「マイカーローンを組みたいけど、金利って高いのかな……」
「金融機関とディーラーの自動車ローンは、それぞれ何が違うんだろう?」
できるだけお得なプランを選んでローンを組むためには、月々の支払いに影響を及ぼす“金利”のタイプについて正しく理解した上で、複数のマイカーローンを比較検討することが大切です。
この記事では、マイカーローンの金利について、相場観やお得なローンを見極めるポイントに触れつつ解説します。
マイカーローンの金利は2種類ある
マイカーローンの金利は、大きく分けて「固定金利」と「変動金利」の2種類です。以下、それぞれの金利について解説します。
固定金利とは
固定金利とは、ローン返済が終わるまでの金利が一定であることをいいます。
景気が変動すると、それにともない金利も変動するのが一般的ですが、固定金利ローンを組んだ場合は返済額の上昇・低下がありません。
ローンの返済額も月々一定額になるため、毎月の支払計画を立てやすいのがメリットです。
その一方で、固定金利のプランは変動金利よりも利率が高くなる傾向にあり、最終的な支払額が変動金利のプランに比べて高くなるリスクがあります。
変動金利とは
変動金利とは、ローン返済が終わるまでの金利が変動することをいいます。
金利見直しの時期は「半年ごと」のプランが一般的で、低金利の時期は固定金利より利率が低くなり、毎月の支払額が固定金利よりも安くなるメリットがあります。
ただし、市場金利(金融機関等で適用される金利)が上昇すると、それにともない利率も高くなるため、タイミングによっては固定金利よりも利率が高くなるおそれがあります。
マイカーローンの種類
マイカーローンの種類は、大きく以下の3つに分かれます。
●銀行系
●カーディーラー系
●自社ローン
以下、それぞれの概要やメリット・デメリットについて解説します。
銀行系
銀行系ローンとは、銀行・信用金庫などの金融機関が提供するマイカーローンを指します。
ローンの特徴としては、金利が比較的低めに設定されていることがあげられます。
また、銀行系ローンを利用すると自動車の名義が「購入者」になるため、ローンを組んだとしても愛車の所有権を得ることができます。
ただし、銀行系ローンは審査が厳しい傾向にあり、収入の安定性や信用情報・借入状況などの判断がシビアであることから、誰でも銀行系ローンを利用できるわけではない点に注意が必要です。
カーディーラー系
カーディーラー系ローンとは、カーディーラー提携の信販会社が提供するマイカーローンを指します。
マイカーローンの中では比較的審査に通りやすいとされ、極端な場合「購入を決断した日」に審査通過が実現することもあります。
他のメリットとしては、特定の車種に限定して金利を低く設定することができたり、ディーラーが発行するクレジットカードの申込みによって金利が安くなったりするケースがあげられます。
しかし、一般的には金利が高めに設定されており、購入した自動車の所有者名義がディーラーになってしまうなどのデメリットもあるため、まずは金融機関の審査を受けてから検討してもよいでしょう。
自社ローン
自社ローンとは、販売店側で車の購入資金を立て替える、いわゆる「分割払い」の一種です。
中古車販売店で利用されることが多く、審査も販売店側の裁量に任されるため、銀行系・カーディーラー系のローンよりも審査に通りやすいメリットがあります。
ただし、支払期間は2~3年、あるいはそれよりも短くなる場合があるため、総じて月々の支払額は高くなる点に注意しましょう。
実際に契約した人からは、最初は安いと思っていたのに「思っていた以上に高くついてしまった」という意見もよく聞かれます。
マイカーローンの金利相場
マイカーローンの金利は、契約するプランによって異なりますが、大まかな相場は存在します。
以下、銀行系・ディーラー系それぞれのマイカーローンにおける、金利の大まかな相場について解説します。
銀行系マイカーローンの金利相場
銀行系マイカーローンの相場は、概ね年2~4%程度とされます。
低金利の時期は、変動金利の方が固定金利よりも金利が安くなるため、返済期間が比較的短い場合は変動金利も検討するとよいでしょう。
ディーラー系マイカーローンの金利相場
ディーラー系マイカーローンの金利相場は、概ね年5~10%程度とされます。
銀行系マイカーローンに比べて金利が倍以上になる可能性もあるため、ローンを組む際は少しでも有利な内容になるようプランを見極めることが大切です。
お得なマイカーローンを見極めるポイント
金利を安く抑えたい場合など、できるだけお得なマイカーローンを見極めたいなら、次のポイントを押さえておきましょう。
多くの見積もりを取る
マイカーローンを契約する際は、銀行系・カーディーラー系にかかわらず、事前に多くの見積もりを取っておくことが大切です。
全国各地の金融機関・店舗では、それぞれ異なるプランを取り扱っているため、見積書を比較検討することで有利な条件を洗い出すことができます。
選んだ申込方法によって金利が下がることもありますから、マイカーローンを組む際は、どうすれば少しでも有利に契約できるのか、見積もりを見比べながら納得いくまで考えることが大切です。
金利の上限を見る
多くの方は、金利をチェックする際に「最低金利」に注目しがちです。
しかし、マイカーローンの金利には幅があり、契約者が取引状況等の要件を満たしていない場合は、最低金利の恩恵を受けられない可能性があります。
マイカーローンを組んだことのある人の間では「金利が低そうだと思って申し込んだのに、実際には想定していた以上に金利が高かった」という話もよく聞かれます。
マイカーローンの契約時は、金利がどのように決定するのか具体的な条件等を確認しつつ、最大金利についても把握しておきましょう。
借入上限額の確認
金融機関等では、マイカーローンを組む人の返済能力を考慮して「借入上限額」を設定しています。
銀行系マイカーローンを例にとると、一般的には1,000万円が一つの上限になりますが、中には500万円、300万円を借入上限額にしているところもあります。
購入を検討している車によっては、低金利のマイカーローンを見つけても契約できない場合があるため、見積もりをもらう際は借入上限額も同時に確認することが大切です。
別途保証料、手数料を確認する
主に自社ローンを契約する際の注意点になりますが、自社ローンは金利がかからない代わりに、分割払い手数料・保証料といった名目でコストが発生する場合があります。
手数料が購入額の10~20%ほどになるケースもあるため、契約時は別途保証料や手数料についても確認しましょう。
返済方式の確認
マイカーローンの返済方式には、次の2種類が存在します。
●元利均等返済
●元金均等返済
元利均等返済とは、月々の返済額が一定となる返済方式です。
毎月の返済計画を立てやすい反面、元金部分の減り方が遅くなる(返済金額が多くなる)デメリットがあります。
これに対して元金均等返済とは、毎月の返済額における元金(借入金)の額が一定となる返済方式のことをいいます。
返済総額そのものは、元利均等返済に比べて少なくなりますが、ローンを利用し始めてからの返済額は大きくなってしまいます。
マイカーローンのプランを検討する際は、上記2点の返済方式の違いについてもチェックしましょう。
返済期間
マイカーローンの返済期間を決める場合、原則として一度返済期間を決めてしまうと変更できないため、新しい車にいつまで乗り続けるのか検討した上で返済期間を決める必要があります。
また、月々の返済が長期にわたることに不安を感じている場合は、頭金を準備したり繰り上げ返済を検討したりして、返済期間を短くできるよう配慮することも大切です。
まとめ
マイカーローンの金利は、大きく固定金利・変動金利の2種類が存在しており、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
加えて、金融機関でローンを組むのか、あるいはカーディーラーでローンを組むのかによっても金利が変わってきます。
安い金利を追求するなら銀行系マイカーローンを選ぶべきですが、その分審査の難易度も高くなることが予想されます。金利の上限や借入上限額なども考慮しつつ、カーディーラー・中古車販売店など様々な店舗から複数の見積もりを集め、少しでも自分に有利なプランを選ぶことが大切です。