車を購入しようとした時、少しでも安く買いたいと考える人も多いのではないでしょうか。一方で、価格だけに注目して車を選んでしまうと、購入した後に後悔してしまうこともあります。
そこで今回は、車を安く買うポイントはもちろん、車を安く買う時の注意点も解説します。車を購入する時の参考にしてみてください。
車を安く買うポイント
車を安く買うポイントには、決算期やモデルチェンジのタイミングを見定めること、諸経費を節約すること、人気のカラーを避けることなど、主に8つの項目があります。
ここでは、車を安く買うためにできることや検討しなければならないことをくわしく解説していきます。少しでも車をお得に買うために実践してみてください。
販売店の決算月やボーナス月を狙う
車を安く買うためには、決算月やボーナス月を狙うと良いでしょう。一般的に期末決算の3月や中間決算の9月、ボーナス時期である6~7月は、車をお得に購入できる時期です。
特に、決算期は売上目標台数の締め切り月であるため、販売店は1台でも多く販売しようとします。そのため、ある程度の値引きが期待できるでしょう。
ただし、注意しなければならないことがあり、販売店の多くは「登録」を基準に売上台数のカウントをしています。つまり、決算月の末日までにナンバーの交付を受けなければ、売上台数にカウントされないのです。
そのため、決算期を狙って車を購入しようとする時は、決算月の1ヶ月ほど前から車種の絞り込みや商談を進めることがポイントです。
新古車や試乗車を購入する
販売店によっては、新古車や試乗車を売りに出すことがあります。
新古車とは中古車の種類の一つで、「登録済み未使用車」といわれることもあります。登録済み未使用車は、一度登録をした(ナンバーの交付を受けた)ものの、公道の走行や過酷な使い方をされることなく中古車として販売される車です。
つまり新古車は、ほぼ新車であるにも関わらず、新車よりも安く買うことができるのです。
また、販売店は試乗車を一般ユーザー向けに販売することがあります。試乗車は、一般公道の走行や高速道路の走行などをしている場合もありますが、適切な整備がされているものがほとんどです。
そのため、最適なメンテナンスがされた車を安く買うことができるのです。
モデルチェンジが行われるタイミングを狙う
モデルチェンジのタイミングも、車が安くなる時期の一つです。
一般的にモデルチェンジがされると旧型となるため価格が下がります。すると販売店は、旧型を在庫として抱えたくないため、モデルチェンジのタイミングが近づくと在庫をなるべく減らそうとします。そのため、値引きがされやすくなるのです。
また、車両本体の値引きができなくても、オプションや代行手数料をサービスしてくれたり、販売店ならではの特典を付けてくれたりすることもあります。
本来、有償であるオプションをサービスしてくれるのは実質的な値引きであるため、車を安く買うことと同義といえるでしょう。
複数社の見積もりをとる
複数社から見積もりをとって競合させれば値引き交渉がしやすくなるため、車を安く買える可能性があります。同じメーカー・同じ車種・同じ装備内容であっても、販売店が異なれば値引き額やサービスが変わることがあります。
複数の販売店から見積もりをとって競合させると値引き交渉がしやすくなるため、車を購入する時は複数の販売店から見積もりをとりましょう。
ただし、値引き交渉ばかり続けると商談そのものがなくなってしまうこともあるため、値引きのしすぎには注意してください。複数社から見積もりをとるだけでなく、最終的に購入を決断する金額を決めておくと、より値引き交渉がしやすくなります。
諸経費を節約する
車の購入には、多くの諸経費がかかります。たとえば、車を買う時にかかる諸経費には次のものが挙げられます。
- 消費税
- 環境性能割
- 自動車税(種別割)または軽自動車税(種別割)
- 自動車重量税
- リサイクル料金
- 自賠責保険料
- 登録代行費用
- 車庫証明代行手数料
- 預かり法定費用
- 納車費用
- 希望ナンバープレート取得費用
これらの諸経費を節約することで、実質的に車を安く買うことができます。ただし、税金関係の諸経費は値引きや節約ができません。
節約できる諸経費には、「車庫証明代行手数料」「納車費用」「希望ナンバープレート取得費用」などがあります。それぞれの諸経費の意味や節約方法は次のとおりです。
・車庫証明代行手数料
警察署で手続きする車庫証明の取得を代行する手数料です。管轄の警察署にて、自分で手続きを行うことで代行費用を削減できます。
・納車費用
納車費用は、自宅や職場など希望する場所に車を納車する場合にかかる費用です。新しい車を自分で販売店に取りに行けば、納車費用を節約できます。
・希望ナンバープレート取得費用
希望ナンバーの取得を代行する手数料です。希望ナンバーにしない場合は費用を削減できます。また、納車後にナンバーを変更することもできるため、購入時には希望ナンバーを取得せず、どうしても希望ナンバーが良い場合には納車後に自分で手続きするという方法もあります。
金利の安いローンを選ぶ
車をローンで購入する場合は、金利が安いローンを選びましょう。車は数百万円という大きな買い物です。わずか数%の金利の差であっても、利息が数十万円異なることがあります。そのため、なるべく金利が低いローンを選びましょう。
たとえば300万円の車を、頭金なし、5年間のフルローンで購入した場合、金利を含む支払い合計額にどのくらいの差が発生するのか試算すると以下のようになります。
なお、利息の計算式は「借入金額×金利×返済年数÷2」で算出しました。
【年金利5%の場合】
・元金:300万円
・利息:37万5,000円(300万円×5.0%×5年÷2)
・支払い合計金額:337万5,000円
【年金利3%の場合】
・元金:300万円
・利息:22万5,000円(300万円×3.0%×5年÷2)
・支払い合計金額:322万5,000円
金利が2%異なるだけでも、支払い合計金額に15万円の差が発生することがわかります。車をローンで購入する時は、わずか1%や0.1%の金利差でも支払い合計金額に大きな違いが発生するのです。
人気のカラーを避ける
人気のあるボディカラーの車を避ければ、安く買うことができる場合があります。新車の場合は大きな価格差は発生しませんが、中古車の場合は数十万円以上の差が発生するかもしれません。
一般的に、ブラック、ホワイト、シルバーは人気が高いとされる一方で、ブルー、レッド、イエロー、グリーンなどは人気が低いといわれています。
では、実際に販売されている中古車の販売価格を比較してみましょう。
【トヨタ アクア】
・グレード:1.5G
・走行距離:30,000km程度
■ボディカラー
・ホワイト:156万円
・ブルー:133万円
価格差:23万円
※2021年12月時点
同じ車種・同じグレード・同じ年式・ほぼ同等の走行距離の車であっても、ボディカラーが異なるだけで20万円以上の差額が発生していることがわかります。
このことからも、中古車を選ぶ時は人気が高いボディカラーを避けると、状態の良い車を安く購入できるといえるでしょう。
今乗っている車を売る
今乗っている車を売却して次の車の購入資金に充てると、新しい車を実質安く購入できるといえます。新しい車をより安く買うためには、今乗っている車をより高く売ることがポイントです。
車の売り方には、今の車の売却額を次の車の購入資金に充てる「下取り」と買取業者に車を売却する「買い取り」があります。
下取りは車の売却と購入を同一店舗で完結できるため、手続きが楽です。しかし、人気装備やオプションなどのプラス評価がされにくいため、買取店に比べると下取り額が安くなってしまうことがあります。
買い取りは、人気装備やオプション、アフターパーツなどをプラス評価してくれるケースが多いため、下取りと比べると高値で売却できるケースが多いです。
しかし、車の売却と購入が別の店舗になるため、手続きのために店舗を行き来しなければなりません。
今乗っている車を少しでも高く売却したいのであれば、値引きの一部になる下取りよりも、車そのものの評価をしてくれる買い取りの方が良いでしょう。
車を安く買う時の注意点
車は安ければ安いほど良いというわけではありません。安すぎる車は、修復歴や不具合があったり、アフターサポートがなかったりするケースがあります。
特に、修復歴がある車は、走行性能に影響する可能性が高く、事故を起こしたときの安全性が下がっていることもあるため注意が必要です。ここからは、車を安く買う時の注意点を解説します。
修復歴をチェックする
修復歴のチェックは欠かさずに行いましょう。乗員を守る車体のフレームを修復していた場合、衝突安全性が低下している可能性が高いです。
また、修復歴がある車は、通勤や買い物などの低速・短距離走行が多い日常の運転で支障がなくても、高速・長距離走行をすると、まっすぐ走らない場合があります。
さらに、修復が必要なほどの衝撃が加わった車は、ほかの部位にも衝撃が伝わっていることが多く、歪みや不具合が発生している可能性が高いです。
そのため、購入後に車両のトラブルが発生し、追加の修理が必要になる場合があります。車を買う時は見た目だけでなく、フレームの修理やほかのパーツへの影響・不具合がないかを確認することが大切です。
アフターサポートの有無に注目する
車を買う時は、アフターサポートが充実している販売店で購入しましょう。車は使う頻度が多く、所有期間が長くなればなるほどトラブルや不具合が発生しやすくなります。そのため、アフターサポートを付けられる販売店で購入しておくと万一のときに安心です。
アフターサポートの範囲や内容は販売店やプランによって異なるため、手厚い保証やサポートを受けられる店舗・プランを選ぶと良いでしょう。
サポートが充実していれば、エンジンの故障やトランスミッションの不具合など、大きなトラブルが発生した時に出費を抑えることができます。
アフターサポートを契約する時は特に、エンジン・トランスミッション・サスペンションなど、走行に関わる補償が含まれているかを確認しましょう。
新車登録から13年を超えていないか確認する
自動車を維持する中で支払わなければならない自動車税や車両重量税は、初年度登録年から一定期間が経過すると重課(増税)されます。
自動車税は、ガソリン車(ハイブリッド車を除く)・LPG車は初年度登録年から13年が経過すると約15%重課され、ディーゼル車は初年度登録年から11年が経過すると約15%の重課されます。軽自動車税は、初年度登録年から13年が経過すると約20%の重課です。
自動車重量税については、初年度登録年から13年経過した時点と18年経過した時点の2段階で重課されます。
たとえば、排気量1.5L・車両重量1.5tのガソリンエンジン車を所有して13年が経過すると自動車税・自動車重量税が次のように重課されます。
- 重課後の自動車税:39,600円(重課前34,500円)
- 重課後の自動車重量税:34,200円(重課前24,600円)
さらに、初年度登録年から18年が経過すると自動車重量税がさらに重課され、37,800円になります。
まとめ
車を安く買うためには、新車・中古車問わず決算期やボーナス月を狙うこと、モデルチェンジのタイミングを見極めることが大切です。
また、購入する時は諸経費の節約ができるか、アフターサポートがあるかということも確認しておきましょう。
中古車を購入する時は、修復歴の有無、自動車税・自動車重量税の重課時期のチェックも忘れずに行うようにしてください。この記事で解説したポイントや注意点を参考に、車をお得に購入しましょう。