転することができなくなりますので、期限が切れる前に更新手続きを行いましょう。
解説したポイントを参考にしながら準備を進め、無事に運転免許の更新を済ませましょう。
※2021年11月現在の情報をもとに掲載しています。