マーケティング

【連載8】「中古車の個人間流通モデル」における「販売成約」と「ネクストカー販売」

投稿日:2021/12/20更新日:2023/04/04

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『車検を増やすことが自動車整備工場経営の第一歩』から始まったこの連載。

初回の記事では、自動車整備工場にとっては鈑金塗装や車検が「すべての入口」であり「最大の強み」であることを紹介しました。そしてその強みを活かして「車販」で売り上げを伸ばしていくことが必要であること、また「中古車の買い取りと販売」を中心とした車販体制の構築がおすすめであることも解説しました。

さらに、そのための車販体制として「個人間流通モデル」を紹介してきました。

ここで、中古車の「個人間流通モデル」のプロセスを振り返ってみましょう。

  1. 情報収集
  2. 情報管理
  3. 提案活動
  4. 査定商談
  5. 委託成約
  6. 販売成約(買い取り成約)
  7. ネクストカー販売

これらの詳細などについて説明した、これまでの記事も下記にまとめました。

【連載1】車検を増やすことが自動車整備工場経営の第一歩
【連載2】「中古車の買い取りと販売」のメリットと課題!新しい中古車販売とは?
【連載3】「中古車の個人間流通モデル」7つの販売プロセス
【連載4】「中古車の個人間流通モデル」における「情報収集」とは
【連載5】「中古車の個人間流通モデル」における「情報管理」と「提案活動」
【連載6】「中古車の個人間流通モデル」における「提案活動」の具体例
【連載7】「中古車の個人間流通モデル」における「査定商談」と「委託成約」

これまで「情報収集」「情報管理」「提案活動」「査定商談」「委託成約」を解説してきました。今回は「販売成約」と「ネクストカー販売」について解説します。

顧客から預かった車はWEBで販売

顧客から預かった車をどう売れば良いのでしょうか? インターネットが普及した現代では、在庫車両を店頭に並べるだけでは売れることはありません。

在庫の認知を広げる第一歩は、WEBの活用です。

WEBでの販売方法

  • 専門媒体(グーネット、カーセンサーなど)
  • インターネットオークション(ヤフオクなど)
  • インターネット商店(ヤフーショッピング、楽天など)
  • 個人間売買サイト
  • 業販サイト
  • SNS(Facebook、Instagramなど)
  • ブログ、メルマガ、掲示板
  • 自社メディア(自社WEBサイト)
  • その他インターネット媒体

WEBで車を販売する際の王道は専門媒体を利用することです。今のところ「グーネット」「カーセンサー」の二強ですが、グーネットは国産車に強く掲載条件も良い傾向にあります。

一方、カーセンサーは輸入車に強い傾向があります。そのため、国産車をメインで取り扱っている場合はグーネットから掲載してみるのが良いでしょう。最小台数の契約であれば、負担も少なくてすみます。

WEBでの車販は写真が命

WEB上で車を販売するためには、プライシングの次に写真が重要になります。

被写体(車)の配置、撮る角度、枚数など写真を見る人がどういう目的で見るかを考えて撮影する必要があります。無駄に多くの写真を掲載しても意味がありません。

必要充分な枚数をあるルールに則って掲載することが大切です。

撮影の流れ

  • 前方斜め(左右)
  • 正面
  • 後方斜め(左右)
  • エンジンルーム
  • 室内(複数枚)
  • 装備品、電装系
  • 足回り
  • 各部アップ(外装)
  • 各部アップ(内装)
  • 保証書、説明書、キー

大体1台につき60〜70枚程度が目安です。少なすぎても同じような写真の羅列になってしまいます。さらに、理想の環境を構築するためには「撮影ブース」を設置することをおすすめします。

しかし、壁・天井・床・証明などを工事する必要があるので、設置には概ね数百万円ほどかかることもあります。読者の中で日曜大工に自信のある方なら、自作すれば100万円もかからずにブースを設置することができるでしょう。

この写真の品質がアクセス数に大きな影響を与え、その先の問い合わせにつながることになります。ブースを設置する前と設置した後では、アクセス数が桁違いに増えることもあるのです。

WEB掲載中にすべきこと

WEB掲載中には下記のようなことも行う必要があります。

  • 問い合わせへの対応
  • 所有者へのアクセス数や問い合わせ発生状況などの報告
  • ネクストカーの探索

WEBに掲載している間、何もせずに放置したままというのが一番問題です。所有者は自分の車への世間の反応を知りたいはず。反応が良ければ売れる期待を持つことができ、一方で、反応が悪ければ売却希望額などの条件を変更する必要性を自覚することができます。

そのため、週に一度くらいのペースで車の所有者に連絡をし、現状のアクセス数や問い合わせ状況について報告し、今後の方針を話し合うのが良いでしょう。

ネクストカーの販売

ネクストカーの要望は車をお預かりする「査定商談」の段階で、しっかり聞いておかなければなりません。そして、その後に探索します。

新車の場合であれば条件をとことん交渉する。中古車の場合であれば、オートオークションもしくは業販で良い車を確保できるよう動きます。

適切にWEB販売ができれば、ネクストカーを準備する前に委託車両が販売でき、その売買代金をネクストカーの頭金にしていただけます。

しかし、場合によってはお預かりしている現行の車が委託で売れる前に、ネクストカーが必要になる時があります。その時には顧客の金策のことも配慮し、オークション売却することを前提として買い取ってしまうことも必要になります。

自動車整備業者にとって一番大切なこと

複数回にわたり、自動車整備業者の強みを活かした車の売り方・買い方についてお伝えしてきました。

一番大事なことは、自動車整備業者は「顧客」を持っているということです。顧客こそが最大の資産であり、いかに顧客を活かして自社の利益を最大化するかを考えて行動していかなくてはなりません。

中古車個人間流通モデルが、皆様の社業に少しでもお役に立てれば幸いです。

自動車整備工場のマーケティング活動をサポートする「cars MANAGER」

「中古車の個人間流通モデル」では、顧客の「情報収集」と「情報管理」がカギになります。

顧客の欲しい車=仕入れるべき車が自社に入庫しているかどうかを確認するには、日ごろからの情報収集と情報管理が欠かせません。

自動車整備工場のマーケティング活動をサポートする「cars MANAGER」では、顧客一人ひとりの情報を管理することが可能です。

たとえば、顧客情報と車両情報を紐づけて管理することで、どの顧客が現在どのような状態の車に乗っているかが瞬時にわかります。

また、18ヶ月以内に取引のあったアクティブなお客様を簡単に把握でき、さらに「6ヶ月以内」「6ヶ月以降18ヶ月以内」「18ヶ月を超えて接点がない」など、接点状況をセグメントに分けることもできます。

車検対象者や点検対象者のリストを瞬時に抽出できることに加えて、オイル、タイヤ、バッテリーなど、交換が必要な部品ごとにリストを作成することも可能です。

そして、リストの対象者に対してシステム上からSMSやメール、LINEを配信する機能もあり、中小企業にとって難しい広告宣伝もサポートしています。

さらに、「cars MANAGER」に登録されている52万台以上の車の相場価格を確認することや交渉して仕入れることも可能です。

くわしくは下記のバナーから公式サイトでご確認ください。

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