あなたにとって、車はどんな存在ですか?単なる生活必需品でしかない人もいれば、趣味の一つとして楽しんでいる人もいるでしょう。
悲しいことに、そんな大切にしている車が盗まれる事件が後を絶ちません。財布やカギなどの貴重品と違って肌身離さず持っておくということができない車。
今回は、そんな大切な車を盗難から守る手段について紹介していきます!
実際どれだけの車が盗まれているのか
まずは盗難事件の実情についてみてみましょう。警察庁が発表している「犯罪統計資料」によると、車の盗難事件件数は2020年には5,210件、2021年の上半期には2,402件発生しています。
減少傾向にあるとはいえ、まだまだ警戒が必要な件数です。
さらに上記の件数はあくまでも保険金請求のあった事例にもとづく発表なので、たとえば車両保険に入っていない場合の盗難は含まれていません。
つまり、実際にはもっと多くの盗難事件が起こっているといえるのです。
効果的な盗難対策とは
ここからは盗難対策について紹介していきます。
盗難対策の考え方
世の中には車の盗難対策グッズ、サービスはたくさんあります。基本的にはグッズで盗難を未然に防ぎ、それでも盗まれてしまった時のためにサービスに入るという考え方で良いでしょう。
もちろん、どちらか一方だけでも防犯効果はありますが、特にグッズだけだと犯人側も対策をとってくる可能性もあるので、グッズとサービスを組み合わせることがおすすめです。
次に、グッズを使用する目的を理解しましょう。
盗難対策グッズを使用する目的
グッズには大きく分けて二種類の目的を持つものがあります。
一つは、ハンドルなどの操作部分を物理的にロックして犯行を妨害するもの、そしてもう一つは警報機やライトによって犯行意欲を失わせるものです。
その観点からいえば、見るからに強固なロック装置などには両方の効果が期待できます。しかしいくら強固でも、毎回面倒な着脱が必要ならいずれ使わなくなってしまう恐れがあります。
そこで簡単に着脱できる複数のグッズと、警報機などの着脱不要なグッズやサービスを組み合わせて、二重三重の防御策を講じるのがおすすめです。
車の盗難対策グッズ・サービス7選
ここからは、車の盗難防止に役立つグッズやサービスを具体的に7つピックアップして紹介していきます。
1.スマホ連動のGPS(追跡)アプリ、サービス
個人で活用できるものとして、車にGPS 発信機を取り付けてスマートフォンのアプリで車の現在地を特定する「GPSトラッカー」と呼ばれるグッズがあります。
また同様に、盗難時に車両の位置情報を特定するサービスを提供している会社もあります。こちらは盗難にあってしまった場合に係員が急行してくれるので、より安心できます。
2.ハンドルロック
長い棒状の大型ロック装置をハンドルに取り付けることで、車の移動を妨げるグッズです。種類によっては緊急脱出ハンマーとしての機能を備えた製品などもあります。
また一目でロックされていることがわかるため、盗難の抑止効果も期待できます。
ハンドルのほかにも、ペダルやタイヤをロックするものもあります。
3.セキュリティアラーム
ガラスの破壊やこじ開けなど、車に異常があった際に作動し、不正なエンジンの始動を阻止したりアラーム音などを鳴らします。中にはヘッドランプやハザードランプを点滅させるものもあります。
標準装備されている場合もありますが、後付け品のほうが豊富な動作条件を設定することができるため、セキュリティ性能は高いといえます。
4.イモビライザー
電子暗号を使用し、車とキーのIDを照合して一致した場合にのみエンジンがかかるという装置です。
特に後付け品の場合は本体を目立たない場所に設置することで、より効果を発揮します。
5.センサーライト
人感センサー付きのライトで、動きに反応して車庫や駐車場を照らします。また、車内で光るダミーのセキュリティライトも効果的です。
6.車用カバー
特に希少な車を所有している場合は、車種を特定させないことで狙われる確率を減らすことが期待できます。またカバーを外す際に音が鳴ることによっても防犯効果が期待できます。
7.ナンバープレート盗難防止ネジ
車両の窃盗後は移動のためにナンバープレートを付け替えられてしまうことが多くあるので、固定するネジを特殊な形状のものに変えておくと盗難防止に効果を発揮します。
また、ナンバープレート自体を狙った犯行もあるので、できれば使用しておきたいところです。
狙われないために注意すること
盗難対策グッズやサービスも重要ですが、まずは狙われにくい環境を整えましょう。
駐車する場所に注意する
盗難のほとんどは人目につきにくい深夜から朝にかけて行われます。そのため、たとえ月極かどうかに関わらず、なるべく人通りが多く明るい場所にある駐車場に車を停めるようにしましょう。
カギをつけたまま車から離れない
たとえわずかな時間でも、カギをつけたまま車を離れるのはやめましょう。車を盗まれやすくなることはもちろん、カギのつけっぱなしやエンジンをかけっぱなしのままにしておくことは停止措置義務違反に該当するので、反則点1点、反則点6,000円を課せられることもあります。
また、この状態で盗難されてしまうとドライバーに過失があるとみなされ、保険金が支払われないこともあるので気をつけましょう。
カギの管理を徹底する
玄関先や事務所のキーボックスに入れたカギを利用して、車が盗まれる被害も多く発生しています。また、スマートキーシステムの電波を悪用した手口で、車のカギが開けられることもあります。
カギは、電波を減衰する効果のある専用ケースやブリキ・アルミホイルなどの容器に入れて、他人にはわかりにくい場所で保管するようにしましょう。
車のセキュリティ状態をチェック
ほとんどの車には、メーカー標準のセキュリティシステムが搭載されています。しかしそのシステムの設定がもしかしたらオフになっているかもしれません。
定期的にディーラーなどでシステムの設定や状態を確認するようにしましょう。
もしも盗難の被害にあってしまったら
それでも、運悪く盗難されてしまった場合にとるべき対処法を紹介します。
最悪のケースもしっかりと想定しておきましょう。
- 最寄りの警察署または交番に盗難届を提出
- (自動車任意保険に加入している場合)保険会社に連絡
- (駐車場を借りている場合)盗難届の受理番号で解約
- 廃車手続き
特に廃車手続きに関してですが、一時的に車の使用を停止する「一時登録抹消」というものを活用してください。
その目的にも二つあり、まずは盗難された車が使用できないようにするためで、もう一つは納税義務の停止のためです。
手元にない間の自動車税の徴収を止めることができ、さらに普通自動車の場合は自動車税の還付を受け取ることができます。
まとめ
近年車の盗難件数は減少傾向が続いていますが、油断は大敵です。盗難防止のために専用のグッズやサービスを活用して備えることももちろん大事ですが、何より大事なのは日頃の心構えです。
車を停める場所に気をつけたり、カギを丁寧に管理するなど、毎日の少しの心掛けで盗難を防ぐことができるのです。
盗難被害が減ることを祈りつつ、気をつけてカーライフを楽しんでいきましょう!