「車のローンって、どうやって計算するの?」
「利息を含めたトータルの返済額を計算したい!」
そんな疑問をお持ちではありませんか。
確かに、ローンの計算は金利が絡んで複雑な上に、元金均等返済や元利均等返済、固定金利や変動金利など、専門用語が多く戸惑ってしまいますよね。
一方で、ローンを組むにはこれらの特徴を踏まえつつ返済プランを立てなければなりません。
そこでこの記事では、車のローン返済額の計算方法をはじめ、利息の決まり方や関連用語について、詳しく解説します。
車のローン返済額の計算方法
自動車ローンの返済額は、借入金額、金利、返済期間の3要素から計算されます。
具体的には、次の計算式でざっくりと計算が可能です。
1.利息総額=借入金額×金利(%)×返済年数÷12
2.支払総額=借入金額+利息総額
3.月々の返済額=(借入額+利息総額)÷支払い回数
借入金額(自動車の価格)、金利(実質年率)、返済期間(ローン契約の期間)の3つが明確であれば、これらの計算式を用いることで返済額が予測できます。
ただし、他の費用や手数料が別途あれば実際の返済額はこれより多くなりますし、金融機関によっては異なる返済プランを提供している場合もあります。
利息額の決まり方
次に、利息額の決まり方について解説しましょう。自動車ローンを利用する際にかかる利息額は、借入金額や返済回数、金利が高いほど増えていきます。
さらに、2種類ある返済方式のどちらを選ぶかによっても変動します。
利息とは?
利息とは、お金を借りた時に、対価として相手に支払う手数料です。お金を借りた後、借り手が貸し手へ返済していく際には利息の支払いが発生します。
「利子」とも呼ばれますが、法律によって使い分けされており、利息制限法等では「利息」が使われ、所得税法では「利子」が用いられます。
また、一般的な銀行では「利息」と呼び、ゆうちょ銀行などでは「利子」が使われます。
金利とは?
金利とは、お金を借りた時に、借り手が貸し手に上乗せして支払う手数料を算出する値です。
借入金額に対する利息がどれくらいの割合で発生するのかを、金利を使って計算します。
多くの場合、1年間の利息の割合を表しており「金利年〇%」と表記されるのが一般的で、借りている期間が長ければ長いほど、金利も高くなります。
借入金額によって利息は増える
同じ金利であれば、借りる金額が多いほど利息は増えていきます。基本的に利息は、借入金額に金利の利率を乗じて計算されるからです。
具体的には「元金×利率×借入期間」という計算式によって、利息額が算出されます。
例えば、金利が5%の時に100万円を借りた際の利息は5万円ですが、200万円を借りた場合は10万円に増えます。
また、大きな金額を貸すほどリスクも高くなるため、貸し手は金利を上げてそれを補償します。
返済回数によって利息は増える
利息は、返済回数が増えれば増えるほど高くなっていきます。
ローンの返済は基本的に月々で支払っていくため、返済回数の増大は返済期間が長くなることを意味します。
返済期間が長引くと借り手の返済不能に陥るリスクが増すため、高い利息が求められるのです。
例えば100万円を借りて金利が5%の場合、2年間で返済すると利息は約7.5万円ですが、5年間では元金とは別に約15万円を支払わなくてはなりません。
このように、返済回数によって利息は増減します。
金利の高さによっても利息は増える
利息は、金利が高いほど増えていきます。これは、金利が借入金額に対する利息の割合を示しているからです。
例えば、100万円を3%の金利で借りた時の利息は3万円になりますが、金利が5%に上がると、同じ100万円の元本に対して1年間の利息は5万円と高くなります。
金利は、借り手にとっては低ければ低いほど総支払額が減るため有利ですが、貸し手からすれば貸し倒れリスクが補償できません。
そのため、返済能力が低いと判断された場合は、金利が高く設定されます。
「元金均等返済」か「元利均等返済」
利息は、返済方式によっても変わります。
返済方式には「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類あり、元金の返済を優先するのか、それとも月々の返済額を安定させるのかといった違いがあります。
このどちらを選択するのかによっても、月々の返済額や総利息額に差が生じるのです。
次の章では「元金均等返済」と「元利均等返済」の詳細について解説します。
「元金均等返済」と「元利均等返済」
「元金均等返済」は、月々の返済額に占める元金の額が一定となる返済方法です。もう一方の「元利均等返済」は、毎月の返済額自体が一定となるよう調整されます。
それぞれについて、計算式も含め詳しく見ていきましょう。
元金均等返済とは
元金均等返済とは、毎月の支払い額のうち元金のみを一定にして返済する方法です。
この返済方法はローン残高が早く減っていくため、利息も減って毎月の支払額が徐々に減少し、利息を含めた総支払額は少なくて済みます。
一方で、ローン開始後しばらくは返済額が大きくなることから審査が厳しく、融資限度額も低くなってしまうという点がデメリットです。
元金均等返済の場合の計算式
元金均等返済における利息総額と月の返済額は、以下の式で求められます。
元利均等返済とは
もう1つの元利均等返済とは、毎月の返済額を元本と利息を等分にする返済方式です。
この返済方法は、毎月の返済額が一定になるという特徴があるため、返済計画を立てやすいというメリットがあります。
デメリットとしては、元金の減り方が遅くなることで、同じ借入期間である場合は元金均等返済よりも総返済額が高くなる点です。
元利均等返済の場合の計算式
元利均等返済における利息総額と月の返済額は、以下の式で求められます。
利息額の目安
ここからは、実際の利息額の目安について見ていきましょう。
以下の表は、元金が150万円、250万円、350万円において、元金均等返済と元利均等返済、それぞれの場合で「利息総額」と「月の返済額」を一覧でまとめたものです。
150万円の場合
▽元金均等返済の場合
▽元利均等返済の場合
250万円の場合
▽元金均等返済の場合
▽元利均等返済の場合
350万円の場合
▽元金均等返済の場合
▽元利均等返済の場合
※注意:上記表の返済額および利息総額は簡易的に計算されたものです。変動金利の場合や、各金融機関の詳細な計算方法などにより、実際の金額とは異なる可能性があります。
「固定金利」と「変動金利」
金利には「固定金利」と「変動金利」があります。ここからはそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
固定金利とは
固定金利は、ローン契約時に設定された利率が返済期間中に変動しない金利です。
固定金利を選択すれば、市場金利が上昇した場合でも金利は変わりません。ローン契約時点での返済額がそのまま続くため、毎月返済する金額の予測が容易になります。
しかし、市場金利が下落した場合には恩恵を受けられないという点がデメリットです。
変動金利とは
変動金利とは、市場金利の動向に応じてローンの利率が上下する金利です。
変動金利を選択すると、市場金利が下落した場合にはローンの金利も連動して下がるため、返済額が減る可能性があります。
一方で、市場金利が上昇するとローンの金利もそれに合わせて高くなり、返済額が増えてしまいます。
変動金利は、市場金利を見極められる人に適した金利といえるでしょう。
まとめ
今回は、車のローン返済額の計算方法をはじめ、利息の決まり方や関連用語について解説しました。
自動車ローンの返済額は、借入金額、金利、返済期間を用いて算出しますので、ローンにかかる利息は、借入金額や返済回数、金利が高いほど増えていきます。
また、元金均等返済・元利均等返済という返済方式や、固定金利・変動金利といった金利の違いによっても総返済額は変化する仕組みです。
車のローンを検討する際は、この記事を参考にシミュレーションしてみてくださいね。