洗車で高圧洗浄機を使う際の注意点と正しい使い方について

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  • 更新日:2024/09/03
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「高圧洗浄機で洗車をしたいけど、ボディへのダメージが気になるな」
「手洗い洗車では時間がかかるから、高圧洗浄機を使いたい…」

高い水圧で水を噴射できる高圧洗浄機があれば、楽に洗車ができそうですよね。一方で、愛車にキズがついたりへこんでしまうのではないかと心配する人もいるでしょう。

そこでこの記事では、高圧洗浄機による洗車の方法と機器の選び方、そして高圧洗浄機を使うメリット・デメリットについてくわしく解説します。

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高圧洗浄機は洗車に使えるのか

高い圧力の水を噴射して洗浄する「高圧洗浄機」は、洗車にも活用できます。ボディにノズルを近づけ過ぎたり樹脂やプラスチック部分に集中的に噴射したりせず、正しい使い方をすれば高圧洗浄機が車にダメージを与えることはありません。

高圧洗浄機は手で触るとケガをするほどの圧力でノズルから水を噴射するので、コンクリートの床や壁を洗浄する際にはとても役に立ちます。

そんな高圧洗浄機で車を洗うと、ボディに悪影響が出るのではと心配される方もいるでしょう。しかし、高圧洗浄機を使った正しい洗車方法を知っておけば、車を破損させる恐れはありません。

それどころか、高圧洗浄機での洗車は、ホースを使った一般的な洗車よりも多くのメリットがあるのです。

洗車で高圧洗浄機を使う時の注意点

高圧洗浄機のデメリットを解説してきましたが、正しい使い方をすれば問題なく洗車することが可能です。ここからは、洗車に高圧洗浄機を使う際に注意すべき点について、解説していきます。

ボディに近づけすぎない

1つ目の注意点は、高圧洗浄機のノズルをボディに近づけすぎないことです。家庭用の高圧洗浄機にボディをへこませるほどのパワーはないものの、それでもノズルを近づけすぎた場合にはボディにかかる負荷が高くなってしまいます。

ボディに無用なダメージを蓄積させないためにも、適度な距離を保つことを常に意識しましょう。

頑固な汚れを落とす際にはどうしてもノズルを近づけて長く噴射しがちですが、表面のコーティングや塗装がはがれてしまうリスクが高まります。

ボディの同じ部分に長く噴射しないという点にも、注意が必要です。

ブレーキやライト、樹脂部分に向けて噴射しない

2つ目の注意点は、ブレーキやライト、そして樹脂パーツに向けて噴射しないことです。車にはバンパーやドアミラーをはじめ、数多くの樹脂パーツが使われています。

樹脂パーツは、日光にさらされて徐々に劣化しているので、高圧の水をかけるとひびが入ったり破損したりしてしまうことがあるのです。

前後のライトもプラスチック製であることが多く、割れる危険があります。また、ホイールの隙間から見えるブレーキのパーツも、高圧洗浄をしてはいけません。

ブレーキにはグリスで潤滑させているパーツが多くありますが、高圧洗浄機で洗ってしまうとグリスが飛んでしまう恐れがあるのです。

ブレーキの洗浄を避けるとともに、洗ってしまった場合はグリスアップを依頼しましょう。

地面の砂の巻き上げに注意

高圧洗浄機での洗車は、水圧によって地面の砂を巻き上げることがあるので注意が必要です。巻き上げた砂ぼこりがボディに付着したままクロスなどで拭き上げると、表面にキズがついてしまう恐れがあります。

そのため、高圧洗浄機で下回りなどを洗う際は、あらかじめ地面を濡らしておきましょう。そうすることで、水圧で砂ぼこりを巻き上げる可能性は低くなります。

また、足回りにも砂やホコリが付着しているので、地面を濡らすことと足回りの洗浄をセットで行なっておくと効率的に作業が進みます。

高圧洗浄機での洗車時には事前に対策を施して、地面からの砂の巻き上げを防ぎましょう。

洗車に使える高圧洗浄機の確認ポイント

次に、洗車に使用する高圧洗浄機について、確認すべきポイントを解説します。製品選びでは、アタッチメントの有無や給水方式のほか、静音性や洗剤対応といった点を重視します。

水圧、アタッチメント

洗車に使う高圧洗浄機を選ぶ時は、まず水圧をチェックしましょう。なぜなら、水圧が低い製品だとボディの汚れが十分に落ちないからです。

ホームセンターなどで売っている高圧洗浄機の水圧は6〜12Mpa(メガパスカル)程度ですが、洗浄力を考慮すると平均的な水圧を表す「常用吐出圧力」が10Mpa前後の製品を選ぶと良いでしょう。また、アタッチメントの有無もチェックが必要です。

さらに、ミニバンなどの大きな車を洗う時に役立つ「延長ホース」や、一定の速度で回転して軽い力で汚れを落とす「回転ブラシ」がセットされている製品であれば、後から買い足さなくても済みます。

給水方法

高圧洗浄機への給水方法には、以下の3種類があります。

・水道接続式
・タンク式
・自吸式

水道接続式は、水道の蛇口につないで直接給水するタイプです。給水の手間が省けますが、水道の位置によっては延長ホースなどを別途用意する必要があります。

一方、高圧洗浄機に直接タンクが搭載されるのがタンク式です。使用中には定期的な給水が必要となりますが、水道の位置を気にすることなく洗浄できます。

また自吸式は、バケツなどの別の容器に溜められた水を吸い込むタイプの洗浄機です。

こちらも貯水する容器の大きさによっては頻繁に給水することが必要ですが、お風呂の残り水を有効活用できるなどのメリットがあります。

使用する環境にあわせて、給水タイプを選択すると良いでしょう。 

静音性

住宅街や集合住宅に住んでいる場合は、製品の静音性も確認しましょう。隣人が発する音を気にする人もおり、苦情が寄せられて結局使う機会がなくなってしまう、ということにもなりかねません。

高圧洗浄機には、静音性を謳ったモデルも数多くあります。

騒音はデシベル(db)で表され、隣近所に迷惑がかかる基準は70db以上とされています。静音モデルでは、水を噴射させるモーターに業務用のものが採用されていたり、モーターの冷却に水冷式が採用されていたりなど、騒音が発生しないように工夫されています。

住宅密集地でも隣近所に気兼ねなく使える、静音性の高いモデルを選ぶと良いでしょう。

洗剤対応

ノズルから洗剤を噴射できる「洗剤対応モデル」かどうかも、高圧洗浄機を選ぶ時のポイントです。高圧の水は通常のホースよりも汚れを洗い流せますが、油汚れまでは落とせません。

高圧洗浄機には、本体に洗剤タンクが付いているものや、専用のホースによって洗剤をボトルから直接引き込むタイプがあります。

これらを選択すると高圧で洗剤入りの水を噴射できるため、車のボディやホイールに付着した油汚れもきれいに洗い流すことができるのです。

洗剤タンクや洗剤を引き込む専用ホースがない機種でも、「フォームノズル」と呼ばれる洗剤タンク付きのノズルに替えればボディに高圧で洗剤を吹き付けられます。

高圧洗浄機のメリット

ここからは、高圧洗浄機で洗車するメリットについてみていきましょう。高圧洗浄機を使うとボディをこすらずスピーディに洗車できるうえに、水を節約できるというメリットがあります。

こすらずに洗車できる

高圧洗浄機は水圧によって汚れを落とすため、基本的にボディをこする必要がありません。これによって、洗車傷の心配がなくなります。

通常の洗車では、ホースで流れなかった頑固な汚れはスポンジでこすって落とします。シャンプーを使えば泡がクッションとなるためボディとの摩擦は低減できますが、完全に洗車傷を防ぐことはできません。

一方、高圧洗浄機を使えばゴシゴシとボディをこすらなくても汚れが落ちるので、ボディにキズがつく心配をすることなく、楽に洗車をすることが可能です。

手早く洗車できて節水にもなる

高圧洗浄機を使った洗車は、手早く行えるうえに節水になる点もメリットです。高圧洗浄機はホースよりも一気に水を吹き付けられるため、必要以上に動き回る必要がありません。

また、手洗い洗車ではスポンジやブラシで汚れを落としますが、高圧洗浄機は洗浄力が高いためそれらの道具は不要となり、準備や片付けなどの手間がかかりません。

さらに、高圧洗浄機は手元で水の噴射を止めたり圧力を調整したりすることで必要最小限の量の水のみを噴射できるので、水道代の節約にもつながります。

高圧洗浄機のデメリット

一方で、高圧洗浄機を使った洗車にはいくつかのデメリットも存在します。高い水圧で洗浄するため、やり方を間違えるとボディのへこみやキズ、そして塗装やコーティングがはがれてしまうというリスクがあるのです。

水圧によりへこんだり、破損する場合がある

1つ目のデメリットは、高圧洗浄機の水圧によって車を破損させてしまう可能性があることです。

高圧洗浄機という名前のとおり噴射される水の圧力がとても高いため、近距離から噴射したり同じところに集中して水圧をかけると、ボディがへこんでしまうことがあります。

窓ガラスや樹脂部分については特に注意が必要です。家庭用の高圧洗浄機ではガラスが割れる心配はほぼありませんが、飛び石でついたキズをリペアしているフロントガラスは、ひびが拡大してガラスが割れてしまう危険があります。

さらに、フロントグリルや窓の枠などの樹脂パーツに高圧の水をかけると、表面がはがれたり破損したりするので、高圧洗浄機での洗浄は避けたほうが良いでしょう。

高圧洗浄機での洗車は、このような点に注意しながら行いましょう。

塗装やコーティングがはがれる場合がある

高圧洗浄機で古い車やコーティングが弱っている車を洗車すると、コーティングや塗装がはがれてしまう可能性があります。通常の使い方であれば、高圧洗浄機による洗車で塗料がはがれることはまずありません。

しかし古い車は長年、日光や風雨にさらされて塗装が劣化しているため、はがれやすくなっています。そこに高圧の水をかけると、塗料が飛んで金属面が露出してしまうのです。

コーティング車についても同様で、高圧洗浄機のノズルを近づけて集中的に洗うと施工したコーティングがはがれてしまうリスクがあります。

したがって、古い車やボディが傷んでいる車を高圧洗浄機で洗車する場合は、特に注意が必要です。

▼関連記事
cars LIFEでは下記記事でもコーティングに関する内容を紹介しています。
コーティングした車でも洗車が必要な理由と洗車時の注意点
車のコーティング基礎知識!施工すべき理由・選び方・種類・費用

高圧洗浄機を使った洗車の手順

では実際に、高圧洗浄機を使った洗車の手順を解説していきましょう。最初に足回りを洗浄した後、天井から順に上から下に向かって汚れを洗い流します。

その後カーシャンプーで全体を洗ってすすぎ、拭き上げるという工程です。

足回りを先に洗う

高圧洗浄機による洗車の場合も、通常の洗車と同じようにまず足回りから洗いましょう。

足回りには砂ぼこりをはじめ、ブレーキダストや油汚れなどの頑固な汚れが付着しているので、後に回すと汚れがボディに飛び散ってしまうことがあります。

足回りを流し終えてから、ボディに付いた砂やホコリを高圧洗浄機で洗い落としていきましょう。

天井から順に上から下へ洗っていく

次に、車全体の汚れを天井から順に上から下へと洗っていきましょう。水は重力に従って上から下へと流れていくので、下から洗ってしまうと先に洗浄した部分に汚れた水が再び流れてしまいます。

そのままスポンジでこすると、洗車傷がついてしまうかもしれません。洗車を効率的に進めるためにも、天井から下側へ向かって洗浄しましょう。

カーシャンプーで全体を洗う

高圧洗浄機での洗浄が終わったら、カーシャンプーでボディ全体を洗っていきましょう。

この工程は通常の手洗い洗車と同様に、まずバケツの中でシャンプーを泡立ててからスポンジにその泡を取り、ボディの上を滑らせるように動かします。

高圧洗浄機には、カーシャンプーをボディに吹き付けることができるタイプもあります。

このようなタイプを使用する場合は、ボディの下から上に向かって洗剤を吹き付け、汚れが浮くまで1〜2分ほど待ちましょう。

泡を洗い流す

シャンプーで洗い終わったら、乾く前に高圧洗浄機で手早く洗い流しましょう。上から下へとまんべんなく水ですすぎ、シャンプーの泡を落としていきます。

すすぎ残しがあるとシャンプーの成分が乾いて、ボディにシミをつくってしまいます。泡残りは汚れと一緒に固着してしまうので、丁寧に洗い流していきましょう。

拭き上げる

最後に、すすぎ洗いでボディに残った水分をクロスで丁寧に拭き取ります。この場合も、水分が乾くとウォータースポットになってしまうので、素早く拭き上げていきましょう。

水の流れに沿ってクロスをボディの上から下へ一方方向に滑らせると、効率的に拭き取れます。なお、クロスの種類はやわらかく吸水性の高い、マイクロファイバークロスがおすすめです。

まとめ

今回は、高圧洗浄機による洗車の方法と機器の選び方、そしてメリット・デメリットについて解説しました。

高圧洗浄機は、正しい使い方をすれば車を傷つけることなく洗車ができます。製品を選ぶ際は、アタッチメントの有無や給水方式のほか、静音性や洗剤対応も確認しましょう。

高圧洗浄機での洗車は、こすらずスピーディに洗車ができるうえに節水効果もありますが、水圧によるボディの破損には十分な注意が必要です。

この記事を参考に、高圧洗浄機を使った「おうち洗車」にチャレンジしてみませんか。

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