「車を売りたいけど、何から手をつけたらいいの?」
「知識はあまりないけど、できれば高く車を売りたい!」
確かに、車の売却には価格の相場やそろえるべき書類、そして売り先となる業者の決定など、さまざまな知識が必要です。一方で、損をすることなくできるだけ高値で売りたいという気持ちもありますよね。
そこでこの記事では、車を売りたいと思った時に確認することについて、売却の流れと合わせて詳しく解説します。
目次
車を売りたいと思った時に確認すること
車を売りたいと思った時、何から手をつければいいのでしょうか。ここではそれぞれ詳しくみていきましょう。
車の相場を確認
車を売りたいと思ったら、最初に車の現在の相場を確認するのがおすすめです。買い取り価格の相場を知っておけば、査定額の交渉を有利に進められるからです。
調べる手段としては、インターネットの中古車買取相場サイトやメーカーの下取りシミュレーション、比較まとめサイトなどがあります。
また、日本自動車査定協会が発行する「シルバーブック」には中古車の小売価格が掲載されていますので、そこから2〜3割引けばおおよその買取価格を計算できます。
買取業者に査定を依頼する前には、これらの方法で価格の相場を調べておきましょう。
必要書類の準備
車の売却を検討している時にもう1つやっておきたいことが、必要書類の準備です。売却の手続きでは、以下の書類が必要となります。
・車検証
・自賠責保険証明書
・自動車リサイクル券
・自動車納税証明書
・実印、印鑑登録証明書
・委任状、譲渡証明書
事前に準備していない場合は手続きがスムーズに進まない上に、手間も増えてしまいます。
また、紛失している場合は再発行に数日かかりますので、車を売りたいと思ったらこれらの書類をあらかじめ用意しておきましょう。
車を売りたい時に考える売り先
次に、車を売却する業者を決めましょう。売却先としては、中古車買取店やディーラー、そして個人売買があります。買取価格を重視するなら中古車買取店、手続きを一箇所で済ませたいのならディーラー、納得のいく価格で売りたいのなら個人売買がおすすめです。
中古車買取店
1つ目の候補が、中古車買取店です。中古車買取店は買い取り業務を専門的に取り扱っているため、ディーラーの下取りよりも高く売却できる可能性があります。
また、出張査定に対応している業者が多く、手続きも全て業者に任せられるなど、買い取りに関するサービスが充実しています。
一方で、乗り換える新車と古い車の手続きをディーラーと買取店それぞれで行うことになるため、少々手間がかかるのが難点です。
買い取り価格を重視している人は、中古車買取店での売却を検討しましょう。
ディーラー
2つ目に考えられるのが、新車ディーラーです。ディーラーで新車と乗り換える場合、古い車は買取ではなく下取りとして引き取られ、それぞれの車の手続きを一度に済ませられます。
また、古い車の引取日は納車に合わせてくれるため、車が無い空白期間もゼロです。
ただし、下取りでは中古車買取店の買取より高額になることは少ない上に、古い車の代金は新しい車の費用に充当されるため、手元に現金が残りません。
古い車の処理に手間をかけたくない人は、ディーラーの下取りを利用しましょう。
個人売買
車は、個人間で売買することも可能です。個人売買は友人や知人に売るケースのほか、ネットオークションサイトやフリマサイトを利用する方法があります。
業者を通さないため手数料や中間マージンなどが発生せず、納得のいく価格で売却できるという点が最大のメリットでしょう。
ただし、個人売買では出品時の手続きや落札時の配送などを、全て自分で手配しなければなりません。
また、取引相手が名義変更しないまま車を使用して、事故や自動車税の未払いなどのトラブルに巻き込まれるリスクもあります。
車を売る時の流れ
さらに、実際に車を売る時の流れについて詳しく見ていきましょう。
査定の依頼
車を売ると決めたら、まず業者に査定を依頼しましょう。査定の前には、前述した中古車買取店やディーラーなど、どこに依頼するのかを決めておく必要があります。
依頼の際はお店に車を持ち込むほか、買取店であれば自宅まで出張してもらえますので、事前に連絡を取って日時や場所を調整しましょう。
査定には説明や手続きなどを含め、約1時間ほどかかります。
手続き
業者による査定の後、提示された金額に納得できる場合は、契約の手続きを進めましょう。当日そのまま車を引き取ってもらうことも可能ですので、その日に手放したい場合は事前に必要書類をそろえておくとスムーズです。
契約した後で気が変わり、キャンセルする場合は費用がかかるケースもありますので、契約内容はしっかりと確認しておきましょう。
車両の引き渡し
売却契約の手続きが終わったら、業者に車を引き渡しましょう。車と書類を業者に引き渡せば、車の売却は完了です。車を引き渡す際は、ETCカードやサングラスなどを置き忘れに注意しましょう。
また、売却する車でお店に向かう場合は、レンタカーなどで帰りの足を確保します。なお、引き渡しが後日になる場合は、業者との日程調整が必要です。
入金確認
車を引き渡した後は、業者から買取代金が入金されるのを確認しましょう。車の売買は大きな金額となりますので、支払いは基本的に銀行口座への振り込みです。
支払いまでにかかる日数は買取業者によって差がありますが、手続きの完了後、車を引き渡してから1週間前後が目安です。
不安な場合はあらかじめ、入金の予定日を確認しておきましょう。
車の査定額はどうやって決まる?
では、車の査定額はどのようにして決まるのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。
車の査定方式
車の査定は、モデルごとの基準額をベースに加減点式で決められます。これは、査定士が車の外装や内装などを目視でチェックし、状態の良し悪しに応じて細分化された項目ごとに点数を加算・減算していく方式です。
例えば、ドアに1cm以上のキズがあれば減点、タイヤの溝が5mm以上残っていれば加点するなど、点数には一定の基準があります。
主な査定項目
次に、主な査定項目と、チェックされるポイントについて解説しましょう。
まず、車の「車種」と「年式」です。車種は人気があるものほど、年式は新しいものほど、それぞれ査定が高くなります。車種は車格に応じてクラスに分けられ、最終的にはクラス係数を乗じて査定額が算出されます。
また「走行距離」もチェックされます。査定では経過月数に応じて標準走行距離が設定されており、それよりも少なければ加点を、過走行であれば減点を、それぞれ実施します。
合わせて「外装」や「内装」の状態も、目視で確認します。外装では1cm以上のキズや凹み、そして修復歴などが大きさに応じて減点される一方で、特別カラーや人気カラーであれば加点されることも。
内装では、シートのへたりや汚れ、内張りの破損やタバコのヤニ、ペットなどの臭いが残っていれば減点の対象となります。
「エンジン」や「変速機」の状態は、機関良好が基本です。こちらも不調や異音、オイル漏れなどが見られる場合は減点されます。
さらに「付属品」があるかどうかも問われます。取扱説明書・保証書・整備手帳の3点セットがそろっていれば加点され、どれかが欠けていれば減点となります。
車を高く売りたい場合
ここからは、車を高く売るコツについて見ていきましょう。車は「一括査定が高く売れる」と言われていますが、高く売れる時期を逃さないことも大切です。
また、査定の前には洗車や清掃、消臭を行った上で、純正品や付属品をそろえておきましょう。
「一括査定が高く売れる」と言われる理由
車は「一括査定」を利用すれば、高く売れると言われています。一括査定では複数の買取業者にまとめて査定を依頼できるため、競争の原理が働くからです。
一括査定に参加している買取業者は、自社の他にも複数の競争相手がいることを知っていますので、他社に負けないよう精一杯の金額を提示するでしょう。
すると、複数の見積りが手に入りますので、それぞれの金額や条件をしっかりと吟味して、納得のいく金額を提示した業者を選択できます。
また、一括査定はネットで簡単に申し込み可能で、時間をかけて複数の業者を回る必要もありません。
相場の変動を確認し、高く売れる時期を逃さない
車の買取相場を随時チェックして価格が上がっているタイミングを逃さないことも、少しでも高く売るポイントです。
車の相場は、さまざまな要因によって日々変動しています。特に1〜3月は、就職や転勤などで新しく車を購入したり買い替えたりする人が増えるため、需要が増えて全体的に相場は高くなる傾向です。
また、雪が多い北日本では秋口に4WDの価格が上がるなど、同じ車種でも時期や地域によって高値で売るチャンスがあります。
洗車、清掃、消臭を行う
査定前の洗車やワックスがけ、そして室内の清掃や消臭作業なども効果が期待できます。洗車の有無が査定額に影響するわけではありませんが、査定士も人間ですので、車をきれいに見せることで第一印象がよくなり、良い査定につながる可能性は否定できません。
また、外装以上にきれいにしておきたいのが内装で、タバコのヤニ汚れが目立つ車や、ペットの臭いが強く残っている車は、大幅に減点されてしまいます。
査定前には、車全体をきれいにしておきましょう。
純正品や付属品を揃える
査定前には、車の付属品やカスタム時に取り外した純正品なども探しておきましょう。付属品としては取扱説明書や整備手帳、スペアキーなどがあり、全てあれば査定にプラスとなります。
また、どの業者で査定を依頼しても、純正オプションは査定に有利です。カーナビやアルミホイールなどを社外品でカスタムしている場合は、取り外した純正品を用意するか元に戻しておくと加点が期待できます。
査定前には、純正品や付属品が一式そろっているか、確認しましょう。
車の相場が変動する要素
車の相場は、さまざまな要素によって変動します。市場の流通台数をはじめ、モデルチェンジの時期、メーカーサポートの終了、モデル自体の人気度、そして地域性による需要の違いです。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
市場の流通台数
車の相場は、市場に流通する台数の変動に左右されます。この価格変動は、消費者の需要と市場の供給バランスから生じるものです。
流通する中古車の台数が少なければ供給不足となって買取相場は上昇しますが、一方で市場に十分な台数あり供給過多となっている場合、相場は自然と下落します。
これは車に限らず、全ての商品やサービスにおいても同様に見受けられる現象です。日頃からネットでこまめに検索し、売却する車種の市場動向をチェックしておきましょう。
モデルチェンジ
車は、モデルチェンジによっても価格に変動が生じます。売却する車種がモデルチェンジを迎えると、新しいモデルへの買い替えによって古いモデルが大量に下取りされるため、中古車市場での流通量が増えて価格が下落するのです。
また、モデルチェンジによってこれまでのモデルが旧型車になると、現行型に乗ろうと考えている人の需要が無くなるため、やはり価格は下がります。
このように、新しいモデルの発表や販売開始は、中古車市場に大きな影響を及ぼします。
メーカーのサポート
メーカーサポートの終了によっても、車の価格は変動します。サポート期間が残っていれば、メーカーによって補修部品の供給が続けられるため、ユーザーは買った後も安心して車に乗り続けることができます。
ところが、メーカーのサポートが終了してしまうと、故障しても部品が手に入らず直せないというケースが出てくるため、買いたい人が減って買取相場も下落するのです。
サポートの終了時期は、その車の生産が終了してから10年後が目安となります。車は、サポート期間が残っている状態で売却しましょう。
人気
売却するモデルの人気度によっても、中古車価格は変動します。知名度の高い車や、車が好きなユーザーからの支持が集まっている車などは、仕入れたら必ず売れるため多くの業者が欲しがり、市場の需要が高まって買取相場も上がります。
また、納期に1年以上かかる車や、新車が手に入らず希少価値が高い車も、モデルによっては新車時以上の値段がつくことがあります。
人気車を所有している場合は、買取相場が高いうちに売却するのも1つの手です。
地域
中古車の相場は、地域によっても影響を受けます。車のニーズは地域の経済や天候などによって異なり、中古車の価格も変動するからです。
例えば、高級車に乗りたい人は地方よりも大都市圏の方が多く、相場も比例して高くなる傾向があります。また、雪道で安全に走行できる4WD車は北日本で重宝されますので、相対的に中古車の価格も上がるのです。
さらに、オープンカーは気候が比較的温暖な九州や沖縄で人気が高いなど、車の相場は地域差があります。
車を売りたい時の注意点
最後に、車を売りたいに注意すべき点について、紹介しましょう。査定前には車の修理は行わず、マイナス査定を受けそうなポイントも隠してはいけません。
また、査定額に自動車税の還付金が含まれているかを確認するとともに、瑕疵担保責任についても知っておきましょう。下記でそれぞれ詳しく解説します。
査定前に車の修理は行わない
1つ目の注意点は、査定前に車の修理は行わないということです。事前に車を直しておけば評価が上がると思いがちですが、修理には費用がかかります。そして、修理費用を取り戻すほど査定の評価は上がることは、めったにありません。
また、修理費用を抑えようと自分で直した場合、ケースによっては直す前以上のマイナス評価を受けてしまいますので、そのままにしておきましょう。
隠そうとしない
2つ目の注意点は、マイナス評価になりそうなポイントがあったとしても、隠そうとしないことです。相手は何百台もの車を査定してきたプロですから、見た目を誤魔化しても見抜かれます。
また、査定の後でキズや修復歴、エンジンやミッションの不具合などが発覚した場合は、減額の対象となってトラブルにつながります。そのため、不具合があったとしても隠さず、むしろ正直に伝えましょう。
自動車税の還付金を含んだ査定額か確認
注意点の3つ目は、自動車税の還付金を含めて査定額が提示されているか、確認することです。
普通自動車の場合、車を手放すと支払いすぎた自動車税を還付してもらえます。具体的な還付額は「車を売却した翌月から3月までの月割分」ですが、これを査定額に含むかどうかは明確に決まっていません。
買取業者によっては査定価格に含めたり含めなかったりと対応が分かれますので、複数の業者で査定価格を比較する場合は、査定額に還付金が加算されているのかを確認しましょう。
瑕疵担保責任について知っておく
最後の注意点は、事前に「瑕疵担保責任」について知っておくことです。
瑕疵(かし)とは車の欠陥を指す言葉で、売買契約が成立した後に一般の人では見つけにくい欠陥が発覚した場合、売り手が買い手に対して損害金を払うという担保責任を指します。この瑕疵担保責任には、負うべきケースと負わなくても済むケースがあるのです。
例えば、買取後に修復歴が見つかった場合、業者から瑕疵担保責任に基づき損害金を請求されることがあります。しかし、その欠陥がプロの査定士でも見抜けないようなものである場合は、買い取った業者側に過失があると判断されるため、売り手側は瑕疵担保責任を負う必要がありません。
瑕疵担保責任に基づき請求された場合は、自動車公正取引委員会の相談窓口を利用するなど、落ち着いて対処しましょう。
まとめ
今回は、車を売りたいと思った時に確認することについて、売却の流れと合わせて解説しました。車の売却を検討する時は、まず買取相場を確認し、必要書類も準備しましょう。
売却先としては中古車買取店やディーラー、個人売買があります。実際の売却は、査定を依頼して契約の手続きを済ませ、車両を引き渡すという流れです。
車を高く売りたい場合は、事前に車全体をきれいにして、高く売れる時期を逃さないようにしましょう。
この記事を参考に、より高値での売却を目指してくださいね。