オイル交換の時「フィルターも交換しませんか?」と聞かれる人も多いのではないでしょうか。オイルフィルターを交換しないと、エンジントラブルが起きる可能性が高くなります。
しかし、車のオイル交換をする度にオイルフィルターの交換もすべきなのかどうか、疑問に感じますよね。
そこで本記事では、オイルフィルターを交換しないとどうなるかについて説明するとともに、適切な交換時期についてご紹介します。
オイルフィルターを交換しないとどうなる?
オイルフィルターは、エンジンパーツの一つです。適切な交換を怠っていると以下のようなことが起こりやすくなります。
・エンジンオイルのろ過が正常に行われなくなる
・バイパス機能が作動し、油圧警告灯が点灯する
それぞれくわしくみていきましょう。
エンジンオイルのろ過が正常に行われなくなる
汚れを回収するオイルフィルターのろ過材は使用していくうちに汚れ、目詰まりを起こすと機能が低下していきます。この時作動するのが、バイパス機能です。
オイルフィルター内にはオイルバルブと呼ばれる弁があるのですが、普段は閉じています。
そのため、通常時にはオイルはフィルターのある方向に流れていきますが、フィルターが詰まってオイルが流れなくなるとオイルバルブが開き、オイルを通過させます。
オイルがフィルターを通らないということは、汚れたオイルが循環し、エンジンが故障する可能性が高まることを意味します。バイパス機能が作動したら、早期にオイルフィルターを交換する必要があります。
バイパス機能が作動し、油圧警告灯が点灯する
通常、油圧警告灯(オイルランプ)が点灯するのは、オイルが減ったりオイルポンプが故障したりした時です。しかし、それらに問題がないのに点灯した場合はバイパス機能の不具合を疑いましょう。
先程説明したとおり、バイパス機能はろ過機能が低下しエンジンオイルの汚れを十分に取り除けなくなった時に作動します。
その際オイルを循環させるためにリリーフバルブが開きますが、これを受けて油圧警告灯が点灯することがあるのです。
バイパス機能が作動したことによって油圧警告灯が点灯した場合は、できるだけ早めに専門家からオイルフィルターの状態をチェックしてもらいましょう。
▼関連記事 オイルフィルターについては下記記事でも紹介しています。 「オイルフィルターとは?交換する頻度や必要性、交換方法を解説」 |
オイルフィルターを交換するタイミングの目安
オイルフィルターの交換は、「2回目のオイル交換後」というのが目安のタイミングです。オイルフィルターを交換するタイミングについて
・普通車
・ターボ車
・ディーゼル車
の3つをそれぞれご紹介します。
普通車の場合
普通車(ガソリン車)のオイル交換のタイミングは、「走行距離」または「時間単位」のどちらかで把握します。
オイルとオイルフィルターの交換目安は、以下のとおりです。
走行距離で交換 | 時間単位で交換 | |
オイル交換の目安 | 15,000kmにつき1回 | 12ヶ月に1回 |
オイルフィルター交換の目安 | 30,000kmにつき1回 | 24ヶ月に1回 |
オイル交換の目安(シビアコンディション) | 7,500kmにつき1回 | 6ヶ月に1回 |
オイルフィルター交換の目安(シビアコンディション) | 15,000kmにつき1回 | 12ヶ月に1回 |
ターボ車の場合
ターボ(過給機)を搭載している車は、一般に「ターボ車」と呼ばれています。ターボ車はガソリン車よりも発熱量が増えるためオイルフィルターが汚れやすく、交換のペースが早くなります。
走行距離で交換 | 時間単位で交換 | |
オイル交換の目安 | 5,000kmにつき1回 | 6ヶ月に1回 |
オイルフィルター交換の目安 | 10,000kmにつき1回 | 12ヶ月に1回 |
オイル交換の目安(シビアコンディション) | 2,500kmにつき1回 | 3ヶ月に1回 |
オイルフィルター交換の目安(シビアコンディション) | 5,000kmにつき1回 | 6ヶ月に1回 |
ディーゼル車の場合
ディーゼル車が燃料としている軽油には硫黄分が含まれているため、燃焼時にススが出ます。そのためガソリン車よりもエンジンオイルが汚れやすく、より早いサイクルでオイル交換をするのが無難です。
走行距離で交換 | 時間単位で交換 | |
オイル交換の目安 | 10,000kmにつき1回 | 12ヶ月に1回 |
オイルフィルター交換の目安 | 20,000kmにつき1回 | 24ヶ月に1回 |
オイル交換の目安(シビアコンディション) | 6,000kmにつき1回 | 6ヶ月に1回 |
オイルフィルター交換の目安(シビアコンディション) | 12,000kmにつき1回 | 12ヶ月に1回 |
オイルフィルターの交換費用はどれぐらい?
オイルフィルターの交換は、通常オイル交換と同時に行われます。そのため、費用はセットで考えた方が良いでしょう。
ここでは、セットで実施する場合の費用相場について解説します。
オイル交換とセットの場合
オイル交換の時に、オイルフィルターの交換も提案されることには理由があります。それは、同時に交換した方がオイルの劣化を防げるからです。
フィルター内にはろ過前のオイルが残っているため、オイルフィルターだけを交換すると、汚れたオイルが混ざってしまいオイルが劣化しやすくなるのです。
オイル交換+オイルフィルター交換をセットで行う場合の費用内訳は下記の様になっています。
・エンジンオイルの交換工賃
・エンジンオイルの代金
・オイルフィルターの交換工賃
・オイルフィルターの代金
交換費用の相場は、約1,000~10,000円とばらつきがあります。
これは、依頼先が設定している料金基準や使用するオイルの種類の違いなどが理由です。依頼する前におおよその費用を確認することをおすすめします。
節約のために自分で交換しようとする人もいますが、不備があると故障などの原因になるので慎重に検討しましょう。
▼関連記事 オイルフィルターの交換費用は下記記事でくわしく紹介しています。 「オイルフィルターの交換費用と適合サイズの確認方法を解説」 |
まとめ
オイルフィルターを交換するタイミングなどについてご紹介しました。オイルフィルターを交換しないと
・エンジンオイルのろ過が正常に行われなくなる
・バイパス機能が作動し、油圧警告灯が点灯する
などのトラブルが生じる可能性が高まります。
オイルフィルターの交換目安は「オイル交換を2回したら1回」と意識することをおすすめします。その際、オイル交換と同時にするのが理想です。
オイルフィルターをベストなタイミングで交換して、快適なカーライフを楽しみましょう。